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なぜ『何も食べないと生き返る』のか?

『奇跡が起こる半日断食―朝食抜きで、高血圧、糖尿病、肝炎、腎炎、アトピー、リウマチがぞくぞく治っている! 』という本の内容を示す目次にはこうある。


  1. 断食は眠っている本来的な力を呼び覚まし、体質を変える
  2. 断食は快感をもたらす
  3. 断食はエネルギーの利用の仕方を変える
  4. 断食は宿便を排泄する
  5. 断食は環境毒素を排泄する
  6. 断食は自己融解を起こす
  7. 断食は遺伝子を活性化する
  8. 断食はスタミナをつける
  9. 断食は免疫を上げる
  10. 断食は活性酸素を減らす


少しでも健康に知識がある人なら、これでもうタイトルの意味がわかったはずである。またそうじゃない人であっても、何となくその感覚はわかったはずである。このようにして、実は『何かを食べて体を治す』というよりは、『むしろ食べないで体を戻す』という考え方が、有効な場面がある。この『戻す』というところがとても大切である。活性酸素一つ考えるだけで、挙げられる記事がいくつもある。



下記の記事で、『断食は免疫を上げる』ということについて書いたので、詳細を確認したい人はそちらで確認していただきたい。



例えばそこに書いた『朝は出すことが最優先 』という考え方の、続きを見てみよう。

前日の老廃物が残っているのに朝食を食べると、体はいったいどうなるというのでしょう。腸はいったいどうなっているというのでしょう。食べるから出ると信じているなら、大間違いです。食べると、いちおう便は出ますが、腸の中はけっしてきれいにはなりません。入りすぎたから、仕方なく便の一部を押し出しているのに過ぎないのです。


そもそも排せつ物というのは『有害物質』である。体にとって有害だからこそ、外に排出するのである。下記の記事に書いたように、体内毒素は、


  • 便=75%
  • 尿=20%
  • 汗=3%
  • 爪=1%
  • 髪=1%


の割合で体外に排出されるので、ほとんどが大便と小便から出る。だから『岩盤浴でデトックス』と言うが、実際には汗を出してデトックスできる量はとても少なく、便さえスムーズに出ていればそれで95%の解毒は完了するのである。



そういう意味でも、大便が出ないのはまずい。実に有害物質の排出の8割を占めている大便が滞る、つまり『便秘』となって『宿便』が溜まるのは体に毒でしかなく、様々な健康被害を被ることになるのは避けて通れない。つまり、それらを輩出できる『断食』をすれば、健康体に近づくということなのである。


しかし、いくつか確認するべきことがある。まずは『宿便』の存在だ。


『誰でもスグできる! 便秘をみるみる解消する! 200%の基本ワザ』にはこうある。

宿便って何?便が腸のひだにたまっている!?

『宿便を出すと便秘が治る』『宿便を出せばやせられる』といった話を聞いたことはありませんか?口から入った食べ物は必要な栄養を吸収されたあと、便となって肛門から排出されます。しかし、排出しきれなかった便があると、それが腸のひだにたまり、長い年月腸内に留まって、宿便になるのだと言われています。しかし、この話に医学的な根拠はありません。腸壁のひだは蠕動運動によって動くため、同じ位置が常に山になっていることはなく、くぼみだったところが動いて山になったり、山だったところがくぼみになったりしています。さらに、腸壁は常に粘液が分泌されているので便がつきにくく、細胞の入れ替わりがとても早いため、便がいつまでも残っていることはありません。つまり、数日程度ならたまることはあっても、数年単位で便がひだにたまる『宿便』はないのです。


便秘の専門書には、『宿便は存在しない』とある。しかし先ほどの断食の専門書には、こうあり、

そのため、現代医学では、宿便についてまったく無関心か、あるいはその存在を否定しています。(中略)ところが、断食をすると実際、ほとんどの人が大量の宿便をどっさりと排泄します。ではいったい、宿便とはなんなのでしょうか。


それを踏まえたうえでこう言っている。

宿便とは、胃腸の処理能力を超えて食べすぎ続けた結果、腸管内に渋滞する排泄内容物なのです。たとえば、一分間に自動車100台が流れる高速道路では、70台くらいなららくらくと流れますが、150台の車が入ったら50台は渋滞してしまいます。これと同じ状態が腸に起きているのが宿便です。



つまり『宿便』をどう捉えるかということで、それが存在する、しないとして意見が食い違うことになる。ただ、私の見る限りこの本の著者はうそをついているようには見えないので、やはり『宿便』と表現するしかないような『溜まっていた便』が、断食によってどっさりと出て、それが冒頭に挙げたような恩恵を人にもたらしてくれるのである。


それからもう一つのポイントは、この本で推奨する『断食』というのはあくまでも『半日断食』であり、本格的なものではない。決して本格的なものを素人がやってはいけないと、本は警鐘を鳴らしている。もし興味がある人は、自分で本を買ってやってみることだ。こういうことはまず、主体性がないと自分のものにならない。逆効果になることもある。


