MOVIE RECIPE
MOVIE RECIPEトップページはこちら。

- レシピ数:12
- 紹介映画:136
当記事は半分まで無料で閲覧可能です。また、下記『MOVIE RECIPE1:冒険者たち』が全て無料で閲覧できるようになっていますので、参考までに。

1.『2』
『2』が関連する映画がある。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『ノイズ』
- 『高地戦』
- 『バイス』
- 『ラウンドヘイ・ガーデン・シーン』
- 『キラー・エリート』
- 『ジキル&ハイド』
- 『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』
- 『仮面の男』
- 『代立軍 ウォリアーズ・オブ・ドーン』
- 『王になった男』
- 『THE ICEMAN 氷の処刑人』
- 『LUCY/ルーシー』
- 『ダークナイト』
- 『オール・アイズ・オン・ミー』
- 『パッセンジャー』
- 『ノウイング』
- 『NEXT -ネクスト-』
- 『アバター』
- 『風の谷のナウシカ』
- 『A.I.』
- 『博士と彼女のセオリー』
NASAの宇宙飛行士である男は同僚とともに宇宙空間で作業を行っていた際、何らかの事故に巻き込まれ、2分間通信が途絶えたが、彼らは無事に帰還した。しかし、スペンサーは事故のことについては妻の前でも一切語らなかった。一体何があったのか。

朝鮮戦争における南北境界線付近の高地をめぐる極限の戦いを描いた作品で、これもその『高地』が橋頭保になるからである。この映画で敵対するスナイパーに『2秒』というニックネームの人物がいる。着弾から2秒経ってようやく発砲音が届くほどの長距離狙撃を行う猛者がいるのだ。

第43代アメリカ合衆国大統領ジョージ・W・ブッシュの下で副大統領を務め、「アメリカ史上最強で最凶の副大統領」と呼ばれたディック・チェイニーを描いている。「史上最強の副大統領」「影の大統領」と評されるほどの影響力を発揮した彼は、『最強のNo.2』の名にふさわしい。
ラウンドヘイ・ガーデン・シーン
『ラウンドヘイの庭の場面』はフランスの発明家ルイ・ル・プランスの監督による1888年の短編無声映画である。この作品は一秒あたり12コマで記録されており、上映時間は約2秒である。この作品はギネス世界記録で認定された最古の現存する映画フィルムである。著作権はないので下記からそれを確認できる。
1888年にルイ・ル・プランスが制作。『世界初の映画』となる。

元SAS隊員で探検家のラナルフ・ファインズの、自身が暗殺されかけたエピソードを元にした冒険小説『The Feather Men』を原作としている。作中で『生まれ持っての殺し屋の2%だ』というキーワードが出てくる。

ロバート・ルイス・スティーヴンソンの小説『ジキル博士とハイド氏』を基にした、ヴァレリー・マーティンの小説『メアリー・ライリー/ジーキル&ハイドの恋』が、原作である。有名なジキルとハイドは、二重人格である。

『エリザベス』の続編と言ってもいい。ちょうどあの映画が終わった後に何があったかを切り取った映画で、歴史映画に造詣が深い人には嬉しい作品だ。事実、批評家の評価も高いという。タイトル通り二人の重要な女王が登場する。

1592年頃の李氏朝鮮。時の国王は14代国王宣祖(ソンジョ)である。この時、ちょうど豊臣秀吉の朝鮮出兵(文禄の役=壬辰倭乱)が朝鮮を混乱させていた。宣祖は、息子である光海君(クァンヘグン)を世子(王位継承者)に指名して逃げてしまう。この時燕山君は秀吉軍に対してどう対応したか。彼らの目線で倭の豊臣秀吉がどう見られていたかを知るために、会話の節々が貴重な資料である。

時代は1616年頃の李氏朝鮮。時の国王は15代国王光海君(クァンヘグン)である。『代立軍 ウォリアーズ・オブ・ドーン』で描かれる光海君(クァンヘグン)とは違うもう一つの顔が描かれる。光海君は『二つの顔』を持っていたと言われるのでこういう展開もありだろう。

時代は1616年頃の李氏朝鮮。時の国王は15代国王光海君(クァンヘグン)である。『代立軍 ウォリアーズ・オブ・ドーン』で描かれる光海君(クァンヘグン)とは違うもう一つの顔が描かれる。光海君は『二つの顔』を持っていたと言われるのでこういう展開もありだろう。

家族の前では良き夫、良き父親である一方で、逮捕されるまでに100人以上を手にかけた冷酷な殺し屋としての顔を持つリチャード・ククリンスキーが描かれる。この場合も彼が『二つの顔』を持っていたと考えられる。

この映画で『1+1=2 ではない』と言うシーンがある。それは極めて興味深い話である。

『トゥーフェイス』という2つの顔を持ったヴィランの誕生シーンが描かれる。

『2PAC』という伝説のHIPHOP歌手の伝記映画。

とある場所になぜか『2人だけ』の状況が展開される。それは意図的なのか。それとも。

ここでもある『2人だけ』にスポットライトが当たるシーンがある。それはラストの方だ。

主人公のクリスは2分先の未来を知ることのできる予知能力の持ち主で、その能力を隠してラスベガスのカジノでマジシャンのキャデラックと名乗って生活を送っていた。

この映画で彼が最後に選択するのは、『第二の人生』という選択肢だった。しかもそれは、とても究極的に見える。

宮崎駿と手塚治虫という2人の天才が共同で映像化しようとした作品に『ロルフ』というものがある。それは流れてしまったが、それを軸にして展開されたのがこのナウシカである。

2人の天才というなら、映画界はこれ。スタンリーキューブリックとスピルバーグが共同で映像化しようとしていた作品。キューブリックが亡くなり、スピルバーグだけで作品化した。

理論物理学者のスティーヴン・ホーキング博士と彼の元妻であるジェーン・ホーキングの関係を描き出している。スティーヴンは体が次第に自由に動かなくなり、倒れて医者から筋萎縮性側索硬化症(ALS)で余命2年とされる。

