1970年代おすすめ映画ランキング(50作品)
1.パピヨン
胸に蝶の刺青をしていることで「パピヨン(フランス語で蝶)」と呼ばれたアンリ・シャリエールという男が、1931年に無実を叫びながら終身刑となる。
フランス語というくらいだからフランス人なのだが、この映画はスティーブマックイーンとダスティンホフマンが演じる英語映画である。この時代、終身刑を課せられた者は祖国フランスを追放される上に南米ギアナのギアナ流刑地、そして1852年の設置以来収容された囚人はたった数十人というデビルズ島で過酷な強制労働が科せられた。
このデビルズ島、日本名は悪魔島(あくまとう)または鬼ヶ島というのだからすごい。これは今まで生きてきて得た知識で話す大体の話だが、かつて『島流し』という刑があり、現在はその言葉は死語に近いものになっていることを考えても、
『島に閉じ込めればそこが刑務所だろ』
という発想があったのだろう。例えば今から3000年後の未来には、もしかしたらバンドエイドサイズの折り畳みボートなどが、『ドラゴンボール』のホイポイカプセルのイメージで発明されていて、もちろんそれだけじゃなくそれくらいの技術があるくらいだからそれと並行してあらゆる技術の進化で、島に流されても脱走は容易である、という時代なら、こういう発想にはならなかった。
また、刑務所施設の技術発展も関係しているだろう。本島に刑務所を作った方がむしろ管理・監視が容易であるというくらい技術が発展した場合、わざわざ島には流さない。
もちろんそれ以外にもいくつもの要素があるだろう。昔、日本では『仇討ち』は法律で認められていた。『敵討ちでないなら殺人とみなす』とされていたくらいだ。
wikipediaにはこうある。
通常の仇討ちが元禄年間(1688 – 1703年)を過ぎると減少するのに対して、女敵討は宝永年間(1704 – 1710年)以降に増加している。とくに、享保年間(1716 – 1735年)では届け出のあった仇討ちの半数は女仇討である。なお、庶民の場合でも、このようなケースでは殺人罪にはならない。
だが今ではどんな殺人でも許されない。よほど情状酌量の余地がある場合のみ特例があるくらいで、暴力に関する考え方も変わった。少し暴力的な発言をしたくらいでも、『時代錯誤』と叩く人間がいるくらいだ。色々な事情が加わり、時代が変化して、1953年にはこの流刑地は完全に閉鎖された。1852年から数えて約100年の間存在していた、ある種『幻の地獄』と言える場所だろう。
- マラリア
- ワニ
- 熱帯雨林
- それらに付随する危険な昆虫の数々
- 足枷
- 水死体
- ギロチン
これらのキーワードを聞いただけでそこにあるのが地獄に近い場所だということは想像にたやすい。事実このギアナ流刑地はフランス史上最も悪名高い流刑地であり、8万人以上の政治犯や重罪人がこの地に送られたが多くは疫病の蔓延する環境に耐えられず死んでいった。
私はこの映画を観るまで『孤高編』の映画ジャンル別ランキングにおける1位に『ダークナイト』を該当させていたが、この映画を観たら1位を交代せざるを得ないと悟った。私の中でダークナイトはかなりクールで格好いい映画で、ポスターを部屋に貼っても構わないと考えるくらいなのだ。その私から、ダークナイトを1位の座から引きずり落とす、それだけの爆発的な実力を持つ、それがこの『パピヨン』という実話映画である。
私はいつも、壮絶なシーンが描かれる時(自分なら耐えられるか、どう対処するか、すぐに動けるか)などと自問するのだが、今回ばかりは心で即答できなかった。それだけ劣悪な環境を強いられるパピヨンの壮絶な数年間を、我々はこの目で目撃する。
また、2017年にリメイクされるのだが、やはり、スティーブマックイーンとダスティンホフマンの黄金コンビのそれを超える作品とはなっていない。だが、これはこれでマックイーン作品で見えなかった新たな事実が見えたりして、そっちの奥行きを広げる作品という意味で、存在価値がある。
2.ディア・ハンター
多くの人は、3時間あるこの映画の冒頭の1時間のシーンが、本当に必要なのかどうか、首をかしげるだろう。だが、黙って1時間見続けるのだ。すると、次第に悟ることになる。その最初の1時間の一見してどこか、当たり障りない軽薄な光景が、この映画に込められたメッセージを語るために決して欠かせない描写だということが。
ディア・ハンター。それは『鹿狩り』ということである。だが、実際にこの映画で鹿を狩るシーンは、1割あるかないかだ。重要なのはそこではない。これは、戦争を通して命の重さを理解する人間たちの、哀れで儚い、それでいて尊い物語なのである。
ちなみに、私がこの映画を観たのは偶然だったのだが、あまりにも衝撃的な映画だったので念のためメモしておいた『観るべき映画リスト』を見てみると、やはりこの映画の名前がそこに入っていた。
3.タクシードライバー
このタクシードライバーには狂気しかない。何をしでかすかがわからないから、観ている側は常にハラハラしてしまうことになる。彼は単なるサイコパスか、それとも、何か目的があるのか。
4.時計じかけのオレンジ
狂気と言えばこれ。宣伝コピーを、『レイプとウルトラ暴力とベートーベンがオレの生きがい。』というセンセーショナルなものに作り上げたスタンリー・キューブリックに対し、当然批判の声は上がった。この映画に触発され、犯罪に走る若者が増えたのだ。だがスタンリーはこう答えた。
『芸術家は作品の芸術性にだけ責任を持てばいい』
5.ゴッドファーザー
このメロディは、暴走族がクラクションを改造してよく鳴らしたものである。アメリカにギャング、日本にヤクザがいるなら、イタリアにはマフィアがいる。もうイタリアでマフィアといったら彼ら意外想像できない。それくらいこの世界に影響を与えた、アウトロー映画の金字塔である。
6.スター・ウォーズシリーズ
スター・ウォーズは観ていなかったが、新たに新章が始まるとなって、全作品を観た。以来、この作品のファンだ。これからはこの作品の新作が出ることを、待つ楽しみを味わえる。『フォースの覚醒』で4Dで映画を観たとき、隣の席の男性が嬉しそうに、『この4Dでスターウォーズを観たかったんだよね!』と話しているのが聞こえた。4Dで観ればより一層臨場感が強まり、スターウォーズの世界に入り込めた。
『ダースベイダー』のテーマや『オープニング』のテーマはあまりにも有名。私よりも随分年上の男性が、4D上映で常にウキウキしていたのを思い出す。また、ダースベイダーのテーマがひっそりと流れた、ダースベイダー誕生のシーンも印象的だ。
(追記:2019年末にはついにこの伝説の作品も40年の幕を閉じた。)
7.カッコーの巣の上で
何かと伝説的作品として挙げられることが多いこの作品。だが、この映画を考えるのに必要なのは『アメリカン・ニューシネマ』という『流れ』である。要は、この作品単体で考えると衝撃的な作品かもしれないが、実はこの時代、ニューシネマの流れによって、『アンハッピーエンド』というのは『常識』だった。であるからして、『タクシードライバー』、『時計仕掛けのオレンジ』、『俺たちに明日はない』などもすべて同じような気配が漂うのである。そしてこの作品もその流れの一つだ。だとしたら印象が変わってしまう。
つまり、この作品がその他の作品と比べて異質で希少性があるように見えるのは、今挙げたような作品『と比べない』からだ。そう考えた時、私がこの映画を観て正直に抱いた感想は、的を射ている。他の人がこの作品をやけに高く評価するからどれほどのものかと構えたのだが、私の想像を超えることはなかったのだ。この作品がもしアメリカン・ニューシネマという『常識的な流れ』の中にある作品ではなかったのなら、きっと更に爆発力があっただろう。何しろ、川でも海でも、流れに逆らうということは常に大きなエネルギーを要するからである。
