MOVIE RECIPE
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当記事は半分まで無料で閲覧可能です。また、下記『MOVIE RECIPE1:冒険者たち』が全て無料で閲覧できるようになっていますので、参考までに。

1.『超専門的』
専門性が高くて他のジャンルの人が真似しようと思ってもそう簡単には真似できない。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『レッドクリフ』
- 『奇蹟がくれた数式』
- 『8mile』
- 『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』
- 『博士と彼女のセオリー』
- 『マネー・ショート 華麗なる大逆転』
- 『キュリー夫人』
- 『インターステラー』
- 『ロレンツォのオイル/命の詩』
- 『尼僧物語』
- 『風の谷のナウシカ』
- 『手塚治虫のブッダ – 赤い砂漠よ!美しく』

諸葛亮孔明や周瑜が軍師の立場でやってみせた知略の数々は、そう簡単には真似できない。例えば、天気を読んだり、琴を演奏して会話したり、繊細かつ緻密に計算した後は、極めて大胆に行動したり。それらは、『知識、見識、胆識』がなければできないことだ。

インドの数学者シュリニヴァーサ・ラマヌジャンの伝記映画。純粋数学の正式な訓練をほとんど受けていないが、極めて直感的かつ天才的な閃きにより、数学的解析、整数論、無限級数、連分数などのほか、当時解決不可能とされていた数学的問題の解決にも貢献し、「インドの魔術師」の異名を取った。

デトロイトを舞台にした、「史上最も売れたアーティスト」の1人であり、史上最も売れた男性ラッパーであるエミネムの半自伝的な作品で、彼の初劇場主演作である。彼の技術も人がすぐにマネできるようなものではなく、その証拠に黒人優位のヒップホップ界において、白人ながらにしてこの実績を持つ。

1945年頃。第二次世界大戦中に『解読不可能』と言われたエニグマ暗号の解読に取り組んだ、イギリスの暗号解読者アラン・チューリングを描く。パソコンの基礎を作った人物として、スティーブジョブズも尊敬する男である。

理論物理学者のスティーヴン・ホーキング博士と彼の元妻であるジェーン・ホーキングの関係を描き出している。一般相対性理論と関わる分野で理論的研究を前進させた人物であり、複雑な話過ぎて何を言っているか分からない。

ここ描かれるサブプライムローン問題を見てみよう。リーマンブラザーズ社が展開していた低所得者向けの住宅ローンサービスがあった→上手くいかずに倒産→大手リーマンブラザーズの倒産に警戒する人が続出→銀行にお金を預ける人が激減→銀行がお金を貸せなくなり資金繰りに困る企業が続出→その影響を受けるビジネスマン等が続出
といった負の連鎖のイメージだ。この流れを事前に見抜き、大損害を防いだばかりじゃなく、大利益を上げた数人の人々にスポットライトを当てている。

放射線の研究で、1903年のノーベル物理学賞、1911年のノーベル化学賞を受賞し、パリ大学初の女性教授職に就任したキュリー夫人の伝記映画。ところどころに、超専門的な用語がいくつも出てくる。宇宙の話もそうだが、まるで無限にある未踏未達の領域を『限定』し、そこに絞って掘ることを信じ続けている人を見ているようだ。

ワームホールを描写し、相対性理論を可能な限り正確にするために、アインシュタインに並ぶ天才と言われる理論物理学者のキップ・ソーンが科学コンサルタントを務めた。彼は「ワームホールを正確に描いた映画は今までなかった。ブラックホールも同じだ。今回初めて、その描写がアインシュタインの一般相対性理論に基づいている」と語った。

難病副腎白質ジストロフィーに悩むひとり息子ロレンツォを助けるため、解決策を必死に探すオドーネ夫妻の実話に基づく物語。この難病を解決するために彼女たちが学ばなければならない知識は超専門的であり、彼女たちもきっと息子のためじゃなかったら、途中で挫折していただろう。

修道院に入りカトリックの教えに従い良き尼僧であろうとするものの、心の葛藤が捨てきれず還俗するまでの17年間の尼僧の物語を描く。実在のマリー=ルイーズ・アベ(シスター・ルーク)がモデルになる。果たして、彼女がやっていることが理解できる人はどれだけいるだろうか。

腐海のモデルになったのは、イタイイタイ病等の人間が作り出した公害を浄化した『有機水銀分解菌』である。人間の後始末を、植物や菌に行わせていた。これを見た宮崎駿は人間の愚かさを痛感し、このような作品が生まれた。

ゴータマ・シッダールタ(釈迦)がブッダ(悟りを開いた者)になるまでの家庭を描いた手塚治虫のフィクションだが、根幹にある教えは崇高さを保っている。この中で、生物多様性と循環型世界について説くシーンがあるが、例えば自分の体を『動物の餌』にして喜ぶあたり、普通の人間では辿り着かない。

ニーチェは言いました。『私はお前たちに超人を教える。人間は超克さるべき何物かである。お前たちは人間を超克すべく何ごとをなしたか?』『超克(ちょうこく)』というのは、困難や苦しみに打ち克ち、それを乗り越えることを意味します。彼は宗教、特にキリスト教の布教によって『腐敗』してしまった人間の精神面に危機を覚え、世に啓蒙しています。
そして、既存の価値に囚われずに新しい価値を生み出す人間を意味する、『超人』であれと説きました。ニーチェが『この世に神は存在せず、人間だけが存在しているのだ(神は死んだ)』ということを強く主張したのは、こういう背景があるからですね。神に頼るな、自分の人生はたった一度しかない。その人生の主(あるじ)を誰かに委ねるな。悔いなく生きよ。ニーチェはそう言ったのです。
『子供<大人<??』。今回のレシピで言うと、一つの答えとしてここに『超人』が該当します。大人になるためには、成人すればいい。ただぼーっとしているだけで時間はあっという間に過ぎ、ある年齢を越えたら法的にも大人として扱われます。しかし、ルソーがこう言い、『生きるとは呼吸することではない。行動することだ。』オスカーワイルドもこう言ったように、『生活するとは、この世でいちばん稀(まれ)なことだ。たいていの人は、ただ存在しているだけである。』『大人』のその次の状態が存在しているのです。
2.『玄人評価の高い映画』
玄人が高く評価する映画は、必ずしも興行的に成功していたり、万人向けだったりするわけではない。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『天空の城ラピュタ』
- 『ファントム・スレッド』
- 『花様年華』
- 『8 1/2』
- 『市民ケーン』
- 『チョコレート』
- 『ブロークバック・マウンテン』
- 『ゴジラ』
- 『七人の侍』
- 『ファンタスティック・プラネット』
- 『風の谷のナウシカ』
- 『レディバード』
- 『フェンス』
- 『或る夜の出来事』
- 『スパルタカス』
- 『ベン・ハー』
- 『エンド・オブ・ウォッチ』
- 『キング・オブ・コメディ』

