MOVIE RECIPE
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当記事は半分まで無料で閲覧可能です。また、下記『MOVIE RECIPE1:冒険者たち』が全て無料で閲覧できるようになっていますので、参考までに。

1.『屁理屈男女』
屁理屈と雄弁の違いは、『正当化』である。例えば明らかに人に迷惑をかける行為をしているのに、さもそれっぽい話をベラベラとしている。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『サイドウェイ』
- 『恋人たちの予感』
- 『グッバイガール』
- 『バッファロー’66』
- 『アニー・ホール』
- 『ハンナとその姉妹』
- 『ロリータ』
- 『マイ・プレシャス・リスト』

この場合、『人生を前に進ませたい』と心底で思っているのにも関わらず、どうしても表面で見栄や虚勢、意地や頑迷さなどが手伝って、現在独身でいる自分を正当化する中年の男が描かれる。だが、我々は最後、彼の人生を応援しているのである。

男と女が本当の友人になれるのかという問題を、久しぶりに再会する男と女を通じて描いたロマンティック・コメディ。メグライアンの恋人役のビリークリスタルがよく口が回る男で、そういう性格がああいう展開に影響しているかもしれない。

『また』男に捨てられた子連れの女性が「もう役者の男なんてごめん」と失意に陥っていると、部屋を譲り受けたという役者仲間の男が真夜中にもかかわらず訪ねてくる。男はペラペラとよく口が回り、そういう状況の女性と距離を詰めるだけの強引さを持っていた。

内緒で久しぶりに刑務所から出た男が、両親を心配させないため、フィアンセを連れていく流れを作ってしまう。だが彼にはそういう相手がいないで、目の前にいた女性を拉致して誘拐してしまう。理不尽極まりない。かつ横暴で癇癪持ちで気難しいこの男に反発する女性だが、徐々に違う感情を抱くようになる。

ウディ・アレンというのは基本的に屁理屈っぽい男という印象であり、この映画では監督である彼自身が出演しているが、とにかくあれこれとたくさん喋っている印象である。彼の映画は苦手だが、その中では最も見やすい映画がこれである。

これもそのウディ・アレンが監督であるからして、主演の女性たちが屁理屈っぽいことを言うキャラクターとなっている。

ロリータ・コンプレックスやロリータ・ファッションなどの語源ともなった名作をキューブリックが映画化。この映画の主人公の男も、よく口が回る男である。この場合、映画では少女の年齢が15歳以上だが、原作では12~14歳なのだからまずい。

IQ185の天才だが対人能力はゼロに等しい19歳の少女が主人公。頭がいいからなのか、その頭脳を正当化に使う節が見られる。

500人の偉人の8000の言葉を内省していたら浮かんできた言葉に、こういうものがあります。『ダイバーシティ(多様性)があるのは良い。だが、個々各人の主体性が真理に則って成り立つ場合のみ、そこにダイバーシティがある。』そして、こういう言葉です。『二流以下の人間は、自分の知識を自分を守る盾に使おうとするが、一流の人間はその盾で自分よりも真実を守る。』長くなってしまうので今回はここで終わっておきましょう。
2.『ドジ二人』
ドジな二人が活躍する映画をピックアップ。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『ビルとテッドの大冒険』
- 『ホーム・アローン』
- 『101匹わんちゃん』
- 『TED』
- 『ジム・キャリーはMr.ダマー』
- 『インターン・シップ』
- 『ナイスガイズ!』

ロックスターになる事を夢見ている高校生ビルとテッド。電話ボックス型のタイムマシンを使って過去へ旅に出るなど奇想天外な展開があるが、現在、寡黙な男の印象が強いキアヌリーヴスの能天気な表情が笑いを誘う。

言わずと知れたクリスマス映画の金字塔。少年と敵対する泥棒二人組がコメディっぽくやられてくれることも、この映画が子供たちに愛されるポイントだ。私の場合、この泥棒がアウトロー映画でデニーロとよく名コンビをしてみせるジョーペシだと知ったのは、大人になってからである。