さて、それはさておいて純粋に考えたい。そうは言ったが、他のアメリカン・ニューシネマの作品と比べてもとても見応えがあるし、私の好きな映画だ。もし私に映画鑑賞の経験が少なく、またこの時代に生きていてこの映画を観ていたなら、きっと大きな衝撃を受けていただろう。それでは本題に移ろう。
古代ギリシャでは精神病は体の病気とされていた。例えば、ヒステリーは子宮の病気とされていた。そして中世ヨーロッパでは、精神病者は『神により罰を与えられた罪人』とされていた。しかし、1793年に、Ph.ピネルによって『精神病者は罪人ではなく、治療を受けるべき病人』だとわかった。
かつて『虫歯』は、歯に穴が開いたところに、何か歯に穴をあける不思議な力を仮想したり、ときには悪霊などの仕業だろうと考えていた。それに対し、アメリカ人のミラーが、ドイツのロベルト・コッホ(1843~1910年)の研究所にいて、結核やコレラのように、何かのバイ菌が虫歯をつくるのだろうと、口腔中のいろいろな菌を調べ、『化学細菌説』という理論を出したのが、虫歯に対する最初の学説である。
かつて、『ロボトミー手術』という人間の一線を超えた医療が実際に行われていた。そんな時代に刑務所から逃れるための『詐病』によって精神病院に入院した一人の男が入院してきた。最初こそ他の者は『病人らしく』彼と接していたが、次第に彼の前向きなエネルギーに影響を受け、病人のはずなのに『健常者』のように振舞うようになった。彼らは本当に隔離すべき対象なのか。そんなことを一つ頭に浮かべながら、人間の尊厳のギリギリのラインを綱渡りする彼らの動向を、我々はその男を軸にしながら伺うことになる。
男のエネルギーは大きかった。だから彼らに『人間らしさ』を与え始めた。だが、それよりも大きなエネルギーが彼らに襲い掛かったとき、物語は大きな急展開を見せた。果たして、その男と彼らに待ち受ける衝撃的な展開とは。そして、人間とは、人生とは一体なにか。
8.グリース
同名ミュージカル『グリース』を原作とした1978年の学園ミュージカル映画で。ジョン・トラボルタは『サタデーナイトフィーバー』といいこれといい、中年になってからの重鎮ぶりとは違い、完全に若者代表のキレのある動きと声色を魅せている。私はミュージカルは好まないが、『レ・ミゼラブル』でそのイメージを完全に一新させられる。では、『マンマミーア』や『ロックオブエイジズ』はどうかというと、それは特にそうでもない。したがって、ミュージカルにも当たり外れがあるのだ。『イントゥザウッズ』など史上最低だった。
ではグリースはどうか。これは相当いい。ユニークなダンスとコミカルな動きからは、若者のエネルギッシュなパワーを感じるし、全体的にかなりハッピーだ。ジョン・トラボルタの代表作として、私はサタデーナイトフィーバーよりもこっちを挙げたいくらい、前向きで明るく、価値のある映画だ。ちなみにこの映画の前日譚が、Netflixによって描かれるという。
9.アルカトラズからの脱出
脱獄不可能と言われたアルカトラズ刑務所から脱獄したフランク・モリスの実話を基に制作された。この刑務所があるアルカトラズ島は、昔は灯台、軍事要塞、軍事監獄、そして1963年まで連邦刑務所として使用され、ザ・ロック、監獄島とも呼ばれていた。だから今はもう違う。これは昔の話だ。昔は携帯電話もなければ、テレビは白黒。ラジオしかない時代も当然あった。セキュリティはどうだ。科学技術はどうだ。日本の網走監獄にも伝説の脱獄囚『白鳥由栄』がいるが、当時のアメリカにも、こんな男たちがいたのだった。
10.レニー・ブルース
実在の毒舌漫談家レニー・ブルースの生涯をダスティンホフマンが演じる。実は、白黒であり70年代のこの映画に、何の魅力があるのか最初は分かっていなかった。『観るリスト』に登録しておいたが、あまり気が進まない。スタンドアップコメディアンの一生を観て何か面白いのかと、日本の私はまず第一印象としてそう感じてしまっていた。その後、ダスティンホフマンの映画をいくつも観る。
- クレイマー、クレイマー
- ビリー・バスゲート
- トッツィー
- レインマン
- ネバーランド
- 大統領の陰謀
- アウトブレイク
すると、彼がなぜ有名なのかを思い知ることになる。彼は名優に相応しい実力者だ。この映画は、『レインマン』に並んで彼の名作二大巨頭に並べられる価値のある、見応えのある映画である。この爽快さを日本で例えて言うなら『古畑任三郎』だ。田村正和が今もう一度あの古畑任三郎を演じようと思ってもできないだろう。それは現在におけるダスティンホフマンとて同じだ。脂の乗ったこの時期の彼だからこそできた、魂の一作と言えるだろう。ちなみにあのマシンガンのように喋り倒すウーマンラッシュアワーの村本も、このレニー・ブルースに大きく影響されている。
彼は黒人差別や性に関する話題といったギリギリの問題を軽快なトークによって見事に笑いに変えていく。『Mr.ビーン』ことローワン・アトキンソンは言った。
『ジョークのネタにできないものがあってはならない。』
そこにも書いたように、宗教、殺人、差別、麻薬、隠蔽、そもそも、この世にこういう笑えない理不尽な出来事があること自体が、間違っている。信念あるコメディアンは、ただその憂うべく状況を、笑いに変えて中和する、粋な役を買って出ているだけなのだ。
11.燃えよドラゴン
演出などが入っていて、正直現代を生きる人からすれば、リーがどれだけ強いのかが分からない。だが、彼は本当に強かったらしく、事故でリーが出血をしようものなら、『殺せ』と怒号が飛び交う熱気がそこにあったという。彼が現代で活躍するシーンをぜひ見てみたかった。
12.ザ・メッセージ
時は610年。570年に生まれたムハンマドは、40歳という年齢になっていた。しかし、イスラム教最大の聖地であるメッカ(サウジアラビア)にはその時、健康の神『アルウザ』、繁栄の神『マナト』、部族の守護神『アラト』、隊商の運命を握る神『ハラト』など360の神々がいて、供え物を神官たちが着服している不誠実な現状が広がっていた。慣習は腐敗し、神々は崇拝の対象で『財源』だというのである。
ムハンマドは、『ノア→モーセ→キリスト→』の次にこの世に生まれた、最後の預言者であり、指導者だという考え方は、イスラム教の考え方である。そして、これはそのイスラム教が誕生した時の話だ。キリスト教の有名な映画に『パッション』があるなら、イスラム教にはこの映画がある。
奴隷を救い、黒人を差別せず、女性子供、老人、働く者には一切手を出さず、あくまでも正当防衛になるのであれば、反撃を認めたムハンマド。聖戦(ジ・ハード)の考え方を悪用する人間は過激だが、では私の目の前で最愛の人が殺されそうになっているとき、『赦し』でもってその場面を解決しようとするなら、私は人間失格である。真理はいつも正しい。だが、人間は間違えるということだ。彼自身は決して、好戦的な人間ではなかった。
13.スティング
1973年、つまり50年も前の映画だから、期待をしないで観るのが普通だ。だが、ここに登場するのが名優と名高い2人。アメリカン・ニューシネマの代表作『明日に向って撃て!』で共演したポール・ニューマンとロバート・レッドフォードなのだから、少し期待をしてしまう。では実際の感想はどうか。うーむ、これは面白いと言っていいだろう。というか、このあたりの時代の映画は名作が他にもいくつもある。今言ったアメリカン・ニューシネマの映画などは大体この時代の映画だ。
- タクシードライバー
- カッコーの巣の上で
- ダーティハリー
- フレンチコネクション
- 俺たちに明日はない
枚挙に暇がない。すべて名作である。そう考えると、50年前とかそういうことはあまり関係がないのだ。音楽も有名。誰もが必ず聞いたことがあるユニークな音楽。チャップリンの音楽と言われても不思議ではないほどの名曲で、それもこの映画の見どころの一つだ。
