MOVIE RECIPE
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- レシピ数:15
- 紹介映画:88
当記事は半分まで無料で閲覧可能です。また、下記『MOVIE RECIPE1:冒険者たち』が全て無料で閲覧できるようになっていますので、参考までに。

1.『世界の壮絶な戦場』
『戦争』についてはまた別にレシピで本格的にまとめているので、ここでは違う角度から。まずは思いつくような戦場の代表的なシーンを見てみよう。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『ブラザーフッド』
- 『ハクソー・リッジ』
- 『1917 命をかけた伝令』
- 『プライベート・ライアン』
- 『ダンケルク』
- 『硫黄島からの手紙』
- 『父親たちの星条旗』

1950年ごろにあった民族を二分した朝鮮戦争に翻弄される兄弟を描く。悲劇的な物語とリアルな戦場シーンが話題を呼んだ。

第二次世界大戦の沖縄戦で従軍したデズモンド・T・ドスの実体験を描いた戦争映画。生々しい日本軍との戦争が衝撃的。

第一次世界大戦に投入された2人の若きイギリス兵のある1日を全編ワンカットに見えるように密着して追い掛ける。そのため、臨場感が他と一線を画していて、本当に戦場にいるかのような感覚を得る。

作戦当日だけで約15万人、オーヴァーロード作戦全体で200万人の連合国の兵員がドーバー海峡を渡って北フランス・コタンタン半島のノルマンディー海岸に上陸した、現在に至るまで歴史上最大規模の『ノルマンディー上陸作戦』をを舞台に、1人の兵士の救出に向かう兵隊たちを描く。その規模は注目に値する。

『ダークナイト』のクリストファー・ノーランが第二次世界大戦のダンケルク大撤退を描く。ただの撤退に見え、その内容は想像を絶するものだった。

硫黄島の戦いを日本兵の視点から描いている。硫黄島の戦いは、アメリカ海兵隊の歴史始まって以来、168年で最も激しい戦いだったとされている。

その硫黄島の戦いをアメリカ視点から描く。両方ともクリント・イーストウッド監督作品である。

まずは、特にインパクトが強かったり、戦争の惨劇さが痛烈に伝わってきたり、想像を絶する過酷な状況であることが強く描かれている代表的な映画をピックアップしました。しかし忘れてはならないのは、ここに挙げた例はほんの一部であり、『すべての戦場』において、理不尽が繰り広げられているのです。
2.『様々な戦場』
次は、戦場で実際に戦う人たちの『場所』や『役割』だ。様々な人たちが色々なところで戦っている。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『ハート・ロッカー』
- 『アメリカン・スナイパー』
- 『フューリー』
- 『地獄の黙示録』
- 『フルメタル・ジャケット』
- 『プラトーン』
- 『M★A★S★H マッシュ』
- 『1917 命をかけた伝令』
- 『戦場からの脱出』
- 『戦場のおくりびと』
- 『ドローン・オブ・ウォー』
- 『戦火の馬』
- 『フライボーイズ』
- 『アフガン・レポート』
- 『メンフィス・ベル』

タイトルはアメリカ軍のスラングで「苦痛の極限地帯」、「棺桶」を意味するが、街中で簡単に爆弾テロが行われるイラク戦争において、『爆弾処理』という役割を命がけで果たす男たちが描かれる。

イラク戦争に4度従軍したクリス・カイルがモデルになっている。「米軍史上最多、160人を射殺した、ひとりの優しい父親」である彼は『スナイパー』である。狙撃兵として類まれな才能を開花させたカイルは、多くの戦果から軍内で「伝説(レジェンド)」と称賛されると共に、敵からは「悪魔」と呼ばれ懸賞金をかけられていた。

第二次世界大戦で戦う『戦車乗り』の物語である。戦車からの視点は珍しいが、当然、これを運転する人間がいるのだ。

ベトナム戦争において、カンボジアのジャングルの奥地で独立王国を築いているという元グリーンベレーの『迷走した軍人』を『暗殺』する兵士が描かれる。『戦闘ヘリ』からベトナム人を攻撃するシーンが有名でもある。

徹底的な叱責と罵倒、殴る蹴るの体罰が加えられ続けるという、心身ともに過酷を極める軍隊の訓練。連帯責任による懲罰、訓練生の間で行われるいじめなども当然のように行われ、『気が狂った軍人』の奇行が描かれる。