敵対するディズニーヴィランズの一人であるクルエラの部下、ジャスパーとホーレス。彼らもまた上記作品に似ていてドジなところが特徴である。しかも上記の場合はジョーペシが少しキレるところがあるが、この場合はクルエラに頭脳を全部持っていかれている印象なので、ただただドジというところがいい。

お騒がせ映画であるこの作品も、TEDと主人公の男がどこか抜けている。例えば、真顔で大麻畑を見て感動するシーンなどがあり、全体的にネジが2つほど抜けている印象がある。

ジムキャリーともう一人の主演のコンビが、笑える名コンビぶりを発揮してくれている。ただ、20年後に『帰ってきたMr.ダマー バカMAX!』という続編が出たのだが、それは笑いのレベルは押さえられていた。あくまでも、若い二人だから笑えることだったのだ。高齢でそれをやると『痛い』になるから不思議である。

『ウェディング・クラッシャーズ』でもコンビを組んだ二人が、少し歯車の違った中年男性を演じる。原因はスマートフォンが普及したことで、わざわざ時計を買う人が少なくなったため、リストラ。そして巨大企業「Google」が募集しているインターンシップに参加し、若者と触れ合うから生まれている差異だった。

示談屋のラッセル・クロウと私立探偵のライアン・ゴズリングが、不思議な凸凹コンビをみせる。特に後者は寡黙な男の印象が強いが、こういうキャラクターも案外面白い。

日本でも芸人はコンビの方が圧倒的に数が多いですが、その方が力を発揮しやすいのだと言えます。例えば松本人志はツッコミ芸人を評価する時、『彼がいると、ボケた芸人を何倍にも拡大化させられる』と言いますが、日本のツッコミ芸人は笑いの拡声器のような役割を果たしているのでしょう。それで言うと、『刑事ジョー ママにお手あげ』というスタローンの映画の翻訳版は面白かったですね。『ママ、それはターミネーターのセリフだよ』と言うのですが、それで別に誰も笑わないし、作中の流れで観ると何ともシュールで笑ってしまいました。
3.『ぽっちゃり大活躍』
ぽっちゃりした体形の人が活躍する映画をピックアップ。
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- 『ヘアスプレー』
- 『サイドウェイ』
- 『リチャード・ジュエル』
- 『プレシャス』
- 『スーパーバッド 童貞ウォーズ』
- 『大統領の執事の涙』
- 『モンスター』
- 『バイス』
- 『天使にラブ・ソングを…』

1962年、黒人差別の風潮がいまだ色濃く残るボルチモアに住むトレイシーは、ダンスとおしゃれが大好きなビッグサイズの女の子。夢はティーンに人気なダンステレビ番組『コーニー・コリンズ・ショー』に出演して憧れの人気ダンサー、リンクと踊るという、体形など気にしない天真爛漫ぶりであった。

前述したように屁理屈男でもある彼だが、体型はぽっちゃり気味である。

1996年のアトランタオリンピックで爆発物を発見して多くの人命を救った英雄であるにもかかわらず、FBIやメディアに容疑者と見なされた実在の警備員リチャード・ジュエルを描いている。主演決定は恐らく、この2年前の映画『アイ,トーニャ』で怪演ぶりをしてみせたことがきっかけのはずだ。

1980年代後半のニューヨーク・ハーレムを舞台に、過酷な環境下で日々を生きる肥満した16歳の黒人の少女・プレシャスがとある教師に出会い人生の希望を見出していく物語である。アメリカの貧困層に焦点を当て、子供への性的・肉体的な虐待、教育の問題などが取り上げられている。中々衝撃的な内容だ。

童貞の高校生3人組が卒業パーティーで、それぞれ意中の女子生徒と初体験を目指して奮闘するさまを描いている。主演俳優はその後『ウルフオブウォールストリート』でディカプリオと名コンビをしてみせるし、エマストーンのデビュー作でもある。

