MOVIE RECIPE
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当記事は半分まで無料で閲覧可能です。また、下記『MOVIE RECIPE1:冒険者たち』が全て無料で閲覧できるようになっていますので、参考までに。

1.『不思議な世界』
まずは王道のこの映画。鬼才ティム・バートンの映画がほとんどだが、彼は昔『ゴジラ』に憧れていた。何が人生に影響し、どう転ぶかは分からない。きっとこれらの作品も、誰かに何かの影響を与えるだろう。
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- 『チャーリーとチョコレート工場』
- 『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』
- 『ティム・バートンのコープスブライド 』
- 『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』
- 『アリス・イン・ワンダーランド』
- 『アダムス・ファミリー』
- 『シン・シティ 復讐の女神』
- 『ブレードランナー』
- 『1917 命をかけた伝令』
- 『アバター』

不思議な世界と言えばこの作品だ。これは不思議すぎて、観る人によって解釈が全く違うという個性を持っている。要は、子供も単純にこの不思議な世界が好きだが、『不気味な世界』を別角度から楽しむような人もこの世界に入るのだ。一体どういう意味?さあ・・。

『ワンピース』の尾田栄一郎にも影響を与えたこの映画。スリラーバークや麦わらの一味のブルックなどを見ればそれはうなづける。彼はティム・バートンの世界が好きらしい。

これもティム・バートン。チャリチョコの翌年に公開された。ナイトメアーの世界観が好きな人にはたまらないだろう。

これもティム・バートン。『アダムス・ファミリー』を彷彿とさせるようなイメージがあるが、内容は全く違う。普通に考えたらあり得ない人間がたくさん出てくるが、最後にはなぜか彼らに感情移入している。

これもティム・バートン。『2』もある。『不思議の国のアリス』を原作に、その後日談的なストーリーとして再構成されていて、不思議の国での冒険から13年後の話だから、原作を知る人も楽しめる。

これだけティム・バートンじゃない。そう考えると、これは偶然一致しただけなので、やはり(不思議だなあ)と思うのは圧倒的にティム・バートン作品であり、彼はそれを武器にして仕事をしていることがわかる。だがこの作品も、Netflixで『ウェンズデー』としてティム・バートンが監督していて、結局このジャンルはすべて彼の独壇場となった。

あえて白黒で描かれるので、豪華なキャストが揃っているのにあまりそっちの印象が残らないという不思議な世界観の映画。

続編の『ブレードランナー 2049』もそうだが、例えばそっちでは『2049年、環境破壊が進む地球では、外宇宙オフワールドの新天地へ旅立てなかった人々が、陰鬱な世界で暮らしている』という設定のため、どこか虚無感が広がっていて、空虚な印象を得る不思議な世界である。

本作は全編ワンカットで撮影されたように見えるが、実際には複数回の長回しによって撮影された映像をワンカットに見えるように繋げている。だが、全編ワンカットで撮影されているように見えるので、とても斬新な映像を観ることができる。

これは映画館での3D以上の鑑賞が条件だが、当時、映画館に青色の雪が降ったような錯覚が見え、明らかに今まで観たことがない映画の次の体験を楽しませてもらった。

私は10代の頃はこのような世界観が好きだったのですが、それは半ば現実逃避も兼ねていました。しかし、現実を直視し、本をたくさん読んだりできるようになってから、目は実話系映画の方などに向くように。しかし、尾田栄一郎のような人物に影響を与えているのだからやはりその影響力はすごいですよね。ティム・バートンは宮崎駿が金熊賞を取った際、「ずっと手描きを続けていることに驚愕する」とコメントしています。
2.『凡人には理解不能』
『不思議』というのは『普通では考えも想像もできないこと。説明のつかないこと』の意味。だとしたらこれだ。
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- 『TAKESHIS’』
- 『R100』

北野武作品。キャッチコピーは「500% KITANO」「たけしがたけしを演じる」「『たけし』が『たけし』に出会う」。たけし曰く「100人の評論家が見て、7人しか分からない映画」。一体どういう意味やら・・

「100」は「規制に捉われない」「色々な世界観に捉われない」ことを意図しているので、まさに常識を逸脱した映画だ。私はこの松本人志の『大空振り』を映画館で観て、逆に(さすが松本人志だわ・・)という感想に至った。

