MOVIE RECIPE
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- レシピ数:15
- 紹介映画:137
当記事は半分まで無料で閲覧可能です。また、下記『MOVIE RECIPE1:冒険者たち』が全て無料で閲覧できるようになっていますので、参考までに。

1.『映画館』
映画館をテーマにした映画をピックアップ。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『ラストアクション・ヒーロー』
- 『マジェスティック』
- 『イングロリアス・バスターズ』
- 『ニュー・シネマ・パラダイス』
ラストアクション・ヒーロー
映画好きの少年が、ある日映画の中に入り込んでしまう。

事故で記憶を失った青年が、とある町に迷い込む。そこで彼は何者かと間違われて生きることになり、映画館の再興を軸にして物語が展開される。

舞台は第二次世界大戦中のドイツ国防軍占領下のフランス。5章に分けて語られる物語の中心となるのは、ドイツ指導者の暗殺を企てる二人の主人公、一方はナチス親衛隊大佐(ヴァルツ)に家族を皆殺しにされたユダヤ系フランス人の女性映画館館主(ロラン)と、他方はユダヤ系アメリカ人からなる秘密部隊を率いるアメリカ陸軍中尉(ピット)であり、女の復讐劇と男たちの戦いは、ドイツのプロパガンダ映画が披露される夜に彼女の劇場が大炎上してクライマックスを迎える。

映画好きの少年と、映写技師のアルフレードの哀愁ある思い出を振り返る。『アンタッチャブル』で有名なエンニオ・モリコーネが醸し出す高潔なメロディーが、映画を哀しくも美しく、盛り上げる。

また、『人生はシネマティック!』という映画も、映画が関係してくる作品です。『ニューシネマパラダイス』を観ると、映画の鑑賞方法は人それぞれなのだということがよくわかります。日本では、エンドロールの最中に席を立つことが無礼であるという常識がありますが、世界ではそういうことはありません。この映画でも、『わっはっは!』と観客全員で大笑いして映画を楽しむシーンがありますが、ある国から言わせるとそれが自然なのです。
日本は、『アナ雪』や『ボヘミアンラプソディ』の際に見られたように、歌っていいと決まっている場合に限り、歌ったり楽しんだりする傾向が見られます。よってある国から見たら日本人は、『決められたことをきっちりやる堅苦しい人種だ』という印象のようです。一長一短がありますからね。確かに村八分を恐れて対人恐怖症が生まれた唯一の国でもありますが、逆に震災の時などの日本人の態度は、世界を逆の意味で震撼させました。
2.『カフェ』
カフェやダイナーを舞台にした映画がある。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『バグダッド・カフェ』
- 『マイ・ブルーベリー・ナイツ』
- 『アリスの恋』
- 『東京喰種 トーキョーグール』
- 『ダイナー』
- 『俺たちに明日はない』
- 『テルマ&ルイーズ』

『ワンピース』の尾田栄一郎も好きだというこの映画。特に何も起こらないが、小さなトラブルはあって、最後には妙にほっとする。

恋人の心変わりで失恋したエリザベス。慰めてくれたのはカフェのオーナー、ジェレミーが焼くブルーベリーパイだった。しかし、それでも別れた彼を忘れられないエリザベスは、旅に出る。

シングルマザーの女性が子供を連れてあちこち旅をする。カフェで働いたり、バーで働いたり。彼女としては安住の地を求めているのだが、なかなかうまくいかない。
東京喰種 トーキョーグール
『喫茶店あんていく』という場所から、物語が始まっていく。主人公が好意を寄せていた女性が、とんでもない人物だったのだ。

1959年のボルチモア。簡易食堂「ダイナー」を溜まり場にする、大人に成りきれない5人の若者の悪ふざけと、他愛もない会話をオールディーズナンバーにのせて描写している。

世界恐慌時代の実在の銀行強盗であるボニーとクライドの、出会いと逃走を描いた犯罪映画。クライドは刑務所を出所してきたばかりのならず者。平凡な生活に退屈していたウェイトレスのボニーはクライドに興味を持ち、クライドが彼女の面前で食料品店の強盗を働くことで更に刺激される。二人は車を盗み、町から町へと銀行強盗を繰り返すようになる。