ワンピース作者、尾田栄一郎はこう言っている。『僕は世の中にある物語で、「風の谷のナウシカ」と「天空の城ラピュタ」は2時間モノの作品では誰にも超えられないと思ってるんです。それぐらいパーフェクトなお話なんですよ。あれを作っちゃったら、もう自分でも超える意味がなくなると思う。』

監督は世界三大映画祭の監督賞を制覇したポール・トーマス・アンダーソン。主演はアカデミー主演男優賞を3度受賞したダニエル・デイ=ルイス。豪華キャストやスタッフが揃っていることもあって、各国のあらゆる賞を総なめに近く受賞していたり、2位、3位あるいはノミネートの数がすごい。

トニー・レオンがカンヌ国際映画祭にて男優賞を受賞した。その他、モントリオール映画祭最優秀作品賞、香港電影金像奨最優秀主演男優賞(トニー・レオン)・最優秀主演女優賞(マギー・チャン)、金馬奨最優秀主演女優賞(マギー・チャン)、ヨーロッパ映画賞最優秀非ヨーロッパ映画賞、2001年セザール賞外国語作品賞など多数受賞。
イギリスの公共放送BBCが2016年に発表した「21世紀 最高の映画100本」で、2位。イギリスの新聞ガーディアンが2019年に発表した「21世紀 最高の映画100本」で、5位。英国映画協会が2022年に発表した「史上最高の映画100本」で5位に、「映画監督が選ぶ史上最高の映画100本」では9位に選ばれた。
ちなみに私は不倫が嫌いだから、全く価値を理解できなかった。
8 1/2
この映画の評価はとても高く、ウディ・アレン、マーティン・スコセッシ、アンドレイ・タルコフスキー、ミケランジェロ・アントニオーニ、ロマン・ポランスキー、ロベルト・ロッセリーニ、イングマール・ベルイマン、他にも多くの映画監督のベスト映画になっており、映画の最高傑作と言われている。

世界映画史上のベストワンとして高く評価されている。英国映画協会が10年ごとに選出するオールタイム・ベストテンでは5回連続で第1位に選ばれ、AFI選出の「アメリカ映画ベスト100」でも第1位にランキングされている。キューブリックなどの名監督も映画ベスト10の中にこれを入れている。

アカデミー主演男優賞を3度受賞したダニエル・デイ=ルイスがこの映画のヒースレジャーの演技を絶賛している。

同じくダニエル・デイ=ルイスは、ヒース・レジャー死去直後の2008年全米映画俳優組合賞、主演男優賞の受賞スピーチにおいて、自分に映画界復帰の気持ちを与えてくれた俳優としてヒース・レジャーの名前を挙げ、「『ブロークバック・マウンテン』での彼の演技は、比類なく、完璧でした」と語り、「映画の最後のあのトレーラーの場面は私が今まで見た全てのシーンのどれにも引けを取らないほど感動的でした」と述べて、賞をヒース・レジャーに捧げた。

2014年の『GODZILLA ゴジラ』以降の人気を見ても分かるように、映画界に完全に爪痕を残した伝説の怪獣が、ゴジラである。日本のみならず海外でも上映されて人気を呼び、ハリウッド・ウォーク・オブ・フェームに日本のキャラクターとしては唯一の例として登録されている。核兵器という人間が生み出したものによって現れた怪獣が、人間の手で葬られるという人間の身勝手さを表現した作品に世界が震撼した。

キネマ旬報で10年毎に批評家らが選出した「日本映画史上のベスト・テン」では、1979年、1989年、1999年でいずれも1位に選ばれた。ワシントン・ポスト紙のデッソン・トムソンは、「史上最高のアクション映画」としている。映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには86件のレビューがあり、批評家支持率は100%で、平均点が9.60/100という高評価を獲得している。同サイトの「アートハウス&国際映画トップ100」では3位、「アクション&アドベンチャー映画トップ100」では10位にランクされている。Metacriticには6件のレビューがあり、加重平均値が98/100となっている。
ジョージ・ルーカスはUSCの映画学科で学んでいる時に、本作を見て大きな衝撃を受けた。後にルーカスは「『七人の侍』は私に途方もない衝撃を与えた。私はそれまであのように力強く、しかも映画的なものを見たことがなかった。私がその文化や伝統を理解していない事など問題にならないくらい、とても激しく感動した」と語っている。ジョン・ウーは映画を撮る前に必ず本作を見直しており、「あらゆるアクション映画の模範であり、私にとって教科書のようなものです」と語っている。

奇妙な巨大生物の描写など、宮崎駿の漫画・アニメ『風の谷のナウシカ』に影響を与えたと指摘されている。当人は、本作を鑑賞した際「ヒエロニムス・ボッシュの絵みたいな」「美しくもおぞましい」キリスト教ベースの美術に辟易しつつも「面白い」と思い、翻って風土を念頭におかない作品を描く通俗的な日本のアニメの現状を、「美術が不在」という表現で反省している。

前述したナウシカだが、宮崎作品で唯一、WWF世界野生生物保護基金(現・世界自然保護基金)推薦の映画となっている。

映画批評集積サイトのRotten Tomatoesで批評家支持率100%を記録していた希有な作品となった。レビュー数が150件を超えてもなお100%を維持している作品は『マン・オン・ワイヤー』(2008年)以来であった。しかし、同年12月10日、196番目のレビューがRotten評価を下したため、支持率は99%になっている。

本作は極めて高い評価を得ており、第89回アカデミー賞では作品賞を含む4部門にノミネートされ、ヴィオラ・デイヴィスが助演女優賞を受賞した。日本では劇場公開されずにソフトスルーとなった。日本ではアカデミー賞にノミネートされても劇場公開されなかったり、逆に受賞をきっかけに公開が実現した作品は過去に前例があるが、本作では受賞したにもかかわらず劇場公開が見送られた稀な事態となった。

第7回アカデミー賞では主要5部門でノミネートされ、5部門とも受賞した(作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞、脚色賞)。ちなみにこの5部門を全て制することは、1975年の『カッコーの巣の上で』が成し遂げるまで出ないほどの大記録であった。