これは面白い着眼点ですよね。世界で私しかまとめていないのではないでしょうか。今後もここにガンガン『2』に関する映画をまとめていきます。『2ガンズ』とか、『リーサルウェポン』のように破天荒コンビが活躍する映画を入れればもっとありますが、ここはそういう王道を外して、よく観なければ分からないという映画だけをピックアップしています。
2.『側近の人』
側近の人は、往々にしてNo.2であり、あるいはどんなに重要な人物でも数えられるのが『2番目』になる。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『バイス』
- 『ジキル&ハイド』
- 『女王陛下のお気に入り』
- 『マリー・アントワネットに別れをつげて』
- 『大統領の執事の涙』
- 『マンデラの名もなき看守』
- 『マグダラのマリア』
- 『ザ・シークレットマン』
- 『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』
- 『奇跡の人』
- 『奇跡のひと マリーとマルグリット』
- 『ダンガル きっと、つよくなる』
- 『トゥー・ウィークス・ノーティス』
- 『パウロ 愛と赦しの物語』
- 『アメリカン・スウィートハート』
- 『プラダを着た悪魔』

前述したように、ディックチェイニーの伝記映画。

主人公のジュリア・ロバーツは、ヘンリー・ジキル博士のメイドを演じている。

18世紀初頭のイングランドを舞台にアン女王(1665年2月6日 – 1714年8月1日)の寵愛を奪い合う女性2人のしたたかな攻防を描いた宮廷ドラマ。主演は女王だが、エマストーンらが演じるその2人の側近も主役的な位置にある。

フランス革命発生時のマリー・アントワネットの姿を朗読係の女性の目を通して描いており、ダイアン・クルーガーがアントワネットを、朗読係をレア・セドゥが演じた。

ユージン・アレンという実在した人物がモデルとなっていて、1950年代のアイゼンハワー大統領から、2009年のオバマ大統領までに至るまでのアメリカの歴史が見える映画となっている。執事の立場からアメリカを覗き見るような映画だ。

1968年から1990年にかけての南アフリカ。マンデラは実に27年もの間理不尽な収監生活を余儀なくされていた。ジェームズ・グレゴリーは南アフリカの刑務官だった。コサ語を理解できるということで、終身刑を受けたネルソン・マンデラを監視するという任務に就き、1968年に刑務所のあるロベン島に赴任することとなる。

レオナルド・ダ・ヴィンチの名作『最後の晩餐』で、イエスの右隣にいる人物が女性っぽく見え、これがマグダラのマリアでないかと噂された。この人物は、591年にグレゴリウス1世が『娼婦』だったと主張し、以来長い間誤解され続けてきた。だが、2016年に最新の結論が出たのだ。

ウォーターゲート事件の情報提供者「ディープ・スロート」こと、当時の連邦捜査局(FBI)副長官マーク・フェルトを描いた作品。

ケネディ大統領の妻であるジャクリーン・”ジャッキー”・ケネディ・オナシスが、ファーストレディを務めていた頃と1963年のテキサス州ダラスで夫のジョン・F・ケネディが暗殺された以降のジャクリーンが描かれる。

ヘレン・ケラーと、三重苦のヘレンに効果的で何より厳しくも人間的な教育を授けて行ったアン・サリヴァンの偉業が描かれる。『奇跡の人』というのはまさに、このサリヴァン先生のことを言う。親を含めたすべての教師は、彼女の真似ができるか自問するべきである。

ヘレン・ケラーと、三重苦のヘレンに効果的で何より厳しくも人間的な教育を授けて行ったアン・サリヴァンの偉業が描かれる。『奇跡の人』というのはまさに、このサリヴァン先生のことを言う。親を含めたすべての教師は、彼女の真似ができるか自問するべきである。

元アマチュアレスリング選手マハヴィル・シン・フォーガットと彼の娘であるフォーガット姉妹の半生を描いている。

正義感の強い弁護士の女性が、最大手の不動産企業ウェイド社のCEOであるジョージ・ウェイドに直談判を試み、その度胸を買われて彼の秘書となる。ラブコメの帝王ヒューグラントと、サンドラブロックの共演だ。

紀元67年、ローマ皇帝ネロによるキリスト教徒迫害が行われているローマ。マメルティヌスの牢獄に捕えられて処刑を待つパウロの姿とその生涯を、監獄の看守マウリティウス、医者のルカの目を通して描く。『新約聖書』の著者の1人である使徒パウロの生涯を描いた作品。

アメリカの理想のカップルと呼ばれた映画スター同士の大物カップルがいるのだが、浮気が原因で不仲になる。彼女の妹であり、付き人である女性をジュリア・ロバーツが演じ、彼女を通して物語が展開される。

著者のワイズバーガー自身も主人公と同様、『ヴォーグ』で編集長アシスタントをしていた経歴を持つ。この作品は彼女の実体験が基となっているとされ、同誌のカリスマ編集長アナ・ウィンターが作中に登場する編集長のモデルであるという噂がある。アンハサウェイがファッション誌『ランウェイ』編集長ミランダの新人アシスタントとして奮闘する。

意外と側近の人から見た映画は多い印象です。ディックチェイニーなどの映画は別ですが、その人本人よりもその人のことを正当に評価できるという客観視効果も狙っているのか、確かにその方が本人が際立つということがあります。例えば『13日の金曜日』は、彼目線よりも彼じゃない、彼に襲われる人の目線から描いた方が恐ろしさが際立ちます。『チャイルドプレイ』も『エルム街の悪夢』もそうですね。また、斬新さを考えたら、今度は逆にそうした人物の主観で描いたホラー映画なんかも面白いかもしれません。チャッキーやジェイソン目線ですね。
3.『もう一つの目線』
神の視点とまとめてもいいのだが、とにかく非日常的な視点がカギになる映画をピックアップ。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『ハミングバード』
- 『マイル22』
- 『イーグル・アイ』
- 『ドローン・オブ・ウォー』
- 『ザ・サークル』

アフガニスタンの戦場で5人の仲間たちを目の前で殺された特殊部隊の兵士が、その報復として無関係の民間人を5人独断で殺害していく。当然これは軍法違反であり、その姿は無人偵察機「ハミングバード」によってしっかりと監視されていたため、軍からの逃亡を余儀なくされる。

東南アジアを舞台に、CIA軍事機関「グラウンド・ブランチ」に所属する工作員たちの戦いを描く。詳細は書けないが、この作品もここに該当する。
イーグル・アイ
身に覚えのないテロ工作の容疑でFBIに拘束されてしまう青年。とある理由で彼はアメリカ国内のありとあらゆる監視装置や通信機器を駆使し、追い詰めてられるのだが、その謎も含めて楽しみたい。