アーカンソー州でウエイトレスとして働く中年の独身女性ルイーズは、親友で専業主婦のテルマと週末のドライブ旅行に出発する。彼女たちもボニー同様に毎日にうんざりしているところがあり、上記作品との類似性がいくつか見られる。

あるカフェに行くと、似たようなジャンルの話がそこら中から聞こえてくる不思議な光景があります。昼下がりのファミレスと同じような感じですね。そこでも妙な宗教の話や、ねずみ講にも似たいかがわしい話をする人がよくいる印象があります。大体は、そのカフェや店の近くにある業者の職種が関係しています。病み金融全盛期の頃の池袋の駅前等のカフェになると、そこらへんで借金の話をしていたり、何とも奇妙な光景です。
2023年のつい先日も、歌舞伎町やとある町で『半グレマンション』があると取り上げられていましたが、店やマンションの周りにそうした会社や業種の人たちがいれば、そのエリアにあるそうした場所は、そういう人たちで埋め尽くされます。その意味で、『あるカフェには、こういう風景が当たり前である』という映画の切り口は、妙に説得力があるものになりますね。
3.『ホテル』
ホテルを舞台にした映画がある。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『シャイニング』
- 『ドクター・スリープ』
- 『グランド・ブダペスト・ホテル』
- 『バグダッド・カフェ』
- 『キャビン』
- 『マスカレード・ホテル』
- 『モーテル』
- 『ホテル・ルワンダ』
- 『ホテル・ムンバイ』
- 『アイデンティティ』
- 『フランティック』
- 『ビザンチウム』
- 『ホテル・ニューハンプシャー』
- 『1408号室』

天才作家スティーブンキングの原作を鬼才スタンリーキューブリックが監督し、重鎮ジャックニコルソンが演じる伝説の作品。ある奇妙なホテルで様々な怪奇現象が起こり、翻弄される家族を描く。
その「シャイニング」の40年後を描いた続編。

とある高級ホテルのカリスマ的コンシェルジュである初老の男と若いベルボーイの交友を描いた作品である。

前述した作品だが、これはホテルでもある。

予測することは絶対にできないラストが待っている。
マスカレード・ホテル
あるホテルを通して様々な事件が巻き起こる。舞台となった架空のホテルは、原作である東野圭吾の長編ミステリ小説の巻末に取材協力団体として紹介されている日本橋の「ロイヤルパークホテル」がモデルになったと推察される。マスカレードとは英語で仮面舞踏会を意味する。
モーテル
とある夫婦が見渡しの悪い道を走行している途中で事故に遭い、モーテルに逃げ込んでくる。携帯電話も使えないようなその場所で、とにかく一晩過ごすしかないとされるが、どうも様子がおかしい。

1994年、ルワンダで勃発したルワンダ虐殺によりフツ族過激派が同族の穏健派やツチ族を120万人以上虐殺するという状況の中、1200名以上の難民を自分が働いていたホテルに匿ったホテルマン、ポール・ルセサバギナの実話を基にした物語である。

2008年に起きたムンバイ同時多発テロの際、タージマハル・ホテルに閉じ込められ、人質となった500人以上の宿泊客と、プロとしての誇りをかけて彼らを救おうとしたホテルマンたちの姿を描いる。

大雨で身動きが取れない寂れたモーテルに、謎の男女11人が集まっていた。この映画の結末を予想することはできないだろう。

あるアメリカ人夫婦がフランスの学会に出る為にパリにやってくる。だが、気が付くと妻の姿がない。夫は、言語の通用しない未知の場所で、ほんのわずかな手がかりを頼りに、手探りで妻を探し続ける。

ヴァンパイアの二人の女性が、人間の姉妹を装って人間界で生活する。ビザンチウムというホテルを乗っ取り、そこで風俗業のようなことを始める。

ホテル経営を夢見る父を大黒柱とする不思議な家族の物語が、次男のジョン視点で語られていく。

ホテルの一室を舞台とするホラー映画である。心霊ルポの執筆者として知られるが、自身は超常現象に懐疑的なオカルト作家マイク・エンズリン。彼の元へ、ニューヨークにある「ドルフィン・ホテル」の葉書が届く。差出人不明のそれには一言だけ「1408号室には入るな」と書かれていた。

