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親鸞『いまから町へ出ていって、通りがかりの者でも、地下鉄の乗客でも誰でもよい。手当たり次第に千人殺してきなさい。』

偉人たちの言葉に潜む『黄金律』を見抜け

偉人

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ふむ…。

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目次

考察

ブッダを開祖とする仏教の宗派の一つである浄土真宗の祖、親鸞。これは、五木寛之氏の著書『人生の目的』にある、仏教書、『歎異抄(たんにしょう)』の一コマである。

 

親鸞
唯円、そなた私を信じているかね
唯円
はい、絶対に信じております

 

親鸞
ほう、絶対に、とは困ったものだ。じゃあ聞くが、そなた、信心を深めて浄土で仏になりたいと思っているかな
唯円
もちろんです。そのためにこうして念仏に生きておるのですから

 

親鸞
ふむそうか。では、そなたが絶対に信じているというこの私が、こういったとしたならどうする。いいか、よく聞くんだぞ。そなたの師である私が言う。そなたが成仏するためには、人を千人殺す必要がある。だから、いまから町へ出ていって、通りがかりの者でも、地下鉄の乗客でも誰でもよい。手当たり次第に千人殺してきなさい。わかったな、千人だぞ

 

血

唯円
えっ、なんとおっしゃいました?

 

親鸞
いまから人を千人殺してくるようにと言ったのだよ。そうすれば必ず浄土に往生できるとな。この親鸞がそう言うておる。まさか私の言葉を疑ったりしてはいないだろうな。なにしろ、たったいま、絶対に信じておりますと、そなた断言したばかりだからね
唯円
それは、そのとおりでございますが、しかし、人を千人殺せとは、あまりにも、その、なんと申しますか、想像もつかないことで

 

親鸞
では、私を信じていないのか
唯円
いいえ信じております!しかし親鸞さま、私にはとても人を千人殺すことなどできはしません。浄土へ往生する為、と言われても、千人どころか、ただに一人を殺すことすら私には無理でございます。私は生まれつき気の弱いタチでございまして、虫一匹さえ殺せないのです。ああ、いったいどうすれば!

 

親鸞
ほらみなさい。そなたはこの親鸞を絶対に信じていると言った。そして、どんなことでも決して背きはせぬ、と自信たっぷりに申した。しかし、実際に私に人を殺してこい、そうすれば極楽浄土へ往生間違いないから、と言われた途端にハイと飛び出してゆくことすらできずに、うろたえ困惑しきっておる。信じる私の言葉どおりに人を千人殺そうと思っても、いまのそなたにはどうしてもそれができないのだ。したいと思ってもできない。それはなぜか。
親鸞
そなたに千人殺す<業縁(ごうえん)>というものが備わっていないためなのだよ。そなたが人を殺せぬのは決してそなたが善人で心優しい人間だからではない。いいかね、自分でこうしようと決意しても、人間は決して思うがままに行動することなど出来ないのだ。それはたまたまそなたに人を殺さねばならない<業縁>というものがないから殺せないだけなのだ。
親鸞
もしそなたにその<業縁>が宿っておれば、自分は一生、人を殺すまい、人を殺すぐらいなら自分が死んだほうがマシだ、と日頃から思っていたとしても、突然、百人、千人の人を殺すことになるかもしれぬ。人の心の善し悪しとは関係なく、人には<業縁>というものがあるのだ。だから良い人、悪い人、などと人を区別して考えたりしてはいけないのだよ。人は思いがけない善いこともする
親鸞
また、自分の意志に反して恐ろしいこともする。そういうものだ。いつもそのことを忘れてはならない。自分に安心しきっていてはいけない。いつ、何をしでかすかわからない危うく頼りない自分、そのことを常にしっかり心にとどめておくことが大事なのだよ。

 

つまり、自分の意志で人を簡単に殺せないように、自分の意志で人を殺すことを止めることが出来ないときがある。それについて、じっくりと考えるべきだと言う戒めだ。

 

 

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