ラスベガス近郊のアメリカ空軍基地に置かれた空調の効いたコンテナの中で、遥か一万キロ彼方のアフガニスタン上空を飛ぶ無人攻撃機(ドローン)を操縦し、モニターに映るタリバン兵をミサイルで音も無く吹き飛ばす。その残酷で虚しい現実に、元戦闘機パイロットの男は葛藤する。

『True You』という画期的なSNSを開発した世界一のSNS企業“サークル(The Circle)”へ転職できた主人公の女性。だが、小型カメラを使ったこの技術は『人としての一線』を超えているのではないかと、違和感を持ち始める。

上からの視点を見ると『一方的かつ圧倒的』という印象を覚えないでしょうか。これは手元にある参考書をそのまま書きますが、共産主義ソ連と資本主義アメリカが第二次世界大戦から学んだことは、より高く飛行できる方が敵の行動を監視する優位を得て、兵器の力を制御して、ついには世界の軍事的覇権を勝ち取れるということでした。第三次世界大戦すなわち『冷戦』においては、ドイツのロケット工学に刺激された米・ソは地球外宇宙空間に砲台をもっとも多く保持する者が、全地球上の軍事力を制御できると考えていたといいます。月は、まさに『永遠の』空の優位性をもたらす星だったのです。
つまり、米ソがあのようにして宇宙開発競争に躍起になっていた背景には、そういう『空の支配権の強奪戦』の側面もあったわけです。2023年の最近でも、気球に監視機能がついた機械が取り付けられていてそれがなんだかんだと、問題になりました。上空からの目線はまさに、『神の視点』です。
4.『覇権争い』
ここで言う覇権争いは、トップの座に君臨する者は誰が相応しいのかを決める、とかそういうことである。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『エリザベス』
- 『ニュースの真相』
- 『クロムウェル』
- 『清須会議』
- 『スターリンの葬送狂騒曲』

エリザベス関連の映画は大体そうなるが、父王の遺志を汲みプロテスタントであったエリザベスが、プロテスタントに対する過酷な迫害から、ブラッディ・メアリー(血まみれのメアリー)と呼ばれたカトリックの異母姉メアリー女王に、ロンドン塔に幽閉されてしまったり、そういう争いがいくつも出てくる。

CBSの人気番組『60 Minutes II』のプロデューサを務めるメアリー・メイプスが部下たちと共に、ジョージ・W・ブッシュ大統領が従軍中に有利な扱いを受けていたという疑惑を追いかける。大統領の不正について追及する実話映画となっている。

1642年、ピューリタン革命を起こしたクロムウェルだが、アイルランドはクロムウェルの征服により、以後イングランドの植民地的性格が強い土地となる。

1582年に実際にあった出来事の清洲会議(清須会議)を元にしたもの。織田信長と信忠の死が、織田家の後継者問題をめぐる勝家と秀吉の対立劇のきっかけとなる。柴田勝家、羽柴秀吉、明智光秀、黒田官兵衛等、錚々たる人物が登場する。

1953年の独裁者スターリンの死によって引き起こされるソビエト連邦内の権力闘争が描かれる。スターリンの死後のソ連をどうするかということは、大きな問題だった。

覇権争いとか、遺産相続といった類のものは見ていて醜いですよね。一方で、自分の力だけで成り上がった人の一生は見ていて気持ちがいいものです。例えばアスリートなんかは大体がそうですね。いくら親が良くても、本人の実力が問われる世界です。長嶋一茂さん等はそのことをよく理解している人の一人で、彼も一般から考えたら相当フィジカルも強いしタフなのですが、長嶋茂雄を越える結果は出ませんでした。ただ、アスリートに関しては実は親が用意する環境がかなり大きなカギを握る事実も同時に存在しています。
イチロー、吉田沙保里、福原愛、石川遼、浅田真央、朝倉未来等の選手たちは皆、3歳とかそこらへんから親が環境を用意しています。その時期から自我を持って練習をストイックにできる人間など存在しません。やはり、その時期からフィジカルの基礎を作っている人と15歳から初めて始める人との間には大きな隔たりがありますからね。
5.『今日から暗殺者』
今日から急に『もう一つの人生』を送ることになった人物を描いた映画をピックアップ。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『ウォンテッド』
- 『マトリックス』

経理事務のルーティン・ワークにウンザリしている一人の若者の運命が、セクシーで謎めいた女フォックスとの出会いによって一変する。

真実を知らず仮想世界マトリックスで人生を送る主人公が、外部からの介入により機械に支配された現実世界の救世主であることを知らされ、自信が持てないまま様々な無理難題の解決を経て成長して行く過程を描いている。

『今日から俺は!!』という漫画は1990年代にヒットした漫画でしたが、2018年から2020年にかけてテレビドラマ・実写映画化され、リバイバルヒットしました。この漫画の内容も、それまではごく平凡な学生生活を送っていたが、高校1年の時の転校をきっかけにツッパることを決意し、いわゆる『高校デビュー』の形で不良人生を始める二人の男を主人公に描かれます。
6.『ヴィランになった者』
あの有名なヴィラン(敵キャラ)は、こうして今日からヴィランになった。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『マレフィセント』
- 『クルエラ』
- 『ジョーカー』
- 『スター・ウォーズ』
- 『ハンニバル・ライジング』

『眠れる森の美女』で見る彼女は見るからに魔女であり、悪役そのもの。だが、この映画を通して彼女の過去を見ると、そこにいるのはごく普通の女性だった。では、一体なぜ彼女は極悪魔女になったのか。

同じくディズニーヴィランを描く。『101匹わんちゃん』の悪役クルエラ・ド・ヴィルの若き日の姿を描くオリジナルストーリー。これも上記同様だ。一昔前のディズニーアニメは分かりやすさを徹底していて、ヴィランが『THE・ヴィラン』であることが多い。だが、彼女たちにも人生があったのだ。

映画界で最も有名なヴィランと言えば『ジョーカー』だ。これはジョーカーの原点を描いた内容ではあるが、本作以前の映像作品に登場している、どのジョーカーの過去でもない。

更に有名なヴィランに『ダースベイダー』がいる。このシリーズのどこで彼の誕生の原因が分かるシーンがあるかは伏せるが、凄惨な事件現場に慟哭するある男を映すシーンの背景で、こっそりと『あのテーマ曲』が流れ、観客は鳥肌を立てた。

「ハンニバル・レクター」シリーズ4作目となる同名小説の映画化。レクター博士の幼少期から青年期にかけてを描いている、時間軸では1番目の作品。彼がどのようにして悪人になったかが描かれる。

