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自然現象説明としての神:神はどこから来たのか

ハニワくん

先生、質問があるんですけど。

先生

では皆さんにもわかりやすいように、Q&A形式でやりとりしましょう。


『神』はどこから生まれたの?わかりやすく簡潔に教えて!

神話における『神』は、『混沌(カオス)』から生まれたか、最初からいたという設定になっています。


ハニワくん

なるほど!

博士

も、もっと詳しく教えてくだされ!


昔は自然についての知識はほぼありませんでした。

ですから、雷や稲妻、洪水のような自然な変化は、何か恐ろしい偉大な存在が自然の秩序を操るものだと信じました。そして神話が生まれ、そこで『神』という偉大な存在が想像されます。つまり自然に神が創造され、その次に人間がつくられたわけです。その『神』ですが、

・太古に神々がいて混沌から世界を創造した
・混沌から神が現れ、世界を整理した

という2つの説に分かれます。そしてその解釈がそれぞれの神話の方向、ひいては宗教の性格を大きく変えることになります。


博士

うーむ!やはりそうじゃったか!

ハニワくん

僕は最初の説明でわかったけどね!

先生

更に詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。


目次

『神』が生まれた場所を想像する必要があった


このあたりの記事の続きだ。『人間の知能は動物とほとんど変わらなかった。自然についての知識はほとんどなかったので、自然のすべての変化が神秘と畏敬の対象だった』。自然についての知識はほとんどなかったので、自然のすべての変化が神秘と畏敬の対象だった。雷や稲妻、洪水のような自然な変化は、何か恐ろしい偉大な存在が自然の秩序を操るものだと信じた。そうして世界に『神(人の上に立つもの)』が生まれ、言語が発達してそれが『神話』となっていった。


では、その『神』というのはどこから生まれたのかという疑問を紐解いていこう。人々はどうやって『神』をこの世に登場させたのか。


『世界の神話 神話の生成と各地の神話。神々と英雄の活躍』にはこうある。

世界各地の神話に共通して現れるのがまさに太古の『混沌』だ。宇宙と自然、人間が想像される前の状態はひたすら闇だけですべてからみあった混沌の状態。ギリシャ人はこれをカオス(Chaos)と呼んだ。カオスの状態から宇宙と人間が創造される過程に向かうとき、神話の世界は大きく2つに分かれる。1つは超自然的で全知全能の力を持つ存在が『創造』したというものだ。つまり神による創造説だ。もう1つはカオスの状態から物質の自然な進化によって神と人間が生まれたというものだ。つまり自然に神が創造され、その次に人間がつくられた。太古に神々がいて混沌から世界を創造したという見方と、混沌から神が現れ、世界を整理したという説は、神話の方向、ひいては宗教の性格を大きく変える。しかし、世界のほとんどすべての神話は混沌から始まる。


混沌(カオス)という世界の想像

つまりこういう2つの説が考えれたわけだ。まず『神』が最初からいる説。


STEP
『神』が最初からいる
STEP
カオスから自然と人間を創造する


そして『カオス』から神が生まれた説。


STEP
カオスが最初にある
STEP
そこからまず神が創造される
STEP
その後自然と人間が創造される


どちらにせよ一番最初にあったのはこの『混沌(カオス)』である。これは宇宙とも違う、闇とも言えない、『いろいろなものが交じり合った世界』という、実態の把握が難しい世界である。宇宙はここで言う『自然』に該当するので、それもこのカオスから生まれたということになる。よくはわからないが、それぐらいしか考えられないということだ。人間の想像の限界がこのカオスという状態を生み出しているわけである。


現代の解釈は

ここで下記の記事を見てみよう。


ここには『ビッグクランチモデル』と言われる、アコーディオンのように収縮と膨張を繰り返す宇宙の在り方の考え方を記載している。つまり膨張はあるところまで行った後『反転』し、今度は収縮が始まる。そう考えたとき、われわれが認識している138.2億年前に起きたビッグバンは、あくまでも『最新のビッグバン』であり、我々はこの連鎖の中という限られた時間の中でしか生きられないということである。



しかし実際には『宇宙は永久に膨張し続ける』という理論が濃厚になってきている。


STEP
バン(ビッグバン)
STEP
膨張
STEP
収縮することなく膨張し続ける


この『インフレーション理論』ははるか以前からあったのだが、結局はこの理論を考えた方がつじつまが合うということで、現在一番濃厚なのがこの理論だ。そしてそこにある本にも、


したがって、宇宙は特異点という物理法則が破綻する一点から生まれ、その後は相対性理論にしたがって膨張してきたという、不完全なシナリオしか描くことが出来ないのです。


として『宇宙の始まり』が何であるかは謎のままだと考えている。しかしそこに記載する本の著者、バックミンスター・フラーは2000年以前(おそらくは1950~2000年の間)に、すでに『宇宙は本質的に複雑で、永遠に再生的である。宇宙には『始まり』も『終わり』もあり得ない。かなりの科学者がこの始まりと終わりという誤った概念を発明するために、いまだに無駄な努力を費やしている』と言っているわけだ。