ユージン・アレンの実生活に触発を受けた内容となっており、アフリカ系アメリカ人のホワイトハウスバトラー(執事)のセシル・ゲインズの視点で彼の34年の任期中に起こった20世紀の事件が描かれる。フォレスト・ウィテカーの映画は全部このレシピに該当しそうだが、代表してこれを。『バード』という手もある。

実在した元娼婦の連続殺人犯、アイリーン・ウォーノスの生涯を映画化した。それまでステレオタイプな美人女性役が多かったセロンだが、この映画で体重を激増させて怪演してみせ、アカデミー主演女優賞、第54回ベルリン国際映画祭銀熊賞、ゴールデングローブ賞 主演女優賞(ドラマ部門) などを受賞した。

第43代アメリカ合衆国大統領ジョージ・W・ブッシュの下で副大統領を務め、「アメリカ史上最強で最凶の副大統領」と呼ばれたディック・チェイニーを描いている。クリスチャンベールは役作りのために体重を40ポンド(約18kg)増量した。

殺人の現場を目撃したしがないクラブ歌手が、かくまわれた修道院で巻き起こす騒動を描いたミュージカル・コメディ。ウーピー・ゴールドバーグの代表作としてこれを挙げる。

日本を含めたアジアでは、スレンダー体系の人が目立つ傾向にあります。しかしアメリカやアフリカなどでは逆にぽっちゃり体型がモテる傾向にあります。ブラジルではヒップが大きい方が魅力的ということで、わざわざシリコンを入れて大きくする人もいるわけですが、そうしたことを極めて冷静に、俯瞰視点で考えると、動物、植物、人間といったあらゆる生命は、『種の保存』への執念が強いという事実が見えてきます。ただ、『カレーは飲み物です』と言って笑いを取っていた人がマラソンに出て心臓発作で倒れてしまい、結局ダイエットをしたのですが、肥満はあらゆる万病の元であるという事実だけは、覚えておきたいですね。
4.『ダンディ』
日本では『おじさん、おばさん』という言葉は『叔父、叔母』とダブっていることもありよく使われるが、『ダンディ、マダム、美魔女』という言葉を使っていこう。ここでは主演俳優のダンディズムが光る映画をピックアップ。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『スパイ・レジェンド』
- 『ラストミッション』
- 『ラスト・ターゲット』
- 『顔のないスパイ』
- 『エントラップメント』
- 『ゼロ・グラビティ』
- 『マン・オブ・スティール』

元ジェームズボンドでもあるピアース・ブロスナンが、かつてはCIAに所属するケースオフィサーで、「ノヴェンバー・マン」というコードネームを轟かせていた男を演じる。

脳腫瘍で医師から余命3ヶ月と告げられたベテランCIAエージェントをケビンコスナーが演じる。『ボディガード』から25年の時間が経っているという歴史も考えると、彼の役柄から哀愁を感じる。

主人公のベテラン暗殺者役をジョージクルーニーが演じる。彼の場合『オーシャンズシリーズ』の印象も強くそれも該当してくるが、この映画の場合は彼のダンディズムとイタリアの秀麗な街並みの力で成り立っている。

リチャードギアの場合、『プリティ・ウーマン』『HACHI 約束の犬』『キング・オブ・マンハッタン 危険な賭け』といった映画もダンディズムが光るが、代表してこの映画を挙げる。この映画のキーワードは『カシウス』である。

ショーンコネリー扮する美術専門の泥棒と、その泥棒を罠にかけようと懐に入り込もうとする保険会社調査員役のゼタ=ジョーンズ。一見ミスマッチなキャラクターが織り成すストーリーテリングが魅力。公開が1999年であったこともあり、2000年問題による機械の誤作動騒動を作品のクライマックスに盛り込むなどの演出も見所。

宇宙空間での船外活動(宇宙遊泳)で指揮を執るマットという男をジョージクルーニーが演じる。この映画の主役はサンドラブロックだが、彼の粋な男の立ち居振る舞いが、この映画を最高に盛り上げている。