「プラトーン」は、軍隊の編成単位の一つで、30名から60名程度で構成される小隊の意味。無抵抗のベトナム民間人に対する虐待・放火、虐殺や強姦が行われたり、米兵たちの間で麻薬汚染が広まったり。あるいは仲間内での殺人、同士討ち、敵兵に対する死体損壊など『常軌を逸した行動』に出る現実が描かれる。誤爆などのトラブルも。

朝鮮戦争下の陸軍移動外科病院 (Mobile Army Surgical Hospital) が描かれる。単純に、戦地の味方陣営に兵士たちと同じように軍医たちがいるという状況だ。この視点から描くことで、作品を通して反戦を訴えている。

第一次世界大戦に投入された2人の若きイギリス兵で、彼は『伝令兵』であるからして、戦場を走り回って状況を報告するだけの仕事だが、それが命がけの伝令であることが伝わってくる。

ベトナム戦争下で捕虜となった米軍パイロット、ディーター・デングラーの実話を基にした作品で、『捕虜としての囚人生活』から脱出しようとする物語。その他、『大脱走』や『戦場にかける橋』などこの手の映画はいくつもある。

戦争で死んだ人の遺体を遺族の元に届けたり、戻るべき場所に戻す役割を担う人もいる。『遺体を届ける』仕事だ。

ラスベガス近郊のアメリカ空軍基地に置かれた空調の効いたコンテナの中で、遥か一万キロ彼方のアフガニスタン上空を飛ぶ無人攻撃機(ドローン)を操縦し、モニターに映るタリバン兵をミサイルで音も無く吹き飛ばす。その残酷で虚しい現実に、元戦闘機パイロットの男は葛藤する。

第一次世界大戦の戦場を、馬が駆け巡る。『馬目線』で見た戦場である。といっても馬の主観視点ではない。

外人部隊としてフランス空軍に志願入隊し、ドイツ軍と戦ったアメリカ人。彼らの所属した実在の中隊「ラファイエット戦闘機隊」の実話に基づき描かれる。『戦闘機乗り』の物語で、『紅の豚』のイメージに近いあの時代(第一次世界大戦)の戦闘である。

2006年9月、タリバンとの戦いが泥沼化の一途をたどるアフガニスタンの山岳地帯で、パトロール中のイギリス人兵士が地雷を踏んで重傷を負った。その地雷は80年代にロシア軍が撒いたものだった。地雷があるというだけでこうも壮絶な戦場となってしまう。

第二次世界大戦中、イギリスに駐留しナチス・ドイツに対する昼間爆撃を任務としていたアメリカ陸軍航空軍第8空軍所属の爆撃機B-17F、愛称”メンフィス・ベル”の若き乗組員たちを描いた作品。『爆撃機乗り』の物語だ。

映画を作る際に製作者サイドは『まだ描いていない戦場の視点はないか』というニッチ(隙間)を狙うビジネス的な戦略を持っていることは事実でしょう。しかし、それが結果的に世界の人々に『いろいろな戦場があり、そこではいろいろな戦争が行われている』という事実を教えてくれています。
3.『戦場にかける橋』
戦場においては往々にして『橋』が重要な要素になる。例えば橋を渡られたら、自分たちの優位性が崩れるなどが基本的な考えである。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『戦場にかける橋』
- 『誰が為に鐘は鳴る』
- 『遠すぎた橋』
- 『カジュアリティーズ』

第二次世界大戦に日本軍の捕虜となったイギリス軍兵士らが描かれる。日本軍は彼らを強制的に泰緬鉄道建設に動員しようとするが、そのミッションに重要な要素となる『とある橋』を爆破しようと、反乱を画策する。

1930年代後半にあったスペイン内戦において、橋に爆弾を仕掛けるため橋の警備隊と銃撃戦を展開しながら爆弾を設置する展開がある。

第二次世界大戦後期に行われた連合軍の空挺作戦であるマーケット・ガーデン作戦を題材にしている。いくつかの橋を占領することで戦況を優位にしようとするが、徐々にその作戦の無謀さが露呈し始める。

