中国の楚という国に昭陽という人物がいた。彼は、戦で功績を残し、名を上げ、№3にまでかけの ぼった。彼は戦をやめなかった。それ以上、いくら戦で功績を挙げても上には行けないというのに。戦で大将を殺していける地位は、№3までなのだ。ある日、楚で祝い事があり、使用人にも大きな盃で振る舞われた。使用人たちは、相談をする。
『みなで飲むには、酒が足りない。しかし一人で飲むには十分な量だ。どうだい、地面に蛇を描く競 争をしようじゃないか。一番先に終わった者が酒を全て飲むことにしよう。』
競争が始まり、一人が最初に描き終わった。彼は酒を右手に持って飲もうとし、左手ではなおも描き 足す。
『俺は足までいけるぞ』
すると、二番目に蛇を描き終えた男が、その酒を奪い取るとこう言った。
『蛇に足はないぞ。足を描いたらもう蛇ではないだろう』
そして、その酒を奪い取って飲んだ。蛇の足を描いた者(蛇足をなす者)は、酒を失った。物事の攻め方、引き際を見極める、見識、冷静さ、謙虚さを強く認識させられる戒めである。
参考文献
PRESIDENT