その『相対性理論を楽しむ本 よくわかるアインシュタインの不思議な世界』を書いた著者も相当な識者である。彼のような人物が『宇宙の始まりは謎のまま』と言っているわけだ。しかし、このバックミンスター・フラーという人物も相当な人物である。彼は、『宇宙の始まりも終わりも存在せず、永遠に再生的である』と言っている。どちらの意見が正しいかということは、それが人類の手で明確に解き明かされるまで断言することはできない。


しかし、100年前にアインシュタインが相対性理論を見出し、ブラックホールの姿かたちを想像したが、2019年4月に人類が初めて目視することに成功したブラックホールは、彼が想像したほぼそのままの形だったことがわかった。国立天文台の本間希樹教授は言う。


本間希樹
アインシュタインが100年前にこれを予言していて100年かけて僕ら研究者がやっと撮ったわけですけど、そしたらアインシュタインの予想どおりだったんですね。だから何もアインシュタインは間違っていない。少なくともこれを見る限りではアインシュタインやっぱり正しいんだ。本当に100年間経ってもまだ揺らがない…すごいですよね



今回の成果は宇宙の始まりの解明にもつながるということで、ノーベル賞級と称賛する声が上がっている。バックミンスター・フラーが言った『宇宙の始まりも終わりも存在せず、永遠に再生的である』という言葉が真実であるか、それとも宇宙の始まりが何だかこれでハッキリするのか、時間の問題である。


人類がこの世界の『最初』にあったものと想像した『カオス』は、本当は何であるか。この研究が進んでいくにつれてハッキリするのか。それとも、更に理解不能なブラックボックスが現れ、人間の心がもう一度『カオス』に逆戻りするのか。それはこの先を進んでみなければ誰にも分らない。



論点構造タグ

  • 自然現象の説明装置としての「神」と、その発生源としてのカオス概念
  • 「神が先にいて世界を創造」vs「カオスから神が生まれた」二つの神話系統
  • カオス=人間の想像力・認識能力の限界点としての“箱”
  • 古代神話のカオスと、現代宇宙論(ビッグバン・特異点・インフレーション)の対応関係
  • 「宇宙に始まりと終わりはあるか/ないか」を巡る、科学者間の見解の揺らぎ
  • 説明不能領域を前にした人間の態度(断定 vs 保留 vs 再びカオス)

問題提起(一次命題)

人間は、自然現象を説明するために「神」を想像したが、
ではその神自身はどこから来たのか。
古代神話のカオスと現代宇宙論の「特異点/始まりの謎」は、どのように重なり、どこで食い違うのか。

因果構造(事実 → 本質)

  • 事実①:
    自然についての知識がほぼなかった時代、人間は雷・稲妻・洪水などを「恐ろしい偉大な存在」の働きとみなし、そこで「人の上に立つ存在=神」を想像し、神話として語り継いだ。
  • 事実②:
    多くの神話は、宇宙や人間が生まれる前に「混沌(カオス)」だけがあったとし、
    • 神が最初からいてカオスから世界を創造する説
    • カオスからまず神が生まれ、その後に世界を整理する説
      に分かれる。
  • 事実③:
    カオスは、宇宙とも闇とも異なる「よくわからない、いろいろなものが混じった状態」とされ、人間の想像の限界点として設定された。
  • 事実④:
    現代宇宙論では、138億年前のビッグバンやインフレーション理論が主流となりつつあるが、「特異点(物理法則が破綻する一点)」以前については分からず、「宇宙の始まりは謎のまま」という立場が残っている。
  • 事実⑤:
    バックミンスター・フラーは「宇宙には始まりも終わりもなく、永遠に再生的である」と主張し、ビッグバンを単一の起点とする見方を批判している。
  • 事実⑥:
    アインシュタインの相対性理論は100年後にブラックホール観測で裏付けられたが、なお宇宙の“最初”については決定的な答えが出ていない。
  • 本質①:
    古代人の「カオス」は、現代科学における「特異点」や「始まりの謎」と同様に、「ここから先は分からない」という人間認識の限界を包むための“箱”である。
  • 本質②:
    神は、自然現象の説明のためにまず想像され、その神の発生源として「カオス」がさらに設定された、二重の“起源物語”である。
  • 本質③:
    現代科学もまた、形は違えど「カオス的領域(完全には説明できない出発点)」を抱えており、人間の理解は常に“部分的”であることが露わになっている。

価値転換ポイント

  • 従来の見方:
    • 神話のカオス=荒唐無稽な空想、現代宇宙論=合理的な真理、という二分法。
  • 本記事での転換:
    • カオスは「いい加減な作り話」ではなく、「人間がどうしても説明できない起点」を名前だけ与えておこうとした試み。
    • 現代宇宙論も「特異点」「始まりは謎」と言わざるを得ない部分を抱えており、本質的にはカオスと同じ“説明不能領域”をめぐっている。
    • したがって、神話のカオスと現代科学の「始まりの問題」は、対立というより“認知限界への異なるアプローチ”として再解釈できる。