キューブリックはあくまで監督として「雇われた」だけだと言い張り、死ぬまでこの映画を自分の作品とは認めず、「あの映画には失望した」とまで言っていた。これは製作者カーク・ダグラスが大物俳優であったことにより、キューブリックの思惑どおりになかなかことが進まなかったことが理由とされている。ただし近年までの本作品の評価は一般的、批評家的にも高評価であり、キューブリック本人の自作否定と反して監督本人のキャリアを汚すものではない。

1959年アカデミー賞で作品賞・監督賞・主演男優賞・助演男優賞をはじめ11部門のオスカーを受賞。この記録は史上最多記録でその後長く続き、『タイタニック』(1997年)、『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』(2003年)がようやく同じ11部門受賞で並んだが、現在もアカデミー賞の史上最多受賞作品の一つである。

ジェイク・ジレンホールとマイケル・ペーニャがロサンゼルス市警察の警察官を演じる。「ロス市警全面協力」で撮影された。『シカゴ・サンタイムズ』のロジャー・イーバートは4ツ星満点を与え、「近年最高の警察映画の一つ」と評した。

興行的には失敗したものの、業界関係者からの評価は非常に高く、黒澤明、ヴィム・ヴェンダース、松田優作、レオナルド・ディカプリオ、エドワード・ノートンらが本作のファンであることを公言している。松田優作は『ペントハウス』誌のインタビューで、本作で主人公を演じたロバート・デ・ニーロについて
「俺、『キング・オブ・コメディ』まではある程度とらえられる距離にいたつもりだったんだ。だけどあれを観てほとんど絶望感じたね。完全に落ち込んじゃった。今世紀生きているうちは、とてもじゃないけど勝てっこねえ。何て言うか役者として誰も行かなかったところに、デ・ニーロはさわった気がするんだ。もうとても、俺なんかとは比較になるようなもんじゃねえよ」と発言している。

今回の場合、万人である一般層というよりは、映画を評価する批評家や、映画を作る監督、または各所の専門家等から高い評価を受けている映画となります。私は映画を作ることは一生ないので分からない領域となりますね。ですから、『市民ケーン』等のこのあたりの作品の良さは分かりません。しかし、とある映画を分析したyoutubeの海外の動画によると、『黒澤映画とアベンジャーズ』を比較して、後者を酷評しているものがありました。
『黒澤映画には、後ろに映りこむ雨の景色まで、意味がある。だが、このアベンジャーズで皆が座って会話するシーンのカットに、ほとんど意味なんて存在しない。』
どうやら映画の撮影方法の話になるということで、黒澤映画が世界中の名監督を虜にした理由は、クリエーターとしての黒澤明の完璧主義な性格とプライドに惚れたということになりそうですね。その意味で、キューブリックの『バリーリンドン』を観た黒澤明は、彼にファンレターを送っています。時代背景の考察が素晴らしいと感銘したんですね。彼らはお互いに認め合っていたようです。
3.『専門家が注目する映画』
前述した流れで、専門家が絶賛する映画がある。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『七人の侍』
- 『市民ケーン』
- 『バリー・リンドン』
- 『コンタクト』
- 『インターステラー』
- 『アポロ13』
- 『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』
- 『ガタカ』

前述したように、世界中の名監督から絶賛されている。

前述したように、キューブリックを含めた多くの専門家から高い評価を得ている。

前述したように、黒澤明は『バリー・リンドン』における正確な時代考証を高く評価しており、晩年にはキューブリック宛にファンレターを送っている。

『BTTF』監督のロバートゼメキスが、SETI(地球外知的生命体探査)プロジェクト、人類と宗教、科学、政治、地球外生命、などをテーマとするSF映画を作った。下記に紹介する『インターステラー』でも頭脳として活躍した理論物理学者のキップ・ソーンが関与している。

『コンタクト』でも共同した映画プロデューサーのリンダ・オブストと理論物理学者のキップ・ソーンにより考案された。前述したように、ワームホールやブラックホールを初めて視覚化することに成功した。

日本人宇宙飛行士の野口聡一は、2020年11月のインタビューの中で、最も好きな「宇宙モノ映画」としてこの作品に言及し、「再現性が本当に高い」とコメントしていた。

第87回アカデミー賞作品賞をはじめとする数々の映画賞を受賞している。本作は『長回し』のような撮影方法が称賛されていて、演出・演技・音楽・撮影・脚本など全てが大いに賞賛された。中でも、マイケル・キートンの演技に対する称賛は並外れており、多くの批評家から激賞されている。

意味深でメッセージ性が高いヒューマンドラマもさることながら、2011年、NASAにより「現実的なSF映画」1位に選ばれた。

それで言うと『8mile』等はエミネム自身が役者を務めているだけあって、同業者からも称賛されることになりますね。警察が選ぶ『現実的な警察映画』や、NASAが選ぶ『現実的なSF映画』等という評価があると、一気にその作品の価値が引き上がる印象があります。ただの背景や衣装として見逃しているようなシーンにも『意味がある』と思うようになり、今まで以上に作品を楽しめる感じがしますよね。
4.『この情報の真偽はいかに』
情報の真偽を見極める見識が問われる内容を扱う映画をピックアップ。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『マネー・ショート 華麗なる大逆転』
- 『記者たち 衝撃と畏怖の真実』
- 『スノーデン』
- 『ザ・レポート』

前述したように、あらゆる情報が飛び交い、その玉石混交の情報から真偽を見極めて大きな決断をする彼らにかかる重圧は、計り知れない。

イラク開戦をめぐる「大量破壊兵器」捏造問題を実話を元に描く。映画ではブッシュ元大統領を始め、多くの政治家たちのテレビでの発言が引用され、その背後で新聞記者たちがどのように考え行動していたのかを描き出している。

まずはこの映画でスノーデンがやったことについて考える。

だがこの映画では、そのスノーデンを国賊扱いしていて、『あのやり方は犯罪者だ』と言い捨て、違うやり方があるとして、CIAの不正行為を『正当な方法で』問いただすという展開がある。

スノーデンに関しては実態がよくわからないので何とも言えない状況です。恐らく彼がやったことは正しいのですが、確実にそうとも言い切れないような気配が漂っています。それはただ、情報を発信する大元であるアメリカの恣意的な意図が存在する可能性もありますが、何とも言えません。ただ、普通に真に受けて考えれば、盗撮や盗聴などをしていたアメリカの重要な組織は倫理的に一線を越えていることになり、越権行為として罰せられるべきです。念のため、下記のレシピからスノーデンは外しておきますが、もちろん彼もそこに該当する可能性があります。
5.『見抜く者たち』
そのスノーデンは置いておいたとしても、様々な実態や真相を見抜く人たちを描いた映画をピックアップ。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『マネー・ショート 華麗なる大逆転』
- 『ダラス・バイヤーズクラブ』
- 『ハングリーハーツ』
- 『あまくない砂糖の話』
- 『華氏911』
- 『華氏119』
- 『インサイダー』
- 『レッドクリフ』
- 『クイズ・ショウ』
- 『ジャンヌ・ダルク』

