MOVIE RECIPE
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- レシピ数:8
- 紹介映画:68
1.『トラウマ』
まずは心に深く傷がついた心的外傷(トラウマ)についてだ。心は『ない』が、確実に人間の一生に強く影響する。ゆえに、トラウマというのは極めて奥が深い話である。塗り薬などの対策は何の意味ももたらさない。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『ミスティック・リバー』
- 『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』
- 『ボーン・コレクター』
- 『シャッターアイランド』
- 『インセプション』
- 『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』
- 『レイチェルの結婚』
- 『ランボー』
- 『クリフハンガー』
- 『心が叫びたがってるんだ』
- 『ウォールフラワー』
- 『ブレイブワン』
- 『アサイラム 監禁病棟と顔のない患者たち』
- 『セントラル・インテリジェンス』
- 『守護神』
- 『Ray/レイ』
- 『キング・オブ・ハーレー』

ある悪友たる少年たちがいた。だが彼らの一人が11歳のとき見ず知らずの大人に非常にショッキングな『あること』を強制される事件が発生。その事件が、その後数十年を左右する大問題へと発展していく。

フィールズ賞受賞者でMIT教授の男が、数学科の学生たちに難問を出す。世界屈指の優秀な学生たちが悪戦苦闘する中、いとも簡単に正解を出したアルバイト清掃員として働く孤児の青年ウィル・ハンティング。彼は極めて優秀だが、素行不良が目立つ問題児でもある。彼の才能を生かそうとする大人と彼は衝突するが、次第にお互いが心に闇を持っている共通点に気付く。

これはここに書いても問題ない。彼女はかつて拳銃自殺した現職警察官の父親の死を目の当たりして心に深い傷を負っていて、その問題のせいでプライベートも仕事も、どこか陰鬱気味だった。そんな不安定な彼女の心が、このミステリー調の物語をより一層不気味で不安定なものにさせている。

これはここには書けない。この映画がなぜここに入ってくるのかということは書けない。

この映画では人の意識の中に入って記憶を操作するとか、記憶を持ち出すとかそういうミッションをこなすために暗躍する人間が描かれるが、主人公の男自体が、亡き妻の強烈な潜在意識に支配されてしまっていた。

アスペルガー症候群を抱える11歳の息子の父親が、アメリカ同時多発テロ事件により亡くなってしまう。彼は元々そうした体質を持っていたわけで、そこにとどめを刺すように、大好きだった父親が理不尽に命を落としたわけだ。彼の心はますます闇に堕ちていく。

姉のレイチェルの結婚式のために実家に帰ってきた妹だが、彼女は10年間、薬物治療のリハビリ施設の入退院を繰り返していて荒んでいる。では一体、なぜ彼女はそうなってしまったのか。

「周囲は完全に包囲され200丁のM16がお前を狙ってる、もう助かる見込みはない、投降しろ、戦いは終わった」と告げる大佐に、ランボーは「まだ終わっちゃいない!戦争は続いている!」と絶叫する。そしてその口から、戦争終結から7年経った現在でも続くトラウマと悲劇が語られる。
ロッキー山脈で救助隊員を務めているクライマーの男はある日、遭難した親友とその恋人の救出に向かうが親友の目の前で彼女の救出に失敗し死なせてしまう。以来、この二人の人間関係は悪化。そして彼もこの仕事を辞めてしまっていた。だがその1年後、山で緊急事態が発生する。

小学生の頃、憧れていた山の上のお城(ラブホテル)から、父親と見知らぬ女性(浮気相手)が車で出てくるところを目撃する。その後、両親は離婚。だがその理不尽な両親の態度によって心に深く傷を負い、ある日から、声が出なくなってしまう。

この映画がただの青春映画ではない理由は、主人公の彼が『ある秘密』を抱えているからだ。

ある心に深い傷を負った女性がいる。その理由は冒頭で描かれる。彼女はベッドからしばらく出られないような生活を送っていた。道端で誰かと肩がぶつかるだけで、その時のことを思い出して震えてしまう。果たして彼女は、『どうする』のか。

