MOVIE RECIPE
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当記事は半分まで無料で閲覧可能です。また、下記『MOVIE RECIPE1:冒険者たち』が全て無料で閲覧できるようになっていますので、参考までに。

1.『足りないはず、でも与えてくれる』
健常者とは、障害者や難病者ではない人に対する表現で、特定の慢性疾患を抱えておらず、日常生活行動にも支障のない人のことである。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『レインマン』
- 『チョコレートドーナツ』
- 『妹の恋人』
- 『僕はラジオ』
- 『ギルバート・グレイプ』
- 『アイ・アム・サム』
- 『シザーハンズ』
- 『フォレスト・ガンプ/一期一会』
- 『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』
- 『Dolls』

遺産問題で、久しぶりにサヴァン症候群の兄と出会った弟。彼は最初、『であるからして』彼を見下していて、態度はどこか冷たかった。だが、たった一人のこの兄弟と時間を過ごすにつれ、徐々に違う感覚が芽生えてきた。

「1970年代のニューヨークのブルックリンでゲイの男性が育児放棄された障害児を育てた」という実話に着想を得て製作された映画。我々も、そして彼ら(彼女ら)も、彼をそうして、守る子供として扱った。だが、我々は最後、『彼』から人生を学ぶのだ。

ある田舎町の自動車整備工場に勤める青年。両親の死で心を病んでしまった妹に振り回されながらも彼女を支え、12年間2人だけで生きて来た。そんなある日、ふとしたことから友人の従兄弟である文盲の青年サムを引き取るはめになった。彼はどこか足りない。だが、妹にとっては違うようだった。

この映画はアメリカ最大の発行部数をほこるスポーツ専門誌が掲載した記事を基に、知的障害の青年と学校の先生兼アメリカンフットボールのコーチとの友情を描いたノンフィクション映画である。ラストシーンでは実際の映像が出てくる。

ジョニーデップ演じる主人公の青年ギルバートは、食料品店で働きながら重い知的障害を持つ、ディカプリオ演じる弟と、夫の自殺から7年間も家から出たことがない肥満で過食症の母等と一緒に暮らしていた。警察沙汰になるほどの弟の奇行に振り回されるも、彼らの絆は決して切れない。

7歳児と同等の知能しか持ち合わせていない知的障害の主人公サム。娘と同等かそれ以下の知能しかないサムは、養育能力が無いのではと指摘されてしまい、施設に。だが、彼は娘のために法廷にすら立つ覚悟で戦った。

両手がハサミの人造人間であるエドワード。彼を生み出した発明家は急な発作で死去。つまり彼は、生まれたての赤ん坊と同じレベルで、この世に取り残された。町の人たちと触れあっていく中で、善いことも悪いことも経験していく。そして、彼が去った後、そこに残ったのは確かな哀愁だった。

人より知能指数は劣るが、純真な心と恵まれた身体、母への愛とある一人の女性への一途な思いを持ち、心ない人からは嘲りを受けつつも、それ以上に良き心を持つ周囲の人々の協力を受けて数々の成功を収め、同時に幸福を周囲にもたらしていく「うすのろフォレスト」の半生を、アメリカの1950 – 80年代の歴史を交えながら描いたヒューマンドラマ。

米国のソプラノ歌手フローレンス・フォスター・ジェンキンス。彼女は自分を名高いソプラノ歌手フリーダ・ヘンペルやルイーザ・テトラツィーニに比肩しうると考え、自分の演奏中にしばしば聴衆が笑い出すのを、ライバルが職業的な競争心からやらせているのだと思い込んだ。『音痴』である彼女は滑稽にしか見えない。だが、本当にそうだろうか。

この映画で『目が見えなくなる男』が登場する。衝撃的なシーンで、普通に考えればもうそうなったら人生は真っ暗だ。だが、ある一人の女性にとっては、そうではなかったらしい。

『五体不満足』で有名な乙武洋匡さんは、手足が足りない状態にあります。しかし、彼が他人に与えた影響はとても大きい。本が発売された当時などは、多くの人が勇気をもらいました。また、ヘレンケラーは目が見えないし耳も聞こえない。しかし『盲目であることは、悲しいことです。けれど、目が見えるのに見ようとしないのは、もっと悲しいことです。』と言って、世に啓蒙してくれています。逆に、多指症として人より『多い』人もいます。世界には様々な人がいます。しかし彼ら彼女らの言葉に耳を傾けると、寒さに震えたからこそ、人に毛布をかける優しさを持っていることに気が付きます。
2.『なぜか馬鹿にできない普通の人生』
ここでの『足りない』は『映画の主役として』だ。『主役としての華』だとか、そういうイメージ。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『フルモンティ』
- 『イル・ポスティーノ』
- 『わたしは、ダニエル・ブレイク』
- 『菊次郎の夏』