ベトナム戦争中、1966年の「兵士による少女強姦」という実際に起きた事件(192高地虐殺事件)を、戦場に於ける犯罪を告発した退役兵士の回想として描いた作品で、カジュアリティーズとは死傷者を意味する。この映画でも『とある橋』が一つの見どころとなる。またクライマックスの戦闘シーンは『戦場にかける橋』で有名なクウェー川鉄橋で撮影された。

戦争映画では『橋頭保』というのが一つの大きなキーワードとなります。それは次のレシピでご紹介しています。ですから、敵の陣地に繋がる『橋』というのは一つの重要ポイントとなりやすいんですね。
4.『あの丘を取れ(橋頭保の確保)』
橋頭保(きょうとうほ)というのは、『取ったら戦場が有利になる場所』である。往々にしてそれは、高い丘などが該当し、そこが激しい戦場になりがちである。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『遠すぎた橋』
- 『父親たちの星条旗』
- 『高地戦』
- 『ハンバーガー・ヒル』
- 『二百三高地』
- 『突撃』
- 『アウトポスト』

まずは前述したこの作品だが、この『橋の占領』も橋頭保の確保というのが狙いだった。

硫黄島での死闘と戦場(摺鉢山(すりばちやま)の山頂)に星条旗を打ち立てる有名な写真「硫黄島の星条旗」の被写体となった兵士たちのその後などが描かれる。この摺鉢山が、命を懸けて争うほど重要な橋頭保だったため、アメリカ軍は何としてもここを攻略し、日本軍は何としても死守しなければならなかった。

朝鮮戦争における南北境界線付近の高地をめぐる極限の戦いを描いた作品で、これもその『高地』が橋頭保になるからである。

1969年、南ベトナムのアシャウ渓谷にある丘、ドン・アプ・ビア=通称“937高地”(通称『ハンバーガーヒル』)でアメリカ軍第101空挺師団と北ベトナム軍との間で繰り広げられた攻防戦「アパッチ・スノー作戦」を描いた作品。

二百三高地。それは中国にある山のようになっている高地、『旅順(りょじゅん)』のことである。ロシアが作った旅順要塞を攻略することが、日露戦争の重要なカギになった。よって、この攻略のために命を懸けて戦う男たちが描かれる。

第一次世界大戦のフランス軍を舞台にした物語である。ドイツ軍の堅牢な陣地、俗称『アリ塚』を陥落させようと画策する。

アフガニスタン紛争における屈指の激戦、カムデシュの戦いが描かれる実話映画。『橋頭堡』とは、戦争で優位に立つために必要な場所のことだが、では、このケースはどうだろうか。

橋頭保というのは、ビジネスの世界でも通用する賢明な戦略ですが、いざ戦争で使われるとなると、あまりにも残酷です。会議室の中で戦略を練る軍師、そして、実際に命を懸けて戦い戦況が優位になるエリアを確保していく兵士たち。その両方が戦争で勝つために必要ですが、戦場はあまりにも残酷。
5.『戦場の兄弟喧嘩』
ここから少しずつ角度が変わってくる。行われている戦争とはまた違う形で、確執や軋轢が生まれることがある。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『ブラザーフッド』
- 『ディファイアンス』
- 『コールド・アンド・ファイヤー 凍土を覆う戦火』

朝鮮戦争がある前は、仲のいい兄弟だった。家族思いで、決して戦争なんてする人間じゃない。だが、戦争は人を、変えてしまう。

第二次世界大戦時のナチス・ドイツ占領下でのポーランドにおけるビエルスキ兄弟のユダヤ人救出を描いた話を映画化。しかしこの兄弟も途中、仲違いをしてしまう。果たして、彼らは仲を取り戻すか。それとも、戦場で死ぬまで、確執は続くか。

第二次シュレースヴィヒ=ホルシュタイン戦争とは、1864年にデンマークとプロイセン王国および関係国の間で戦われた戦争である。ここでも一人の女性をめぐり、兄弟の確執が生まれてしまう。

戦場における兄弟喧嘩を描く理由を考えると、一つは『比較にならない戦争の規模』を伝えるため、もう一つは『戦争は人を変えてしまう』という悲惨な現実を伝えるため、などというところが想像できます。また、私はよくわかるのですが、明日死ぬかもしれないと覚悟した人間の優先順位は、『自分の信念』だったりしますから、その頑なな姿勢は、争いを生みやすいのかもしれません。
6.『戦場の医者』
戦場で傷ついた者を治療する治療班や医者の存在は必要不可欠。治療した兵士が、その日のうちに死体となって帰ってくることもあるのが戦場だ。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『イングリッシュ・ペイシェント』
- 『戦場からのラブレター』
- 『ラスト・フェイス』
- 『M★A★S★H マッシュ』
- 『ラブ・アンド・ウォー』
- 『ハクソー・リッジ』

