分りやすい具体例をひとつ挙げれば、普通、最初の1杯のビールはうまいが、2杯目は1杯目ほどうまくない、3杯目は2杯目ほどうまくない。このように1杯目、2杯目、3杯目となるほど、ビール(財)から得られるメリット(効用)は小さくなる。そのようなことを指している。
私は無宗教で、『神』というワードをまず間違いなく普段使用しないと決めている。だが、私はある事実に辿り着いたのだ。クリスチャンの両親ですら、次の話とこの限界効用の逓減がつながっていることを理解していなかった。聖書の『伝道者の書 5章』にはこうある。
『見よ。私がよいと見たこと、好ましいことは、神がその人に許されるいのちの日数の間、日の下で骨折るすべての労苦のうちに、しあわせを見つけて、食べたり飲んだりすることだ。これが人の受ける分なのだ。実に神はすべての人間に富と財宝を与え、これを楽しむことを許し、自分の受ける分を受け、自分の労苦を喜ぶようにされた。これこそが神の賜物である。こういう人は、自分の生涯のことをくよくよ思わない。神が彼の心を喜びで満たされるからだ。』
トルストイは言う。
『神は人間に額に汗して働けと命じている。銀行に金を積んで、何もしないで食べていこうとするのは人間の掟に反することだ。』
これらの意味を理解したとき、人間は計り知れない恩恵を得ることになるのだ。
参考文献
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