ケビンコスナーがスーパーマンの父親を演じるのだが、彼の最期のシーンでは、映画館の時間が止まった。

『年を取った』とか『劣化』という言葉を使って中年以降の人間を『用済み』扱いするのは差別ですが、事実でもあります。50歳以上になったらもうあまり生きている意味はないという研究結果もありますからね。ただ、逆に人生50歳なんてまだまだ小僧という言葉も事実ですし、『思えば七十歳以前に描いたものはみな、取るに足らないものだった。』あるいは『天が私にあと十年の時を、いや五年の命を与えてくれるのなら、本当の絵描きになってみせるものを。』と言って88歳で亡くなった葛飾北斎は、アメリカの歴史ある雑誌『ライフ誌』で発表された、『この1000年で最も重要な功績を遺した世界の人物100人』の86位に、唯一の日本人として掲載されたことも事実です。
5.『様々な姉妹』
姉妹が主演となる映画をピックアップ。
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- 『ブーリン家の姉妹』
- 『プリティ・リーグ』
- 『となりのトトロ』
- 『プラクティカル・マジック』
- 『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』
- 『ミスティック・ピザ』
- 『ヤァヤァ・シスターズの聖なる秘密』
- 『早熟のアイオワ』

16世紀のイギリスを舞台に、エリザベス女王の母であるアン・ブーリンと、その妹メアリー・ブーリンの姉妹を巡る歴史劇である。歴史的にあまりにも重要な人物の、壮絶な人生に驚愕する。

1943年に創設され54年まで存在した全米女子プロ野球リーグを題材として、女性差別が激しかった時代に自分たち自身の人生の目標を実現しようとする女性たちの姿を描く。ある姉妹が一応の主演で、妹にせがまれ、ロックフォード・ピーチーズに姉妹が入団するところから始まる。

日本人には説明不要の、日本一有名な少女姉妹と、『へんないきもの』の物語。

先祖の呪いで彼女たちの愛する男性は皆早死にする、という悲惨な状況を強いられている、魔女の姉妹の物語。サンドラブロックとニコール・キッドマンが美魔女ぶりを発揮し、特にサンドラブロックはこの作品が最も美女が光っている。

1860年代のマサチューセッツ州に暮らすマーチ姉妹の暮らしぶりを描き出していく。本作は姉妹が実家を離れた後(『若草物語』の第二部)に焦点を当てており、次女であるジョーが、過去を振り返る形で進み、時系列が入り乱れる構成となっている。

コネチカットの田舎町にあるピザハウス「ミスティック・ピザ」で働く3人の若い女性の一夏の恋模様を描いている。

破天荒な母親と喧嘩になり、仲直りする過程で母とその友人たちの知られざる秘密を紐解いていく物語。この場合でのシスターズとは、『女友達』という意味がある。

『プリティリーグ』で妹役を演じたロリ・ペティが、自身の少女期の実話を基に描いた作品。14歳のアグネスは、幼い2人の妹と”ポーカーハウス”と呼ばれる家で暮らしていた。夜になると家には、ポーカー賭博や売春目的の男たちが集まってくる。衝撃的な内容だ。

姉妹となると『トトロ』のように心温まるほんわかムービーか、『早熟のアイオワ』のような女性ならではの激しい展開の映画が目立つ印象があります。シアーシャローナンの『ビザンチウム』という映画は、ヴァンパイアの姉妹が風俗を経営するというような内容ですが、この場合は実際の姉妹ではありません。また、『早熟のアイオワ』のジェニファーローレンスは、『ウィンターズボーン』という映画でも姉妹の姉を演じていますが、弟もいるのでここでは挙げていません。また、姉妹のように仲が良い『マイベストフレンド』という映画は女性人気が高いですね。
6.『兄弟の嫉妬』
兄弟に嫉妬するパターンの映画がある。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂』
- 『アダムス・ファミリー2』
- 『未来のミライ』
- 『A.I.』

王族の身分の兄弟がいるのだが、兄弟間の嫉妬が一つの鍵になる。

この作品でも、兄妹に嫉妬するシーンがある。

細田守の2人の子供がモデルになっている作品で、兄が新しく生まれた妹に嫉妬して、手をあげてしまうシーンなどがある。

人間と同じ愛情を持つ少年型ロボットとして造られた主人公の少年。だが、持ち主である彼女の実の息子であるマーティンが不治の病から回復、ともに暮らすようになる。そして少年は、自分の存在意義を見失っていく。