とある理由で4人の頼りなさげに見える男たちが、ストリップに挑戦することを決める。普通、『マジックマイク』のチャニング・テイタムのような筋骨隆々とした体なら見たことがあるが、こんなおっさんのストリップなどどこに需要があるのか。だがなぜだろう。我々は最後、彼らの人生を応援している。

1950年代の一時期、祖国チリを追われた実在の詩人パブロ・ネルーダが、ナポリ湾のカプリ島に身を寄せた史実にもとづき、架空の漁村を舞台に物語は展開する。主人公は内気な青年マリオ。だが彼は、主役にしては華がなさすぎる。だが我々は最後、彼の人生に違う目を向けている。

このおじさんは、いたって普通のおじさんだ。どこにでもいそうなおじさん。いやむしろ、少し頑固で、目障りに思う人もいるかもしれない。だが我々は最後、彼の人生に違う目を向けている。

離れ離れになった親に会うために旅に出る子供を護衛することになった、近所のおじさん。その程度のことしかしらないのだ。子供もそこに触れるほど成長していない。ここでいう『足りない』は言葉だ。お互いに言葉が足りない。おじさんは、名前すら名乗らない。さて、このまま最後までこのままなのだろうか。

映画というものは2時間程度におさめるわけで、スポーツで言うなら『ハイライト』のようなものです。後の時間は、食事、排せつ、睡眠、家事、移動などの坦々とした日常で埋まっています。ですから、どんな人でも単調な時間はあり、どんな人でも人生のハイライトはある。連続ドラマのように話を長引かせようと思ったらジェットコースターのようにメリハリを意識して作らなければならないし、2時間で終わるなら、その中で起承転結を完成させなければなりません。そういうことも関係しているでしょうが、しかし、何かを感じる映画とそうではない映画があるのが事実ですね。
3.『さまざまなハンデ』
『自閉症・アスペルガー・トゥレット症候群・吃音省・知的障害』等、様々なハンデを背負った人々の物語。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『レインマン』
- 『アイ・アム・サム』
- 『チョコレートドーナツ』
- 『マイ ビューティフル ガーデン』
- 『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』
- 『僕と世界の方程式』
- 『マザーレス・ブルックリン』
- 『英国王のスピーチ』
- 『それでもやっぱりパパが好き』
- 『7番房の奇跡』
- 『500ページの夢の束』
- 『ローマンという名の男 -信念の行方-』
- 『マーキュリー・ライジング』
- 『マイ・プレシャス・リスト』
- 『スリング・ブレイド』

前述したように、サヴァン症候群の兄と、浅薄な考えがある無責任な弟の物語。久しぶりの邂逅によって、両者の心は一歩前進する。

前述したように、7歳児と同等の知能しか持ち合わせていない知的障害の主人公サムと、娘の物語。

前述したように、ゲイが育児放棄された障害児と向き合う物語。

生後間もなく公園の木陰に捨てられていた主人公の女性。秩序を好み、予測できない自然、特に植物を恐れている。過去のトラウマが関係しているある種の強迫性障害を抱えているわけだ。植物嫌いが祟ってアパートの裏庭は荒れ放題になっていて、それをめぐって近隣トラブルになる。そのご近所との出会いが、彼女に足りない何かを埋めはじめる。

アスペルガー症候群を抱える11歳の息子は父親と仲良しだったが、9.11のテロによって父を失う。失った後、ある種の抜け殻になった彼は、父の面影を求めて街を彷徨う。彼は一体どうなってしまうのか。母親は?我々はただじっと、彼の行く末を見守る。

2007年に製作されたドキュメンタリー映画『Beautiful Young Minds』をドラマ化した作品。自閉症の少年が、多発性硬化症と闘いながらも、数学教育に従事していた教師に導かれ、国際数学オリンピックに出る為に数学の特訓をする姿が描かれる。母親との絆が『目に見えた』時、我々はこの映画に『はじめて』温かさを覚える。