世界初の推理小説家エドガー・アラン・ポーのミステリーを楽しむ映画だけあって、あまり詳細は書かない方がいい。

これはかなりコミカルなコメディ映画だが、彼も学生時代のトラウマを抱える人物である。

アメリカ沿岸警備隊のベテランの男は、ある突然の事故をきっかけに訓練所の教官へ就く。それが原因で、彼の訓練は非常に厳しいものになるが、多くはそれを知らない。そこにスイマーとして優秀な成績を残し続けてきた青年がやってくる。彼もまた同じく過去に辛い記憶を持っていた。この二人の男が、最後、命を懸けた感動の物語を紡ぐ。

アメリカのトップアーティスト、レイ・チャールズ。彼には目が見えなくなる前の子供時代に、弟がいた。では、なぜ弟は死んでしまったのか。

実在した潜入捜査官の話だが、彼もまたあるトラウマに悩まされていた。

戦争にもPTSDがつきものですが、それはまた別のレシピでまとめています。人は誰もが大小関わらず何らかのトラウマを持っているもので、例えば食べ物の好き嫌いなんかにも影響していることも。私もそのせいで食べられないものがあったり、苦手なものがあります。しかしネアカなので意識的にはそれを『違う明るい考え方』で塗りつぶすようにして克服するようにしていますが、傷が深ければ深いほど、人に甚大な影響を与えてしまうものです。
2.『差別』
黒人差別はまた違うレシピにまとめたので、ここでは違った形での根の深い差別に焦点を当てる。
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- 『チョコレートドーナツ』
- 『フィラデルフィア』
- 『ミシシッピー・バーニング』
- 『女王陛下のお気に入り』
- 『アレクサンドリア』
- 『シンドラーのリスト』
- 『グアンタナモ、僕達が見た真実』
- 『プリティ・リーグ』
- 『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』
- 『ドリーム』

この物語ではいくつかの差別が描かれる。かなりニッチな内容に見え、しかし根幹には人間全体に訴えかける普遍性がある。よって、最後のシーンで哀愁を覚えない人は少ないだろう。
同性愛者でありエイズ患者であることを同僚に隠している男がいる。その後彼はなぜか解雇されるが、解雇の実質的理由はエイズ診断の影響だと確信する。男は弁護士を頼んで戦おうとするが、その弁護士も彼を色眼鏡で見る。果たして彼は、何かを証明できるのか。そして弁護士の男はこの問題を通し、何を学ぶのか。

黒人差別問題も一つ入れておく。1964年に米ミシシッピ州フィラデルフィアで公民権運動家3人が殺害された事件がモデルになっている。現在も、『同じような事件・差別』は起き続けているが、とりわけこの事件は、とても凄惨なものだった。

18世紀初頭の英国女王アン女王の側近として実在したアビゲイル・メイシャム。彼女は15歳の時、父親の賭博のカタにされて醜いドイツ人の愛妾となり、以来落ちぶれてしまっていた。

西暦4世紀、キリスト教が定着し異教の排斥が行なわれ始めた。女性天文学者ヒュパティアは、天動説を疑い始める。だがその時代のローマ帝国の力は絶大だった。キリスト教で教えている天動説を否定することは、タブーだった。だが彼女は信念を貫き、改宗を拒否。すると、人々は彼女を『魔女』扱いしはじめる。

ユダヤ人の問題もある。第二次世界大戦のナチス・ドイツ台頭時代において、ユダヤ人やそれを匿う者たちは『粛清の対象』だった。街中で平気で銃殺されるユダヤ人。あまりにも衝撃的な映像の連続に、我々はただ固唾を飲んで見守るしかない。