正直言って意味不明です。この二人が天才なのは目に見えて分かることなのですが、例えばアインシュタインが理論物理学や数学以外の成績が『1』だったように、天才だからといってやることなすことすべてが『100点』ということではありません。いや、それとも私が凡人だから分からないだけか・・。
3.『芸術作品のような』
ピカソは言った。『誰もが芸術を理解しようとする。ならば、なぜ鳥の声を理解しようとはしないのか。』芸術はまず、『理解の範囲外』にあるという前提があるようだ。
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- 『メメント』
- 『しんぼる』
- 『ツリー・オブ・ライフ』
- 『パイレーツ・オブ・カリビアン』
- 『ボヤージュ・オブ・タイム』

名監督クリストファー・ノーランの弟であるジョナサン・ノーランが書いた短編『Memento Mori』が元になっているて、ストーリーを終わりから始まりへ、時系列を逆向きに映し出していくという形式が取られる。タランティーノ作品のように時系列が乱れるから迷路に迷い込む錯覚を覚える。

この作品までは、松本人志の無限の可能性が楽しみだった。『R100』で大空振りをしたのは彼がホームランを狙ったからだが、それで言うとこの『ヒット』は確実に彼の神秘性と芸術性を描き出すことに成功していた。彼はめげずにガンガン作品を出すべきだ。それができるかどうかだ。

映画『チェ』の製作初期段階でこの監督のテレンス・マリックとある製作者サイドの人間が共同作業をしていた頃、『ツリー・オブ・ライフ』の企画が出てきた。彼は当初、その考案は「気が狂っている」と思っていたという。このテレンス・マリックという男もかなりの異彩を放っている。

冒険ものと言えばインディ・ジョーンズだった。しかし今を生きる人間の冒険映画は、このパイレーツ・オブ・カリビアンだ。

彼の中で最も好きなのがこの作品だ。宇宙の誕生と死を探求する内容であり、監督は40年以上にわたって取り組んできた「私の最大の夢のひとつ」と言っている。これは理論派の私にも『届いた』作品であり、そう考えて彼の学歴や経歴を見ると、芸術の奥深さを思い知った。

マリックはハーバード大学で哲学を専攻し、1965年に首席で卒業しています。更に、ローズ奨学金を得てオックスフォード大学大学院に入学。マサチューセッツ工科大学で哲学を教えるなど、天才ぶりがその経歴だけで分かります。その彼も『聖杯たちの騎士』という大空振り映画を出しています。松本人志や北野武の作品同様、天才のホームランスイングは、必ずしも大勢には届かない。
4.『独特の撮影方法』
映画は基本様々な角度から撮影し、そのカットをつなぎ合わせて制作するが、その方法に頼らず、カットしないで長回しししていく手法を取った映画もある。
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- 『1917 命をかけた伝令』
- 『カメラを止めるな!』
- 『トゥモロー・ワールド』
- 『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』

まずは前述もしたこの映画だ。第一次世界大戦というのは時代的にこのような土の中に穴を掘って戦う『塹壕戦(ざんごうせん)』がメインだったため、当時の緊迫感が臨場感たっぷりで楽しめる。いや、楽しんではいけないのだが。

冒頭37分間にもおよぶ “ワンカットの長回し撮影” が行われた斬新な映画。あの北野武もスティーブン・キングも『面白い』と言ったこの名作で次回作も期待されたが、一発屋にとどまっている。映画はそう簡単な世界ではない。一発当たっただけでも相当すごい。私では当てられないし、後の99%は埋もれる。もちろんまだまだチャンスはある。

この映画でも長回しが行われていて、臨場感がすごい。カメ止めに比べると5分や6分だが、『人がいない自然』を1時間撮るのと、『人が大勢いる場所』を1時間撮るのとではその難易度が全く違う。

これも1917同様に、本作が1回の長回しで撮影されたものだと観客に思わせるために、本作のカメラワークと編集には非常に高度な技術が必要だったという。よって、長回しというのがどれだけ大変かということが分かる。

長回しが主流なら、逆にたくさんのカットを使った撮影方法が斬新になるでしょう。そのあたりのことは前述した松本人志や北野武なんかはよく理解しているんですよね。たけしさんも黒澤明との対談で的を射た話を論理的にしているし、松本人志も『仲良しが斬新なら、次の斬新は仲が悪いこと。その繰り返しだ』とコンビ仲や芸風の時代潮流の波を見ながら、つぶやいていました。
5.『大空振り』
きっと誰かに届いている。
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- 『R100』
- 『DRAGONBALL EVOLUTION』
- 『ハンナ』
- 『めめめのくらげ』
- 『47RONIN』

まずはこの大空振りだ。しつこくなってしまうので北野武の作品をまた載せるのはやめておこう。

ドラゴンボールシリーズ生誕25周年に作られた実写映画。2002年に鳥山明が米版『SHONEN JUMP』の創刊イベント出席のため渡米した際に関係者から話を固められたようだが、どうやらほとんど『騙された』に近い流れのようだ・・。