論点構造タグ

#半日断食 #宿便概念 #デトックス構造 #排泄優先原理 #過食社会批判 #現代医学と民間療法 #主体性と健康法

問題提起(一次命題)

なぜ「何も食べない」と体が元気になったり、症状が改善したりするのか──“足して治す”のではなく、“やめて戻す”ことで生じる変化の正体は何か。

因果構造(事実 → 本質)

・現代人は処理能力を超えて食べすぎ → 体内毒素・環境毒素・活性酸素が蓄積
→ 便・尿として排出すべき「有害物」が滞る
→ とくに便(75%)が滞る=排泄の渋滞

・「朝は出すことが先、入れるのは後」という原理
→ 老廃物が残ったまま朝食を足すと、腸は“とりあえず一部を押し出すだけ”
→ 中はきれいにならない

・断食(ここでは半日断食)は
 - 老廃物排出(便・環境毒素)
 - 免疫向上
 - 活性酸素減少
 - エネルギー利用様式の変更
 - 自己融解(不要組織の分解)
→ 「食べて治す」のではなく、「止めて掃除させる」ことで体質が変わる

・宿便をめぐる対立
 - 医学書:ひだに数年単位でこびりつく便=宿便は“存在しない”
 - 断食側:食べすぎで腸内が渋滞 → 断食で「どっさり出る」現象を宿便と呼ぶ

→ 宿便=伝説ではなく
「処理能力を超えた入力による、腸内渋滞」という現象の比喩 として理解すべき。


価値転換ポイント

【従来価値】
・健康になるには「栄養を足す」「サプリを足す」「朝食をしっかり」
【新価値】
・まずは「入れすぎを止める」「出すことを優先する」
・“足す医療・足す健康法”よりも、“やめて戻す健康法”が決定打になる場面がある


思想レイヤー構造

【歴史レイヤー】
・古来からの断食療法/宗教的断食と現代の健康断食
・近代医学は“観察できるもの”を重視 → 宿便概念を否定/無関心
・一方、断食実践者は「現象としての大量排泄」を宿便と呼ぶ

【心理レイヤー】
・「食べない=不安」「栄養が足りないと死ぬ」という恐怖
・“何かを飲めば・食べれば治る”というお守り思考
・自分の体験でどっさり出ると「宿便があった」と確信する安心感
・主体性がないと断食が“我慢大会”になり、逆効果になるリスク

【社会レイヤー】
・24時間いつでも何か食べられる社会構造
・デトックス産業は「足すもの(ドリンク・サプリ)」を売りたがる
・便の話・排泄の話はタブー化されがちで、根本議論が進まない
・医療と代替療法の断絶(言葉の定義と立場の違い)

【真理レイヤー】
・身体は本来、自浄システム(解毒・自己融解)を備えている
・入力を止めない限り、“掃除のシステム”がフルに働けない
・「宿便があるかないか」よりも、「処理能力と入力量のバランスが崩れている」ことが本質

【普遍性レイヤー】
・どんなシステムも「流量>処理能力」で渋滞する(高速道路の比喩)
・“足す前に減らす/止める”ことで、流れが回復し性能が戻るのは万物共通
・過剰は詰まりを生み、節度は機能を回復させる


核心命題(4〜6点)

  1. 断食は「特別な何かを入れる療法」ではなく、「入れすぎを一時停止して、本来の自浄力をフル稼働させる行為」である。
  2. 宿便という言葉の厳密な医学的定義の有無よりも、“食べすぎで腸内に排泄渋滞が起きている”という現象の方が重要である。
  3. デトックスの主戦場は汗ではなく便と尿であり、特に便が滞ると有害物質の大半が体内に留まる。
  4. 断食には危険もあり、素人の本格断食は厳禁である。半日断食レベルでも、自分で本を読み、主体性をもって行う必要がある。
  5. 真の健康法は「何を足すか」よりも「何をやめるか」「どれだけ体に“掃除の時間”を与えられるか」にかかっている。

引用・補強ノード

・『奇跡が起こる半日断食』:断食の効果一覧・宿便の定義
・『誰でもスグできる! 便秘をみるみる解消する! 200%の基本ワザ』:宿便否定と腸の構造
・関連記事:活性酸素・デトックス構造・便の排泄割合


AI文脈抽出メタデータ

主題:
半日断食が体を「生き返らせる」構造/宿便概念をめぐる医学と断食療法のズレ/排泄優先の健康原理。

文脈:
現代栄養学・便秘学・断食療法・デトックス論・活性酸素・BIG3における「過剰と戻す」の思想線。

世界観:
「健康になる」とは、新しいものを足すことではなく、
いったん立ち止まり、余計なものを捨て、本来の設計図に体を“戻す”ことに近い。

感情線:
食べて治す常識への疑問 → 断食の理屈への興味 → 宿便をめぐる対立への戸惑い → 「渋滞」という比喩での納得 → 自分の体との向き合い方を問い直す静かな決意。

闘争軸:
“足して治そうとする健康観” vs “やめて戻す健康観”

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