ヴィランシリーズは前述した『ホラーヴィランの主観視点』の発想に近いかもしれませんね。このようにしてヴィラン主観の映画を作る動きが見え始めた今、前述したようにチャッキー目線やジェイソン目線等、ホラーヴィランの主観で作品を展開しても面白いかもしれません。
また、もし『ファイナルファンタジー』シリーズが好きな人は『ストレンジャー オブ パラダイス ファイナルファンタジー オリジン』というゲームがおすすめです。なぜこれをこのタイミングでお勧めするかは書けませんが、私はほとんど無知の状態ではじめて、圧倒的なゲーム体験に感動しながらクリアすると、この作品の謎の部分が明らかにされ、感動しました。私はああいうラストシーンがツボなので、最高のゲームでしたね。断片的なムービーについて『分かりづらい』という人がいたようですが、そもそも『分かりづらくしている』のであり、映画『バベル』同様、それが狙いであるということを理解する必要があります。
7.『力を持った弱者の逆襲』
弱者が力を持つと何をするか、想像できるだろうか。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『キャリー』
- 『クロニクル』
- 『ブライトバーン/恐怖の拡散者』

いじめや裏切りなどを経て、その超人的な能力を発揮して復讐の鬼になる女子高生キャリーを描く、スティーヴン・キングの名作。クロエグレースモレッツのリメイクも面白い。

ふざけて隕石に触れた少年の一人が、超人的な能力を身に着けてしまう。彼は父親にぞんざいな扱いを受けていて、負の感情が鬱積している毎日だった。そして、その堪忍袋の緒が切れる。

従来のスーパーヒーロー物語の定型を踏襲した上で、超人的な力を持った少年が邪悪な存在だったら、との想定で繰り広げられる惨劇の行方を描いている。

実は私は弱者側の気持ちがよくわかり、子供の頃は彼女たちのように窮屈な思いをして育っていました。例えば両親にクリスチャンになることを強要されて育ったり、泣き虫ですぐに泣いたりすると、軽蔑に近い形で怒られたりして、そのたびにプライドが踏みにじられたり、逆に反骨精神が強化されていく感覚を得ていましたね。歪んでいたときは、(必ず仕返ししてやる)とかそういう形で自分を鼓舞していたものです。ですから、彼のように超人的な能力を持ったら、それで気に入らない人を全員倒して、とか、そういう妄想はよくしていました。よって、他人事ではないのです。
8.『シンデレラストーリー』
今日から暗殺者やヴィラン、と同様に、今日からシンデレラ、のような展開もある。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『シンデレラ』
- 『マイ・フェア・レディ』
- 『プリティ・ウーマン』
- 『マリー・アントワネット』
- 『はじまりのうた』
- 『パリの恋人』
- 『プリティ・プリンセス』
- 『ラブポーションNo.9』

まずはこの映画が軸になる。不遇の扱いを受けていた少女が、王子との運命の出逢いによって、人生が救われる。

労働者訛りの花売り娘が音声学者の教授から話し方を学び、レディに仕立て上げられるシンデレラストーリー。皮肉屋で女性に無理解でありながら、教授は彼女と恋に落ちる。
プリティ・ウーマン
その『マイ・フェア・レディ』を下敷きにした現代版ストーリーである。「ウォール街の狼」と呼ばれる実業家と売春婦が出会い、次第に惹かれ合う姿を描いたアメリカ的シンデレラストーリー。

1769年、オーストリアの皇女マリー・アントワネットは、オーストリアとフランスの同盟関係強化の一策として、母マリア・テレジアの命によってフランス王室に嫁ぐことになった。フランスの大地を踏み、フランスの服に着替えた彼女は翌年、ルイ16世と式を挙げる。彼女の場合は元々皇女ではあった。

特に日の目を見ないシンガーソングライターがバーで歌っていると、偶然その場に居合わせた落ち目の音楽プロデューサー・の目に留まる。彼の目から見ると、彼女の歌声には伴奏がついていて、彼女が華やかな舞台で歌う姿がハッキリ見えたのである。

全体的にヘプバーン演じる女性の恋愛物語で、ファッション雑誌会社の企画の流れがある。編集長が「ファッションに興味のない女性のための服」という特集を発案し、目をつけられたのが古本屋にいた彼女だった。

ある日突然、自分が高貴な身分の出自であることを明かされた、ごく普通の女子高生を主人公にしたシンデレラストーリー。また2004年には、続編である『プリティ・プリンセス2/ロイヤル・ウェディング』も製作された。

ある日異性を夢中にさせる媚薬を発見して、人生を思い通りにさせることができるようになる男女が描かれる。だが、そのうち違和感を覚えだし、人生を再考し始める。

女性が『白馬の王子』を求める心理は、ディズニー作品を筆頭とした世界に浸透しているフィクションの物語の影響もさることながら、その『受け身』の態勢に理由があると言えます。例えば男は狩りに出て、女性は家で子供を育てたり料理をして、それぞれが役目をはたして生きてきたという原始時代からの流れがあり、『腕力』を持っている男と、そうじゃない女との役割は違っていました。
最初、子供は労働力でしたから『母系社会』だったのですが、そのうち個人が部族となり、集団化することでルールが必要となり、『自由な発想の神話』から『統一を求める宗教』に心模様も変わってきます。そして、集団がより強い集団になって生き残るために、父系社会へと変わっていきます。部族が国家に、国家が帝国に変化していく中で、女性の立場はどんどん奥へ奥へと追いやられていき、今なら『女性差別』と言われるまでの立ち位置で生きることを余儀なくされます。
結婚して苗字を変えたり、子供が授かるかどうかの確実性がなく、権力のあるオスに選ばれて人生を生きることが当たり前になってきて、女性は『受け身』の人生を確立させていきます。他にもたくさんの事情があるでしょうが、こうした流れが一つ、ここに関係してきそうですね。
9.『移住・惑星移住』
この星は宇宙船『地球号』であり、いずれ物理的限界がくる惑星である。では、もしその時が来たらどうするか。我々にとっての『第二の宇宙船』に引っ越す以外には選択肢はないのだ。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『2012』
- 『オデッセイ』
- 『エリジウム』
- 『オブリビオン』
- 『クラウドアトラス』
- 『アド・アストラ』
- 『ブレードランナー』
- 『アフター・アース』
- 『インターステラー』

