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ディケンズ『涙を流すことを、恥と思う必要は全くない。』

偉人たちの言葉に潜む『黄金律』を見抜け

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ふむ…。

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目次

考察

私は恥だと思っていた。涙を流すたびに、『男のくせに』という雰囲気が漂い、親からも、誰からも女々しくて弱弱しい、頼りない人間だと揶揄され、まるで、男がその方向に行くことは、敗北を意味するような風潮があったのだ。そして私は涙を封印した。何度も何度も『祈った』。私は両親から、クリスチャンになることを強要されて育ったのだ。

 

 

神様よ、もし本当にいるのであれば、俺から涙を奪ってくれ…!!!奪え…!!奪え奪え奪え!!いるんだろ!!!それが出来ないなら、神などいない!!!

 

 

私はプライドの塊だったのだ。私はそう念じた場所を今でもハッキリと覚えている。改築する前の、実家の階段だ。私はミスをして、親に怒られた。そして恥をかかされ、揶揄された。

 

男のくせに。

 

小学校高学年だっただろうか。私はその階段で泣きながら、いるかどうかもわからない神に祈りを捧げ、念じた。そうして私は涙を封印したのだ。

 

そこから数年間、私の目から涙が流れた事実があったことを思い出せない。『泣き虫』と揶揄された、この私がだ。そして気づいたら私は『異常な場所』にいた。そこがどこだったかということは、ここに書けないほど異常だ。そして、そこで父親の余命が宣告されたことを告げられるのである。

 

私は『当然』、泣かなかった。

 

男性
当たり前だろ。人間なんだからそりゃあ死ぬだろ。

 

そう言い捨てた私を見て、母親が(もうこの子は自分の子供ではない)という雰囲気を醸し出したとき、私の心底に封印していた何かが疼きだしたのを感じた。

 

その後、一人になって考える時間を作った。私はそれまで、涙を封印していたのだ。それはつまり、思考を停止させ、感情を奥に押し込め、押し殺し、冷酷無比な人間になることを意味していた。

 

私は親に宗教を強要され、それに逆らうと『反抗期』として片づけられ、死んでしまえば楽になるが、殺してしまうほど憎いわけではなく、愛もあり、しかし、相手が押し付けるものを自分は求めていなく、やり場がなかった。だから、思考を放棄することでその場しのぎをしていたのだ。その延長線上に、その異常な場所があった。

 

親を信用できない。宗教も信用できない。その親が言うことも、神の存在も、何もかもだ。それらは、自分とは無関係の概念だ。自分は自分で独立して生きている。そう言い聞かせなければ、生きていくことは出来なかったのかもしれない。

 

…ようやく死ぬのか。これで楽になれるな。俺の勝ちだな。

…でも、親が死ぬっていうときに、涙一つ流さない俺は、本当に人間なのかな。

 

その時、私の頬をつたったのは、一粒の涙だ。その涙は、まるで『堰』だった。堰が外れたダムの水の様に、私の頭は思慮を取り戻し、考えるべきだったそれまで溜めて来た全ての未解決問題を、解決しようという方向に傾いていった。

 

渇いたスポンジが水を吸収する速度で、私はあらゆる知識を吸収していった。本棚に自らが出向いて、活字の本を手に取る。そんなことをしたのは、生まれて初めてのことだった。

 

内省を覚え、『内観』にまで辿り着いたとき、父親は亡くなった。私は、親を『許す』ことは出来ない。だが、『赦す』ことなら出来る。いや、それなら最初からしていたのだ。そして親にも親の愛があった。それは一方的だったが、その愛によって『赦された』ことも事実だった。それぞれの愛の形があり、それぞれの赦しがある。私は両親を赦したことで涙を流し、人間らしさを取り戻した。

 

男は涙を流すものではない。それは恥だと思うべきだ。男が泣いてどうする。だが、いざという時に泣けない人間は、あまり『人間』には見えない。

 

 

 

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