この中でもやはり『AI』は、キューブリックとスピルバーグが共作しようとしていただけあって、群を抜いた世界観が展開されています。この映画が至高の作品に見えるのは、演出や配役、撮影方法などももちろん関係しているでしょう。もしスピルバーグではなくキューブリックがメガホンを取っていたらどうなっていたのかも、想像すると楽しい映画になっています。
7.『歳の差』
恋に年の差は関係ないというが、度が過ぎると違和感が出るのが世の常である。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『ラブ・アンド・ウォー』
- 『愛を読むひと』
- 『ロリータ』
- 『ワン・モア・タイム』
- 『パリの恋人』
- 『マイ・フェア・レディ』

第一次世界大戦に従軍して大怪我を負ったヘミングウェイと、ヘミングウェイの代表作の1つ『武器よさらば』のヒロイン「キャサリン・バークレイ」のモデルとされる7歳年上の従軍看護師アグネス・フォン・クロウスキーとの結ばれなかった恋を描いている。7歳くらいならまだ問題はない。

第二次世界大戦後のドイツ。15歳のマイケルは、体調が優れず気分が悪かった自分を偶然助けてくれた21歳も年上の女性ハンナと知り合う。この場合は36歳と15歳で、21歳の年齢差というのはまだいいが、15歳というのがやはりまずい。だがこの話はどこかそれ以上に尊いものを感じるのも事実である。

前述したように、原作は12歳とか14歳という年齢で、ここに尊さというものはない。原作では少年時代にわずかに付き合っていたチフスですぐに死んでしまい、その面影をいつまでも引きずっているという状況があるので、ちょっとした人格的な『歪み』が一つのテーマとなっている。

詳細は書けないが、23年前、不慮の事故により、結婚記念日当日に最愛の夫を亡くした女性が、今も亡き夫を愛し続けており、彼との間に授かった娘ミランダと、夫婦の親友だったフィリップとの毎日を幸せに過ごしていた。そんなある日、ミランダが連れてきた恋人に、何か違和感を感じ始める。

主演がオードリー・ヘプバーンとフレッド・アステアであり、実際の年齢が30歳離れていることから、この二人がカップルになるのはどこか違和感があると思うのが、現代を生きる人間の本音である。作品の内容自体はとても面白い。

主演はオードリー・ヘプバーンとレックス・ハリソン。この場合は20歳だが、見た目は上記作品以上に離れているように見えてしまう。言語学が専門の教授はひょんなことから、下町生まれの粗野で下品な言葉遣いの花売り娘をレディに仕立て上げるかどうかをめぐって大佐と賭けをするところから始まる。

このほかにも『七年目の浮気』などのマリリンモンローとその相手の俳優など、50年代の映画にはなぜか『美女と野獣』ならぬ『美女とおっさん』という構図が目立ちます。私は裏事情にはあまり興味がないので一切調べていませんが、マリリンモンローのドキュメンタリー映画で自然に手に入れた情報によると、当時は『枕営業』が当たり前であり、『私がやらなくても、他の女優が喜んでやったわよ』と言っていたといいます。そうした権力関係や男女差別の発想が、もしかしたら当時の映画の違和感あるキャスティングに関係しているかもしれません。
8.『西洋人とアフリカ』
なぜか、西洋人がアフリカに行くという映画がいくつかある。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『アフリカの女王』
- 『愛と哀しみの果て』
- 『愛は霧のかなたに』