古代マヤ人が2012年の冬至ごろに訪れると予想した人類滅亡に関する幾つかの仮説を元に製作された。これはメソアメリカ文明の長期暦において、2012年12月21日に一つの区切りを迎えることから来ている。ただしこの場合はまだこの地球で生き残るという選択肢が残っている。

火星の有人探査計画のチームの一員として参加して、一人置き去りにされた宇宙飛行士の生存をかけた孤独な奮闘と、彼を救いだそうとするチームのクルー達と、地球のスタッフ達の努力を描く。いずれ火星に移住することを視野に入れた動きがあるわけだ。

2154年、超富裕層は、大気汚染や人口爆発により生活環境が悪化した地球から離れて、衛星軌道上に建造されたスタンフォード・トーラス型スペースコロニー「エリジウム」で暮らしている。そこに行けるのは超富裕層だけだが、実際に地球以外のコロニーに移住する流れがある。

西暦2077年。60年前に起きた異星人スカヴからの侵略を食い止めたものの、核兵器によって荒廃してしまった地球。人類の大半は、土星の衛星であるタイタンへの移住を余儀なくされていた。

詳細は書けないが、これも惑星移住の展開がある。

この映画ではすでに、人類は火星に宇宙基地を建造し、地球外生命体の探査に乗り出している。

21世紀初頭、遺伝子工学技術の進歩により、ロボットに代わるレプリカントと呼ばれる人造人間を発明した。彼らは優れた体力に、創造した科学者と同等の高い知性を持っていた。環境破壊により人類の大半は宇宙の植民地(オフワールド)に移住し、レプリカントは宇宙開拓の前線で過酷な奴隷労働や戦闘に従事していた。
アフター・アース
2025年、人類は自らの故郷である地球の自然環境を破壊してしまい、遠く離れた惑星ノヴァ・プライムに移住せざるをえなくなった。だがそこには先住民がいて、人類と衝突してしまうことになる。

近未来。巨大砂嵐が日常的に発生する異常気象により地球規模で植物・農作物の大量枯死が発生し、人類は滅亡の危機に晒されていた。人類が生き残る為には惑星移住しかないという究極の選択肢を突きつけられ、幼い娘を残して、生きて帰ってこられるか分からない想像を絶する宇宙の旅が始まる。

『宇宙について知っておくべき100のこと: インフォグラフィックスで学ぶ楽しいサイエンス』にはこうあります。『乾燥して、氷におおわれた火星では、現在のところ人間の命を維持することはできない。でも、火星を温めることで、何百年も何千年もかかるけれど、人間は火星を居住可能にすることができる。このプロセスは、テラフォーミング(地球化)と呼ばれている。』
火星には8カ月間かけて宇宙旅行することになるので、映画のような冬眠カプセルに入り、交代制で栄養などを点滴で補給したりして、緻密な戦略を持って向かう必要があります。しかし、そうしてようやくたどり着いた火星は、『オデッセイ』の描写にあるように、荒野、荒野、荒野。ですから、まずああして農業をして自足自給をすることが強いられるので、あの描写は正しいと判断されます。
ただし、前述したようにテラフォーミングにそれだけの時間がかかりますからね。テスラやSpaceXの創業者であるイーロン・マスクは、核を使ったテラフォーミングを語ることがありますが、NASAは『火星のテラフォーミングはそう簡単にできるものではない』と彼の計画を否定しています。
10.『選択肢』
『トリアージ』とは医療用語で、例えば災害時においては医療スタッフや医薬品などの医療資源が限られるため、治療や搬送の優先順位を決定する際に用いられる判断基準である。軽症の人より、治療が不可能そうな人より、すぐ治療すれば助かりそうな重症な人が優先される。では、このトリアージは正しいのか?
今回配合するレシピはこちらです!
- 『ブレイブワン』
- 『ゴーン・ベイビー・ゴーン』
- 『ヴィレッジ』
- 『ローン・サバイバー』
- 『HANA-BI』
- 『エネミー・ライン』
- 『ハドソン川の奇跡』
- 『フライト』
- 『マイ・ブラザー』
- 『ラビング 愛という名前のふたり』
- 『トイストーリー4』
- 『シュガーラッシュ・オンライン』
- 『レールズ&タイズ』
- 『2012』
- 『インセプション』
- 『デンジャー・クロース 極限着弾』
- 『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』
- 『ダークナイト』
- 『白鯨との闘い』
- 『シークレット・アイズ』
- 『シャッターアイランド』
- 『インターステラー』

あるところに、今にも結婚する勢いの幸せなカップルがいた。ある日二人は公園を歩いた。だが、そこで予期せぬ衝撃的な事件に遭遇する。何事もなかったかのように淡々と過ぎる日常。事務処理のごとく事件を冷たく扱う警察。女はしばらく身動きすらできなかった。だが、『行動』に出た。彼女のこの行動を許せるか?許せないか?これは、私の数ある映画鑑賞経験の中で最も規範意識を揺り動かされた、至極の名作である。

ネタバレになるのでここにはあまり書かないが、ここで出るいくつかの重要な選択肢の是非について、我々は断固として明言することはできない。

映画ではたまにあることだが、あまりにも奥が深い話だと理解できる人が少なくなり、『マイナー映画』のような扱いになる。それゆえ、CMを流す際も『面白そうなスリラー映画』のアプローチをしたりして客を集める。だが、そうして集まった客は構えておらず、深層にたどり着けない。この映画は、極めて、奥が深いテーマを扱っているとだけ言っておこう。

アメリカが誇る精鋭特殊部隊ネイビー・シールズ。こう書く理由は判断の正確性が強調されるからだ。だが彼らはアフガニスタンにおけるターリバーン指導者暗殺作戦中に起きた、ネイビー・シールズ史上最大の悲劇と言われるある事件を起こす。これは、ハーバード大学で最も人気がある講義を行うマイケル・サンデルの著書『これからの正義の話をしよう』にも登場する、善悪の判断の物語だ。

とにかく観てみよう。粗暴に見えるこの男の心の奥底にある、純粋な花火の色を。それはなぜ最後に、『二発』打ちあがったのか。

1992年から起きた旧ユーゴスラビアの民族紛争がシンシナティ協定により、ボスニアの停戦合意が実現する。NATOでもあるアメリカ空軍のパイロットは偵察として空撮に出るが、レーダー反応を探知。無許可で飛行ルートを外れてその非武装地帯に向かってしまう。だが、その行動が大問題に発展する。