思想レイヤー構造

【歴史レイヤー】

  • 古代:
    • 自然現象への畏怖 → 超自然的存在(神)の想像 → 神話の形成。
    • その起点として「混沌(カオス)」を設定し、「神が先にいた」説と「カオスから神が出た」説が併存。
  • 近代〜現代:
    • ビッグバン理論、ビッグクランチ/インフレーションなど多様な宇宙モデルが提案される。
    • アインシュタイン、フラーらによる「始まり/終わり」をめぐる異なる見解が並立。

【心理レイヤー】

  • 人間は、
    • 「自然現象の背後には何かがあるはずだ」という直感から神を想像し、
    • 「その神はどこから?」という問いに対して、さらに「カオス」という“前段階”を置いて心の安定を得ようとした。
  • 現代人もまた、「宇宙の始まり/無限性」を前に、どこかで“わからない箱”を用意せざるを得ない。
  • カオスは、「説明不能なものを何とか枠に入れたい」という人間の不安と欲求の産物である。

【社会レイヤー】

  • 神話は、世界像の枠組みを与え、宗教や文明の精神的基盤となるが、「始まりはカオス/神」というレベルで合意を作ることで、思考をそこから先へ進ませる役割も持つ。
  • 現代科学の宇宙論も、教育・文化・世界観に大きな影響を与え、「われわれはどこから来たのか」という問いに一時的な回答を与える。

【真理レイヤー】

  • 真理の側から見ると、「カオス」「ビッグバン」「特異点」といった言葉は、
    • 人間が真理の“端っこ”にラベルを貼っているに過ぎず、本体は依然として把握不能である。
  • 宇宙の始まりが「ある/ない」「一度きり/永遠再生」のいずれであれ、
    • 人間のモデルは常に暫定であり、真理はモデルを超えたところに在る。

【普遍性レイヤー】

  • どの文化・時代でも、「世界の前の状態」を語る際に、
    • 混沌/虚空/闇/無の海/卵/特異点 など、
    • 何らかの“前段階”を置く傾向がある。
  • これは、人間が「いきなり今ここから始まった」とは考えられず、
    必ず「前に何かがあったはずだ」と想定してしまう普遍的な思考パターンである。

核心命題(4〜6点)

  1. 神話における「カオス」は、宇宙や神や人間の前に置かれた「説明不能な最初の状態」であり、人間の想像力の限界を象徴している。
  2. 古代人は、自然現象を説明するために神を想像し、その神の起源を説明するためにさらにカオスを想像した。
  3. 現代宇宙論もまた、「特異点」「始まりの謎」という形で、同種の“説明不能領域”を抱えている。
  4. ビッグバン一発説/永遠再生説(フラー)のいずれが正しいかは、現時点で断定できず、「宇宙の最初」が本当に定義できるかも未決である。
  5. 人間の理解が進めば「カオス」の中身が一部明らかになるかもしれないが、新たなブラックボックスが現れ、別のレベルのカオスに突き当たる可能性も高い。
  6. したがって、「神はどこから?」「宇宙の最初は?」という問い自体が、人間の認識と真理の間に常に残り続ける“境界線”を示している。

引用・補強ノード

  • 『世界の神話 神話の生成と各地の神話。神々と英雄の活躍』
    • 混沌(カオス)から始まる神話の共通構造と、「神が先/カオスが先」二系統の提示。
  • ビッグクランチ・インフレーション理論
    • 宇宙が膨張を続けるか、収縮と再膨張を繰り返すかという現代理論の対立。
  • 相対性理論・ブラックホール観測(本間希樹教授のコメント)
    • アインシュタインの予言が100年越しに観測で裏付けられた事例として、理論と観測の関係性を補強。
  • バックミンスター・フラーの宇宙観
    • 「宇宙には始まりも終わりもなく、永遠に再生的」という逆張り的立場の紹介。

AI文脈抽出メタデータ

主題:

  • 神話における神とカオスの起源構造と、現代宇宙論における「宇宙の始まり」の問題を重ね合わせ、人間認識の限界とその表現を考察する。

文脈:

  • 神話学・宗教起源論・宇宙論(ビッグバン、インフレーション、ビッグクランチ)・科学史(アインシュタイン、ブラックホール観測、バックミンスター・フラー)。

世界観:

  • 宇宙と神と人間の起源をめぐる物語は、時代ごとに形を変えながらも、常に「理解不能な始まり」を名前だけ与えて包もうとしてきた。

感情線:

  • 原始の畏怖と神の想像 → カオスという「分からない箱」の設定 →
    現代科学による宇宙モデルの洗練 →
    なお残る「始まりの謎」と、新たなカオスへ戻る可能性。

闘争軸:

  • 神話的確信(こう始まった/神がこう創造した) vs 科学的謙虚さ(ここから先はまだ分からない)。
  • 宇宙に明確な始まり・終わりを求める思考 vs 永遠性や循環性を想定する思考。
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