ホテルもカフェも映画館も、ここまでの舞台となる場所は共通して『知らない人がたくさん集まっている』という状況があります。ですから、殺人事件の現場としても舞台にしやすい状況だと言えます。ちなみに、『ロストイントランスレーション』というスカヨハとビルマーレイが出演する映画も、ホテルを軸にして話が展開されます。日本に来た外国人の孤独な心境をうまく描いているということで、海外から絶賛された映画です。
日本人からすると少し寂しい気もするのですが、それが事実なのでしょう。この映画の影響で、渋谷の交差点が世界的に有名になり、海外の人々が多く流入することになりました。
4.『洞窟』
洞窟を舞台にした映画がある。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『サンクタム』
- 『ダークナイト』
- 『グーニーズ』
- 『無言歌』

パプアニューギニアの巨大な地下洞窟において、海へとつながる水路を見つけたい探検隊。そこに折り悪く台風が襲来し、洞窟は水没。探検家の親子を中心に脱出を試みるも、舞台は地下洞窟であり、増水した水が迫り来る。ジェームズ・キャメロンの仕事仲間であるアンドリュー・ワイトの実体験に基づいたストーリーとなっている。

バットマンシリーズの代表としてこれを挙げるが、特にこの作品では、ブルースウェインが古井戸に落ち、コウモリの群れに襲われる。以来コウモリに怯える様になりあるいは”奈落”(pit)と呼ばれる地下監獄を舞台としてそこから生まれたヴィランを相手にする等、何かと洞窟的な要素が登場する。

伝説の海賊が隠した財宝を探す少年たちの冒険を描いていて、ギャングのアジトや、廃墟となったレストラン、地下の洞窟などの様々な冒険エリアが登場する。

1960年、中華人民共和国の反右派闘争によって、多数の人間が甘粛省の砂漠にある政治犯収容所に送られ、強制労働についていた。そこはほら穴のような、洞窟のような場所で、動物か何かのような扱いが行われていた。

洞窟は怖い印象がありますね。私も日本各地を回りましたが、島根県の世界遺産『石見銀山遺跡』ぐらいであれば、まだいいんです。入場者がたくさんいるような鍾乳洞や洞穴なども全然いい。しかし、一歩間違えれば山が崩れて埋もれてしまいそうな洞窟も中にはたくさんあって、それが恐怖ですよね。恐らくそういう場所では閉所恐怖症になる人も出てしまうのではないでしょうか。実際、石見銀山の近くにもそこで命を落とした大勢の人の墓がたくさん並んでいます。
日本では明治年間になると殖産興業の名の下、鉱山開発が盛んに行われました。しかし、当時の鉱山は利益優先で、労働環境は二の次であったため安全対策は劣悪な場合が多く、特にガス爆発や粉塵爆発が発生しやすい炭鉱においては、しばしば大規模な事故が発生しました。日本の主な炭鉱事故の歴史を見ると、そのほとんどが爆発事故であり、一度の500人近くの人が死んでしまうこともありました。
5.『無人島』
無人島を舞台にした映画がある。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『キャスト・アウェイ』
- 『LOST』
- 『東京島』
- 『ザ・ビーチ』
- 『スイス・アーミー・マン』
- 『6デイズ/7ナイツ』
- 『青い珊瑚礁』
- 『ブルーラグーン』

とある事故によって無人島で暮らすことになってしまった男が描かれる。果たして彼は生き延びれるのかどうか、というところも大きなテーマとなる。それを強く実感しているのが彼自身であり、もしこのまま永遠に助けが来ないなら、死んでしまうことになる。
LOST
映画ではなく連続ドラマだが、無人島に不時着する話としてこれを見ておくことは損にならない。
東京島
多くの謎を残した複数の男性の怪死事件。1945年から1950年にかけて、多くの謎を残した複数の男性の怪死事件であるマリアナ諸島のアナタハン島で起きたアナタハン島事件をモチーフに創作された作品。

人生を変えたくてタイに一人旅に来た青年。そこで、とある無人島の話を聞く。そこに住み着いている謎の人々が、秘密裏にコミュニティを作って謎の儀式をしたり、決まり事を作って暮らしている。
スイス・アーミー・マン
無人島に流れ着いたハンクは絶望から自死しようとしていた。その矢先、彼は浜辺に打ち上げられていた死体を発見した。原題の「Swiss Army Man」は、死体のメニーがスイスアーミーナイフのように様々な機能を備えていることに由来している。