2001年、アルカイダのメンバーと間違われ、キューバにあるグァンタナモ米軍基地に送られたパキスタン系イギリス人の青年達。アメリカではアラブ系の人間は警戒される対象にある。極めて理不尽な話だが、わずかに、仕方がないと感じるだけの事件をアメリカ人は経験していることも話を複雑にしている。

1943年に創設され54年まで存在した全米女子プロ野球リーグを題材として、女性差別が激しかった時代に活躍する女性たちが描かれる。

鉄の女と言われたイギリスの政治家マーガレットサッチャーが描かれるが、彼女の時代も女性差別のど真ん中だった。34歳で下院議員に初当選するが、当時のイギリス議会には女性はほとんどおらず、異色の存在として白い目を向けられる。果たして彼女なそんなアウェイ中のアウェイの中、どう生きたのだろうか。

原題の『Hidden Figures』を翻訳すると『隠された人物』となる。本来の意味はさておきそう出てくる。そしてその訳された言葉を軸にして映画を観れば、ちゃんとつじつまが合うようになっている。当時、NASAで黒人や女性の立場はなかった。

ここに黒人差別の話を載せれば更に奥が深い人間の闇が描かれてしまいます。基本、異人種が少人数でいれば、『弱い者いじめ』が発動しやすくなりますね。これはTwitterなどでもそうだったのですが、フォロワー数だけで何かを判断している人が大勢いて、2000人あたりまでは足の引っ張りが多かったのですが、それを超えてくると何も言われなくなってきました。『力』に逆らえないこのあたりの人間心理も関係していることでしょう。
3.『深奥の鍵』
フロイトは言った。『人は不快な記憶を忘れることによって防衛する。』。
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- 『追憶の森』
- 『フラットライナーズ』
- 『シャッターアイランド』
- 『思い出のマーニー』

彼は、なぜ富士の樹海にいたのか。そこで会った人は、彼にとってどういう存在なのか。彼の過去に、一体何があったのだろうか。そして彼は、これから生きていくのだろうか。それとも、死んでしまうのだろうか。

知識がない人はこれを単なるオカルト的な現実離れした話と解釈する。だが全然違うのだ。内観(ヴィパッサナー瞑想)、強迫神経症や鬱病といった一切の精神病の知識。そしてこの監視カメラも収音マイクもない人生で『嘘さえつけば誤魔化して前に進める人生』で、本当に自分(あなた)は誠実に生きてきたかが問われる。

これはここには書けない。この映画がなぜここに入ってくるのかということは書けない。

観たことがある?・・本当にそうだろうか。この映画の本当の価値が理解できる人間は、深い深い海の底に堕ちた経験がある人間だけだ。(内観と『思い出のマーニー』)

このくくりが最も重要な項目です。どれだけ重要かというと、あのブッダ(釈迦)が6年以上も自らを痛め続け、苦行という苦行を積み重ねても、『この境地』にある圧倒的な教訓とはまるで比較にならない事実を悟ったのです。私は無宗教の立場でこの話を何年も言い続けているのですが、これからも真珠や小判に目がくらみ、真価に気付けないまま人生を終えてしまう人であふれるでしょう。それはある種仕方ないですね。あのブッダでさえ、辿り着くために困難を極めたのですからね。
4.『依存症』
依存症も極めて奥が深い話である。例えば麻薬一つ考えても、(またか・・)とあきれるくらい、同じ人がその乱用によって逮捕された話が聞こえてくる。あなたには、逮捕されたとき『ありがとう・・』と呟いたある常用者のこの言葉の意味が分かるだろうか。
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- 『お買いもの中毒な私!』
- 『SHAME -シェイム-』
- 『あまくない砂糖の話』
- 『インサイダー』
- 『ドン・ジョン』
- 『グランド・ジョー』
- 『ブルーに生まれついて』
- 『ハーフネルソン』
- 『さらば愛しきアウトロー』
- 『ラッキー・ユー』
- 『Mr.ブルックス 完璧なる殺人鬼』
- 『アメリカン・サイコ』