トゥレット障害により頻繁に意図しない言葉を口走ってしまうが、人並外れた記憶力を持つ私立探偵が主人公。彼がなぜその障害を持っているのかが謎に見えるが、サヴァン症候群の前述した人々の例を考えると、『障害はあるが、その代わりに並外れた能力がある』から、それをこの仕事に生かそう、とう流れがあるということがわかる。

吃音に悩まされたイギリス王ジョージ6世と、その治療にあたったオーストラリア出身の平民である言語療法士ライオネル・ローグの友情を史実を基に描いた作品。私の部下にも吃音省がいるから、他人事ではない。

躁うつ病の父親を持つ子供と妻の物語。主人公はというと、『この家族全員』ということになるだろう。彼自身も生きるのに大変だが、彼と共に生きる家族も大変だ。

知的年齢が6歳の男は、しっかり者の6歳の娘と暮らしていたが、誤解によって殺人罪で逮捕されてしまう。娘と離れ離れになり寂しさを募らせていたが、収監されている7番房の囚人たちの助けを借りて、感動の物語が展開されていく。脚本自体はフィクションだが、1972年に春川市で派出所所長の9歳の娘が性的暴行を加えられて殺害された事件がモチーフになっている。

自閉症の少女が主人公。彼女の場合は『スタートレック』の並外れた知識を持っていることが特徴だ。『スタートレック』の脚本コンテストに参加しようとしており、コンテストの賞金で家を買い戻したいのだという。外に出ることすらままならない彼女は勇気をもって一歩を踏み出し、大冒険に出る。

弁護士のローマンは人権派の弁護士として法の下に弱者を救う信念を持ち、仕事の合間を縫って司法取引改革のための集団訴訟の準備を続けていた。サヴァン症候群である彼には抜群の記憶力と弁護士として優れた才覚があったものの、真面目で融通が利かない性格のため法廷に立たず、裏方である法律アドバイザーとして働いていた。

自閉症の少年がたまたま解いたパズルは、NSAのニコラス・クドロー率いる開発チームが作り出した暗号システム「マーキュリー」であり、本来なら誰も解くことのできないものだった。彼はそのせいで国家レベルの問題に巻き込まれてしまうことになる。

IQ185の天才だが対人能力はゼロに等しい19歳の少女が幸福を探し求めて悪戦苦闘する姿を描いている。

カイザー・ナイフとも言われるスリング・ブレイドで、過去に『何か』をして、精神病院で長年入院生活を送っていた男がいた。彼はどこか不器用に見え、ろくに人との会話もできない様子だが、とある少年と出会い、再び人生を歩きだす。だが、我々は最後、衝撃的な展開を目の当たりにすることになる。

やはり目立つのは自閉症やサヴァン症候群の人たちの『代償の法則』ですよね。そうしてハンデを背負っている反面、ある特定の能力がずば抜けているという状況が現実の世界でもよくあります。物理的に考えると、『ダムの水』が思い浮かびます。放出口が10個あると、それぞれの場所から放水される水の量は分散されますが、1つしかないと、そこから放水される量は前者の10倍になる。こういうイメージです。実際はそう単純な話ではないでしょうが、人間の能力の顕在化の何らかのヒントがここに隠されているような気がします。
4.『容姿コンプレックス』
容姿が他と比べて普通ではないとか、何か異常事態が起きていたり、あるいはそこにコンプレックスを感じていたりして、とにかく容姿に関連する映画をピックアップ。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『ジョニー・ハンサム』
- 『バニラ・スカイ』
- 『エレファント・マン』
- 『カンナさん大成功です!』
- 『サイドウェイ』
- 『ネオン・デーモン』
- 『顔のない天使』
- 『フェイス/オフ』

頭部に奇形を持つ窃盗犯のジョニーは、犯行中に仲間の裏切りに合い投獄される。彼はそのせいで常に負の問題を呼び起こしていたが、仮釈放を条件に、ある医師による実験的な整形手術を受けることに。果たして彼は、正常な頭部に蘇生できるのか。

詳細は書けないが、ここでもある男の顔にある異変が起きる。

19世紀のイギリスで「エレファント・マン」と呼ばれた青年ジョゼフ・メリックの半生を描く。「どんな人生か想像つくかね?」「はい。大体は。」「いや。彼の人生は誰にも想像できないと思う。」ホプキンスが主人公にも見えるこの映画だが、この会話によって彼は単なる脇役であるという事実を思い知る。