14.サタデー・ナイト・フィーバー
クラブシーンでは、踊りを上手く踊れるというだけで自分の立場が変わる。私もプロには全く劣るが踊れたので、輪ができればその中心にいたり、女性が近づいてきたりしたものである。時代の違いによって音楽や踊りは違うが、そこに求める人間の気持ちは、いつの時代も同じものである。
15.大統領の陰謀
説明をそのまま書くことになるが、複雑な内容の為、概要についてはそうした方がいいだろう。1972年6月17日、首都ワシントンD.C.のウォーターゲートビルで働く警備員のフランク・ウィルズが建物のドアに奇妙なテープが貼られていることに気付き、ワシントンD.C.首都警察に通報。民主党全国委員会本部オフィスに侵入していた5人組の男は不法侵入の罪で逮捕された。
ここに(演:本人)とある。これを観るまでそれが本人だったと知らなかった。映画にはこういう楽しみ方もある。後で気づくのだ。
さて、1960、70年代のアメリカは実にネタが尽きることがない。このニクソン大統領のウォーターゲート事件もその大きな出来事の一つだ。ただ、内容としてはそう派手ではない。銃が乱射されたり、美男美女が肉体美をさらし、爽快な音楽が高揚感を煽ることもない。ただ、『衝撃的な事実』を淡々と伝える形になっている。『これだけで映画になる』というほどの大事件だったのだ。
しかし与える印象は大きい。この映画に影響されてジャーナリストになった人もいる。そして奇しくもそのジャーナリストが後に『違う映画の主人公』になるのだ。
16.マジック
いかにも面白そうなサムネイル、あるいはポスターで、しかもアンソニーホプキンスなのだから期待してしまう。だが、そこまでハードルを上げない方がいいだろう。そうすれば十分、サスペンスを楽しむことができる。
ジェイソンやフレディ、エクソシストやゾンビまで行くと現実離れしてしまう。ホラーを嫌いな理由はそれだ。教訓性がない。だが、この程度のサスペンスなら、非常に面白い。だから、『ブラックスワン』を『サイコホラー』と言っていた人を見たが、その手の人と私では感覚が違う。あれは、人間心理をうまく描いたサスペンス映画だ。
『サイコ』も『ホラー』も、現実離れしてしまっている言葉である。だが、『こういうことはあり得るかどうか』で判断し、あり得るならその言葉を使うべきではない。自分に置き換えて考えないからお化け屋敷のようにとらえてそう言うが、教訓を得られればその2時間はすべて自分の地となり肉となる。
ソクラテスは言った。
『よく本を読んで、良き魂を育てよ。苦労して、著者が身に付けたことを、苦労せずに、読者は身に付けられよう。』
こうした知性があるかどうかが問われる。今回もそうした考え方で、どこまで彼と自分をシンクロさせ、教訓を得られるかだ。あのような描写は、ブラックスワン同様どちらともとらえられる。どちらでとらえるかだ。
17.狼たちの午後
1972年にニューヨークで本当に発生した銀行強盗事件を題材にしている。観ている側は一体何を見せられているんだという気持ちになるのだが、調べてみると何と本作品の殆どのシーンは役者たちのアドリブによって撮影されているという。音楽もない。そう考えるとこれはとてもリアルで、貴重な作品である。
18.マッドマックスシリーズ
私はあまりヘビメタとかヘビーなロックの世界を好きになれない。たくさんピアスを開けたり、モヒカンにしたり、革ジャンを直で着たり。そういうのを見てあまり感想が出ない。それは日本の暴走族を見て生きてきたと言うことも関係しているかもしれない。だからこの映画の顔とも言えるそういった暴走族の彼らを、あまり好きになれない。トム・ハーディのリメイク版でも、かかる音楽がそういう方向だし、私のあまり好きではない方向だと再認識した。
うるせえな・・
単純にそういう感想を抱いて終わりである。だが、やはり名作ということで観ておかなければならない。すると、そうした私の先入観によって身構えた私の心は、物語終盤で鷲掴みにされてしまっていた。
アメリカン・ニューシネマとは、1960年代後半から1970年代半ばにかけてアメリカでベトナム戦争に邁進する政治に対する特に戦争に兵士として送られる若者層を中心とした反体制的な人間の心情を綴った映画作品群、およびその反戦ムーブメントである。この『流行』は、当時のアメリカ人に『自由』を与えた。この時製作された様々な映画に『俺たちに明日はない』『イージー・ライダー』、『時計仕掛けのオレンジ』、『カッコーの巣の上で』などがあるが、わかる人にはこれらの映画の共通点からアメリカン・ニューシネマがどのような流行だったかが見えてくるだろう。
1979年に上映されたこのMAD MAXにも、どこかその面影がある。したがって、強烈なインパクトを与える。それがこの作品が伝説の映画となった理由の一つでもあるだろう。
Madmax2
1がヒットしたことで、約10倍の費用をかけて製作されたというこの作品。これでようやく製作者側が本当に描きたかった世界が描けるというわけだ。だが、世界はそう簡単じゃなく、実際には『ギリギリの状態で作られた一度目』の方が良かったりする。ゲームでも映画でも、1を超えることなく終わってしまうものもたくさんある。今回の売り上げで考えても、1が$99,750,000に対し、今回は$23,667,907とある。3分の1以下に終わってしまっている。
確かに今回でマッドマックスの世界が急変する。オーストラリアの荒野から、荒野や荒野でも『核戦争後の荒廃した世界』が舞台となっているので、『風の谷のナウシカ』や『ウォーターワールド』と同じ世界となる。事実『ウォーターワールド』は主要なインスピレーションとしてマッドマックス2を引用した映画で、脚本を書いたデヴィッド・トゥーヒーもマッドマックス2のファンだったのでそのことを認めているという。私はこの映画とそれを観て、
マッドが砂漠で、ウォーターが水か・・
という感想を持ち、『地球荒廃後の世界』というセットでこの2つの映画をまとめていたのだが、今調べると実際にウォーターワールドがこの映画に影響を受けていたというので、似ていたのは当然だったことになる。『北斗の拳』にも影響を与え、この時代を生きる人々からすれば伝説的なインパクトがあったことは間違いないだろう。
シリーズの第3部に該当する『マッドマックス/サンダードーム』では、売り上げも$36,230,219まで伸びる。だが最初の売り上げと比較すればわかるように、パワーダウンしたことは紛れもない事実だろう。更に、2で出てきたキャラクターが3でも出てきているように見えるが別人だったりと、何だかよくわからない。『1』がMAXだったのだろう。
- パワーオブワン
- ワーキングガール
- マイフレンドフォーエバー
- 普通の人々
- スリングブレイド
- ピアノレッスン
- ダンサーインザダーク
- チョコレートドーナツ
- ライフイズビューティフル
- ニューシネマパラダイス
タイタニックでもレオンでもそうだけど、一発作品で強いのはたくさんあって、でもそれが2や3に発展すればどうなるか分からないところが本音だ。
マッドマックス 怒りのデス・ロード
作品を通して、まるでハードロックかヘビメタの音楽を聴いているような残酷な爽快感があるが、舞台は『風の谷のナウシカ』とほぼ同じようなものである。人間はどのような終末を迎えてしまうのか。一つの方向としてイメージしておくには損はないだろう。
19.アギーレ/神の怒り
2005年にタイム誌が選ぶ歴代映画ベスト100に選出されたが、この映画にハリウッド映画のようなエンターテインメント性を期待しない方がいい。そうではなく、歴史的な一コマとして貴重なのである。ピサロがインカ帝国を、コルテスがアステカ王国を滅ぼし、スペインとポルトガルは南アメリカ大陸を支配した。コンキスタドール(征服者)である。ヨーロッパを中心に考えれば『コロンブスがアメリカ大陸を発見した』わけだが、発見も何も、インド人と間違われて名前をつけられたインディアン(先住民)たちからすれば、そこに最初から住んでいたのだ。したがって、ある場面を切り取ればインディアンたちは『君たちこそが本当のアメリカ人だ』と、アメリカ国民から言われることもあるのである。
