ルソー『いかなるものでも、自然という造物主の手から出るときは善である。人間の手に渡って悪となる。』

08/17/201912/20/2025

偉人たちの言葉に潜む『黄金律』を見抜け

偉人

フランスの哲学者　ルソー（画像）

運営者

ふむ…。

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考察

最初は善。しかし、人間というフィルターを通すと悪になる。それを考えた時まず思い出すのは、ドイツの精神科医、ヤスパースのこの言葉だ。

『もし、悪があるというのなら、それは私たちの意志なのだ。私たちの意志こそ悪でありえるのだ。』

まるで、私たち人間そのものが、『悪の根源』であるかのようなイメージが思い浮かんでくるわけだが、いや、確かにそうだ。

これを『リンゴ』と呼んでいるのは人間だけだし、社会制度が存在するのも人間だけだ。動物、昆虫、植物、微生物、宇宙の未確認物質、かつて信じられていた『天動説』が事実だったならまだしも、

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しかし真実は、『地動説』に近かったわけで、

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更には、地球も太陽も、宇宙の真ん中ではなかった。しかし、この時代の人間は、『天動説を信じていた（間違った事実を、真実だと勘違いしていた）』。だとすると、この宇宙の片隅にある地球という惑星に住む、恐竜からバトンを受け継いだ『人間』という覇者は、いささか、『覇者』と勝手に言っているだけで実際はそれ以下の存在かもしれないわけだ。

合理主義哲学の祖、デカルトは言った。

『我思う、ゆえに我あり。』

人間は、『思う』から他の動物とは一線を画し、『覇者』たる権力を手にすることが出来、この地球の主導権を握ったが、だが、それだけである。別に、それを握ったからといって、天災を止められるわけではないし、惑星の衝突を防げるわけでもない。だとしたら『覇者』の名も虚しい。すがりつくのは無知が露呈するだけだから、止めた方が良い。

古代ギリシャ三大悲劇詩人、ソフォクレスは言った。

『不思議なものは多い。しかし人間ほど不思議なものはない。』

上の果実を『リンゴ』と言ったり、『善』と『悪』の概念を捻出したり、『思う』能力はソフォクレスの言う通り、とても『不思議』である。何しろ、人間だけなのだ。そういうことをやっているのは。

だがどうだろう。だとしたらこのフィルターを通し、無機質な事実、概念を、『善』にも転換することが出来るではないか。『そこ』に人間の価値がある。つまり、それに逆らう形の人間に行為はすべて、『無価値』に等しい。虚無の中から価値を創造し、儚い一生を何とかして充実させようと奮闘する。私はそんな人間の『意地』が、とても好きである。

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補助的分析（AIによる語彙・背景・正確性の中立整理）

※本節では、運営者の内省（言葉だけを見て内省した解釈）ではなく、AI（ChatGPT）による「中立性」と「正確性」を基準に、今回の名言を整理します。名言の多くが出典未確認である現実を踏まえつつ、語彙・背景・意味領域を客観的に位置づけます。

名言提示（再掲）

ルソー
『いかなるものでも、自然という造物主の手から出るときは善である。人間の手に渡って悪となる。』

一般的な解釈

この言葉は、「人間や事物は本来、自然の秩序の中では調和的で善なる存在であるが、社会制度や人為的介入によって歪められ、悪へと変質してしまう」という意味を持っています。ルソーは、文明化と制度化が急速に進んだ18世紀ヨーロッパの社会状況において、人間の不幸や堕落の原因を“自然そのもの”ではなく“人間の作り出した仕組み”に求める思想的意図をもってこの言葉を発しました。
この発言は、「自然／人為」「本性／制度」という対立軸を明確にし、人間社会のあり方そのものを問い直す思想的核心を示しています。

思考補助・内省喚起

この名言は、「問題は人間そのものにあるのか、それとも人間が作った仕組みにあるのか」という視点を与えてくれます。
私たちは、教育・組織・慣習・ルールといった日常的な枠組みにおいて、本来の目的を忘れ、手段そのものを絶対化していないでしょうか。
感情や通念に流されず、「何が自然で、どこからが人為的歪曲なのか」を見極めるための内省の起点となり得ます。

翻訳注意・文化的留意点

文化的背景：
この発言は、キリスト教的原罪論とは距離を取り、「人間は生まれながらにして善である」という自然人思想を前提としています。日本語では道徳的断定として読まれやすい一方、原文文脈では社会制度批判・文明批判の色合いが極めて強い点に注意が必要です。

語彙の多義性：
「自然」は、自然環境だけでなく、人為が加わる前の秩序・状態・本性を指します。
「造物主」は人格神というよりも、自然そのものの生成原理を象徴する表現として理解されます。
「悪」は道徳的罪悪に限定されず、歪み・不調和・不幸を含む広い概念です。

構文再構築：
原文の二分構造は価値転換を強く示すため、日本語では
「善は自然に属し、悪は人為に属する」
という再構成によって、論点がより明確になります。

出典・原典情報

※出典未確認
この言葉は『エミール』冒頭の思想と強く結びついて紹介されることが多いものの、日本語表現としては要約・再構成された形で流布している可能性があります。

異訳・類似表現

異訳例：
「自然のままなら、すべては善である。人間が手を加えたとき、悪が生まれる。」
「自然は善を生み、人為はそれを歪める。」

思想的近似例（日本語）：
「人の不幸は、人が作った制度から生じる。」── ※出典未確認

思想的近似例（英語）：
“Everything is good as it leaves the hands of nature; everything degenerates in the hands of man.” ── Rousseau または ※出典未確認

タグ（思想分類）

#自然主義 #文明批判 #人間観 #啓蒙思想 #制度批判 #善悪観

語義分解（主要キーワード）

用語	定義	補足
自然	人為が加わる前の秩序・本性	道徳的基準として機能
造物主	自然の生成原理の象徴	人格神に限定されない
人間の手	制度・慣習・権力・操作	文明化の比喩
悪	歪み・不調和・堕落	単純な道徳非難ではない