重度の買い物依存症でカードの支払いも滞る状態の女性の物語。女性はもちろん、コレクション癖のある男性にも訴えるものがある。

SEX依存症の男の葛藤が描かれる。あまりにもエッジの効いた角度からの映画なので低評価がつけられやすいが、極めて奥が深い話である。

全体を通して砂糖の害悪性を検証するドキュメンタリー映画で、コーラなどの甘味料が含まれた一切の嗜好品や菓子類について再考させられる。そしてこれがポイントだが、世界的な大企業ほどの集団が、その事実に気付いていないわけがないということだ。それなのに企業は、商品を宣伝し続ける。

アメリカの大手タバコメーカーB&W社と言えば、『マルボロ、KOOL、フィリップモリス、KENT、パーラメント、ラッキーストライク』等の銘柄で有名。誰もが一度は聞いたことがあるだろう。その世界的大企業が上記同様、ニコチンの依存性を知っていたかどうか、という大問題に迫る真実のジャーナリストの物語。

自慰行為依存症とでも言うべきか、女性との肉体関係よりもそっちの方に興奮を覚えるという変わった男がいる。これを、馬鹿にして途中で観るのをやめるとただの変人の話だが、最後まで観ればこれが奥の深い人間心理が関係した教訓映画だとわかる。

これがグラントリノと似ているとかそういうことはさておき、作中で出てくるアルコール中毒の男の行動を観ると、その愚かさにため息が出てしまう。

伝説のジャズ・ミュージシャンのがチェット・ベイカーが描かれるが、彼はヘロインに侵されていた。仕事、恋愛、様々な人生のイベントを通して彼は成長していくが、彼がヘロインを乗り越えられるかということが、最後の最後まで問われる。

ある中学校教師の男がいる。普通はその時期、教師という存在に何か穿った目を向けないものだ。純粋な目を向けるのが相場である。だがある時ある生徒が、彼が麻薬中毒者であることを知ってしまう。

誰ひとり傷つけることなく大胆不敵な犯罪を繰り返した実在の伝説的紳士強盗フォレスト・タッカーを描くが、一見するとそのお金を貧しい人にばら撒く正義の味方に見えて、彼は犯罪依存症だった。老人の年齢になり、何度も服役し、ついには愛しい人と落ち着くかと思われたが・・。

ギャンブル依存症の男が描かれる。彼の場合は父親も有名ギャンブラーということもあり、血筋と言えば血筋で、そう考えると会社を引き継ぐ息子たちとの、ある種の共通点もちらつく。だがやはりギャンブルというのは少し勝手が違ってくる。

2年間沈黙していた連続殺人が再び発生した。世間を震撼させたこの事件の犯人は、とある複雑な精神状態を抱えていた。つまりこの場合、殺人依存症とでも言うべきか。

ウォール街を舞台に、投資銀行で副社長を務める一方で快楽殺人を繰り返す男が描かれる。私は彼よりも立場は下だが少し似ていて、共感してしまうところがあるのが狂気的な話だ。もちろん私は殺人はしないが。何から何まで揃っていても、物足りなさを感じてしまうということだ。もちろん私は何も持っていないのだが。

人がそれに依存する理由は、『ダメだという背徳感にこそ快楽がある』事実があること。そして、『どうせ必ず人生が終わってしまう』という事実なども関係しています。何か強力なそれをやめる理由があればいいのですが、それをその快楽が上回ってしまっているんですね。自分の中で。非常に複雑な話です。
5.『本性』
人の本性がよくわかる教訓映画がある。一見すると違うが、実際のところ、そうである。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『闇金ウシジマくん』
- 『スマグラー おまえの未来を運べ』

ある物語の際、借金から逃げ回る男がいるのだが、母親が病気になって入院したと連絡を受ける。だがそこにはウシジマの姿が。自分の母までもが彼の狂気に巻き込まれることを懸念した彼は、ついに『自分の人生から逃げない』と決意する。ウシジマはアウトローだし決して認められないが、『闇の教師』たる側面を持っている。