子役から前線で活躍していたシアーシャ・ローナンだが、『レディバード』が当たらなければ埋もれていたかもしれない。このあたりの作品も、大空振りの印象が根強い。

現代アーティスト、村上隆の初監督作品である。有名な芸術家の作品だから期待値が上がるが、終わった後は前に座っていたお洒落をした女性客も、『眠ってた』と本音を吐露。芸術家の世界は難解だ。

忠臣蔵要素に、キアヌ・リーヴスと日本の名優が共演ということで大きな話題になったが、ドラゴンボール同様、期待値が上がりすぎていたようだ。売り上げ的にも赤字であり、空振り。2022年に『47RONIN -ザ・ブレイド-』という300年後の世界が描かれる映画が公開されるという奇天烈ぶり。

大空振りをするということはホームランを狙っているわけで、そうするとコケたときにいつも以上に情けなく見えてしまいます。ただそれで言うと、私はどちらかというとその大空振りタイプですね。あまりコツコツと確実なヒットを飛ばすことは考えません。ですが、一番強いのは『確かな一歩の積み重ね』ができる人ですよね。
6.『珍事件』
少し角度を変えて、この世界に実際にあった様々な珍しい出来事を観てみよう。
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- 『アインシュタイン:天才脳の行方と秘密』
- 『チャップリンからの贈りもの』
- 『リチャード・ジュエル』
- 『127時間』
- 『リリーのすべて』
- 『狼たちの午後』
- 『チェンジリング』
- 『続・激突!/カージャック』

彼の頭脳は、アメリカから見たらスターリンよりも危険な存在で、FBIのフーヴァーからも目をつけられる。そのあまりの天才ぶりに、死亡解剖する際に、解剖学者が脳を持ち出す事件が発生。

チャップリンの死後、金銭目的で遺体を誘拐した2人の犯行の実話をもとに作られた映画。アインシュタイン同様、死んだ後もまだその圧倒的存在感を示すのだから、偉人というものはすごい。

1996年のアトランタオリンピックで爆発物を発見して多くの人命を救った英雄であるにもかかわらず、FBIやメディアに容疑者と見なされた実在の警備員リチャード・ジュエルを描いている。確かに『アイトーニャ』で見る彼はまさに半信半疑そのものの存在感を出していた。

実に127時間程度の時間、崖に挟まって抜けられなかった男の実話が描かれる。単にそこにハマるだけなら百歩譲ってよくても、骨折級の痛々しい大けがをしたとなると、より一層ひどい体験になる。

『世界で初めて女性に変身した男と、その妻の愛の物語』として、世界初の性別適合手術を受けた人物・リリー・エルベを題材にして作られる。今は違うが、当時で言えばもちろんこのケースも珍事件だった。

1972年8月22日にニューヨークのブルックリン区で発生した銀行強盗事件を題材にしているのだが、強盗なのに人質と仲良くなって心配されたりなど、妙な展開が繰り広げられる。一体どうなってしまうのか。

題名は「取り替え子」という、自分の子供が醜い子供に取り替えられるというヨーロッパの伝承に基づいていて、確かに表層は『謎の着地』がまかり通るという珍事件にとどまる。だが、これが1920年代のロサンゼルスで実際に発生したゴードン・ノースコット事件の被害者家族の実話を元に映画化されたことを知ると、もう『珍事件』などという枠には当てはまらなくなる。

ネタバレになるのでここには書かないようにしよう。実際にあったのだからおかしい。

ここに載せたものはすべて実話ベースだからすごいですね。ちょっとした誤解から事態がとんでもない方向へと転がってしまうことがあります。それで言うと、アルゼンチンとスペインの『人生スイッチ』という映画が短編的にその手の話が展開されるので、面白いです。
7.『不思議な時間体験』
映画内ではよくあることとして普通に解釈されがちだが、時間の概念が狂う世界もまた、現実にはあり得ないことである。だが、だからこそそこから新たな視点を得られる。
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- 『ミッション:8ミニッツ』
- 『デジャヴ』
- 『NEXT』
- 『プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂』
- 『プリデスティネーション』
- 『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』
- 『オーロラの彼方へ』
- 『TENET テネット』
- 『きみがぼくを見つけた日』
- 『イルマーレ』
- 『天使のくれた時間』
- 『アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜』
- 『未来のミライ』
- 『BTTF』
- 『LOOPER』
- 『メメント』
- 『ペギースーの結婚』
- 『時をかける少女』
- 『トゥモローランド』

