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ディケンズ『涙は肺を開き、顔を洗い、目を潤し、気持ちを落ち着かせる。さあ、泣こう。』

偉人たちの言葉に潜む『黄金律』を見抜け

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ふむ…。

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目次

考察

涙は何らかの、『スイッチ』である印象を受ける。そのスイッチを押すと、なにかこう、リセットされたかのような、モードを切り替われたような、そんな感覚を得ることになるからだ。

 

 

私はかつて、『泣き虫』だった。そして親からそれについて揶揄され、心底からそういう自分を呪った。親は、クリスチャンだった。私は、そうじゃなかった。その間にある確かな溝と虚無感が、私の怒りの増幅を助長させていたのかもしれない。

 

なぜそう言われなければいけないんだ。この親は、正しいのか、間違っているのか。どっちなんだ。どの道、馬鹿にするのであれば、絶対に泣き虫とは言わせないようにしたい。

神よ。もし本当にいるのであれば、俺から涙を奪い去ってくれ。いるんなら出来るよな?出来ないならいないってことだぞ!

 

私は本当に上のこの画像の様に、階段で一人うずくまり、歯を噛みしめながら、目に涙を浮かべ、いるかどうかもわからない、物心つくまえから教えられた、『神』に対して、呪うように祈った。神に対する、挑戦でもあった。これは、両親がクリスチャンであり、自分はそうではない、という環境に生まれた人間にしか、理解できないかもしれない。

 

それから数年が経った。気づけば私は17歳。私は、すっかり、涙を流すことはなくなっていた。しかし、私がいたその場所は、異常な場所だった。母親が私を訪ねて来た。父親が、肝臓がんで余命宣告を受けたと言うのだ。私はすぐにこう言い捨てた。

 

当たり前だろ人間なだから。いずれ死ぬだろそりゃ。

 

その発言を聞いてから立ち去った母親の後ろ姿に、妙な違和感があった。まるで、私と母親との間にあったはずの見えない絆の糸が、完全に途絶えてしまったかのような、そういう感覚を得たのだ。

 

しかし刹那の私は、自分を弁護した。

 

俺が今まで、どれだけ苦しめられてきたと思ってるんだ。死んで当たり前だろ。悪いのがお前らなんだからな。なぜ、嫌だと言っていたのに俺に宗教を強要し続けたんだ。俺がそれに反発し、そしてそれを『反抗期』として片づけ、何もかもを俺の責任にした。

それが、親のやることだったのか。それが、大人のやることだったのか。先に勝負を仕掛けてきたのはお前らだ。命を持って償う以外に、道はなかったということだ。

 

私は宗教を強要され、自分の意志をないがしろにされた。だからその反動で、人一倍自分の意志を強く主張する人間になった。からくり人形のように生きるのは嫌だった。俺は、こいつらのアイテムじゃないんだ!人間なんだ。意志があるんだ。その意志が、イエス・キリストなど求めていないのだ。

 

私は、自分らしく生きていきたかった。

 

私は、人間らしく生きていきたかった。

 

しかし、どうだろう。

 

実の父親が死ぬという話を受け、涙一つ流さない自分は、本当に人間なのだろうか?

 

気づいたら私は、大粒の涙を一つ、流していた。

 

涙は何らかの、『スイッチ』である印象を受けるそのスイッチを押すと、なにかこう、リセットされたかのようなモードを切り替われたような、そんな感覚を得ることになるからだ。

 

私はそのスイッチを押してから、新しい人生が始まった。もちろんすぐには変わらない。しかし、限りなく確実に、私が歩く『方向』が切り替わったことは間違いない。

 

そのすぐ後に、あれほど見るつもりのなかった活字(心理学、脳科学)の本を手に取ったことが、その全てを物語っていた。今でも私にとって『涙』というものは、そう簡単なものではない。まず泣くことは無いだろう。しかしそれは、幼少期に抱いた、泣くことへの憎しみが関係しているというよりも、涙が『とっておきのスイッチ』であることを知った、ということの方が大きい。

 

私が泣くとき。それは、私の人生という列車の方向を、必要に迫られ、転換するときだ。

 

 

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