南海の無人島に不時着した男女の脱出劇を、コミカルに描くアクション映画。駄作と評される節もあるようだが、とにかく自然が壮大で美しく、それどころではない。ドキュメンタリー映画が圧巻の大自然の光景だけで持つように、これもそのおかげで駄作にはならない。

船の事故によって子供二人と大人一人だけが島に漂着する。そのうちすぐに大人が死んでしまい、教わっていた最低限の生活の知恵を使って何とか生き残る男女の少年少女が描かれる。私が子供の頃はモザイクがあるいかがわしい映画だったが、実はかなり深いテーマを突いた映画だった。

その映画の続編がこれ。両者ともに、老子の言う『小国寡民』の実態について想像できる作品となっていて、ここでは途中、女性が外来文化の『化粧』等を覚えて男の興味を引こうとするシーンがある。これが、単純に見えて、人間にとって極めて重要なシーンとなっている。つまり、化粧はこの世にいるのか、いらないのか。では、キャバクラや風俗、アダルト動画は?

最初、人間には化粧はありませんでした。ネオンもないし、携帯電話もインターネットもない。時間が経つにつれて利便性が研ぎ澄まされていく一方、18世紀の産業革命以降に世界人口の増加ペースが速くなり、1800年には10億人程度に達します。そして、20世紀に人類は人口爆発と呼ばれる人類史上最大の人口増加を経験しました。
国連の推定では19世紀末の1900年におよそ16億人だった世界人口は20世紀半ばの1950年におよそ25億人となり、20世紀末の1998年にはおよそ60億人にまで急増。特に第二次世界大戦後の増加が著しいとされています。ある映画で専門家がこう言うシーンがあります。
『もし人間が太陽光だけを利用して生きていたなら、10億人が生きるくらいがちょうどだった。』
6.『砂漠』
砂漠を舞台にした映画がある。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『無言歌』
- 『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』
- 『サハラ 死の砂漠を脱出せよ』
- 『奇跡の2000マイル』
- 『砂漠でサーモンフィッシング』
- 『アラビアの女王』
- 『アラビアのロレンス』
- 『王様のためのホログラム』
- 『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
- 『エクソダス:神と王』
- 『カンダハール』
- 『セブン・イヤーズ・イン・チベット』
- 『オデッセイ』
- 『風の谷のナウシカ』

前述した映画だが、ここは砂漠地帯でもある。

1959年に英国ハマー・フィルム・プロダクションが制作した『ミイラの幽霊』(テレンス・フィッシャー監督)に続き、1932年公開の『ミイラ再生』(カール・フロイント監督)の二度目のリメイク作品である。

世界中のあらゆる場所に眠っている秘宝を探し出すトレジャーハンターが、サハラ砂漠を舞台に駆け巡るアドベンチャームービー。映画の脚色で問題になったらしいが、内容自体は爽快感があって中々面白かった。

英国環境省の水産学者に、『砂漠でサーモンフィッシング(鮭釣り)をしたい』というイエメンの王族からの依頼が入るが、砂漠には水がないため非現実的であると依頼を断る。だが、ビジネスとして極めて有益であることを悟った周囲の要人たちが、この取引を成立させるよう画策する。

1914年、第一次世界大戦がはじまると、オスマン帝国はドイツ率いる『三国同盟』と同盟を組む。するとイギリスは、オスマン帝国を解体させようと画策するようになる。この主人公であるイギリス情報将校T・E・ロレンスというのは、第一次世界大戦中にアラブ人がオスマン帝国へ反乱を起こしたときに派遣された人物。

20世紀初頭、イラクとヨルダン両国の国境線を引いてイラク建国の立役者となり、“砂漠の女王”と呼ばれたイギリス人女性ガートルード・ベルの生涯を描いている。上記記作品の『アラビアのロレンス』も登場する。
王様のためのホログラム
ある日、生活に追い込まれた男がサウジアラビアの国王に立体的な映像を投影する3Dホログラムを使ったテレビ会議システムを売り込むため、サウジアラビアに派遣される。