第二次大戦末期のイタリアでのこと、カナダ人看護師ハナは空襲で破壊された修道院に住み着き、ある患者の世話をしている。その患者は重い火傷を負い、英語を話すが自分の名前は思い出せない。そういうところから物語が展開されていく。

第一次世界大戦が勃発し、弟やフィアンセ等が徴兵され、前線へ送られた。彼女も大学を辞めて、救急看護奉仕隊に志願し、ロンドン、フランス、マルタ島で任務に当たる。

アフリカ西部で貧困層に医療サービスを提供するための環境整備に尽力する女性をシャーリーズ・セロンが演じる。

朝鮮戦争下の陸軍移動外科病院 (Mobile Army Surgical Hospital) が描かれる。軍医として兵士を治療するが、戦場という戦場は描かれず、変わった視点からの戦争を描く。

第一次世界大戦に従軍して大怪我を負ったヘミングウェイと、ヘミングウェイの代表作の1つ『武器よさらば』のヒロイン「キャサリン・バークレイ」のモデルとされる7歳年上の従軍看護師アグネス・フォン・クロウスキーとの結ばれなかった恋を描いている。

第二次世界大戦の沖縄戦で従軍したデズモンド・T・ドスの実体験を描いた戦争映画。衛生兵として従軍し、敬虔なクリスチャンであり、沖縄戦で多くの人命を救ったことから、「良心的兵役拒否者 (Conscientious objector)」として初めて名誉勲章が与えられた人物である。

賢い人は医者や弁護士などになり、難しい仕事をこなします。賢いから結構自分の思い通りになる。複雑な仕事が思い通りの結果に終わると充実感も大きい。しかし、更に難しい話になると、『貫けない正義』、『救えない命』などの理不尽たる混沌にぶつかることになる。とりわけ軍医という立場では、その虚しさは計り知れないものでしょう。
7.『戦場の記者』
戦場カメラマンのように、戦場の惨劇を世に伝える形で反戦活動をし、戦争に参加する人もいる。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『プライベート・ウォー』
- 『おやすみなさいを言いたくて』
- 『ハンティング・パーティ』
- 『キリング・フィールド』

2012年にシリアで取材中に壮絶な目に遭ったした戦場記者メリー・コルヴィンを描いている。ネタバレのためこれ以上は書かない方がいいだろう。

報道写真家として活躍した経験を持つノルウェーの映画監督E・ポッペが、自らの実体験をもとに製作した映画。だが妻であり母である彼女が危険な目に遭ってでも戦場に行くことは、容易には受け入れられなかった。

ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争の戦争犯罪人を追うアメリカ人ジャーナリストをコミカルに描くが、行われていることは壮絶である。

ニューヨーク・タイムズ記者としてカンボジア内戦を取材し、後にピューリッツァー賞を受賞したシドニー・シャンバーグ体験に基づく実話を映画化したもの。この地獄のような戦場は、一度観たら一生忘れない。

ロバート・キャパという偉人はスペイン内戦、日中戦争、第二次世界大戦のヨーロッパ戦線、第一次中東戦争、および第一次インドシナ戦争の5つの戦争を取材した20世紀を代表する戦場カメラマン、報道写真家として有名です。彼曰く、『きみの写真が傑作にならないのは、あと一歩、被写体に近づいてないからだ』。やはり、その命を懸けるだけの大義が、戦場にはあるのでしょうか。
8.『戦場の女性たち』
女性が前線で男たちと一緒に銃撃戦をすることはあまりない。捕虜にでもなったら男以上に大変な目に遭う。だが、それでも戦うことを決意した女たちがいる。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『バタリオン ロシア婦人決死隊VSドイツ軍』
- 『レッド・リーコン1942 ナチス侵攻阻止作戦』
- 『リベリオン ワルシャワ大攻防戦』
- 『ナチスの墓標 レニングラード捕虜収容所』
- 『ロシアン・スナイパー』
- 『マニカルニカ ジャーンシーの女王』
- 『女王トミュリス 史上最強の戦士』
- 『ジャンヌ・ダルク』

