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グループ・フロー

前回『フロー状態』について書き留めた。フロー状態とは、例えばスポーツであれば、肉体を超え、精神さえも超えて、神秘的なものとなっていく。この感覚を表現するのは難しく、誤解されても嫌なので、このことを口にしない人もいるという。しかし、これが起こるとたしかに自分のプレイが新たなレベルに飛躍するのが感じ取れる。そういう状態をいう。


まるで、自分の動きがスローモーションになったかのような、そういう境地に立っている状態である。私もこれを経験したことがあるが、まさにあれは”奇跡”。私がそれを経験したのは、寮対抗のバレーボールだった。毎年勝つような強敵チームを、我が寮が打ち負かしたのだ。 私はまさに、最後の勝敗を決めるそのゲームに、一応のキャプテンとして出場していた。私も含めた素人ばかりの我が寮生。バレー経験者が揃った相手チームに勝つためにまとまったあの体験。あれこそがフロー体験である。


グループ・フローとは、グループ全体がフロー状態に入る、至高体験の一つである。我々がグループ・フローに入ったのは、偶然ではない。例えば我々の場合でいえば、そのゲームに至るまでの間に行われた、数えきれない寮生との感動や、トラブルを通したドラマが、その要因となったのだ。


参考文献

凡才の集団は孤高の天才に勝る

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