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孔子『拝金的な人生は、小物に任せよ』(超訳)

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内省

孔子(論語)の言葉で、私が好きな言葉がある。いや、もちろん、孔子が直接その言葉を言ったかどうかは別として、渋沢栄一なり、安岡正篤なりの『論語の活学』、『論語と算盤』などを通して知った言葉なのだが、『義利合一』という言葉があるのだ。私はこの言葉を聞いたとき、肩の荷が降りたような、パズルのピースがハマったような、そんな安堵感や、充足感で心が満たされたのを覚えている。

 

私はもともと、お金などいらないと思っていた人間だった。だが、生きていくとすぐに、お金がなければなにも出来ないことを知った。これだけ人間とは切っても切れないお金とどう向き合うか、そういうことが私の人生で問われていた。それはもちろん、私だけではないだろう。

 

私は、拝金的に生きた軽薄な時期があった。そこでは、確かに人並み以上の生活を手に入れることが出来た。しかし、虚しかった。それに、拝金的なときの人間関係は、私の心底が、『嫌い』だと叫ぶ人間ばかりだった。だが彼らは、自分の心の反映だったのだ。自分の周りにいる人間は、自分の心の鏡。自分もまた、相手からそういう風に、見られていたに違いない。

 

どうすればいいのか。非営利な人生を送り、自分は貧しく、野垂れ死ぬこともまた、人間としては崇高な生き方なのか。義と利、一体どちらを追い求めるのが、正しい生き方なのか。私はわからなくなっていた。

 

そんな中、『義利合一』に出合ったのだ。私は孔子を尊敬し、感謝した。むろん、私は儒教徒ではない。キリスト教徒でも仏教徒でもない。だが、彼らの教えに心底から共鳴し、彼らの教えを守ることが、彼らから見て『私の生徒だ』と言うのであれば、私は彼らの生徒になるのかもしれない。

 

拝金的な人生は、虚しい。所詮、人が作った物にすがりついて生き、この世に生まれたことや、生命や、大義について考えられずに、いずれ人生の黄昏時を迎えるとき、悟るだろう。お金はあの世へ持っていけないことを。

 

いくら満腹に腹を満たしても、時が来たらまたすぐに飢えを感じるように、いくらのどの渇きを潤しても、少し歩けばまたすぐに水分を欲するように。人生の黄昏時を迎えるその時に、『飢え』や 『渇き』を感じない人生を送ることこそ、悔いのない人生を送ったという証なのだ。

 

『利』だけを求めるな。かといって、『義』だけじゃなくてもいい。義と利、その両面を同時に追え。それこそが、『義利合一』である。それこそが、悔いのない人生に繋がっているのである。

 

 

注意
※これらの言葉は参考文献や史実に基づき、運営者が独自の見解で超訳し、自らの生きる糧、自らを戒めるため、内省の為に日々書き留めたものです。史実を正確に把握したい方は正当な書物をご覧ください。

参照文献

里仁第四-十六
子曰く、君子は義に喩り、小人は利に喩る。

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