内容は書けないが、『8分』という時間がこの映画のカギを握る。

批評家の感想は賛否両論だったという。映画サイトMetacriticでの32人のプロの評論家の平均も59点。 ABCニュースのJoel Siegelは、映画の技術面では「よくできている」が、タイムトラベルの科学的説明は「お馬鹿で退屈」と評したというのである。

2分先の未来を知ることのできる予知能力の持ち主が、その能力を隠してラスベガスのカジノで生活を送っていた。だが、その能力を他人が放っておくわけがなく・・。

水晶の柄の内側に「時間の砂」を詰めた短剣。この短剣は、柄の宝石を押すことで自分以外の全ての時間が約一分間分過去に巻き戻すことができる秘宝であった。大人気ゲームの映画化で、兼ねてからのファン待望の一作。

卵が先か鶏が先か。考えてみたことがあるだろうか。一体どちらがこの世に先に生まれたのか。卵がなければ鶏は生まれないはずだが、その卵はどうやってこの世に誕生したのだろうか。これは、その謎を解く答えの一例である。

ネタバレになるのであまり書けないが、この不思議なタイトルを考えながら内容を楽しみたい。

オーロラが見えた日、30年前と無線がつながった。それは大好きだった亡き父が死ぬ前の日だった。この展開はありそうでなかった。

不思議な時間体験と言えばこれ。ここ最近の映画では最も異彩を放っているので映画好きで知らない人はいないだろう。だがみんな、謎解きに夢中になって本末転倒を起こしがちである。

自分の意思とは関係なくタイムトラベルしてしまう男の奇妙な物語。『デスノート』や『ファーザー』あたりと併せて観ると、何だか妙な気分になる。

2000年の韓国映画『イルマーレ(時越愛:シウォレ)』をリメイクした恋愛映画で、確かによく考えるとアメリカ映画でこの手の映画はあまり見ないから、独特に見えるのだろう。例えばスティーブン・キングもカメ止めを個性的だと絶賛していたし、モーガンフリーマンも紀里谷作品をユニークだと評していた。

『素晴らしき哉、人生!』をモチーフに「もしあの時、違う道を選んでいたら?」をテーマに描いたファンタジー映画。素晴らしい映画はファンタジーであるかどうかを飛び越え、人々に名作と言わしめる。

ある日父から一族の男にはタイムトラベルの能力があると告げられる。これはもしかしたら、ネタバレとして伏せるのではなく最初に知っておいた方がいいかもしれない。こういう急激な展開がごく自然に展開されると心が追い付けないからだ。

その代表がこの映画である。細田守の手腕が試されている時期。ゲームでも映画でも、別作品に違う作品のキャラクターを登場させる遊び心を出すケースがよくあるが、この場合『メアリと魔女の花』のように無理矢理感が大きく、あっけにとられる人がいるだろう。

素晴らしい映画はファンタジーであるかどうかを飛び越え、人々に名作と言わしめる。と言えばこれだ。私を映画好きにさせたあの日から、数千本の映画を観てもまだこれを超える作品が出ていないという異次元の名作。

近未来の2044年から未来の犯罪組織との契約で、タイムマシンで過去である今に送り込まれた標的を射殺して死体を処理する殺し屋、通称「ルーパー」の物語。

体に刻まれたメモを頼りに真相に迫るので、時系列がこんがらがる。本人も鑑賞者も、今どうなっているのか混乱するだろう。テネットの監督らしい作品だ。

夫との離婚を決意した中年女性が卒倒を切っ掛けに高校時代に戻ってしまうという不思議な物語。離婚するくらい鬱憤は溜まったが、そんな自分たちにもキラキラして夢に溢れた時代があった。

タイムリープものの映画で、ペギースーと同じでちょっとした事故がきっかけで発動する。いくつもの見えない奇跡が発動している映画だが、実写化の勢いやその後の細田守作品の様子を見ると、この脚本なら必ずいいわけでも、彼が宮崎駿を超える天才というわけでもなさそうだ。

BTTFに似た展開が、非常に楽しい映画だった。だがやはり後半や着地など、それに比べればやはり足りないと言える。このジャンルでBTTFの壁を超えるのは困難を極める。

『不思議』というのは『普通では考えも想像もできないこと。説明のつかないこと』を意味します。こうして時間の概念が狂うこともとても不思議な現象ですね。その意味で『ベンジャミンバトン』などもその系統ですが、あれは病気のためここにはまとめていません。しかし、頑なに固守する常識から逸脱すると、新たな視点を持つことができます。それをまた違うレシピでまとめてみましょう。
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