「一度見たら夢に出そうなブス」だった事から誰からも手酷い扱いを受けていた女性。そんな自分に唯一優しくしてくれた男性を振り向かせるため、数百万円をかけて全身整形手術を受け、誰もが振り向く美女に生まれ変わる。この映画では舞台は韓国の芸能界であり、「ブスが整形手術で美人になる」という共通点だけがある。

特に何かのハンデを負っているわけではないが、趣味に逃げ、人生を先延ばしにしているこの中年男性はコンプレックスの塊にも見える。そんなおっさんの人生を見ても普通は面白くもなんともないが、我々は最後、彼の人生を応援している自分に気が付く。

ロサンゼルスを舞台とし、美貌と若さを兼ね備えた少女が嫉妬が渦巻くファッションモデル業界に飲まれる模様が描かれる。あまりにも衝撃的なラストゆえ、心臓が弱い人には推奨できない。

メル・ギブソン主演、初監督作品。彼が『顔に異常がある男性』を演じる。近所の少年との絆を通して、徐々に抱えた心の闇を晴らしていくが、また違う問題が彼を襲い、壁にぶつかる。果たして少年はまた彼に会えるのか。

ひょんなことから顔が入れ替わった刑事とマフィアの物語を、ニコラス・ケイジとジョン・トラヴォルタという豪華俳優が好演。ジョン・ウーの出世作で、彼が手がけたものの中で『レッドクリフ』や『ミッション:インポッシブル2』に次いで成功した作品といえる。

コンプレックスは誰にでもありますからね。例えばクリスティアーノ・ロナウドは身長が187㎝もあって、大金持ちだしハンサムで、世界トップクラスのイケメンとして数えられますが、彼はチームメイトと写真を撮影する時、必ず『背伸び』をするそうです。日本人からすると長身でも、彼の周りにいるのはもっと背が高い人々なのでコンプレックスを感じているようですね。だとしたら我々日本人のことはどうみられているのか・・(;´д`)トホホ。『人間は自分のコンプレックスを除去しようとつとめるべきではなく、それと調和を保つようにつとめるべきです。』フロイトなんかはこう言っていましたけどね。
5.『サイレント』
声が出ない。あるいは言語障害を抱えた人たちの物語。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『英国王のスピーチ』
- 『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』
- 『心が叫びたがってるんだ。』
- 『ピアノ・レッスン』
- 『アス』
- 『あの日の声を探して』
- 『ドントブリーズ』
- 『沈黙 -サイレンス-』
- 『アーティスト』
- 『チャーリー』
- 『クワイエット・プレイス』

前述したように、吃音に悩まされたイギリス王ジョージ6世と、その治療にあたったオーストラリア出身の平民である言語療法士ライオネル・ローグの友情を史実を基に描いた作品。

前述したように、アスペルガー症候群を抱える11歳の息子が主人公だが、彼は言語に関しても問題を抱えていた。

過去に両親のとある不祥事を目撃してしまった流れで責任を押し付けられ、そのショックで声が出なくなってしまった少女の物語。彼女は何も悪くないので、我々は最初から彼女に強く感情移入する。

19世紀のニュージーランドを舞台に、ピアノの音色を言葉代わりにする女性と、原住民マオリ族に同化した一人の男性との激しい愛を描いた恋愛映画。彼女は本当に声が出ないのか、ということも一つのテーマとなる。
あるトラウマによって失語症となる女性が描かれる。全体的にホラー要素が多い。『ゲットアウト』の監督がホラーに特化した作品を創ったイメージだ。

時はチェチェン戦争真っ最中の1999年。戦争で両親と声を失った少年が難民キャンプで懸命に生きる姿が描かれる。実話ではないが、ロシアとチェチェンの間にあった実際の紛争を舞台にするため、物語を通して戦争の残酷さを理解することができる。

この後のレシピ『ブラインド』にも関係してくる映画となる。絶対に声を出してはいけない状況があり、その状況はあってはならないものだったので自業自得でもあるが、その男も元々とんでもない狂気を抱えた男だった。

遠藤周作の小説『沈黙』を原作として、マーティン・スコセッシがメガホンを取った。17世紀、江戸時代初期の隠れキリシタンが迫害に遭っていた時代がベースとなる。この場合の『サイレンス』とは、人類にとって極めて、重要なキーワードとなる。