『バタリオン』とは大隊のことであり、『ある部隊の話』と考えればいい。この場合、ソ連時代の女性で結成された部隊が、第一次世界大戦中の1917年、ドイツ軍と正面衝突するまでを描いた映画であり、実話ベースである。ロシア映画で女性の話と言えどまったく馬鹿にできない。見ごたえがある。

実話かどうかが分からないので、何とも評価しがたい。そのため、見ごたえで言えば上記作品の方がはるかにあるだろう。

1944年夏、ナチス・ドイツ占領下のポーランドで起きたワルシャワ蜂起を再現した映画。『戦場に化粧をした女性が参加する』というシーンがあり、普通ならこの時点でバカバカしいマイナー映画だと揶揄する。だが、これがもし『あることを狙った演出』であればどうだろうか。

ナチスがユダヤ人を捕まえているのではなく、ドイツ人がソ連人に捕まっている状況で、しかも看守が女性という珍しいケース。これは実話である。

第二次世界大戦中に計309人のナチス・ドイツ兵を射殺し、“死の女”と恐れられたソ連の女性狙撃手リュドミラ・パヴリチェンコが主人公となる。

『インドのジャンヌダルク』とも言われ、歴史の本にも名を残すインド大反乱の女性指導者ラクシュミー・バーイーを描いている。

紀元前530年頃の人物で、中央アジアのカスピ海東岸に勢力を有していたマッサゲタイ族の女王トミュリスが描かれる。非常に貴重な歴史映画である。アフガニスタンの映画だが、上のインド映画と比べてこっちの方がはるかに現実的であり、ほとんど神格化などはされておらず、信憑性が高そうだ。

特にこの映画での彼女は、戦争で活躍するイメージをもたらす。これが史実に忠実かどうかはさておき、これは至高の名作である。

ジャンヌダルクの最初のシーンにもあるように、女性が戦場に出るということはあまりにも残酷です。女性は子を宿してしまい、命がいくつも奪われてしまう結果にもなりうる。ウクライナ侵攻のニュースでは、耳を疑う話ばかり飛び込んできましたが、人間とは思えません。戦争は人を狂わせてしまうのです。しかしそれでも戦う道を選んだ女性たちがいました。
9.『戦場に行った人間』
この映画にはある共通点がある。よく考えると見えてくる、いや、逆に見えなくなってくる『ある境界線』がある。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『マン・ダウン 戦士の約束』
- 『7月4日に生まれて』
- 『ジェミニマン』

まず、この映画をじっくりと観てみる。

そしてこの映画を観る。

すると最後に観るこの単なるSF的な話に見えるアクション映画の『とあるセリフ』と『動機』の奥行きが、何階層も深くなる。

この2つの映画を観ていたからこそ、ジェミニマンの『とあるセリフ』をさらっと流すことはできませんでした。しかし、そうじゃない人は簡単に流してしまっているでしょう。こうした新たな視点を皆様にもたらすのがMOVIE RECIPEの醍醐味です。
10.『戦場にメリークリスマスはあるのか』
まずはあの名作が浮かぶだろう。だが、そのあとに次の映画を観る。すると、新たな視点が浮かび上がってくる。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『戦場のメリークリスマス』
- 『レイルウェイ 運命の旅路』

まずはこの映画を観る。様々なドラマがあり、最後には哀愁がある。至極の名作である。

だが、そのあとにこれを観ると、上記作品では見えなかった『ある視点』が見えてくる。まるでこの映画のアンサー映画かのようなセリフも出てきて、ドキっとさせられるだろう。両方とも実話だから見ごたえがすごい。

例えば真珠湾戦争を描いた『パールハーバー』などは明らかに歪曲された内容ということで酷評されているので、私は観てすらいません。映画は世界に公開するものなので、信憑性の責任は重い。美化したり偏ることなどせず、『硫黄島と父親たち』のように両方の視点から描く考え方が、本来正しい考え方ですよね。そうすれば別に、自軍が自国の肩を持つ話をしたり、敵国を悪く言うシーンがあっても『偏り』とは言われなくなります。
11.『戦場で何があった』
戦争は、終わった後も大変で、すぐに元通りの生活に戻れるなんていうことはない。下手すれば一生、元に戻ることはできない。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『クライシス・オブ・アメリカ』
- 『戦火の勇気』
- 『地獄の黙示録』
- 『カジュアリティーズ』
- 『勇者たちの戦場』
- 『告発のとき』
- 『閉ざされた森』
- 『マイ・ブラザー』
- 『ハンティング・パーティ』
- 『マン・ダウン 戦士の約束』