インディアンたちがコンキスタドールたちによって滅ぼされていく中で、人々はアマゾンの奥地に『黄金郷・エルドラド』の伝説を耳にすることになった。ピサロは、ペルーの高地で消息を絶っていて、益々その神秘性に野心家たちは夢を抱いた。実は、このエルドラドを夢見て生涯を冒険に費やした人物がいる。パーシー・ハリソン・フォーセット、イギリスの軍人である彼は、あの『インディ・ジョーンズ』のモデルになった男だ。それはまた違う話である。
20.クレイマー、クレイマー

タイトルの意味は彼らの名前だ。「クレイマー(原告)対クレイマー(被告)の裁判」意味で同じ名前の人が争っている裁判、つまり離婚裁判を題材にした物語ということになる。公開当時のアメリカは1979年で、アメリカ国内において離婚・親権問題が社会問題となっていた為、高い評価を得た作品となった。アメリカでは日本の想像以上に裁判が多いため、アメリカ映画には裁判ものの映画がたくさんあるという印象だ。
21.クロムウェル
1642年、ピューリタン革命を起こしたクロムウェルは、決して最初から国王を殺すつもりはなかった。むしろ愛国心が強く、イギリスという国には国王の存在が欠かせないことを主張していた。だが、王という力と対峙していくうちに、より強力で追随を許さない圧倒的な力が必要だと悟るようになった。野心家ではないのに独裁者として知られるようになったクロムウェルの真実の姿とは。
22.恐怖のメロディ
クリント・イーストウッドの監督デビュー作品。監督デビュー作というのは何かと注目が集まる。やはり、演者が一番最初に(こんな映画を作りたい)ということは、興味の対象である。『グラントリノ』や『3時11分パリ行き』、『パーフェクトワールド』、『ミリオンダラーベイビー』などの監督である彼のことだから、さぞかし奥が深い映画なのだろうと思いきや、晩年の彼から考えると意外な一作。いや、つまらないということではない。中々面白い。いや、『彼』にとっても『面白半分』でやったことだった。だが・・
23.スケアクロウ
この映画が千葉真一主演の『十字路』と『冒険者カミカゼ -ADVENTURER KAMIKAZE-』でモチーフにされるなど、後世のテレビドラマ・映画にも影響を与えているというのだが、私は正直なところ、70年代のこのアメリカン・ニューシネマで衝撃的に見応えがある映画というのは『カッコーの巣の上で』でも、そこまでは届かないと考えている。
- タクシードライバー
- 俺たちに明日はない
- ダーティハリー
- 時計仕掛けのオレンジ
これらの映画くらいではないだろうか。フレンチコネクションも明日に向かって撃て!ももちろんいいが、正直これもそれもあれもどれも、特に現代を生きる人間には衝撃を与えるとは言えないだろう。だが、当時の人々からすれば違ったはずだ。カッコーの巣の上でなど特にそうだろう。私はこの映画を、そんな風に当時の人々のことを思い浮かべながら鑑賞した。
24.ロッキーシリーズ
ロッキーを見てボクサーに憧れた人は大勢いる。だが、今の人がこの映画を観ても、『やり方が古い』としか思わないだろう。それでも一時代を作った。この音楽と共にチャンピオンになることを夢見て自分と戦い続けたファイターたちが大勢いるのだ。ちなみに映画史『Screen』にて紹介された『アメリカ史に残るヒーロー10人』には、
- ダーティハリー
- ターミネーター
- バイオハザード
- ビバリーヒルズコップ
- スーパーマン
- ロッキー
- トゥームレイダー
- エイリアン
- ダイハード
- インディジョーンズ
この10人が挙げられている。
25.アニー・ホール
内容をテキストにしようと思ったら、のほほんとしてピースフルな見た目とは裏腹に、結構過激なことをしている。だが、それがただの低俗なワンシーンにならないのは、彼に哲学的思想が存在するからである。いや、たしかに理屈っぽく無駄口が多いが、知性も垣間見える。そう考えると、なんだかお洒落な、二人の男女の物語である。ウディ・アレン作品のなかで最も人気がある作品の1つというが、確かにこの後10作品いかないくらい彼の映画を観たが、どれも私には合わず、その中で言えば一番この映画が見応えがあった。
26.死亡遊戯
この作品の途中でブルース・リーが急逝。1972年秋にクライマックスのアクション・シーンのみを撮影後中断、急逝により未完となった。だから途中から彼の代わりに違う役者が演じている。有名なこの黄色ジャージを着て相手の陣地に乗り込むシーンは彼が演じている。1984年に登場したゲーム『スパルタンX』は、ステージは全5階で構成され各階にいるボスを倒していくものだが、この構成がこの死亡遊戯に近いものとなっている。ファミコンだが『アター』という効果音が出るので、ブルース・リーを気取りながらゲームをすることができる。
ちなみに、『ドラゴン怒りの鉄拳』と合わせて観ることで2倍内容が楽しめる。そこで出てくるシーンが、ここでも出てくるからである。
27.ドラゴン怒りの鉄拳
ブルース・リーのヒット作一連のカンフー映画の第1作目にあたる『ドラゴン危機一発』が大ヒットとなり、続くこの『ドラゴン怒りの鉄拳』で、リーの人気を不動のものにした。だが実は、内容としてはあまり質が高いとは言えない。日本人が悪役になるが、当時人気が出たのも、大日本帝国の余韻が残る『悪の顔』を潰す爽快感がそこにプラスされたように見える。ただ、そういう事情を考えても『クソ映画』とはならないのは、やはりこの男の持つ圧倒的な絵力のおかげだ。ジャッキー・チェンというのは、何と2020年になっても『最も稼いだ男』としてハリウッドスターに並ぶほどのトップに君臨する人物だが、若くして死去したブルース・リーをいつまでも超えられない、という印象が何となくあるのは、この男のインパクトが計り知れないからだろう。
28.八甲田山
1900年、当時、青森にある八甲田山で山岳修行をすることは、日露戦争の為に欠かせない要因だと考えられた。かつて、世界を獲ったと称されるナポレオンは、イギリスのウェリントン、ネルソンの2人に加え、もう一人勝てなかった相手がいるが、それがロシアのアレクサンドル1世である。彼は、ナポレオンのモスクワ遠征の時、地の利を生かそうとしてわざと少しずつ敗北しながら、フランス軍をロシア内部におびき寄せる。そして冬を待ち、環境に適応できず弱体化したフランス軍を倒したのだ。実にナポレオン軍は、戦死と凍傷で61万もいた兵士が5千人に激減してしまったという。
ロシアは寒さに強い。したがって、日本もそのロシアと戦うためには、当時で考えられる日本最大の極寒の地である八甲田山を体験する必要があったのだ。小便をすると凍り付き、歩くたびに人の足音が少なくなるその過酷な登山で、一体どれほどの人間が生き残ったのか。そして、その生き残った彼らは、日露戦争でどれだけの活躍をしたのか。210名中199名が遭難した事件(八甲田雪中行軍遭難事件)を基に作られた、高倉健の名作の一つである。
29.パットン大戦車軍団
実在したアメリカの陸軍大将ジョージ・パットンが描かれる。まず『大将』というのがどのくらいすごいのかということを軍隊の階級制度を見て確認してみよう。
軍隊の階級
大元帥元帥
- 上級大将
- 大将
- 中将
- 少将
- 准将
- 代将
- 上級大佐
- 大佐
- 中佐
- 少佐
- 尉官
- 上級大尉
- 大尉
- 中尉
- 少尉
- 准士官
- 准尉(兵曹長)
- 下士官
- 上級曹長(上級上等兵曹)
- 曹長(上等兵曹)
- 軍曹(一等兵曹)