2009年に起こり、奇跡的な生還劇として知られるUSエアウェイズ1549便不時着水事故、通称“ハドソン川の奇跡”と言われる実話を映画化。だが、どうもその話には秘密があったようだ。その後の知られざる真実果たしてサリーの行動は正しかったのか、それとも乗客の命を危険に晒す行為だったのか。それが次第に明かされていく。

「奇跡のパイロット」と言えばこの映画もそうだ。機長は制御不能となった航空機を背面飛行させた後に地上への胴体着陸を試みる。まず、その判断が正しかったのかを映画で観てみよう。そして、そのパイロットが抱えていたもう一つの問題も。

ある男が戦争から帰ってきたのはいいが、人が変わってしまっていた。この物語では、何人もの『犠牲者』が主人公的に存在している。まずは彼、そして彼の妻、そしてその妻を支えようとした弟。どうやら彼は戦場で、『ある選択肢』を迫られたという。果たしてその選択肢は、何が正解だったのか。彼は一生悩まされるのだ。

異人種間の結婚が違法とされていた1950年代のアメリカ合衆国バージニア州を舞台に、白人男性と黒人女性のラビング夫妻の実話を映画化した。まずはその初期設定自体が受け入れられないものだが、当時の常識だった。彼らは引き剝がされそうになる。その方がスムーズな人生を送れることは明白だった。だが、彼女らは『ある選択肢』を選ぶ。

この映画は少し毛色が違うが、最後にウッディが取る選択肢が斬新なもので、この作品のマンネリ化を潰すためにも興味深いものだった。

その意味で、この映画も同じような最後がある。私はこういう判断や結末が好きだ。2時間で完結していく映画が多い中で、それでも人生は続いていくわけだ。それは彼らのでもあり、我々のでもある。その意味で、こういう方が先行きが不透明になり、自分たちの人生とリンクすると思うから好きなのだろうか。

これもそのマイケル・サンデルの著書『これからの正義の話をしよう』に登場する話とそっくりの状況が展開される。列車運転士をやっていれば、こういうケースに遭遇することもある。よく『人身事故』で電車が止まることがあるだろう。その少し複雑なケースの状況を強いられ、彼が下した判断とは。

もし地球に住めなくなり、惑星に移住したり、あるいは「ノアの箱舟」的なシェルターで限られた生命体だけ生き残れるとしたら、その船には『誰』を乗せるべきだろうか。偉人?要人?富豪?子供?それとも。

ネタバレのためここには詳しく書けないが、あれからしばらく経ってもディカプリオは『いまだに彼が取った最後の選択肢が、僕にもわからないんだ』とコメントしている。

ベトナム戦争時の1966年8月、南ベトナムの農園地帯・ロングタンでオーストラリア軍108人が南ベトナム解放民族戦線の2000人と対峙した「ロングタンの戦い」を描く。これもローンサバイバー同様戦争のトリアージで、『それをしなければもっと大きな犠牲が出る』という選択肢が求められる。

とある医者がいる。そしてその医者はある治療の際に、『ある判断』を下した。だが、その判断が思ってもみない結果に繋がってしまう。

すでに観ている人も多い名作中の名作だが、よく思い出すと分かるように、バットマンはジョーカーから『どちらを助けるか』という究極の選択肢を求められる。そしてバットマンが選んだのは・・。

これもマイケル・サンデルの著書『これからの正義の話をしよう』に登場する話とそっくりの状況が展開される。これを含めた3つの例は、すべて違うケースでのことだ。どれもが判断に悩まされる問題で、どちらの選択肢を取っても『人ではいられなくなる』というような究極の決断を迫られる。

ネタバレになるのでここにはあまり書けないが、最後まで観ると『この選択肢は正しいのか』という今回のテーマと接触することが分かる。

この映画で彼が取る『最後の選択肢』に注目だ。内容が衝撃的で、謎が多いため、その部分を私は長い間誤解して解釈してしまっていた。『彼の最後の言葉』と、彼の結末を考え、今回のテーマを考えたい。

主人公の男であり、父に、2つの究極の選択肢が突きつけられる。このまま地球にいても、もう環境的に生きていけなくなることが確定している。だから惑星移住の選択肢を探すべきだが、それは命懸けであり、二度と戻ってこれないリスクもある。娘のために選ぶべき選択肢はどっちか。

いくつかの選択肢がある、というイメージを連想させると、大体『道が二つある』とか、『二つのものを両手に持ち、?マークを浮かべる』といったイラストなどが当てはめられます。例えば、二人の男性を気になっていて、どちらか一人を選ばなければならないというときも、人生を決める運命の選択肢が目の前に広がっているわけです。先日離婚したある芸能人は、『こういう感じになるとは思わなかった』としてコメントをしましたが、それは言うなれば『選択肢を間違えた』と言っていることになります。自分が今日選ぶ選択肢は、本当に自分の幸せにつながっているのか、それを見極める目を持ちたいですね。
11.『もう一つの視点』
前述した『神の視点』とは違い、『もう一つの視点』というまとめ方で映画をピックアップ。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『仮面の男』
- 『真珠の耳飾り』
- 『もう一人のシェイクスピア』
- 『帰ってきたヒトラー』
- 『イングロリアス・バスターズ』
- 『ポンペイ』
- 『トロイ』
- 『キングダム』
- 『キングダム・オブ・ヘブン』
- 『エクソダス:神と王』
- 『マグダラのマリア』
- 『マリリンとアインシュタイン』
- 『ジョーカー』
- 『マレフィセント』
- 『クルエラ』
- 『ダークナイト』
- 『手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく』
- 『父親たちの星条旗』
- 『硫黄島からの手紙』
- 『戦場のメリークリスマス』
- 『レイルウェイ 運命の旅路』
- 『ラストサムライ』

『太陽王』と呼ばれ、歴代最高の名君とさえ中国の皇帝も見習ったルイ14世は、ヴェルサイユ宮殿を建てたとき、お金が余っているわけではなかった。そしてその後ルイ16世とマリー・アントワネットの時に『フランス革命』が起きる。それは、皇族だけが贅沢をし、貴族や聖職者は課税を免れ、第三市民と言われた一般庶民だけにしわ寄せが来たことが原因で起きた、必然的な革命だった。
では、ルイ14世というのは本当に歴代最高の名君だったのか?そう疑問がよぎる人がこの映画を観ると、なるほど、いささか単なるフィクションに見えないところが面白い。

