カオスとは、例えば『パチンコ玉の動き』である。あれは、発射の速度や、0.1ミリの衝突のズレ等によって、どれもが違う動きをする可能性があり、無限の多様性を持つ。ほかにも、電車に乗り遅れそうな時、戸が閉まる寸前に電車の前まで到着したとすると、乗れるか乗れないかは大変微妙であり、正確な答えが出せない。
これらの、『一つの答えを特定できない状態』を『カオス』という。また、『市場のカオス』とは、例えば、『ミネラルウォーター』の値段一つにしても、全世界、70億人の市場の中で、ありとあらゆる環境の違いも手伝って、『価値』は、『絶対』ではないということ。つまり、『100円』で買う人もいれば、『100万円』出す人もいるだろう。水を飲んだばかりの人は、『10円』でも買うのを悩むだろうし、砂漠で死に直面している人は、『1億円』出すかもしれない。人それぞれの、育ち、環境、状況等の複雑な絡み合いによって物の価値が変わるのである。
参考文献
経済物理学の発見