前述したように、その玉石混交の情報の中から真偽を見極め、取るべき選択肢を見誤らなった数人の男たちが描かれる。

ロン・ウッドルーフの実話が基となっている。1985年ダラス、男は「エイズで余命30日」と医師に宣告される。当時まだエイズは「ゲイ特有の病気」だと一般的には思い込まれており、薬に関しても様々な誤解があったが、自分の力で次々と解明していき、食事等も考えて選ぶようになっていく様子が描かれる。

これも上記作品同様、赤ちゃんができたことをきっかけに様々なものを『再考』するようになる女性が描かれる。だがこの場合はそれと違って少し『過剰』であり、当たってはいるが『理解している範囲が狭い』ため、軋轢を生みだしてしまう。

「砂糖を摂取し続けると人体にどのような影響を及ぼすのか」を映像で記録した作品である。非常に興味深い内容で、例えば『あなたの体は9割が細菌』というこれとは無関係の本があるのだが、そこにある『ニキビと無縁の人』の話と同じ的を射る。例えば、コーラ的飲料水によって虫歯だらけになった人がいる等。

2001年頃。アメリカ同時多発テロ事件へのジョージ・W・ブッシュ政権の対応を批判する内容を含むドキュメンタリー映画。

「119」はドナルド・トランプが第45代大統領が当選を確実とし勝利宣言をした「2016年11月9日」を意味している。トランプが黒人を差別したり、オバマ大統領がフリントで発生した汚染水問題でのいい加減なパフォーマンスや軽口などで痛烈に批判されている。

フィリップモリスで有名な大きなたばこ会社が、『ニコチンに依存性がある』という事実を知った上で、ビジネスを展開していたという『大企業の陰謀』的な不正行為に挑むジャーナリストだが、あまりにも相手が大きかった。

作中で軍師の周瑜が、曹操の送ってきた『周瑜の旧友』を『スパイ』だと見抜き、わざと酔ったふりをして偽の情報をさも機密情報かのようにして盗ませ、表層の勝利を譲って水面下の勝利を得る、というシーンがある。

1950年代に実在したNBCの人気テレビ番組『21(トウェンティワン)』をめぐるスキャンダルを、伝説の俳優ロバート・レッドフォードが監督して映画化した。当時の人気を考えると、ここで不正は行われてはいけなかった。それだけ影響力がある番組だったのだ。ハーバードを首席で出るような捜査官の男と、クイズショウの実力者が頭脳戦を展開するあたりが、見ものだ。

フランスの英雄、オルレアンの乙女として伝説となっているジャンヌダルクは、『神のお告げを聞いた』として祖国に貢献した。だが、『本当は』どうだったのか、ということを独自の切り口でリュックベッソンが切り込む。

個人的にはこの『ジャンヌダルク』は衝撃的な映画でしたね。歴史の教師か何かがこの映画の歴史的な信憑性について文句を言っていたようですが、ドキュメンタリー映画ではないので私はそういうことは気にしていません。そういうことを一切度外視してエンタメ的な映画としてのこのシナリオを純粋に楽しんだとき、彼女が最後、牢屋で突きつけられる『ある話』は、何十年もクリスチャンの両親との間で衝突を繰り返してきた私のような人間にとって、衝撃でしたね。
どう衝撃だったかというと、(リュックベッソン・・やるやん)ということです。つまり、私はもうその激動の数十年の時間の中で、これ以上ないくらいにそれらのテーマについて無宗教の立場から考え抜き、答えを出すまでに至っていました。そしてこの映画で『神のお告げを聞いた』と言った彼女の『本当の姿』についてあのような形で言及したのを観た時、単純に嬉しかったですね。(自分と同じ結論に至っているのは、自分だけじゃない)ということでしたから。
6.『人間の教科書』
人間が観るべき教科書的な、教材的な映像作品がある。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『あまくない砂糖の話』
- 『ボヤージュ・オブ・タイム』
- 『THE 11 hour』

前述したように、砂糖の害悪性について証明している。よく見て馴染みのあるあの世界的大企業でさえ、このことを知っていながらも『依存』させ、継続的な収益源の確保のためにそれを隠蔽している。

この映画を作ったテレンス・マリックという人物は、ハーバード大学で哲学を専攻し、1965年に首席で卒業しているということを先に知っておきたい。彼の作品は複雑すぎて全く理解できないものもあるが、これに関しては『全家庭で常に流れているべき』とさえ思わせる、啓蒙作品である。

これに関しては内容があまりにも複雑すぎるので、詳細は感想記事を見てもらうしかない。

この『THE 11 hour』という映画の感想文は、全3000作品の中で最も文字数の多いものとなっています。異例中の異例のため、他の記事とは一線を画すまとめ方となっていて、その教訓性の高さが群を抜いています。
7.『この哲学の行方』
この世界を生きた様々な哲学者が関係する映画がある。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『完全犯罪クラブ』
- 『マルクス・エンゲルス』
- 『危険なメソッド』
- 『ヴィレッジ』
- 『青い珊瑚礁』
- 『はじまりへの旅』
- 『リベリオン』

レオポルドとローブによる事件を題材としている。2人とも裕福な家庭に生まれたユダヤ人で、互いに同性愛関係にあった。完全犯罪(になると彼らは思っていた)を遂行することで自分たちの優越性を立証しようという動機の異様さが話題を呼び、小説や戯曲・映画の題材にまでなった。レオポルドとローブは共にニーチェの超人思想の信奉者でどちらも非常に知能指数が高く、逮捕される恐れを一切感じることなく完全犯罪を成し遂げる力があると信じていた。

1840年代。ドイツの思想家カール・マルクスとフリードリヒ・エンゲルスの若年期を描いている。ヨーロッパでは産業革命により資本家の元、労働者たちは過酷な生活を強いられていた。その現実を受け、彼らは『共産主義』という思想を提唱。これがのちの『冷戦』等に繋がる。結果、彼は現実世界に最も影響を与えた哲学者となった。

精神科医カール・グスタフ・ユングとジークムント・フロイト、そしてザビーナ・シュピールラインの3人のドラマを描く。心の奥底に眠る感情をあぶり出す“言語連想テスト”やユングとフロイトが意見交換する“夢分析”シーンなど知的好奇心を刺激するエピソードも数多く描かれている。