ヨハネス・フェルメールの絵画『真珠の耳飾りの少女』を題材にした作品。実話ではないが、こうだったかもしれない一つの物語だ。

劇作家ウィリアム・シェイクスピアの作品が別人によって書かれたとする「シェイクスピア別人説」のうち、第17代オックスフォード伯エドワード・ド・ヴィアを本当の作者とする説に基づいたフィクションである。
帰ってきたヒトラー
2010年代のドイツに蘇ったアドルフ・ヒトラーが巻き起こす騒動を描く。ヒトラーに対する数々の肯定的な描写から物議を醸したが、ヴェルメシュ自身は、ヒトラーを単純に悪魔化するだけではその危険性を十分に指摘できないとし、リアルなヒトラー像を表現するためにあえてその優れた面も描き出したと述べている。

この映画にもヒトラーが登場し、実話とは違うむごい死に方をする。

紀元前62年2月5日、ポンペイを襲ったポンペイ地震によりポンペイや他のカンパニア諸都市は大きな被害を受けた。再建作業はされたが、不完全な状態で79年8月24日以降の午後1時頃にヴェスヴィオ火山が大噴火し、一昼夜に渡って火山灰が降り続けた。よって、この内容はフィクションである。だが、心が動かされる。

古代ギリシアのトロイア戦争を元にした歴史戦争映画である。ホメロスの叙事詩『イリアス』などで描かれた神々と英雄の織り成す神話としてではなく、あくまで架空の人間のドラマとしてのトロイア戦争を描き興行的にも成功を収めた。

始皇帝が初めて中華を統一するという歴史的な実話をベースにし、始皇帝と、もう一人武将側の兵士の目線で、その目的を達成するまでの経緯を描くストーリー。

1200年頃。1000年以上続くパレスチナ問題の最盛期とも言える、十字軍の英雄ボードゥワン4世と、イスラムの英雄サラディンがいた時代を描く。主人公は中立的な立場に置き、この時代のパレスチナ問題を覗き見る。

旧約聖書の出エジプト記をもとにして、モーゼに率いられたヘブライ人がエジプトを脱出する過程を描写した作品である。「ユダヤ人がエジプトを脱出する際に海が真っ二つに割れるのが、モーゼの奇跡ではなく地震によるものとされている」といった点について批判されている側面を持つ。

前述したように、レオナルド・ダ・ヴィンチの名作『最後の晩餐』で、イエスの右隣にいる人物が女性っぽく見え、これがマグダラのマリアでないかと噂された。この人物は、591年にグレゴリウス1世が『娼婦』だったと主張し、以来長い間誤解され続けてきた。だが、2016年に最新の結論が出たのだ。

アインシュタイン、マリリン・モンロー、ジョー・ディマジオ、赤狩りのマッカーシー等とおぼしき人物たちがホテルの一室に集って繰り広げるドラマ。バカバカしいコメディに見えて、大体が実話ベースになっているため侮れない映画となっている。

前述したように、『ジョーカー』の映画。これはジョーカーの原点を描いた内容ではあるが、本作以前の映像作品に登場している、どのジョーカーの過去でもない。

前述したように、『眠れる森の美女』で見る彼女は見るからに魔女であり、悪役そのもの。だが、この映画を通して彼女の過去を見ると、そこにいるのはごく普通の女性だった。では、一体なぜ彼女は極悪魔女になったのか。

前述したように、『101匹わんちゃん』の悪役クルエラ・ド・ヴィルの若き日の姿を描くオリジナルストーリー。これも上記同様だ。一昔前のディズニーアニメは分かりやすさを徹底していて、ヴィランが『THE・ヴィラン』であることが多い。だが、彼女たちにも人生があったのだ。

代表してこの映画を挙げるが、『バットマンビギンズ』が1作目となる。要は、それまでのバットマン映画を観ても分かるように、それらはあくまでも『アメコミから飛び出した実写映画』にしか過ぎなかった。しかし、クリストファーノーランの洗練された角度からの描写によって、この作品が芸術味を帯びている。

手塚治虫が独特の視点でブッダの生涯を描く。彼は『手塚治虫の旧約聖書物語』というものも手掛けていて、イタリアの国営放送協会RAI側が『手塚のアニメ技術を信頼しているので個人の思想による自由な解釈で構わない』としたことで、許諾したという。

太平洋戦争最大の戦闘とされる硫黄島の戦いを日米双方の視点から描いた「硫黄島プロジェクト」のアメリカ側視点の作品である。

前作『父親たちの星条旗』に続き、本作では硫黄島の戦いを日本兵の視点から描いている。そのためアメリカの映画作品でありながら、劇中のセリフはほとんどが日本語である。

1942年頃。日本統治下にあるジャワ島レバクセンバタの日本軍俘虜収容所。原作者、ローレンス・ヴァン・デル・ポスト自身の体験を描いたものである。

1980年頃。『戦場にメリークリスマスなどなかった』。前述したように、『戦場のメリークリスマス』という映画がある。あれは私も大好きな映画だ。音楽など、最高である。だが、我々はそれと併せて、この映画を観なければならない。

この映画のプロットは、1877年の西郷隆盛による西南戦争と、外国勢力による日本の西洋化にヒントを得ているが、映画の中ではアメリカが西洋化を推し進めた主要な勢力として描かれている。また、戊辰戦争で榎本武揚と一緒に戦ったフランス人陸軍大尉のジュール・ブリュネや、常勝軍を結成して中国の西洋化に貢献したアメリカ人傭兵のフレデリック・タウンゼント・ウォードの話にも影響を受けている。