1914年。イギリス人のオールドミスである女性が宣教師の兄とともに、ドイツ領東アフリカの奥地で布教活動をしているところから始まる。

デンマークの紙幣にもなったアイザック・ディネーセン『アフリカの日々』を原作に描かれる。これも1913年頃の話で、英領東アフリカ、第一次世界大戦が背景にある。

ルワンダの森林で18年間にわたりマウンテンゴリラの生態系の調査を行ったアメリカの動物学者、動物行動学者、生物学者ダイアン・フォッシーの生涯を描いた作品。

その他、『インドへの旅』『アンナと王様』『眺めのいい部屋』『アラビアの女王』等も同じ系統の映画ですが、アフリカとなるとこれらの映画が該当します。地図で見るとアフリカは、エジプトやニジェール等の北アフリカや、南アフリカは砂漠のように緑がないエリアですが、逆に中央のコンゴやタンザニア等はジャングルがあふれています。どこに住んでいたかにもよりますが、例えば東京で暮らしていた人が、多種多様な生物があふれるこのエリアで生きていこうと思ったら、相当な覚悟が必要ですね。
9.『脇役に注目』
色々な意味で脇役に注目したい映画をピックアップ。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『マルコムX』
- 『プラトーン』
- 『父親たちの星条旗』
- 『幸せの教室』
- 『ホームアローン3』
- 『アウトサイダー』
- 『アンハサウェイ/裸の天使』

エキストラの生徒役で映画出演の経験をしている人物に、デンゼルワシントンの息子であるジョン・デヴィッド・ワシントンが出演している。Twitterでデンゼルファンの人が『息子役で出ている』とコメントしてきたので今調べたが、そうじゃなくて『エキストラの生徒』だった。

ベトナム帰還兵であるオリバー・ストーンが、アメリカ陸軍の偵察隊員であった頃の実体験に基づき、アメリカ軍の衝撃的な事実を描く。この映画にジョニー・デップが出演しているが、目を凝らさなければどこにいるか分からない。彼としては『エルム街の悪夢』でデビューしてその2年目だから、端役となる。

太平洋戦争最大の戦闘とされる硫黄島の戦いを日米双方の視点から描いた「硫黄島プロジェクト」のアメリカ側視点の作品。『ワイスピ』のポールウォーカーや、イーストウッドの息子、スコットイーストウッドが出演しているが、目を凝らさなければ分からない。

コミュニティカレッジの生徒で、『ボヘミアンラプソディー』で主演を務めるラミマレックが生徒役として出演している。

今回の主人公の少年の姉に、若き日のスカーレット・ヨハンソンがいる。普段は弟を馬鹿にしているものの、根は弟思いな性格。

『ゴッドファーザー』のコッポラ作品で有名な青春映画だが、主演はマットディロンで、トム・クルーズが脇役にいるという貴重な作品。

ロサンゼルスの富裕層の娘の女子高生が、仲間たちとドラッグやセックスに刺激を求める日々を送っていたが、そのうち泥沼にはまってしまう展開がある。脇役にチャニング・テイタムが出演している。

私は裏情報をあまり調べないので、このような情報はもっと調べれば出てくるでしょう。裏情報は調べれば誰もが集められますが、作品の評価というものは積み上げた人間性が出ますから、私は難易度が高いそっちの方で映画と向き合うことにしています。10年前にした映画の評価が間違っていることなどもあり、自分の心の成長なども確認できるので、人生の内省的手段としても有効です。
10.『隣人』
隣人がテーマになる映画をピックアップ。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『隣人は静かに笑う』
- 『アメリカン・ビューティー』
- 『ペット・セメタリー』
- 『ヴィンセントが教えてくれたこと』
- 『裏窓』
- 『ドライヴ』
- 『毛皮のエロス/ダイアン・アーバス 幻想のポートレイト』
- 『マイ・ビューティフル・ガーデン』
- 『マイフレンド・フォーエバー』