トーキーの登場でサイレント映画の時代が終わったことで没落する男優と躍進する女優を描く物語。市サイレント時代で天下を獲っていた俳優は、トーキーへの変化によってどうなってしまうのか。

サイレント映画時代の実際の伝説的俳優、チャーリー・チャップリンの生涯を描いた伝記映画。彼は多くの映画人に影響を与えていて、あのキューブリックもそのうちの一人であり、ウォルト・ディズニーも彼のような映画を作りたいと誓った過去がある。

絶対に声を出してはいけない状況がある。どういうことなのかは、映画を観てのお楽しみだ。

私の部下は吃音省で、どもりがまず基本であります。それだけじゃなく、喋らない時間も多い。小学生からの付き合いですが、それが判明したのは私の会社に入ってから、はじめて彼と真正面から向き合ってからですね。だから最初は黙り込んでいるのでおちょくっているのかと思い、激昂して怒りました。しかし、それこそがまさに吃音省の症状なんですね。『電話相手は、おちょくられている気分になる』と症状の説明分に記載してあります。私も我慢強いので30分同じように黙っていたんですけどね。
6.『ブラインド』
目が見えない状態にある人を、ブラインドと言う。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『座頭市』
- 『暗くなるまで待って』
- 『ダンサー・イン・ザ・ダーク』
- 『ザ・ウォーカー』
- 『Ray/レイ』
- 『奇跡の人』
- 『奇跡のひと マリーとマルグリット』

北野武初の時代劇であり、盲目というハンデキャップを背負った謎の侠客「市(いち)」の活躍を描いた作品。勝新太郎の代表作である時代劇『座頭市シリーズ』を題材にしたが、「盲目でありながら居合抜きの達人」という設定以外は異なっている。

ヘプバーン演じる盲目の女性が、売れば大金になるヘロイン目的の犯罪に巻き込まれる。どうやら、彼女の手にヘロインが入った人形が渡っているはずだというのだ。だが彼女は何も知らない。そして、盲目につけこんで彼女を騙す犯罪者の魔の手が襲い掛かる。

目が見えなくなり、最後には失明する運命にある女性が描かれる。彼女の健気で明るい性格と、残酷なこの世界の現実とのコントラストが我々を激しく左右に揺れ動かし、ラストシーンで衝撃を覚える。

サングラスをかけた盲目の男が、最終戦争によって国家も文明も滅びた世界を旅している。彼は「本を西へ運べ」という心の声に導かれ、目的地も分からぬまま30年間もアメリカを西に歩き続けている。

アメリカのミュージシャン、レイ・チャールズの伝記映画。彼は幼少期に目が見えなくなってしまう。だが、彼が抱えているのは目の前の光景的な闇だけではなく、心の闇もあった。

ヘレン・ケラーと、三重苦のヘレンに効果的で何より厳しくも人間的な教育を授けて行ったアン・サリヴァンの偉業が描かれる。「見えない」「聞こえない」「話せない」ということで『サイレント』にも該当するが、一応ある程度の声は出せた。

上記作品と酷似した内容で、だが本当の話である。この場合、獣のように『うーうー!』とわめく少女が描かれるが、それもそのはず、三重苦の状態で文化や知的な振る舞い、礼儀、配慮などの一切の概念を理解して処理することはできない。想像を絶する世界である。

目が見えないのは、例えば戦場では致命的です。この流れでFPSゲームの例をしてしまうと少し稚拙になってしまいますが、手榴弾のような武器の一種で、『フラッシュバン(閃光手榴弾)』というものがあるのですが、これを食らってしまうと辺り一帯が真っ白になり、しばらく目が眩んで動けなくなります。一瞬の気の緩みが命の危険につながる戦場において、それは致命的。一瞬で戦況は不利になってしまいます。日常においても目が見えないということは大きなハンデ。たまに海外のドッキリで白い杖をついて騙す企画がありますが、それはライン越えですよね。
7.『ディーフ』
deaf(ディーフ)とは聴覚障害一般を表す言葉。伝統的な言い換え表現はhearing-impairedだが、「難聴」を表す場合はhard of hearingという表現が好まれるが、シンプルに『耳が聴こえない』状況を指す言葉でもある。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『奇跡の人』
- 『奇跡のひと マリーとマルグリット』
- 『聲の形』
- 『あの夏、いちばん静かな海。』
- 『クワイエット・プレイス』