元軍人の、湾岸戦争でたったひとりで仲間を救った英雄がいる。しかし、彼の元上官はその英雄的行為の「記憶」に疑念を抱いていた。一体戦地で何があったのか。デンゼル・ワシントン演じる上官がこの謎を明かそうと動き出すが、そのうちとんでもない機密情報に遭遇してしまう。

湾岸戦争中の砂漠の嵐作戦の最中、戦車部隊隊長のデンゼル・ワシントン演じる中佐はクウェート領内で敵の戦車と誤認して部下であり親友の大尉の戦車に向かって射撃命令を下し、同士討ちを犯してしまった。今度はデンゼルが少し不利な立場に陥るが、『戦争で何があったか』という真相を迫る内容は似ている。

ベトナム戦争において、カンボジアのジャングルの奥地で独立王国を築いているという元グリーンベレーの『迷走した軍人』を『暗殺』する兵士が主人公となるが、そもそおその男はいったいなぜそのような行動に出たのか、ジャングルの密林を進んでいくにつれ、実態の真相も深い闇の奥に潜んでいるかのような錯覚を覚える。

ベトナム戦争の戦場を、犯罪を告発した退役兵士の回想として描いている。『BTTF』のマイケル・J・フォックスが当時を思い出し、戦争で何があったかが回想され、壮絶な真実が描かれる。これは実話である。

イラク戦争から帰還したアメリカ兵たちの、PTSDに苦悩する姿を描いた戦争ドラマで、彼らは戦場で何か問題を起こしたのではないか、という疑念がよぎる中、物語が展開されていく。

米国内で実際に起きた事件をもとに、イラク戦争の現実を描いた作品。戦争から帰還して間もなく無断離隊し、現在行方不明であるという息子を半信半疑の状態で探り始める。一体彼の身に何があったのか。

パナマの米軍基地から特別訓練に出たレンジャー部隊7名が嵐の密林地帯で消息を絶つ。この森で一体何が起きたのか。ジョン・トラボルタ演じる特別捜査官が、破天荒な方法で事件に切り込んでいく。

アフガニスタンの戦地へ出征しなければならなくなった男は、愛する妻と二人の娘と共に幸せな家庭を築いていた。男は死んだと思っていた。だから妻は、その間支えてくれた『出来の悪い弟』と過ごす時間が増えてしまっていた。だが、事態は思わぬ方向に展開する。

実在のボスニア・ヘルツェゴビナ紛争の戦争犯罪人を追うアメリカ人ジャーナリストが描かれる。彼はまさしくジャーナリストであるからゆえ、この秘密のエリアで何が行われたのかを命がけで取材し始める。

とある男がいる。彼は戦争に行ったらしい。上官のような男が彼に話を持ち掛ける。我々の目には、彼が家族思いで優しい男に見える。だが、物語は急展開w迎える。

戦争というのはその非常事態がゆえ、『超法規的措置』を行う場になりやすいと言えます。その意味は、国家が法律に規定された範囲を超えて行う特別な行為のこと。人を殺すことが許可されている時点でもうそうですよね。したがって、すべての常識の力が弱まります。すると、人間の弱さが露呈し始めるのです。ゆえに失敗を犯す可能性が激増し、後悔する結果を起こしやすいし、捏造や隠ぺいも起こりやすい。映画になるほど壮絶な事実が作られやすくなります。
12.『戦場のトラウマ』
戦争は終わっても下手すれば一生、元に戻ることはできない。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『アメリカン・スナイパー』
- 『7月4日に生まれて』
- 『マン・ダウン 戦士の約束』
- 『マイ・ブラザー』
- 『ランボー』