ほとんどの人がこの映画のテーマを勘違いしているが、これは老子が言った『小国寡民(しょうこくかみん)』の実態を想像させる映画となっている。意味は、『小さな人数であれば統治しやすいが、規模が大きくなるとそれは崩れやすい』ということ。果たして、その真偽や善悪はどうかということについて考えさせられる。

これも同上であり、続編の『ブルーラグーン』とこの3作品は併せて楽しむことができる。彼らは『社会』で暮らすべきか。それとも無人島で生涯を過ごすべきか。そのどちらが人本来の姿として正しいのか、という裏テーマを突きつけられることになる。

資本主義とアメリカ人の生き方に幻滅した夫婦が、子どもたちにサバイバルの技術と哲学を教え込み、森の中で10年生活していた。これは様々な哲学的要素が含まれた作品で、例えばエコロジー思想の創始者と言われるヘンリー・デイヴィッド・ソローにの『ウォールデン 森の生活』は、作者ソローがウォールデン池のほとりで、1845年に約2年に渡って小屋で送った自給自足の生活を描いた回想録だが、彼は『パンを得る過程においておのれの潔白を失うようなら、むしろひと思いに餓死する方がいい』と言っている。
彼らも彼のような高潔な生き方をしているように見えるが、この映画の家族は社会に出た時、スーパーで大量に万引きしてしまう。つまり、彼らは正しい生き方をしているように見え、しかし『社会』不適合者である側面も持つ。易きに馴染まず難きにつく。同調・追従の思想がなく主体的なのはいいが、『社会』にいる我々から見ると明らかに間違っているというこのコントラストが見どころ。

これも圧倒的なアクションに目が行く人が9割以上を占めてしまっている。だが実際には最も重要な見どころは『圧倒的な外圧によって支配(統治)する国の在り方』についてである。これは、孔子と韓非子の思想が関係している。孔子は『人間全員が主体的であれば為政者など必要ない』と説いたが、韓非子は『そういうことがまかり通るのは古代の時代だけだ。人間は孔子が言うほど崇高な存在ではなく、法律、罰則等の外圧によってでしか統治できない』とした。

韓非子は異を唱えました。人間は孔子の言うような高潔な存在ではない。『利己』に走り、損をすることを回避しようとする。それが人間の本性というものである。従って、法律によって刑罰を整えれば、人はそれを回避しようとして、犯罪を予防できる。法さえ完備していれば、国の秩序は保たれるとして、法の重要性を説いたのです。


と主張したのです。更に、孔子の考え方に対立した者は、道教の創始者と言われる老子や、その教えを継いだ荘子です。儒教にある『人為』を否定し、『無為自然』を思想の根本に置きます。『天』に行きつく『道』を示したのです。
老子は『小国寡民』という考え方を主張します。『小国寡民』とは、『小さい世界なら平和になるよ』ということ。韓非子同様の方向で、孔子の儒教と対立しました。対立といっても『孔子の教え』では孔子が老子に教えを乞うシーンがあったりします。
このあたりの哲学者の思想を知っていると、ここで挙げたような映画の『設定』から得られる教訓を見逃すことがありません。制作者は『そこまで考えて作っていない』かもしれません。しかし、偶然でも重要な的を射ていて、それをテーマにしている。我々鑑賞者はそうして完成された『奇跡的な教材』を見てこれらのテーマについて熟考させられ、新たな見地と確信を得て、次に繋げていくのです。
8.『あなたにこの答えを明言できるか』
明言できるということは、答えが分かっているということになる。だが恐らくその答えが正しいと明言できる人は、そう多くはない。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『ヴィレッジ』
- 『ゴーン・ベイビー・ゴーン』
- 『ブレイブワン』

前述したように、老子の小国寡民が関係している話になる。『彼ら』の心境を理解できない人は、この人生でぬるま湯に浸かってきた経験しかないだけだ。

最後、我々は突きつけられることになる。『本当にこの選択は正しかったのか』ということを。

この映画のキャッチコピーはこうだ。『あなたはジョディフォスターを許せるか』。この映画以上に規範意識を揺り動かされた映画はない。

例えばこの『ブレイブワン』を勧めた人の感想で、『でも、人を殺すのはいけない』というものがありました。すかさず私は『じゃあもしあなたが戦場にいて、敵に銃で撃たれていて、隣の仲間が撃たれた。自分が次に何かをしないと、次の瞬間にはいよいよ仲間も自分も全員死んでしまう、という状況の時、あなたは今と同じセリフを言うだろうか』と問うと、『確かに・・』と口をつぐませていました。
その方はそうしてすぐに理解してくれたからいいのですが、ほとんどの人はそのようにして、深く潜ってまで映画のテーマを考えたりしません。あるいは近年の動画配信サービスによる『観放題状態』という状況も手伝っているでしょう。テレビとyoutubeの関係同様、『自分に合わなければさっと違うチャンネルに変える』という考え方がまかり通っています。
それが問題視されたニュースもありました。『Twitterによる短文慣れで、読解能力が低下している』とか、『自分のフォローしている人等の好きな情報だけを偏って注目してしまう』等の問題がそれです。それはまるで、貧乏時代を生き抜いた人が、生き抜くために非常に強力な免疫力を手に入れるかのような、そういう『逞しさ』が失われる風潮に似ています。
『ブレードランナー 2049』では、免疫不全のためガラスの無菌室内で暮らす女性の姿が描かれますが、赤ちゃんがハイハイして床の埃を吸ったり、様々なばい菌付きのおもちゃをしゃぶって免疫力をつけ、この生物多様性の世界でたくましく生きていく土壌を築いていくように、またホイットマンがこう言ったように、『君が教訓を学んだ相手は、君を賞賛し、親切をほどこし、味方になってくれた人々だけだったのか?君を排斥し、論争した人々からも大切な教訓を学ばなかったのか?』そのような『恣意的選別』は、必ずしも人の未来を明るいものにしません。
9.『神はいない』
『神はいない』ということについて、考えさせられる映画がある。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『レジェンド・オブ・フォール/果てしなき想い』
- 『パシフィック・ウォー』
- 『ワイルドガン』
- 『アウトポスト』
- 『早熟のアイオワ』
- 『チェンジング・レーン』
- 『7月4日に生まれて』
- 『ラリー・フリント』
- 『沈黙 -サイレンス-』
- 『ALI』
- 『ホテル・ルワンダ』
- 『ビーン』