- 伍長(二等兵曹)
- 兵長(水兵長)
- 上等兵(上等水兵)
- 一等兵(一等水兵)
- 二等兵(二等水兵)
組織のトップに大元帥元帥、通称『元帥』という役職があり、その下に『上級大将』というものがあるが、これは国によって存在しない場合もある。したがって、元帥の次にいるのが大将。元帥が、本部で国のトップらと直接つながって軍隊全体の指揮を執るのに対し、大将というのは『現場の大親分』に近い。したがって、軍人からすれば元帥というのは『実態のわからない雲の上の人』であり、『雲の位置にいて常に指揮・指導・管理』する大将の方が怖いのである。
パットン大将というのはTHE軍人のような人間であり、戦争に生き、戦争で死ぬことを覚悟したようなその心構えには『軍神』という名も相応しいように見える。その愚直さゆえに逆に言えば『大将どまり』の人間で、考え方に柔軟性はない。だが、猛進するエネルギーは誰にも負けないということで、彼は大将として異彩を放っているのである。彼の息子もその後の朝鮮戦争等で『少将』として指揮を執った。
第二次世界大戦の運命を決めた『ノルマンディー上陸作戦(1944年6月6日)』。これは、200万人近い兵員がドーバー海峡を渡ってフランス・コタンタン半島のノルマンディー海岸に上陸した。現在に至るまで歴史上最大規模の上陸作戦である。
実はこの作戦が成功した陰には、パットン大将の存在があった。いや、彼が直接ここに大きく貢献したわけではない。映画で出てくる内容は、そのまま『ノルマンディー上陸作戦』のWikipediaのページにも書いてある。
イギリス側が上陸を仕掛ける地域を、カレー、ノルマンディー、ブルターニュのいずれかであると推定していた。しかし連合軍の欺瞞作戦により、カレーが上陸地点であると考えるようになった。また『パットン軍団』の存在を重視し、同時多発上陸計画が存在すると確信していた。
つまり敵国であるドイツ側は、パットンという男を非常に警戒して彼の動きをマーク。それによって惑わされ、フランスのカレーなどのエリアに注目。そうした意識の分散作戦が成功し、彼らはノルマンディーに上陸することができたのだ。
したがって、作中で敵国がパットンを高く評価する内容があり、この映画が1970年に作られ『冷戦真っただ中』という状況にあったことを考えると、アメリカ人を鼓舞するための誇大演出があると疑いがちだが、あながち彼という人物はその地位も実力も、世界的に存在感のある人物だったと言わざるを得ないのかもしれない。
30.マラソンマン
評論家からそう高い評価を受けているわけではないが、ダスティンホフマンの存在感もあってか、なぜか妙に名作感を醸し出している作品である。また、評論家はこの映画での悪役ローレンス・オリヴィエを高く評価している。確かに、この映画でも原作の小説でも『目を覆いたくなる拷問シーン』があるから、そうした『敵側』の狂気もこの作品の底上げを手伝っている。
31.未知との遭遇
一度は見ておかなければならないビッグタイトルの一つだ。この時代(1977年)で考えれば相当インパクトがあっただろう。UFOや雪男、ツチノコ、ネッシー、グレイなどのUMAの存在が強く信じられていた。もっと前に遡るなら、悪魔や怪物だ。世界各地にそうした怖い噂があり、その噂を論破するだけの完全な証拠がなかっただけに、確信が持てずに、より人々の心に強い恐怖心を植え付けた。
かつて『虫歯』は、歯に穴が開いたところに、何か歯に穴をあける不思議な力を仮想したり、ときには悪霊などの仕業だろうと考えていた。それに対し、アメリカ人のミラーが、ドイツのロベルト・コッホ(1843~1910年)の研究所にいて、結核やコレラのように、何かのバイ菌が虫歯をつくるのだろうと、口腔中のいろいろな菌を調べ、『化学細菌説』という理論を出したのが、虫歯に対する最初の学説である。
そうした人間の歴史と、その時代における人々の心理状況を想像しながら鑑賞すると、なかなか見応えのあるものである。
32.フレンチ・コネクション
アメリカン・ニューシネマの代表作の一つ。この情報は私は見る前に知りたかったが、1961年に発生した、ニューヨーク市警察本部薬物対策課のエドワード・イーガンとサルヴァトーレ・グロッソがフランスから密輸された麻薬約40キログラムを押収した実在の事件がモデルとなっている。フレンチコネクションとはトルコからフランスを経由して米国に輸出されていたヘロインの密売ルートおよびその組織のこと。イーガンとグロッソはアドバイザーとして制作に協力しており、両者とも本編にカメオ出演を果たしているという。これを知ってから観た方が映画を楽しめると言えるだろう。
やはり実話であると知れば見応えも全然違う。作られた世界はいくらでも作れるが、実話はリアルだ。リアルだからこそ細部の何でもない場面まで意味を持つようになり、見応えに雲泥の差が出るのだ。
33.山口組三代目
当時の東映社長は『ゴッドファーザー』を見て気に入り、「日本で当てはめるなら山口組だ。これをやるのは自分しかない」と思い立ったという。日本人からすれば身近にある暴力団、ヤクザというイメージがすこぶる悪いので拒絶反応を示すが、世界的に見ると、『山口組、YAKUZA』というのはイタリアンマフィア、ロシアンマフィア、チャイニーズマフィア、アメリカンギャングらと同様、一目置かれるアウトロー集団である。
高倉健が演じる田岡が加入したとき、山口組はまだ数十名足らずしかいない小さな組だった。それを、いずれ世界にまでその名を轟かせる大集団に仕立て上げたのが、三代目田岡である。戦争映画は世界的にヒットし、やくざ映画は受け入れられない。人を殺す数は戦争の方が圧倒的に多いのに奇妙な話だが、『食人族』や『異常犯罪者』がいつまで経っても認められることがないように、ヤクザもそのきわどい境界線で生きる、ニッチな存在である。
美空ひばりやエノケンといった、当時の日本人が知らない人はいない芸能人のすぐそばには、この田岡の存在があった。世界を揺るがす山口組はなぜ日本一巨大なヤクザになったのか。その根幹には何があるのか。カリスマ的な求心力を持った人間が本気を出せば、世が戦国時代なら歴史に名を残す名将となっていたかもしれない。
34.アウトロー
『アウトロー』という映画は1976年のこのイーストウッドの映画と、2012年のトムクルーズの映画と有名なのが2つしかない。それだけ前者が名作だからということかもしれない。西部劇というのは日本で言う時代劇なのだが、それよりももっと身近なものらしい。
日本の場合は『着物、ちょんまげ、奉行、馬、刀』という要素はもうすでにほぼ無縁のものとなっていて、そこに映る景色はすべて作り物に見えるが、銃社会のアメリカは、今も昔もそこに銃があるわけだ。
また、広大な土地が広がるアメリカ、特に西部にはまだまだ荒野がたくさんあるし、犯罪も多い。それはつまり、警察の目が行き届かない場所があるということだし、銃を持った人に対しては、銃を持って制すというミッションが暗に課せられている彼らアメリカ人にとって、警察の代わりに『自警団』として悪人を制したこの時代、そして、アメリカという国の初期の荒野で活躍した『初代』たちの生き様は、共感を覚えるところが多いのだろう。
現在でも『カウボーイ』という言葉は、日本で言う『武士』のような意味があり、ビリーザキッドやジェシージェームズのようにたとえ強盗だとしても、彼らを通して『アメリカンドリーム』が見えるのかもしれない。現代に通用するものが見えるのだ。よって、シャーリーズセロンなども西部劇を観るのが好きだという。アメリカの深夜に、西部劇が放映されるのが日常だから、触れる機会も多いのだ。
そんな西部のカウボーイたちが活躍した時代と現在の『アウトロー(法の外に生きる者)』とでは意味が違う。しかし、挙げた二つの映画は単なる『悪党』の枠にとどまらない見応えのある映画だ。