隣人系の代表映画。やばすぎる隣人が引っ越してきた。だが、表層はそうやばくもないように見える。とても『静か』だ。

ごく一般の家庭が軸に描かれるが、隣人も含めた全体的に、何かがおかしい雰囲気が漂っている。

詳細は書けないが、ある隣人が『禁断の情報』を教えることから、一線を越える親の姿が描かれる。

決して人に自慢などできない、自堕落な生活を送っている中年のヴィンセントが、隣人の少年との人間関係の中で妙な哀愁を見せてくれる映画である。

事故で車椅子生活を送る男がアパートの部屋の裏窓から目撃した事件の顛末を描いている。中々斬新な設定だから、当時はもっとそうだっただろう。

整備工場で、昼はメカニックや映画のスタントドライバー、夜は卓越したドライビングテクニックで強盗の逃走を手助けする逃がし屋と2つの顔を持ちながら生きる男の物語。ある日アパートの同じ階に住む人妻との間に恋の火花が散り、そこから物語が始まっていく。

『シャイニング』の例の双子で有名な写真家のダイアン・アーバスの物語。彼女は『フリークス(化け物)』と言われる特殊な人々に興味を持ち、差別しないで愛をもって接することを心掛けた。だが・・。

生後間もなく公園の木陰に捨てられていた女性。秩序を好み、予測できない自然、特に植物を恐れている。食事の内容と時間、鍵のかけ方、毎日の服や歯ブラシに至るまできっちりと揃えて生活しているが、植物嫌いが祟ってアパートの裏庭は荒れ放題になっている。そして、物語のキーマンとなる隣人と出会う。

エリックの家の近くに、ある少年が引っ越してきた。彼の名はデクスターといい、HIVに感染していた。初めは彼を警戒するエリックであったが、次第に打ち解けあい、友情を深め合う。100分ない映画なのに、心に残る感動の名作である。

多くの人が隣人に求めるのは『素晴らしい人』です。自分や家族の人生を脅かさないし、自分たちの思想や人生に近く、あるいは理解してくれて、有害ではない存在。そういう人であってくれれば自分たちにとって有益だからです。この映画レシピでたびたび書いていますが、人間とは『楽、得、安全』に支配されている生き物ですから、この話にもそれが該当することがよくわかります。私の前の家の隣人は検索すれば名前が出るほどの資産家でしたが、家より大きな松の木の落ち葉が我が家の敷地内に落ちていて、私は写真を撮って抗議する寸前まで行きましたよ。民法に違反していますからね。枝を切り落とす権利がありました。実家だったから責任者は親なので私が引きましたが。騒音問題もそうですが、やはり人間というものは隣人に『素晴らしい人』であってほしいということですね。
11.『壊れた年齢』
普通、人は年齢を重ねて年を取っていくものだが、そのレールから外れてしまった人を描いた映画をピックアップ。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』
- 『アデライン、100年目の恋』
- 『TIME/タイム』
- 『ワンダーウーマン』
- 『ビッグ』

80歳の状態で生まれ、年を取るごとに若返る人生を与えられた男の一生を描く。デヴィッドフィンチャーの映画はすべて面白い。

若く美しい女性アデラインは、交通事故と落雷による偶然が重なり、不老の体となってしまう。事故の影響で老化が止まり、100年以上も生き続けた女性の数奇な運命を描いている。
TIME/タイム
そう遠くない未来、人類は遺伝子操作で25歳から年を取らなくなることが可能になった。また、人口過剰を防ぐため、通貨が時間となり、人々は自分の時間で日常品から贅沢品まで支払うこととなっている不思議な未来を切り取った映画。

不老不死ではないが、『不老』に近いワンダーウーマン。彼女もまたアデラインのように、ならではの悩みを抱えて生きる一人の女性としての側面も持っていた。

詳細は書けないが、年齢が狂った男性が主人公となる。

よくあるのが『不老不死になって宇宙に飛ばされ、永遠に死ねずに宇宙を漂う』という話です。あれは最初聞いた時恐怖を感じましたが、もし地球での生活に飽きた頃、その旅に出るのも面白いかもしれません。それって、誰ひとり実現させることができなかった宇宙の旅を、体験できるということですからね。気が遠くなるほどの時間彷徨うかもしれませんが、隕石にあたっても、空気環境がどうあっても、温度や気圧などがどうであれ『不死』であれば、その壮大な旅は飽きることない刺激的な旅になるのではないでしょうか。物理的に体がつぶれるとか、切断される等の規制があれば別ですけどね。
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