前述したように、三重苦のヘレンケラーの生涯が描かれる。

前述したように、ヘレンケラーと同様のケースの実在の女性たちが描かれる。

聴覚の障害によっていじめを受けるようになった少女と、彼女のいじめの中心人物となったのが原因で周囲に切り捨てられ孤独になっていく少年の2人の触れ合いを中心に展開し、人間の持つ孤独や絶望、純愛や友情などが描かれる。

聴覚障害の青年が、収集車でのごみ回収を仕事としている。ある日先端の欠けたサーフボードを見つけ、持ち帰る。彼はそのボードに発泡スチロールを継ぎ合わせ、同じ障害を持つ彼女を誘い海へ。ただ、サーフィンをするだけの物語なのだが、なぜか決して馬鹿にできない一つの完成された人生がここにある。

前述したように、絶対に声を出してはいけない状況があるのだが、ある聴覚障害を持った女性が物語の大きなカギを握る。

ディーフという言葉は場合によっては不適切のようですが、「彼は耳が聞こえない」は英語で “He’s deaf.” と言うことがあるようです。比べられるものではありませんが、『手話』で一応の会話はできることから、もし私がどれか一つ選ばなければならないのだとしたら、この状態を選ぶかもしれません。私は非常に繊細で、細部に目が届いてしまうので、耳障りな情報もよく耳にしてしまいます。そんな情報なら聴こえなくていいと、何度か思ったことがあります。今は図太くなりましたけどね。いや、実際に障害がある人がいる中で、めったなことは言うものではありませんね。
8.『ちょっとこじれた大人たち』
この場合、『大人としての常識』とか『良識』とか。何かが欠けているように見える人や、実際にメンタルが崩れてしまった人などの映画をピックアップ。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『サイドウェイ』
- 『おとなのけんか』
- 『おとなの恋はまわり道』
- 『抱きたいカンケイ』
- 『それでも、愛してる』
- 『ラースと、その彼女』

前述したように、冴えない中年男性の物語。結婚もせずにこの年までズルズル来て、しかしそれを正当化していた。だが、心底では人生を前に進めたがっていた。

子供たちの喧嘩、不祥事によって二組の両親たちが一つの部屋に揃う。映画的には大変だ。この狭い部屋の中で、4人の俳優のトークのみで2時間の映画をもたせなければならない。ゆえに、まず時間が80分まで短縮されている。うち3人がアカデミー賞に演技で受賞している猛者。演技力が問われる作品だ。

この年でもう恋愛はありえない、というほど、多くを経験してきたのであろう中年の男女が描かれる。といってもキアヌリーヴスとウィノナ・ライダーだから、ただの美男美女にしか見えない。だがシナリオ的にはそういう展開。果たしてこじれた二人に、新たな恋愛はあり得るのか。

体だけの気楽な関係を始めた男女が、次第に相手を愛するようになることから起こる葛藤を、コミカルに描いたロマンティック・コメディ。

鬱病になり、自殺未遂をした男が『ある要素』を人生に取り入れることで再び生きる決意をする。だが、その要素は常識人にとっていびつそのものであり、思春期の息子などからすれば『恥』でもある。彼は病気を乗り越え、人生の確かな道を歩き出せるだろうか。

リアルラブドールを『彼女だ』と真顔で兄弟に紹介する青年。どう考えても異常な光景に当然たじろぐ周囲だが、そのうちこの問題の根幹にある真剣なテーマに気付くようになり、周囲の者も彼と真剣に向き合い始める。

私は無宗教であり、両親はクリスチャンであり、彼らは私に『洗脳』に近い状況でそれを押し付けてきました。私は人生を懸けてそれに抵抗し続けましたが、『反抗期』とか『甘え』という大人の考えた都合のいい言葉で避わされ、私に力がつくまでは彼らが常に主導権を握っていました。それはもう過去のことですが、そんな私からすれば、『すべての宗教を持つ者』は、ここに該当しますけどね。違う宗教同士でいがみあって対立する?世界平和を願って宗教ができたのに、『宗教を持つことで世界平和から遠ざかっている』のでは?・・というのが、一つの真実ですね。実際はもっと複雑な構成ですが。
9.『妄想する人』
妄想する人は、時に『お前のためだったじゃないか! 』とかいう詭弁を盾にして、凶行に出る。心に何か、穿った問題を抱えているケースが多い。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『ザ・ファン』
- 『タクシードライバー』
- 『キング・オブ・コメディ』
- 『ジョーカー』
- 『ドンファン』
- 『マジック』
- 『ベティ・サイズモア』
- 『ミス・ポター』
- 『陰謀のセオリー』
- 『ジャンヌ・ダルク』
- 『エクスポーズ 暗闇の迷宮』
- 『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』
- 『ラースと、その彼女』
- 『マニアック』