ヤクザやギャングなど、単純に法律を破って生きている小悪党の話には奥行きなど何もない。だが彼らの場合は意味が少し違ってくる。トムクルーズの場合は、悪党が描かれるわけではない。だが、そこにいる人物は『普通の人間』ではなく、『ルールに縛られないある領域にいる人物』である。
その意味で、イーストウッドの今作もアウトローである。だが、今回の場合は更に意味が乗っかっている。それは、『戦争』である。戦争自体が、法律という人間たちが秩序を持って平和に暮らしていくために決めたはずのルールだったはずなのだ。戦争も、戦争に参加した者も全員、アウトローである。これは、そんなアウトローたちが歩いた道の『代償』を考える、哀愁のドラマである。
35.アリスの恋
あまり名作として浸透していないかもしれないが、妙に駄作として切り捨てられない見応えがある。男の私としては、女性が前面に出た話はまるで少女漫画を覗いてみるイメージと似ているからそうハマることはないと踏むのだが、中々面白かった。
よく観るとスコセッシ映画であり、この映画としては第47回アカデミー賞でエレン・バースティンが主演女優賞を受賞。第29回英国アカデミー賞では作品賞、主演女優賞、助演女優賞、脚本賞を受賞している。売り上げもわずか20億円ほどで1975年の小規模な映画だが、才能と可能性が詰まっているように見える不思議な作品だ。
個人的に、言うことを聞かない子供に『あんたは耳がないの!?』と怒鳴るシーンがツボだった。子供はそれでも何も態度が変わらないギャップがまたいい。
36.激突カージャック
スティーヴン・スピルバーグの初の劇場作品であり、1969年5月にテキサス州で発生した実話に基づいた作品なので、見応えは十分である。まずスピルバーグの最初の作品はどの程度なのか。そして、これが実話の世界だと考えると、それだけでフィクションより全然緊張感が違う。フィクションとノンフィクションではそれだけ客を惹きつける次元が違うのだ。
時代もあって、現代ではあまり考えられそうにない展開が繰り広げられる。過去に遡るほど、アウトロー、つまり『法律の外』に出る人間が今よりもうんと自由に行動している様子をいつも見る。だが、かといって彼らが今よりうんと幸せそうに見えるわけではないから不思議だ。
モンテスキューは言った。
『自由とは、法の許す限りにおいて行動する権利である。』
37.超人ヘラクレス
アーノルド・シュワルツェネッガーの映画デビュー作であり、この時はまだ『アーノルド・ストロング』という名前で出演しているところが貴重である。この映画が人気になるとしたら、例えば日本の戦隊モノや仮面ライダーの『敵』のマニアがいるように、そうした部類の人たちからの人気ということになるだろう。
監督も含めたシュワちゃん以外のほぼ全員がwikipediaに詳細がなく赤字で表示されていることからも、限りなくB級に近い作品となる。ただ私は父親の影響でシュワちゃん映画を映画館に親子で見に行っていたほどだから、色々な思いでこの映画を見ることができた。
38.ワーテルロー
1815年、ナポレオンはワーテルローの戦いを行う。だが、この戦いは皇帝ナポレオンにとって斜陽を決定づける最後の戦いだった。世界を獲ったとヨーロッパ中から認められ、畏怖と称賛の念を抱かれたナポレオンが敵わなかった三人の男がいる。そのうちの一人が、この戦いでイギリス軍の指揮を執ったウェリントンである。ナポレオンは革命家であり、馬にまたがった勇猛な戦士のような印象を持つが、実際にはチビ、デブ、ハゲの三拍子が揃ったハンサムとは言えない容姿であり、この映画ではそんなナポレオンの実態を正確に表している。そのほかの要素はともかく、デブに関しては節制すればいいだけだ。それでも自分を改めず、むしろ肖像画を誤魔化して見栄を張るあたりに、彼の弱さが垣間見えるのである。
39.ファンタスティック・プラネット
この映画がおすすめの理由は『奇妙な巨大生物の描写など、宮崎駿の漫画・アニメ『風の谷のナウシカ』に影響を与えた作品である』という一面があるからである。もしそれがなければ多くの人は『頭のおかしい人が作った』と思うことだろう。証拠に、『ファンタスティック・プラネット』と検索すると、サジェストに『精神病』と出てきた時期があった。実際、製作者は精神病院アートの出身だとか、そういう話をどこかで観た。
また、
『クセになりたまに見たくなるのですが体調悪いときに見たらダメでした。元気なときに見るのをおすすめします。』
などという感想の書き込みもあった。だがこの作品の異質さが高いのは、様々な偶然も重なっているだろう。
例えば、2022年現在でもそうだが、任天堂Switchほどの最新のゲーム機であっても、プレイステーションほどゲーマー向けのハードではなく世界規格の万人受けだから、どうしてもPSと比べてハードのレベルが低い。よって、人気のあるソフトであってもPSと比べて圧倒的にグラフィックに差があり、安っぽい仕上がりになってしまう。細部が雑だし、人の動きがカクカクしているわけだ。軍隊のように急に回れ右をしたり、そういう動きしかできない。よって、キャラクターが独特の動きをして妙な世界観になってしまう。この1973年のアニメ映画にも、同じような現象が起きていると言えるだろう。そうしたいくつもの偶然が重なって、奇妙さが助長されていることがある。
例えば、地球の人間とはまったく違う概念を描こうとして、
- 目を赤くする
- 無表情にする
- 体毛をなくす
- サイズを大きくする
- 他の生命に対する異なる対応をする
- 自身の生命維持の対処が異なる
などのことをしていったことが、偶然麻薬であるLSDの乱用者が見てトリップするイメージ映像と似た世界観になってしまっている、ということがあるかもしれない。もちろん、70年代はアメリカでもアメリカン・ニューシネマの時代だから、ヒッピーがいてドラッグを使用することは今よりも当然の権利のように主張していて、『イージー☆ライダー』なども本当に大麻を吸って撮影しているから、本当にそうした影響があるのかもしれないが。
40.サンダーボルト
犯罪に熟練した朝鮮戦争世代の中年男と、当時ようやく終結したベトナム戦争世代の若者との友情を軸に繰り広げられるロードムービー、という説明を最初に聞いた方が奥行きが見えて面白いはずだ。私はそれを見ずに見て、後で説明を見て、(先に知りたかった)となった。
私は俳優のことはあまり詳しく調べようとは思わない人間なのだが、2000本以上映画を観るとどうしても俳優の話も自然と入ってくる。イーストウッドの相手が『ハリウッドで最も過小評価されている俳優』ランキングでNo.1に選ばれたジェフ・ブリッジスというのも分からなくて、それが分かっていたら更に奥行きが深くなった。
この2つの要素を抑えることで、単なるロードムービーが『世代を超えた男たちの生き様』、『レジェンドたちが歩いてきた過去』に昇華し、現在と過去とが繋がって、この映画自体が一つのロードムービーとなる。
50年も前の映画を観ると、それがもし現在であった時とは確実に違う印象を覚える。当時なら彼らの生き様にリーダーシップを覚えただろう。だが今振り返るとそうではなく、『当時確かにこうした連中が生き、そこに、彼らを生かす夢があった』という哀愁を覚える。
41.ジャスティス
アルパチーノ演じる若き弁護士が、腐敗した法曹界の真実を問おうとする法廷ドラマ。この手のドラマはよくあるので、必ずそれと比較することになる。その中では、まあそこまで見入るほどのものではないだろう。
第52回アカデミー賞では主演男優賞と脚本賞の候補となっているので、1979年の公開当時としてはいい切込みだったかもしれない。それで言うと『カッコーの巣の上で』すら、他の溢れる名作と比較してしまい、価値が廃れてしまうきらいにある。だが、当時のそれはインパクト抜群だったはずだ。(こんな映画があるなんて!)
