将来の快楽や感情の予測は、現在の感情や動機の状態にアンカリングされる。空腹、性欲、怒りなどによって興奮しているとき、また、冷静なとき、そのどちらの状態のときでも、人は『そっち側』の精神状態を予測できない。たとえば空腹のときは、食事をしてもずっと空腹が続いているような気分になり、満腹のときは、ずっと空腹にならないような気分になる。
スーパーで食事の買い物をする時も、空腹時と満腹時とでは、購入する品物の数も違ってくるだろう。『未来の自分もきっとそういう精神状態のはずだ』と思ってしまうこと、それを投影バイアスという。これを克服できたら人として強い。シュワちゃんを見て育った私は、特殊部隊の精鋭に憧れ、よくこういう克己心を鍛えるトレーニングをしていた。
参考文献
ダニエル・カーネマン 心理と経済を語る