基本、どの場面でそれが出てくるかも含めて楽しんでもらいたいが、ここに挙げるすべての作品で『神はいない』とぼやくセリフが出てくる。

太平洋戦争末期に戦争終結の極秘任務を命じられたアメリカ海軍の巡洋艦インディアナポリスとその艦長チャールズ・B・マクベイ3世の数奇な運命を描く。

ドナルド、キーファーのサザーランド親子が共演する西部劇。かなり渋い作品で、ドナルドが三船敏郎の大ファンであるという事実や、恐らくはこれが最後の親子共演であるという事実等を総合的に考えると、奥が深い映画となっている。

アフガニスタン紛争における屈指の激戦、カムデシュの戦いが描かれる実話映画。途中、『この混沌も神の仕業だと?』とぼやくシーンがある。

『プリティリーグ』で有名な俳優のロリ・ペティが、自身の少女期の実話を基に描いた作品。

車線変更(チェンジング・レーン)による些細な接触事故をきっかけに激しく憎しみ合うようになる二人の対照的な男の姿を描いている。

主演のトム・クルーズは役作りのため、約1年間車椅子に乗って生活した。ゆえにこの映画がどんな人物を描くかが想像できる。

有名なポルノ雑誌「ハスラー」の出版者・編集者のラリー・フリントの台頭と法廷闘争を描いた映画。

遠藤周作の小説『沈黙』を原作として、マーティンスコセッシが映画化。隠れキリシタンについて取り上げた作品である。この作品のタイトルがなぜ『沈黙』なのかということが、これらのテーマを考える際にあまりにも重くのしかかる。

マルコムXら黒人たちが多く迫害され、『神は黒人の存在を知らねえ』と言うシーンがある。

ルワンダ虐殺というのは、あまりにも恐ろしい事件である。例えば、核爆弾で死亡した人は10~20万人で、もちろん数で人の命を考えることはできないが、この事件で死んだ人は100万人を超えるのだ。エンディングテーマの歌詞に注目である。
『天も泣く イエスも泣く 神様 聞こえましたか?私の叫びが聞こえましたか?救ってくれますか? ルワンダのことを話したい・・』

最後はおふざけ。『神はいないよ本当に』とぼやいて諦めるシーンがあるが、前述したような作品で真剣にそのテーマについて考えた後に観ると、気が抜けて思わず笑ってしまう。

『ジャンヌダルク』もここに挙げられるかもしれません。とにかく、『沈黙』で考えられるように、いくら天に向かって何かを問いかけても、返事は何も帰ってこないわけです。未だかつて誰も神の姿を見たことはないため、その実態は『人間の想像し放題』の状況が存在します。ゆえに、日本の哲学者三木清などは『人間が宗教を造るのであって、宗教が人間を造るのではない。』と言うし、マルクスも『宗教とは、民衆の阿片である。』と言い、
フランスの哲学者ヴォルテールは『あらゆる宗教のうちでキリスト教は、疑いもなく最も寛容を教えたはずの宗教である。しかし、現在までのところキリスト教徒は、すべての人間のうちで最も不寛容な人たちであった。』と言い、ニーチェは『キリスト教徒はただひとりしかいなかった。そして、その人は十字架の上で死んだ。』と言いました。
しかし極めて注意深く見る必要があるシーンとして、『エクソダス:神と王』で、モーセが会話する『謎の少年』が、『私は、ある』と発言することです。もちろん聖書を参考にしているわけです。彼は神と会話しているわけで、その後にシナイ山で十戒を掘り、紀元前1300年であるそこからユダヤ教が始まって、30年頃にキリスト教、600年頃にイスラム教が始まっていくわけです。『神はいない。しかし、わたしは、ある』。これがどういう意味か分かるでしょうか。
10.『深いセリフがある』
非常に傾聴に値する、深いセリフを言うシーンがある。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『ダラス・バイヤーズクラブ』
- 『マネー・ショート 華麗なる大逆転』
- 『ソウル・サーファー』
- 『フォレスト・ガンプ/一期一会』
- 『シャッターアイランド』
- 『ア・フュー・グッドメン』
- 『人生はシネマティック!』
- 『プリデスティネーション』
- 『マグノリア』
- 『ムーラン・ルージュ』
- 『ウシジマくん』
- 『ウォール・ストリート』
- 『パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー』
- 『コラテラル』
- 『禅 ZEN』
- 『ガタカ』
- 『それでも、愛してる』
- 『ブレグジットEU離脱』
- 『キルトに綴る愛』
- 『ジェミニマン』
- 『沈黙 -サイレンス-』
- 『地球が静止する日』
- 『ジャンヌ・ダルク』
- 『インベージョン』
- 『キック・オーバー』
- 『ポワゾン』

前述したように、彼が食事を選別するシーンがあるのだが、そこに注目である。

これも同じように、ブラッドピット演じる男性が、食事の有害性について語るシーンがある。識者でなければ出てこない発言となる。

『End・・それは、始まりである』。というセリフが最後にある。とても深い言葉である。

「人生はチョコレートの箱、開けてみるまで分からない」。この台詞は、「アメリカ映画の名セリフベスト100」において第40位となっている。

ラストシーンに注目である。『彼』が最後に言うセリフを聞き逃すと、この映画の印象が180度変わってしまう。

ジャック・ニコルソン演じるネイサン・R・ジェセップ大佐が放つセリフ「You can’t handle the truth!(『おまえに真実は分からん!』)」は、アメリカ映画の名セリフベスト100において29位にランクインされている。

作中の映画のシーンで『どんなに強く望んでも手に入らないものはあるか?俺にはある。それは生きる力を奪うか、燃え続ける炎を与えるかだ』という深いセリフがある。

時間が関係する映画で、『卵が先か鶏が先か?』という極めて興味深い問いかけがある。

全体的に『確率』が一つのテーマになっていて、冒頭のテレビのシーンから最後のあのシーンに至るまで、決して無下にできない意味深なセリフがある。

この映画でニコールキッドマンが歌う『ダイヤモンドは女の親友』という歌は、かなり聞き捨てならない言葉である。ネガティブなことではない。聞き捨てならない、つまり軽はずみに無視できない話ということである。

あるAV女優をやる羽目になったカフェの店員が、5円を落としてそれを無視したシーンがある。そこでウシジマが、『その5円の価値が分からないから、お前は借金してるんじゃないのか』と言うのだが、ウシジマという男はたまにこういうことを言うのだ。

途中、オランダ黄金期の『チューリップバブル』についてさらっと触れるシーンがあるのだが、それは極めて重要な話をしている。ガルブレイスの『バブルの物語』を読んでいる人はすぐに気が付く教訓である。