42.セルピコ
ニューヨーク市警に蔓延する汚職や腐敗に立ち向かうフランク・セルピコという警察官の実話に基づいた作品。海外の映画では『セルピコ』という名前がちらちら出てくるので、一度は見ておいた方がいい映画だ。
1973年ということもあり、色々と古いから実話が好きな私でも『名作』とまではジャンル分けできなかったのだが、『先駆者』のような立ち位置で、その後のアメリカ人に大きな影響を与えた可能性があるので、無下にできない存在だ。現代人がこの人生に大きな衝撃を受けるということはあまりないかもしれない。しかし当時からすれば、衝撃的な警察だったと言えるだろう。
43.1941
スピルバーグ作品で、(BTTF)の監督であるロバートゼメキスが脚本をしていて、三船敏郎というビッグネームを従えて作成したというのに、お粗末な内容となっている。だが、歴史としては事実が影響しているのでそれを違った形で考えられるのは面白い。私は実話と知らずして幻滅しながら観たが、実話ならまだ全然面白い。実話ベースだが。
当時、フランクリン・ルーズベルト大統領は真珠湾でアメリカ太平洋艦隊が壊滅した事により日本陸軍の西海岸上陸が時間の問題だと考えており、米軍でも真珠湾攻撃以降、西海岸への日本艦隊接近、爆撃、上陸といった誤報が相次いでいたという。そうしたアメリカ人の日本軍に対する恐怖がが引き起こした『ロサンゼルスの戦い』という奇妙な事件が引き起こされる。
コロナが蔓延した時も意味不明な噂は常にあったし、地震で虎が逃げた写真が出回るなどのデマゴギーも広がったが、いつの世も人は『得体の知れないもの』に対する恐怖は拭えないものである。
44.チャイナタウン
アメリカン・ニューシネマの一つとされる作品。だが、名作と書かなかったのは、別に私はそこまで名作とは感じなかったからだ。確かに見応えのあるシーンはあるが、全体として観るとどうか。それが、続編である『黄昏のチャイナタウン』が失敗したことの背景と繋がっているのではないか。アメリカン・ニューシネマというのは当時の時代背景に影響している。ベトナム戦争という国の理不尽な決定に逆らうかのように、こうした終わり方をする映画が多く製作されたのだ。
だから『カッコーの巣の上で』然り、これらがずば抜けて名作だと言えない理由は、これらの作品が『流れの中の一つ』に過ぎないからだろう。当時はさておき、今には通用しないのであれば、そこにあるのは流行である。
45.地獄の黙示録
有名なワグナーの『ワルキューレ』のシーンをようやく聴くことができた。なぜこの音楽がヘリから流れているのか想像ができなかったが、なるほどそういうことだったのか。1979年度のカンヌ国際映画祭で最高賞であるパルム・ドールを獲得し、アカデミー賞では作品賞を含む8部門でノミネートされ、そのうち撮影賞と音響賞を受賞した戦争映画の名作を、一度は見ておきたい。
46.M★A★S★H マッシュ
MASHとは陸軍移動外科病院(Mobile Army Surgical Hospital)のことを指す。朝鮮戦争を舞台にする戦争映画なのに、戦争シーンがほとんどない。あるのはあるが、被害に遭った人々の体や手術の様子、キャンプ場などだけである。そして、まるで大学のサークルのような感覚で若い男女が様々なトラブルを起こす。これは、戦争映画じゃないのか。
全体を通して再考してみる。彼らはあえて戦争から遠いことをして、戦争行為を否定しているのかもしれない。だとしたらこれは支離滅裂なダークコメディではなく、反戦映画である。
47.ベニスに死す
トーマス・マン作の同名小説の映画化。正直、これが名作だと言う人はノーマルではない。現在はLGBTの主張も当然になりつつあるから何がノーマルかという問題もあるが、いわゆるこれまでノーマルと言われてきた人生を送ってきた人間からすれば何がしたいのかチンプンカンプンだ。
ただ、そこがこの映画の価値である。要は、『そうは思わない人』もこの世にはいるわけだ。そういう人に響く映画というのは、ノーマルウケするそれではないのであれば、こういう映画はそれらの人にとっての名作なのである。以前、アウトローや冒険家などの際どい生き方をする人を特集する番組で、性別不合かその系統の男が、外国の『その手の人が通うサウナ』のようなところに行き、カメラもそこに入っていた。
そこで彼が言ったのは、『絶景ですよ。皆さんも、美女が泳ぐのなんかをこうして眺めながら、お酒飲むと美味しいでしょ。僕も同じことですよ』。男性がプールで泳ぐ姿を見て、ある種の幸福感を得るというのだ。この感覚は要はノーマルと言われる私その他の人には分からない。だが、そうして彼の言ったことを真に受けて考えるなら、そういうことなのである。
48.タワーリング・インフェルノ
これはポール・ニューマン、スティーブ・マックイーンという2大スターが共演した1970年代中盤期の「パニック映画ブーム」の中でも最高傑作と評されているのだが、私は『スカイスクレイパー』を先に観てしまっているので、内容が見えてしまったからあまり驚きはなかった。そして、当時からすればそうだったかもしれないが、あれから50年経った今、その時代を生きる私が観て、別に最高傑作だとは思わない。
もちろん映画のプロからすればこの映画を評価できない奴は素人だと言うのだろうが、正直なことを言っただけだ。スカイスクレイパーダイハードとこれのパクリだと酷評されていたのは知っているが、それは後で知ったことで私はそれを知らずしてあの映画を観たので、正直、そのどれもが別に『最高傑作』ということにはならない。
49.ダウンタウン物語
禁酒法時代のニューヨークのダウンタウンを舞台に二つのギャング団の抗争を描いたミュージカル映画だが、登場人物は全て子供である。ジョディフォスターがひときわ目立つ存在感を醸し出しているが、正直後のことはすべて『ままごと』にしか見えない。私のように真剣に映画を観ている人間からすれば、とりあえずジョディフォスターという名優の過去作にはこういうものがあった、と知っただけの感想となる。
50.ゲッタウェイ
これも『華麗なる賭け』同様、『パピヨン』と比べると頭3つか4つ突き放されている映画である。パピヨンが凄すぎるのだ。もちろん、世界を震撼させた黒澤映画の『7人の侍』のリメイクである『荒野の七人』も、黒澤映画がすごい。
レジェンド俳優は全ての作品が当たりだと思いたいが、ジョニー・デップも『ローンレンジャー』や『チャーリーモルデカイ』が微妙すぎるように、当たり外れがあるのだ。ただ、この作品を通して夫婦を演じたマックイーンとマッグローは、この作品の共演をきっかけに結婚したらしいが、演じた本人たちが盛り上がるほど、視聴者は盛り上がることはできないだろう。
ただ、この監督の映画は玄人から人気があり、高倉健などもその一人だという。彼自身も『キラーエリート』への出演依頼があったようだ。これは72年の映画だから、50年後の私が観ても驚きはない、ということなのだろう。現代ではこのあたりのテーマの映画はゴロゴロあって、映像や音楽といったすべての要素でこれの上位互換作品が多くある。
たとえば私の甥はSwitchで当然のように兄妹で仲良くコントローラーを分けて、3Dのマリオを動かして遊んでいるが、私の頃は白黒のゲームボーイだったし、もっと前ならゲームウォッチがやっとだった。そして、ゲームウォッチというものが1980年に登場したもの。この作品というのはそれより更に前のものなのだから、そのあたりのジェネレーションギャップが価値の評価に影響しているはずだ。
SwitchやPS5の映像が当然の初期設定になる子供達は、ゲームウォッチを見ても驚くことはない。そのような現象が起きているのかもしれない。
ランキング外おすすめ映画(50音順)
ランキングには入らない1970年代を代表する名作映画をまとめました。(クリックでレビュー表示)
『アルフレード アルフレード』
結婚と離婚をめぐる悲喜劇をイタリア語で描くが、あまり日本人ウケするかどうかは分からないような内容だ。ウディ・アレンのような展開である。海外の人はこういう展開をコメディだと受け止め、はははと笑うかもしれないが、真面目に観てしまう私なんかからすれば、真面目なのかコメディなのかわからない半端な作品は『中途半端』だとしか感じない。
『愛と喝采の日々』