イラク戦争で軍内で「伝説(レジェンド)」た伝説のスナイパーも、戦争が終わった後はPTSDに悩まされていた。

主演のトム・クルーズは役作りのため、約1年間車椅子に乗って生活した。ゆえにこの映画がどんな人物を描くかが想像できる。

これはネタバレになるのでこれ以上書かない方がいいだろう。

これも、誰がどのような状態になるのかは書かない方がいい。

ランボーの説明には『単なる娯楽追求のアクション映画と異なり、現実のアメリカのベトナム帰還兵の姿と重ね合わせたストーリーとなっており、非常に重いテーマの作品となっている』とあるがその通り、彼はベトナム戦争の余韻を引きずって、トラウマに悩まされる人間である。ゆえに彼は、「まだ終わっちゃいない!戦争は続いている!」と叫ぶ。

砲弾神経症(シェルショック)、戦闘ストレス反応というPTSD。この研究は、第一次世界大戦における塹壕戦の経験を踏まえ、戦後米国と英国から始まり、ベトナム戦争後には、その戦争自体への懐疑からのストレス症状が起きます。戦争において精神的に崩壊する兵士が驚くべき多数に上ったことから認知されはじめます。特にアメリカは『強引な戦争』が多く、多くの国民からの不信感を買いましたが、当の兵士たちのストレスはその数百倍だったと言えるでしょう。
13.『戦場の音色』
雑踏溢れる街中で聴き流すはずのBGMは、なぜ戦場では哀愁が漂うのだろうか。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『ビルマの竪琴』
- 『戦場のピアニスト』
- 『コレリ大尉のマンドリン』
- 『フランス組曲』
- 『戦場のレクイエム』
- 『アギーレ/神の怒り』
- 『地獄の黙示録』
- 『戦場にかける橋』
- 『戦場のメリークリスマス』

第二次世界大戦での戦場ビルマにおいて、日本兵が竪琴を演奏している。最初は部隊の決起のためだった。だがそのうち戦争が終わると、男は違和感を覚え始める。(多くの死体がある。戦争は終わったという。だが、自分は・・自分だけが五体満足で帰国していいのか?)。遠い異国のビルマの地で、哀しい音色が鳴り響く。

第二次世界大戦におけるワルシャワ。ユダヤ人、ウワディスワフ・シュピルマンはピアニストとして活躍する実在の男だ。彼はピアノを弾きたいだけ。それが人生の生きがいだ。だが、実に数年という時間の間、彼はその素性を隠し続けるため、ピアノを弾けなかった。ある日、命からがらさまよう戦場の中で、何者かが弾くピアノソナタの旋律を耳にする。

第二次世界大戦下のギリシャ・ケファロニア島はイタリア軍とドイツ軍によって占領されていた。イタリア軍占領部隊の指揮官・コレリ大尉は、マンドリンを背負った大らかで屈託のない人物だった。だが、その惨劇は起きた。これは、とある凄惨な実話を基にした物語である。

1940年、ドイツ占領下にあるフランスの田舎町にナチス・ドイツがやってきた。戦争中は民家に敵でも味方でも、プライベートにずかずかと軍人が土足で入り込んでくる風潮がある。その女性はもちろん煙たい顔で、ナチスの軍人を嫌った。だが、彼らにはとある共通点があった。それは、ピアノだった。

国共内戦中3大戦役の1つとされる淮海戦役(わいかいせんえきは、国共内戦中の1948年11月6日から1949年1月10日にかけて発生した中華民国国軍と中国共産党の中国人民解放軍による戦闘)を背景に、中国も参戦した朝鮮戦争のエピソードを織り交ぜながら、激戦で全滅した部下の名誉回復に奔走する1人の兵士の苦闘を描いた戦争悲劇。誰が戦争を望んでするというのか。彼の哀しい『声』が、中国の大空に鳴り響く。

インディアンたちがコンキスタドールたちによって滅ぼされていく中で、人々はアマゾンの奥地に『黄金郷・エルドラド』の伝説を耳にすることになった。ピサロは、ペルーの高地で消息を絶っていて、益々その神秘性に野心家たちは夢を抱いた。神秘的なアマゾン川の船の上で切なく鳴り響く、現地独特の楽器の音色が、何とも言えない哀愁を醸し出している。

ベトナム戦争において、戦闘ヘリからベトナム人を攻撃するシーンで、ワーグナーの「ワルキューレの騎行」が鳴り響くシーンが、映画界の伝説となっている。違う戦争映画でも(ジャーヘッドか?)そのシーンを見て皆で兵士が歌いあって鼓舞するシーンがある。