実在の医師パッチ・アダムスを描いたお話。『死を遠ざけるのではなく、生を高めるのが医者だ』。思わずメモするほどのこの名言。私は運営するWEBサイトにある通り世界の8000の名言を内省している。この言葉はそれに全くひけをとらない言葉だ。

この映画のとあるシーンで、アーネスト・ハスキンズのこの言葉が頭をよぎるセリフがある。『毎月少しずつお金を貯めていきなさい。そうすれば年末にはびっくりすることでしょう。あまりの少なさに。』

この映画で道元の母が言う『世間では、阿弥陀様にお願いをすれば死んで浄土に行けるという教えが流行っているようですが、本当にそうでしょうか。浄土とは今ここ。生きているこの世こそが浄土でなければならないのです。』という言葉は、真理である。

『不老不死に生きる命と、限りある命。随分心拍数変わる気がしませんか?』とある歌の歌詞にこういうものがあった。
映画の意味が分からないという人もこの魔法の言葉を聞いた後に観れば、この映画の深さが分かるはずだ。絶対に見逃してはいけないのは、ラスト10分前の、『海で泳ぐシーン』。ここで『生まれつき心臓が弱く30歳までの寿命と宣告されている』イーサンが言うセリフに、この映画の深層メッセージの全てが詰まってる。

ニュースが話題を取り上げて『1億ドルの広告がタダでできたわ!』と喜ぶシーンがある。広告戦略について考えたい人にとって、非常に興味深い内容となっている。
イギリスのEU離脱(ブレグジット)の是非を問う2016年の国民投票の背後で「離脱派」の投票キャンペーンを指揮した選挙参謀ドミニク・カミングスがどのようにして国民投票を攻略したのかを描いている。
この映画で出てくる広告のキーマンとの会話の中で、『マッチング広告』というキーワードが出てくる。例えば街宣車で街中を走ってスピーカーで宣伝すれば、『全く興味がない人』にも強制的にその広告をしてしまうが、この手段であれば、『その人に適した適切な広告』を提示することができる。

ネタバレになるので書けないが、ラストシーンでウィノナ・ライダーが言うセリフに注目である。

敵となる人物が、なぜクローンを使う発想に至ったのかという理由が、一辺倒に切り捨てることができない深さを持っている。

前述したように、『沈黙』について描かれる。なぜ神は応えてくれないのか。そして、なぜ人は偶像崇拝に依存してしまうのか。この手のテーマを考える際に考えるべき内容が盛りだくさんの作品となっている。

キアヌリーヴス演じる宇宙人と天才科学者が、黒板の数式で会話をするシーンがある。

前述したように、ジャンヌダルクが最後に牢屋で突きつけられる内容が、極めて重要である。

一見するとゾンビのB級映画に見えるが、最後のこのセリフによってすべてが覆される。『争いが無くなると、人間ではなくなる。』

この映画の最後にメルギブソンが鑑賞者に問いかけるセリフが、他と一線を画していて面白い。

『恋は奪うもの。愛は与えるもの』。このセリフを聞いてから数十年。一度もこの言葉が色あせることがなかった。

また前述した『エクソダス』の『わたしは、ある』というセリフも極めて深いセリフとなります。それは先ほど張ったリンク先の記事を観れば分かるのですが、『わたしは、いる』だと、人間の姿をした神様のような人を想像してしまい、それがあらゆる問題を引き起こす原因となってしまいます。しかし、『ある』だと、それは『人』に限定されません。このあたりのポイントが、極めて重要です。
11.『真理の明暗』
この世界で最も重要なテーマに触れた映画がある。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『砂と霧の家』
- 『ベリー・バッド・ウエディング』
- 『チェンジング・レーン』

まずは前述したように、『張った記事』を読む。

そして、上記とこの作品を観る。そこに広がっているものが『虚無』であることに気が付く。

そして最後にこれを観る。同様に、まず虚無が広がっていることが分かる。だが、途中からその虚無が晴れ始める。では、その理由はなぜか。彼らはどのような行動を取ったのか。そこが極めて重要である。

法則や真理は、目に見えないところが難しい問題ですよね。ちなみに、『スーパーカミオカンデ』という宇宙素粒子観測装置があるのですが、それは『人間の目に見えない物質』をキャッチするための装置です。その装置だけがその物質をキャッチできるということで、もちろんそれは人間の目に見えません。そうした科学技術によって、宇宙の実態を解明していく研究が最前線で行われています。
12.『神レベルの卓越した教え』
『神』とは上記のテーマでもあるこの世で最も威厳がある『言葉』だが、例えばあるエリアでは極めて威厳がある人間を『ブッダ(悟りを開いた者)』と言ったりする。ここでは、『宗教の根幹を本当に理解している人の生きざま』、『卓越したブッダの教え』などに触れている映画をまとめる。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『ガンジー』
- 『マザー・テレサ』
- 『ハクソー・リッジ』
- 『レ・ミゼラブル』
- 『はじまりへの旅』
- 『空海』
- 『禅 ZEN』

この映画で観られるようにガンジーは『非暴力』を貫いたり、自己犠牲の精神で真の教えを説く。彼はキリスト教の教えにも強く共感し、ヒンズー教とイスラム教の融和を求めた。自分の人生を何よりも真理(Satya)探究という目的のために捧げた彼は、自分の理念をまとめ、初めは『神は真理である』と述べていたが、後になると『真理は神である』という言葉に変えている。この言葉は恐らく、極めて重要な言葉である。

彼女がやったことを真似することは容易ではない。彼女のような人を知っているからこそ、それ以外の『クリスチャン』を名乗る人間がエセにしか見えない。その意味で、『ハミングバード』というジェイソンステイサムの映画に登場するシスターの行動は、高潔そのものだった。

第二次世界大戦の沖縄戦で衛生兵として従軍したデズモンド・T・ドスの実体験を描いた戦争映画。親に宗教を強要されて宗教嫌いになった私だが、彼のような人物にキリスト教の教えが崇高であることについて説かれるなら、私は熱心にその言葉を聞いただろう。

注目すべきなのは牧師の行動である。銀の食器を盗もうとしたジャン・バルジャンに、『よければこっちの食器も持っていきなさい』と言う。これはまさに、『右の頬を殴られたら、左の頬も差し出す』行為に等しい。すべてのクリスチャンを名乗る人間は目を逸らすべきではない。

この夫婦は、9割がクリスチャンというアメリカにおいてそうではなく、資本主義の思想も受け入れない。ゆえに滑稽に見えるほど浮世離れしているが、妻の遺灰を『どこにすてるか』というラストシーンに直面した時、我々の背筋には強烈な電流が走るのを覚える。あの境地はブッダそのものである。