同じ作者が描くだけあって、この彼の動向は興味深いものがある。へらへらしていてごまかして人生を生き、『誰かが何とかしてくれる』と淡い期待を持つ。だが、自分の人生の舵を握っているのは自分なのだと、彼は人生の究極の窮地に陥って、悟る。

私の部下もここで描かれる人物と似た心を持っているのですが、まあ人間というものは逃げて、逃げて、逃げ続けるものですね。部下だけじゃないんです。そういう人であふれている。私はというと、私の場合は少し変わっていて、自分の人生を頑迷に変えないところはあるのですが、悪知恵が回るのか、『逃げる』というよりは『正当化』がうまい。逃げるのは大嫌いですから。性格的に。
6.『盲目と麻痺』
例えばテロや戦争はまさしく、盲目と麻痺。洗脳状態でもあり、一時的だとしても異常な精神状態にある。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『アレクサンドリア』
- 『ガンジー』
- 『ホテル・ムンバイ』
- 『ホテル・ルワンダ』
- 『キングダム・オブ・ヘブン』
- 『パラダイス・ナウ』
- 『アミスタッド』
- 『シンドラーのリスト』
- 『東京裁判』
- 『キリング・フィールド』
- 『ブラザーフッド』
- 『スペシャリスト 自覚なき殺戮者』

この場合、ヒュパティア『以外の人間』の盲目に、ただただため息が出る。また同時に、あの時代にあって真実を貫き通した彼女の勇気と知性に、敬意を表する。

彼はヒンズー教徒でありながら、キリスト教的な考えを持ち、ヒンズー教との融和を求めた平和主義者である。しかしインドはヒンズーとイスラムの考えで対立を止められず、『パキスタン』という国を作ってしまう。そして悲劇は起こった。

2008年に起きたムンバイ同時多発テロ。このテロはどうして起こったのか。

1994年春に発生したルワンダ虐殺。そこでは、フツ族過激派が同族の穏健派やツチ族を120万人以上虐殺するというとんでもない事件が起きた。一体何がどうなればこんなことに発展するのか。

パレスチナ問題の初期を描く、キリスト教とイスラム教における『聖地エルサレム』をめぐった戦争を描く。冷静に考えたら気付けるだろう。『神が最も集まる神聖な場所』が、『世界で最も混沌としている』この滑稽さに。

そのパレスチナ問題の後期。この間に中東戦争が『第四次』まで引き起こされている。イスラム過激派とひとくくりに言うが、果たして本当に彼らは喜んでその命を投げ出し『人間爆弾』になっているのだろうか。本当にそうなのだろうか。

アミスタッド号事件は、1839年にスペイン籍の奴隷輸送船で起こった乗っ取り事件で、これはそれに関連してアメリカ合衆国で行われた一連の裁判についてだ。最初のシーンを観れば、人間が『とことん道を逸れる生き物である』と思い知る。

ナチス・ドイツにおけるユダヤ人やそれを匿う者たちの『粛清の対象』も、麻痺そのものだ。

他国の話ばかりしてはいけない。半藤一利の著書『昭和史』には、『日露戦争直前の、いや日清戦争前の日本に戻った。つまり50年間の営々辛苦は無に帰したのです。昭和史とは、その無になる為の過程であったといえるようです。』とあるが、天皇に対する日本人の考え方はどうだったか。

カンボジア内戦はポル・ポト率いるクメール・ルージュが頭角を現していた。この連中がやったことは、あまりにも衝撃的。しかしもっと奥が深いのは、この集団が結成された起因だ。それは映画では触れられないが、アメリカの存在が大きく関わっていた。

