ポスター画像出典:『ヤフー映画』
レビュー
500人の偉人の8000の言葉と向き合い内省した時間を4年作った私からすれば、エジソンの映画がないことは不満だった。映画自体も3000本観ている。それに、一度偉人を学ぶと歴史が面白い。宗教や哲学と合わせて歴史を一から学び直したが、歴史というのも相当面白いものだ。『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』でアラン・チューリングを演じたベネディクト・カンバーバッチは、この役に適している。
また、実はエジソンに隠れているがニコラ・テスラがいるのもいい。彼ら二人の関係は知っていたが、詳細までは追っていなかった。大好きな映画でそれを追えたのが嬉しかった。彼は電気を作った。
- 冷蔵庫
- 洗濯機
- テレビ
- エアコン
- 電子レンジ
- ストーブ
- インターネット
- 映画
これらは彼がいなければこの世に存在しなかったかもしれない。いや、子供のころにはそう聞かされていてそれを信じていたが、ニコラ・テスラのような天才が彼の代わりを務めた可能性もあり、そうとも言い切れない。だが、どちらにせよエジソンが関わり、発明し、広めたのだ。それが我々が生きる世界線の絶対的な事実なのだ。

ニコラ・テスラは言った。
この言葉の意味は、映画を熟考する、あるいは、彼の以下の言葉も合わせて考えることで、更に深い意味を持つ。

ライバル関係にあった彼自身もエジソンのその実力だけは認めていたのだ。

エジソンのこの言葉に救われ、支えられた人がどれだけいるだろうか。彼はビジネスマンとしてシビアで、それと同時に損なっている側面もあったが、二兎を追う者は一兎をも得ずだ。彼がこうして真理に触れた言葉を言える以上、彼は偉人で間違いない。
補足分析(構造限定)
認知・心理構造
・発明は「閃き」ではなく、反復・失敗・執着によって現実化されるという認知構造
・理想(純粋な発明)と現実(資金・市場・権力)の間で、思考が分断される心理過程
倫理・価値観の揺れ
・成果を社会に実装するために、どこまで競争や排除を許容できるのかという倫理的緊張
・「偉大な結果」と「過程の歪み」を同時に抱え込む価値の揺れ
社会構造・制度背景
・発明そのものよりも、「誰が標準を握るか」が社会を決定する構造
・資本・特許・メディアが、技術の善悪や評価を上書きしていく力学
言葉・定義・前提破壊
・「天才=孤高の発明家」という神話が、集団・制度・資本によって再構成される前提破壊
・成功という語が、真理への接近ではなく“普及と支配”を意味する場合がある構造
現実対応構造
・映画内の電流戦争は、技術革新が常に中立ではなく、権力闘争と不可分である現実と同型である
論点抽出(問い)
- (問い1)発明の価値は、発想か普及か
- (問い2)真理に近い技術は、必ず勝つのか
- (問い3)社会を変えるのは理想か、資本か
- (問い4)偉人とは、結果で評価される存在なのか
- (問い5)進歩は、誰の犠牲の上に成立しているのか
人間理解ポイント
・人は成果によって過程を忘れやすい
・執念は創造にも歪みにも変わり得る
・理想主義と現実主義は対立しやすい
・社会は「正しさ」より「使いやすさ」を選ぶことが多い
抽象コア命題(普遍層)
- 命題1:(技術の勝敗は、真理ではなく社会構造が決める)
- 命題2:(発明は思想であり、同時に権力装置となり得る)
- 命題3:(進歩は、倫理的葛藤を内包したまま進行する)
誤認リスク補足
・本作を「エジソン善/テスラ悪(または逆)」の対立構図で読むのは誤り
・天才神話に回収すると、技術と資本の関係が見えなくなる
・史実の正誤のみを追うと、構造的テーマが失われる
【テンプレ追記|解釈レイヤー固定文(共通)】
※本テンプレにおける補足分析は、筆者の主張・結論・立場表明を示すものではない。
※各作品は、筆者が内在させている「真理からの距離に対する違和感」や思考過程が、どのように照射・再確認されたかという構造的契機として扱われる。
※したがって、未来予測・価値判断・断言的結論として読むことは想定されていない。
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