これは少し様子が違うが、第二次世界大戦に日本軍の捕虜となったイギリス軍兵士らが陽気で印象的な口笛を吹くシーンが有名である。『クワイ河マーチ』。

物語の中で鳴るわけじゃないが、『戦争に鳴り響く音楽』と言ってすぐに思い浮かぶのがこれである。『戦場のメリークリスマス』は、忘れようと思っても忘れられないほど印象的で、哀愁のある奇跡の名作である。

戦争と音楽の相性がいいのはもしかしたら、音楽が芸術だからです。ピカソはこう言い、『芸術は悲しみと苦しみから生まれる。』あるいはこうも言いましたが、『芸術とはわれわれに真理を悟らせてくれる嘘である。』彼に『ゲルニカ』を描かせたのも戦争ですし、『非常識』をあえて描いてみせる芸術の世界は、戦争のような非常識で混沌とした説明しようもない現実のBGMに、適しているのかもしれません。もちろんそれを明言すれば音楽家に怒鳴られるでしょうけどね。『戦争のために音楽があると思うのか』と。
14.『戦場でピリつく隣国』
戦争が行われたという事実だけで警戒し、隣国への敵視が生まれる。それが差別や衝突の原因となり、また新たな争いが生まれる。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『グッバイ、レーニン!』
- 『ドラゴン怒りの鉄拳』
- 『ヒトラーの忘れもの』

東西ドイツ統合後の庶民の身に起こった悲喜劇を家族像と共に描いた作品で、冷戦という戦争がモロに影響した場所での家族の物語を展開してくれている。

ブルース・リーの名作だが、敵である日本人がかなりの悪で、内容的に大日本帝国の余韻が残る『悪の顔』を潰す爽快感を楽しむ感じになっているのが否めない。これは当時の日中の微妙な関係が影響しているように見える。

第二次世界大戦後のデンマークに地雷撤去のために送られたドイツ兵が描かれていて、実話が基になっている。地雷撤去を強要された2000人以上のドイツ兵のうち約半数が命を落としたり手足を失ったりしたといわれている。そこにはまだ幼い少年兵の姿もあったが、デンマークの兵士は、ナチスを絶対に許すつもりはなかった。『足を失ってでも地雷を取れ!』。そう言わんばかりに怒り狂う男とドイツ兵。彼らに和解はあるのか。

その他、『エネミーライン』なども似ていますが、とにかく『隣国』というのは常に問題の対象になります。アメリカで言えばメキシコとの国境の間で常に問題が起きますし、日本はロシア、北朝鮮、中国、韓国という隣国との間に何らかの問題を抱えています。その他の国でもすべて同じことが起きています。例えば『イスラム国』が世界を騒がせた当時、『遠い異国の日本人よ』と言い、彼らからするとあまりにも遠いから無関心だったが、これを機に標的に入るというような発言も。それだけ近い、遠いということは重要な問題となります。
15.『戦場を夢見る子供』
そしてついに、真っ白な存在の心の色も、黒く染まっていく。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『太陽の帝国』
- 『ジョジョ・ラビット』

日中戦争中の上海。イギリス租界で生まれ育ったイギリス人少年は、日本の零戦に憧れる少年だった。だが、1941年12月に日本軍が上海のイギリス租界を制圧。生き抜くために空き巣・泥棒などの悪事を重ねるが日本軍に捕らえられ捕虜収容所、そして蘇州の収容所へ送られる。

第二次世界大戦中、孤独なドイツ人少年のジョジョは周囲からいじめられていたが、当時のドイツ人の英雄アドルフ・ヒトラーのみが救いだった。彼が通うボーイスカウト的な、未来の兵士を育てるスクールでも、当然のようにヒトラーを尊敬するように誘導される。

最も重い罪がこれですね。私は自分が両親にクリスチャンになることを強要されて育ち、『この家はクリスチャンの家だから従えないなら出て行ってもらうしかない』とまで言われ、ある種の精神的虐待を受けていましたが、持ち前のネアカ精神でこれまで自殺などは一片も考えずにやってきました。道は逸れましたけどね。だから、許せないんです。真っ白な存在に、色を塗るのは大人なんです。彼らも生きるのに必死なだけなんですけどね。今はもう、その境地にまで達してはいますが。
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