朝鮮戦争に繰り出され、人間を狂わされてしまった兄弟が描かれる。壮絶な戦争映画だ。これを観れば、誰もが狂ってしまうと納得するだろう。

アドルフ・アイヒマンという男がどういう男なのか。彼こそは『麻痺』した人間の頂点にいるのではないか。ヒトラーは麻痺というよりも歪みだ。この男は自分がやったことを、理解していないかのようにふるまっていた。

『アイヒマンの後継者 ミルグラム博士の恐るべき告発』を観れば、更に『麻痺』というテーマについて分かります。アイヒマン方向の、戦争の話だけにとどまらないのです。この映画を観ると、ちょっと背筋が凍りますよ。私は人間を研究することが多いので、むしろ最高の教訓映画となりました。
7.『IRA』
『IRA』とはアイルランド共和軍であり、簡単に言うと『イギリスに乗っ取られた北アイルランドを取り返し、全アイルランドを統一する』為に命懸けで戦う者たちのことである。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『クロムウェル』
- 『マイケル・コリンズ』
- 『パトリオット・ゲーム』
- 『HUNGER/ハンガー』
- 『レクイエム』
- 『RONIN』
- 『デビル』
- 『ジャッカル』

1642年、ピューリタン革命を起こしたクロムウェルだが、この男がこの話の端緒となるかもしれない。アイルランドはクロムウェルの征服により、以後イングランドの植民地的性格が強い土地となる。

アイルランドの独立運動家であるマイケル・コリンズの生涯を描いている。IRAの情報部長、アイルランド国軍の司令官、英愛条約交渉においてはアイルランド側の代表の一員などをつとめた重要人物で、IRAと言えば彼を思い出す人がいるほど。

CIAとして活躍するジャック・ライアンシリーズがトム・クランシー作品で有名だが、この作品でもIRAの分派である過激派グループがテロリズムを行うところから物語が始まる。

1981年に発生した北アイルランドの刑務所でのハンガー・ストライキが描かれる。これも、アイルランドがイギリスに対して命懸けでメッセージを送る真実の物語である。

北アイルランド紛争のさなかに起きたテロ事件から30数年後の加害者と被害者の弟の対面を描いていて、実話が混じっている。これ自体のエンタメ性は低いが、ここにある他の作品と並べて観ることで、奥行きが深くなる。この場合はIRAではなく、それと対立していた『アルスター義勇軍』のメンバーが描かれる。

タイトルは日本語の「浪人」から引用されており、冷戦終結により自らの存在価値を失った東西のスパイや特殊工作員らの姿になぞらえている。元KGB、CIA、IRA、SASなどが集まる。
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ブラピ演じる主人公の男は、8歳のとき目の前でIRAシンパの父親をイギリス人に殺され、IRAの活動家となった。ハリソン・フォード演じる同じアイルランド系の実直な警官と寝泊りの問題で仲を深めるが、この二人の関係がこの物語になんとも言えない哀愁を作り上げている。

IRAの凄腕スナイパーと、神出鬼没で素性も何もかも不明な暗殺者「ジャッカル」との戦いが描かれる。

もちろんその他にも根が深い問題と言えば、世界の国々がそれぞれで抱えています。日本の隣国はロシア、北朝鮮、韓国、中国ですが、そのすべてにおいて何かしらの問題を抱えていますからね。ロシアが侵攻したウクライナも、隣国です。彼らの主張では、『もともとロシアだった』ということ。IRA問題はそのうちの一つの例にすぎません。
8.『命を使う』
命を使いきる。それは人間の『使命』である。しかし、この使い方は本当に正しいのか。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『パラダイス・ナウ』
- 『おやすみなさいを言いたくて』
- 『シリアナ』

我々はラストシーンで、凍り付く。

イスラム過激派による爆弾テロを取材する女性が描かれる。

この映画でもある考えさせられるシーンがある。

『彼ら』の気持ちを考えるなら、『パラダイスナウ』を観るのが一番でしょう。それ以上私が言うことはありません。人生はとても、複雑なのです。
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