有名バレエダンサーが多く出演するので、バレエに造詣が深い人は楽しめるだろう。女性たちの物語なので、バレエに無知な男性よりも、女性向けの映画の印象がある。例えば『ブラックスワン』もバレエの話だが、前者である私は無知だが最高のエンターテインメントを満喫することができた。ああいうサスペンス調のドラマチックな展開はないので、大きく心が揺り動かされるということはない。
だが、この映画のW主演に等しいアン・バンクロフトは、この20年後に上映される『大いなる遺産』で怪しげな金持ちの老婆を演じるのだが、彼女の取る奇天烈な行動に意味を持たせるために、この映画は効いてくるかもしれない。
『オール・ザット・ジャズ』
監督であるボブ・フォッシー監督の自伝的作品。何が何だかよくわからないものを見せられたという人も多いはずだ。過激なシーンが多いのでエネルギーは感じるのだが。
『グッバイガール』
主演のリチャード・ドレイファスがこの作品でアカデミー主演男優賞とゴールデングローブ賞主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)を受賞したので観たのだが、私はあまり感情移入できなかった。映画を愛する私はなるべく差別しないように平等に見ているつもりなのだが、やはりどうしても身が入らないものがある。良さが分からないから、そういう素人の私はあまりしゃべらない方がいいだろう。分かる時にだけ喋ろう。
『叫びとささやき』
1973年のスウェーデン映画で、実に様々な賞にノミネートあるいは受賞している。
ではその内容を見てみよう。
| 賞 | 部門 | 候補 | 結果 |
|---|---|---|---|
| アカデミー賞 | 作品賞 | イングマール・ベルイマン | ノミネート |
| 監督賞 | ノミネート | ||
| 脚本賞 | ノミネート | ||
| 撮影賞 | スヴェン・ニクヴィスト | 受賞 | |
| 衣裳デザイン賞 | マリク・ヴォス | ノミネート | |
| ゴールデングローブ賞 | 外国語映画賞 | ノミネート | |
| カンヌ国際映画祭 | フランス映画高等技術委員会賞 | イングマール・ベルイマン | 受賞 |
| 英国アカデミー賞 | 撮影賞 | スヴェン・ニクヴィスト | ノミネート |
| 助演女優賞 | イングリッド・チューリン | ノミネート | |
| ゴールデン・ビートル賞 | 作品賞 | 受賞 | |
| 主演女優賞 | ハリエット・アンデルセン | 受賞 | |
| 特別業績賞 | スヴェン・ニクヴィスト | 受賞 | |
| ボディル賞 | 非アメリカ映画賞 | 受賞 | |
| ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞 | 外国監督賞 | イングマール・ベルイマン | 受賞 |
| 特別賞 | ハリエット・アンデルセン イングリッド・チューリン リヴ・ウルマン カリ・シルヴァン | 受賞 | |
| ナストロ・ダルジェント賞 | 外国監督賞 | イングマール・ベルイマン | 受賞 |
| 全米映画批評家協会賞 | 作品賞 | 3位 | |
| 監督賞 | イングマール・ベルイマン | 3位 | |
| 主演女優賞 | ハリエット・アンデルセン | 2位 | |
| 助演女優賞 | 4位 | ||
| 脚本賞 | イングマール・ベルイマン | 受賞 | |
| 撮影賞 | スヴェン・ニクヴィスト | 受賞 | |
| ニューヨーク映画批評家協会賞 | 作品賞 | 受賞 | |
| 監督賞 | イングマール・ベルイマン | 受賞 | |
| 主演女優賞 | リヴ・ウルマン | 受賞 | |
| ハリエット・アンデルセン | 次点 | ||
| 脚本賞 | イングマール・ベルイマン | 受賞 | |
| ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞 | 監督賞 | イングマール・ベルイマン | 受賞 |
| 外国語映画賞 | 受賞 | ||
| カンザスシティ映画批評家協会賞 | 監督賞 | イングマール・ベルイマン | 受賞 |
| 外国語映画賞 | 受賞 |
だが私の場合、ちょっとよくわからなかった。
『ナッシュビル』
この映画は、アメリカン・ニューシネマの代表作の一つ『ロンググッドバイ』の主演、アルトマンの最高傑作の一つとして知られている。・・ようだ。様々なスターたちが多数出演し、それぞれがそれぞれの舞台で物語を紡いでいき、最後に彼ら全員が同じ場所に集合する。この映画も、他の同時代に出て高評価されているという映画同様、『当時の人々』にしか響かないのではないだろうか。少なくとも私には何を見せられているのか、チンプンカンプンだった。
私が映画鑑賞に対して主体性が低い時期に見ているならわかるが、そうではなく、たくさんの本を読んで宗教や心理学や哲学、神話や歴史を学び、映画鑑賞を真剣にやるようになっても、映画館に13年間毎週連続で、一人で鑑賞するくらいの私であっても、この映画の良さが分からない。
だとすれば、そういう映画の共通点は、『その時代を生きる人達だけに響けばいい』という、時代に大きく影響された映画なのではないだろうか。普遍的で不変的なテーマではなく、例えばこのあたりの時代で言えばケネディ大統領という国のトップが暗殺され、弟のロバートケネディも暗殺され、マルコムX、キング牧師、メドガーエヴァースという黒人指導者も暗殺されたわけだ。またベトナム戦争はどうだ。アメリカン・ニューシネマの流れはどうだ。
ヒッピー文化は。ドラッグは。ニクソン政治は。当時流行の音楽やファッションは。そういった当時の生の感覚を知らない私には分からない、『リアルタイムの映画』なのではないだろうか。ポスターがお洒落だから楽しみにしていたので前のめりに見たはずが、あまり刺さらない。それであればと、そういう推論をするのである。
『ファイブ・イージー・ピーセス』
1970年に上映されたこのアメリカン・ニューシネマには、その時代の顔であるジャックニコルソンが主演を務める。今、いくつかのその時代の映画の感想文をまとめて書いていて感じるのだが、やはりこれらの時代の映画は当時の生の感覚を知らない私には分からない、『リアルタイムの映画』なのではないだろうか。もちろん映画というのは往々にしてそうだ。その時代を生きる人に共感され、興味を持たれなければ売り上げが伸びず、興行的に失敗し、製作者側が赤字になってしまい、最悪の場合はそれによって人が死ぬこともある。だからそうなることは仕方がないことだ。
しかし、そう考えるとこのアメリカン・ニューシネマの時代で卓越した映画は、
- タクシードライバー
- 俺たちに明日はない
- ダーティハリー
- 時計仕掛けのオレンジ
これらの映画くらいではないだろうか。彼が出演する『カッコーの巣の上で』もかなりいい線をいっているが、正直これよりもディカプリオの『シャッターアイランド』の方が現代人にウケるはずだ。チャイナタウンも、なんとも言えない。この映画もその類の一つだ。アメリカン・ニューシネマはラストシーンが共通してハッピーエンドではないのでそこだけ前のめりに注目したが、ふむ、確かに面白いが、それだけである。
『ファントム・オブ・パラダイス』
『オペラ座の怪人』『ファウスト』『ノートルダム・ド・パリ』『ドリアン・グレイの肖像』などの古典を元にしたロックンロール・ミュージカルなので、それについて造詣が深い人が観れば楽しい映画となるだろう。知らない人からするとチンプンカンプンだ。
『ブレージングサドル』
AFI(アメリカン・フィルム・インスティチュート)が「AFIアメリカ映画100年シリーズ」の一環として2000年に選出した「アメリカ喜劇映画ベスト100」では第6位に選ばれているということで、アメリカ人にはウケる映画かもしれない。確かに、見初めてすぐに陽気なカウボーイたちを見ることができるのだが、全く知らない顔ぶれがズラリと並ぶので、そのあたりが少し違和感として伝わる。
事情をよく知るアメリカ人なら面白い要素が盛りだくさんなのかもしれない。こちらとしては、西部劇は歴史を学びながらシリアスに見たいのが本音だ。
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