ロバートデニーロ作品が3連続で並ぶ。野球ファンが狂気的な行動に出るが、最後にはやはりファンだった、という、奇妙な哀愁がある狂気映画である。

デ・ニーロが鏡に向かい「You talkin’ to me?」と呟きながら自分の鏡像に銃を向ける場面は、脚本には書かれておらず、マーティン・スコセッシ監督とデ・ニーロが即興で練っていったという。

デニーロの最高傑作と名高い名作。だが、これも『ザ・ファン』も興行的には失敗している。それで言えば『となりのトトロ』もそうだ。だが、そう考えると興行的な結果は作品の価値に影響しないことが見えてくる。

上記作品と類似が認められている作品。伝説のヴィラン『ジョーカー』誕生の秘話が展開される。彼がここに該当することはひとまず忘れてみよう。

ある青年が、自分は1,502人の女を虜にした伝説の人物ドン・ファンであり、最愛の女に振られたために飛び降りようとしたと語る。バカげた話であり人格障害と判断されてしまうが、なぜか妙に説得力がある。

売れない手品師の男が、ファッツという人形を使って腹話術を始めるが、これがたちまち人気を呼び一躍有名になる。だが、不遇の時代が原因なのか、彼とその人形との間に異常な絆が芽生えてしまった。

衝撃的な現場を目撃した主人公の女性。強いストレスによって現実乖離を起こし、自分をドラマ『愛のすべて』に登場する看護師だと考えるようになる。そしてその妄想がドラマを複雑にしていく。

『ピーターラビット』で有名な児童文学作家であり画家でもあったビアトリクス・ポターの伝記映画。ビアトリクスの人生と、ピーターラビットといった彼女の本のキャラクターのアニメが同時に登場したり、彼女が作家として物語を常に想像することから、ここのレシピに該当する。

謎のタクシー運転手が、陰謀論をしつこく説いて回っている。彼はある女性のストーカー行為もしていて、見るからに怪しい。だが我々は、彼の本当の正体を知っていくにつれ、この状況が普通ではないことを悟る。

フランスの英雄ジャンヌダルクの伝記映画。この映画がなぜここに来るのか、それが分かる人はこの映画を『本当に観た』人である。

詳しくは書けないが、この映画はここに該当する。

彼女の演奏したレコードを聴くと、ジェンキンスは音程とリズムに関する感性がほとんどなく、極めて限られた声域しか持たず、一音たりとも持続的に発声できないこと、伴奏者が彼女の歌うテンポの変化と拍節の間違いを補って追随しているのがわかる。彼女は自分を名高いソプラノ歌手フリーダ・ヘンペルやルイーザ・テトラツィーニに比肩しうると考え、自分の演奏中にしばしば聴衆が笑い出すのを、ライバルが職業的な競争心からやらせているのだと思い込んだ。

リアルラブドールを『彼女』と真顔で兄弟に紹介する男。当たり障りない、どこにでもいる根暗でマイペースな男だったが、そのたった一つの行動で、胸の内が明らかになってしまった。だが、真剣なのだ。彼だけではない。彼の周りにいる人間が皆、真剣なのだ。ゆえにこの映画は、教訓が詰まっている。

彼は幼い頃のトラウマからマネキンしか愛することができず、夜な夜な街に出て若い女性を殺害し、その頭皮を剥いでマネキンに被せるといった異常者が描かれる。私は映画好きだから色々な映画を観るが、鑑賞中、一緒に観ている観客を疑ってしまう内容だった。私も同じように見られただろう。

妄想というのは深いテーマですね。キリスト教の礎、イエスが生きた時代は、哲学でいう素朴実在論が人間の思考を支配していて、夢で見ることが、昼間に現実で起きたことと同じ重みをもったといいます。処刑されたイエスと夢の中で出会い、話をしても、生きているイエスと会ったのと同じように受け止められるというんですね。世界で最も有名なあの逸話を『妄想』と捉えるか、そうじゃないかは、人々の手にゆだねられています。
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