『己一人が救われればいい、ではなく、万人を救い、国を鎮めて、この世に極楽浄土を作る考えこそ、真の仏教。悪人こそが救われるべき』という最澄の教えは、確かに真理だった。だが、空海が得たものはそれより更に広大な規模。最澄が得たものは、空海の会得した密教の一部でしかなかった。したがって、最澄は空海に教えを乞うことになる。
この世で成仏できなくて、なぜあの世で成仏できる。この世で逃げては、あの世でも成仏できない。この世から目をそらさず、考え方を最適化し、最後まで人生を諦めてはならない。ブッダの教えは様々な人間を通じて解釈が分かれたが、忘れてはならないのは、真理は正しく、人間は間違えるということだ。

前述したように、この映画で道元の母が言う『世間では、阿弥陀様にお願いをすれば死んで浄土に行けるという教えが流行っているようですが、本当にそうでしょうか。浄土とは今ここ。生きているこの世こそが浄土でなければならないのです。』という言葉は、真理である。

私は無宗教ですが、宗教について徹底的に考える人生でした。そのうえで徹底的に無宗教を貫くと覚悟した人間です。しかし、宗教には高潔な教えがたくさんあります。だからこそこんなにも多くの人たちの心を支え続けている。80億人中、65億人以上が何らかの宗教に関係した人生を送っています。『はじまりへの旅』のその遺灰の考え方ですが、『手塚治のブッダ』を観れば通じるものがあることが見えてきます。
弟子かお供か名前は忘れたのですが、登場人物の一人が動物に食べられてしまうシーンがあります。それを見つけたシッダールタ(のちのブッダ)は、慟哭します。それはそうです。ついさっきまで自分の仲間だった人間が、目の前で動物に体を食いちぎられている。普通の人間はそれを見て、彼のように泣き叫び、悩み苦しむのが当然ですよね。しかし、その食べられている本人は、とても穏やかな顔をしています。
それは一体なぜでしょうか。まさに、今回のレシピのタイトル通りのテーマですね。
13.『極めて重要な宗教の話』
映画の中に、稀に『極めて重要な宗教の話』が含まれているときがある。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『ガガーリン 世界を変えた108分』
- 『ジャンヌ・ダルク』
- 『ホテル・ルワンダ』
- 『ショコラ』
- 『アレクサンドリア』
- 『沈黙 -サイレンス-』

宇宙から帰還したガガーリンの歓迎パーティにロシア正教のモスクワ総主教アレクシー1世が列席しており、ガガーリンに尋ねた。



しばらくしてフルシチョフがガガーリンに同じことを尋ねた。総主教との約束を思い出したガガーリンはさきほどとは違うことを答えた。


レーニン主義は宗教を否定しているからだ。『神がいるならドイツ人はいない』など、需要なキーワードがいくつも出てくるが、地球平面説、天動説が常識だった時代から、人類はまたこうして一歩真理に近づいていった。だが、間違えてはならない。『宇宙に神がいる』と考えた総主教も、真理から逸れたドイツ人の一時的な暴走も、『神=真理=愛』の図式への理解ですべて解決するといことを。

この映画で彼女が最後、牢屋で言われるセリフに注目である。あまりにも核心を突きすぎていて、多くの人が目を逸らし、隠蔽するだろう。

前述したように、ルワンダ虐殺というのは、あまりにも恐ろしい事件である。例えば、核爆弾で死亡した人は10~20万人で、もちろん数で人の命を考えることはできないが、この事件で死んだ人は100万人を超えるのだ。エンディングテーマの歌詞に注目である。
『天も泣く イエスも泣く 神様 聞こえましたか?私の叫びが聞こえましたか?救ってくれますか? ルワンダのことを話したい・・』

中世ヨーロッパの1000年間の暗黒時代というのは、すべては神の為にあった1000年間だった。しかし、600年頃からイスラム教が登場し、1095年にはエルサレムを奪回しようとキリスト教が『十字軍の遠征』を始める。しかし十字軍はイスラム軍に敗北。そしてキリスト教の権威が衰退していく。『神の国⇒人の国』へと移り変わっていくようになり、『ルネサンス時代』へ突入するのだ。
腐敗と停滞の原因とも言えたキリスト教が衰退していくことで、新たな動きが見られるようになった。ラファエロ、レオナルド・ダヴィンチ、ミケランジェロ。彼らのような偉大な芸術家が出てくるのもこの時代である。更なる詳細はこの記事にまとめている。
さて、この映画では最後に『古い因習からの解放』という状況が描かれ、殺伐かつ鬱屈とした状況は一変し、皆の心が晴れやかに解放されているのが分かる。神父がこう言う。『神の神性について語るよりも人間性について語りたい。人間の価値とは何を禁じるかで決まらない。何を否定し、抵抗し排除するでもない。むしろ何を受け入れるかで決まるのでは?』
この映画は、宗教の話である。ルネサンスの話であり、人が生きるべき道を教える啓蒙の話であり、とても興味深い映画だ。だが、表層はチョコレート屋の話だ。

時のローマ皇帝テオドシウス1世は、キリスト教徒以外の人間を迫害し、ローマ帝国においてキリスト教の地位を絶対的なものにしようと画策。実は、これは歴史的には非常に重要なシーンだった。414年、キリスト教徒の集団により、アレクサンドリアからの違法で強制的なユダヤ人の追放がなされ、緊張がその頂点に達した。こうした状況の中で415年、暴徒によってヒュパティアは殺害された。
彼女はただ、『真実を言っただけ』だ。だが『聖書に書いてある』し、勢いのあるローマがキリスト教を国教にしているし、それに逆らうことは死を意味した。『逆らうと殺される』のが『宗教(人を救う教え)』?いや違う。断じて違う。

遠藤周作の小説『沈黙』を原作として、マーティン・スコセッシがメガホンを取った。17世紀、江戸時代初期の隠れキリシタンが迫害に遭っていた時代がベースとなる。この場合の『サイレンス』とは、人類にとって極めて、重要なキーワードとなる。人が神に教えを乞う。答えを求める。・・だが、いくら天を見あげて言葉を望んでも、それが叶うことは未来永劫ない。
そして、『偶像崇拝を禁止する』と言っているのに、人々はそれにすがる。では、『なぜ神は沈黙しているのか』、そして『なぜ偶像崇拝はいけないのか』、それについて答えることができるだろうか。

これらのテーマについては至る所に掲載している私の記事によって深く掘り下げていますから、ここではあまり書かないようにしておきましょう。
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