ある王が名馬を求めて使者を出したところ、その使者が死んだ名馬の骨を買って戻り、「名馬のためなら死骨でさえ高価な代価を支払うということが世間に知れ渡れば、きっと国中の名馬の持ち主が集まるに違いありません」と言い訳した。果たして、ほどなく三人の名馬売りが現れた、という故事から、“つまらない者でも優遇して優れた人材が集まるのを待つ”、というたとえ。現代の仕事にこれを例えるなら、よき評判が欲しければ、惰性で処理しがちなルーチンワークを、まず馬鹿みたいに磨き上げてみよ、するとその卓越性にこそ評判は立つ、といった教えなのだろう。
参考文献
独立独歩