その他、『ジャンヌダルク』もある歴史の教師から言わせると史実と全く違うと言いますし、メルギブソンの代表作『ブレイブハート』も、同じようなことがあると言います。ただ、それを言うなら『エリザベス』の最後の、『こうして白塗りの伝説の女王、エリザベスは誕生したのだ』という締めくくりは、専門家から笑われる結果になります。あの白塗りは『やむを得ず』そうしていたのであり、当時のおしろいには鉛が含まれていて肌は荒れ、髪の毛も剥げてしまった人もいる、という裏事情があります。
よって、厚化粧をしてごまかすしかなく、すると悪循環になる。そのため、決してあの白塗りのエリザベスは、『威厳ある伝説的な状態』ではなく、『滑稽な姿』ということになってしまうのです。まあ、細かいことは言いっこなしですね。ドキュメンタリー映画ではないのですから。
12.『実話だったら面白かった』
映画には(何か惜しい)と感じる映画がいくつかあり、もし実話だったら、と考えると、これは『それと比べて二番目』ということになる。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『パフューム ある人殺しの物語』
- 『アンダーカヴァー』
- 『夜に生きる』
- 『スリーパーズ』
- 『HOT SUMMER NIGHTS/ホット・サマー・ナイツ』
- 『プライド&グローリー』
- 『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ』
- 『アメリカン・ドリーマー 理想の代償』
- 『オン・ザ・ロード』
- 『サウスポー』
- 『セインツ -約束の果て-』
- 『ドリームランド』
- 『ナインイレヴン 運命を分けた日』
- 『パーフェクト・ストーム』
- 『マイ・プレシャス・リスト』
- 『マスター・アンド・コマンダー』
- 『ザ・タウン』
- 『孫文の義士団』

超人的な嗅覚を持つ香水調合師が究極の香水を生み出すために犯したタブーを描いている。この男の個性がかなり強く、しかし香水作りのために手段を択ばないその執念深さと狂気が、ある種の芸術性を生み出していて、あのキューブリックも目をつけていた作品である。多くの人が『実話』と検索して疑うほどリアル。

警察とマフィアの争いに巻き込まれる兄弟を描いているのだが、この手の映画は実話だから面白いのであり、そうじゃないから微妙な評価しかできない。『アメリカンギャングスター』や『LAギャングストーリー』等、その手の実話には勝てない。

禁酒法時代末期のボストンでマフィアの暗躍等を描く映画だが、上記同様のことが言える。『欲望のバージニア』 では、同じ禁酒法時代にバージニア州フランクリン郡で密造酒を売るボンデュラント兄弟が描かれ、それは実話ベースだから、比較されてしまう。

原作(および映画)は当時、ノンフィクションと謳われ、著者のロレンツォ・カルカテラが少年院で体験した仕打ちと復讐を綴った小説とされ、ベストセラーになった。だが、実際には本にあるような看守殺害の裁判の記録は一切なく、マンハッタン地方検事局、彼の通った聖心キリスト教会、学校は事実無根であると声明を出した。ニューヨーク弁護士会も調査に乗り出し、ロレンツォが学校を長期欠席、または退学した事実はなく、少年院へ行っていないことが判明した。

とある青年のひと夏を切り取った映画で、マリファナを売ったりして一攫千金したり、マドンナに一目惚れしたりという展開があるが、『ブロウ』や『ブギーナイツ』のような映画と比べて弱い。

これも『アンダーカヴァー』同様で、『アメリカンギャングスター』や『LAギャングストーリー』等、その手の実話には勝てない。

これも同じことが言える。実話だったら面白かった。

これも、フィクションにしては渋すぎて、実話じゃないのに実話っぽいから違和感がある。だが批評家は「『アメリカン・ドリーマー 理想の代償』はリアリズムに徹しており、観客の心を掴んでその思考を触発する作品だ。J・C・チャンダー監督の印象に残る作品群にまた一つ名作が加わった。」と言っている。

何人か実在する作家等の人物がモデルとなっている青春ロードムービーで、コッポラ等の有名な監督が目をつけるほどのシナリオなのだが、フィクションでこのレベルなら、どこかのノンフィクションの方が面白い。

無敗の世界ライトヘビー級王者をジェイクギレンホールが演じるのだが、ボクサーの映画は『レイジングブル』や『ザ・ハリケーン』、『シンデレラマン』、『ALI 』といった名作がある中、やはりフィクションでは弱い。『ロッキー』も時代の大きな力を借りている。

1970年代のアメリカ合衆国テキサスだとか、強盗から身を引こうとしているなんたらとか、そういうシナリオがあるが、フィクションにしては地味であと一歩足りない。

1930年代半ばの米国テキサス州を舞台に、強盗殺人容疑で指名手配中の女性と17歳の少年の関係を描いている。だが、『俺たちに明日はない』とか『明日に向かって撃て!』のような実話ベースの名作がある中、これだけではパンチ力が弱い。

アメリカ同時多発テロ事件によりワールドトレードセンタービルノースタワーのエレベーターに閉じ込められた男女5人を描いている。こういう話は実話じゃなければいけないのではないか。もし実話だったら感動的でもあるのだが。

1997年にセバスチャン・ユンガーが実話を元に執筆したノンフィクション小説『パーフェクトストーム -史上最悪の暴風に消えた漁船の運命』の映画化作品。しかし、実際には想像の域を出ないはずの描写があるわけで、そこはフィクションである。もし本当だったら見ごたえがあった。

IQ185の天才だが対人能力はゼロに等しい19歳の少女が幸福を探し求めて悪戦苦闘する姿を描いている。が、彼女がこの高いIQである理由がないので、実話じゃないなら謎の設定となる。

作中でラッキー・ジャックこと名艦長ジャック・オーブリーが『ネルソン』とう名前を何度も口にする。当時、その名を知らない軍人はいないわけだが、実話だったらもっと面白かった。

強盗事件が多発するエリアでのトラブルを描くのだが、これがもし実話だったらもっと見ごたえがあった。

清末の中国では革命派と清朝廷の対立が激化していた。1906年、革命派のリーダーである孫文が香港入りし、同志たちと会合する事が決定。この情報をつかんだ清朝は大規模な暗殺団を香港に派遣した。実話かどうか定かではないが、孫文を軸に大勢がこうして命を懸けたというところが見どころである。

実話じゃないのにさも実話っぽく見せて、しかも内容がかなり渋い作品を観ているとき、私は正直に、(何を見せられているんだこれ・・)という心境になります。これがもし実話なら、実在する人物をリスペクトするべきという発想のもと、注意深く作品を観るのですが、そういう作品は基本的に興行的にも失敗してますね。キューブリック作品は大体がフィクションですが、至高のエンターテインメントに仕上がっています。黒澤明だってそうですよね。また、コッポラなら『ゴッドファーザー』はフィクションですが、実在する人物がモデルになっていたりして、見ごたえがあります。このあたりを誤解すると、制作費の無駄遣いになってしまうような気がしますけどね。しかし、こういう映画はこれからもまだまだ出てくるでしょうから、ここにも追加されていきます。
MOVIE RECIPEトップページはこちら。
