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ゴーギャン『苦しい時には自分よりもっと不幸な男がいたことを考えよ。』

偉人たちの言葉に潜む『黄金律』を見抜け

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ふむ…。

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考察

1888年には南仏アルルでフィンセント・ファン・ゴッホと共同生活を試みる。が、2人の強烈な個性は衝突を繰り返し、ゴッホの「耳切り事件」をもって共同生活は完全に破綻した。一般的にゴッホが自ら耳を切ったとされるこの事件だが、近年になり異説が唱えられ、耳を切ったのは実は剣を振りかざしたゴーギャンであったとも言われる(ゴッホ美術館専門家などは反論している)。

 

宗教が生まれた一つの背景には『奴隷制度』を直視した当時の人間の感情が深く関係していると言われている。目の前で人間が、所有物として買われ、物として扱われる。一度、手塚治虫の『ブッダ』を観るといい。2時間アニメだからとても見やすい。だが、思慮と心をかきむしられるような深い内省を経験できるだろう。何と言っても人間の四聖に数えられる仏教の開祖ブッダが生まれるときの話だ。人間として見ておいて、損はないだろう。

 

奴隷同然のような人間が、今日を生きるために物を盗み、人を暴行する。盗んだ方も盗まれた方もまだ子供だ。盗んだ方にも事情があって、盗まれた方にも事情がある。盗まれた方は、

 

奴隷のお前が、今日盗まれたあの品物は、お前らの何倍もの値段がつく、高価な代物だ。もしそれを取り返せなかったらお前の母親を売りとばす。もう二度と会えないと思え。

 

と言われ、死に物狂いで探して何とか見つけるも、逆に袋叩きに合う。

 

キリストの時代も奴隷制度が、ソクラテスの時代も、例えばアテナイを中心とするデロス同盟と、スパルタを中心とするペロポネソス同盟との間に発生した、古代ギリシア世界全域を巻き込んだ戦争があった。孔子の時代も、例えば斉と呉との戦争があり、彼らは皆、その『地獄絵図』とも呼べる人間のまがまがしさを、その眼で見た。男の首は斬り落とされ、女は強姦された後に殺され、食料は奪われ、子供の命は見るも無残に惨殺される。人が物のように扱われ、命が虫けらのように凌辱され、(虫を虫けらと見下している時点で問題だが)そこら中に、死体とうめき声と餓死と病で倒れる光景が広がった。

 

また、 作家の五木寛之氏は著書『大河の一滴』でこう言っている。

あるシベリア帰りの先輩が、私に笑いながらこんなことを話してくれたことがある。

『冬の夜に、さあっと無数のシラミが自分の体に這い寄ってくるのを感じると、思わず心が弾んだものだった。それは隣に寝ている仲間が冷たくなってきた証拠だからね。シラミは人が死にかけると、体温のある方へ一斉に移動するんだ。明日の朝はこの仲間の着ている物をいただけるな、とシラミたちを歓迎する気持ちになったものだった。あいだに寝ている男が死ぬと、両隣の仲間にその死人の持ち物、靴や下着や腹巻や手袋なんかを分け合う権利があったからね。』

 

どうだろうか。これらと照らし合わせて自分の人生は、本当に苦しいものだろうか。

 

 

 

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