核兵器による大量殺戮戦争勃発後、生活環境が汚染され、生存者達は物資と資源を武力で奪い合い、文明社会が壊滅した世界を舞台とする。前作『マッドマックス/サンダードーム』以来、27年ぶりに製作された『マッドマックス』シリーズの第4作である。

旧約聖書の出エジプト記をもとにして、モーゼに率いられたヘブライ人がエジプトを脱出する過程を描写した作品である。

主人公のナファスを演じたニルファー・パズィラは実際にアフガニスタンからの難民で、この作品は彼女の実体験にフィクションを交えて描かれている。アフガニスタンにおける、貧窮、女性差別、それらの中に生きる人々を描き出した作品。

アイガー初登頂で知られるオーストリアの登山家ハインリヒ・ハラーの自伝の映画化。彼がチベットで過ごした7年間、彼と若きダライ・ラマ14世との交流を描く。

火星の有人探査計画のチームの一員として参加して、一人置き去りにされた宇宙飛行士の生存をかけた孤独な奮闘と、彼を救いだそうとするチームのクルー達と、地球のスタッフ達の努力を描く。荒野である火星の様子を描くため、砂漠地帯のような場所で撮影が行われている。

だが砂漠地帯に見えるナウシカらが生活するあの場所は、この説明を見ればよく分かる。『「火の七日間」という最終戦争によって、巨大産業文明が崩壊してから千年後の地球。荒廃し砂漠化した大地は錆とセラミック片に覆われ、「腐海」という有毒の瘴気を発する菌類の森が徐々に拡大していた。』つまり、砂ではなくセラミックの欠片である。

砂漠というのは、降雨が極端に少なく、砂や岩石の多い土地の事を言います。ですから、『ナウシカ』のあの土地は『セラミックの欠片や錆』で構成された土壌であり、砂漠とは違うものです。砂は拡大すれば石の欠片でできていることがわかりますからね。そういう自然のものではなく、人工物であるというところがポイントなのです。そして、人間が荒れ果てた荒野としてしまった大地を、人間が気付かないような水面下で浄化していた存在があった。
ナウシカが落ちた腐海の底にある空気が澄み切ったエリアでは、マスクをしないで呼吸しても肺が潰れなかったわけですが、あのような空気を作ってくれていたのは、植物や菌類といった、我々人間が普段見下している生命体だったのです。そのエリアを、更に見下す存在の一つである『虫』が守ります。あの映画で言いたいのは、結局人間というものは地球のリーダーのような顔をしてこの星でやりたい放題にやっているけれど、その尻拭いをしているのは『下級生命体』として見下している存在なのである、ということ。人間の愚かさを痛感する映画となっているわけですね。
7.『海』
海を舞台にした映画がある。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『マスター・アンド・コマンダー』
- 『日本海大海戦』
- 『連合艦隊』
- 『パイレーツ・オブ・カリビアン』
- 『タイタニック』
- 『守護神』
- 『パシフィック・ウォー』
- 『喜望峰の風に乗せて』
- 『フールズ・ゴールド/カリブ海に沈んだ恋の宝石』
- 『ウォーターワールド』
- 『海にかかる霧』
- 『ソウル・サーファー』
- 『あの夏、いちばん静かな海。』
- 『サーファーのプライド』
- 『マーヴェリックス/波に魅せられた男たち』
- 『パーフェクトストーム』
- 『白鯨との闘い』
- 『蟹工船』
- 『クリムゾン・タイド』
- 『レッド・オクトーバーを追え!』
- 『ブラック・シー』
- 『U-571』
- 『ハンターキラー 潜航せよ』

『マスター・アンド・コマンダー』はフィクションだが、作中でラッキー・ジャックこと名艦長ジャック・オーブリーが『ネルソン』とう名前を何度も口にする。ジャックはネルソンを尊敬し、あるいは認められるべく存在だという。当時、その名を知らない軍人はいない。彼は海の覇者に相応しい人物だ。

世界の三大記念艦は、イギリス海軍「ヴィクトリー」、アメリカ海軍「コンスティチューション」、大日本帝国海軍「三笠」が挙げられる。『日本海大海戦』は、日露戦争開戦から、乃木希典による旅順攻略、日本海海戦における東郷平八郎率いる連合艦隊がバルチック艦隊を撃破するまでを描く。

世界第3位の規模を誇った旧日本海軍の『連合艦隊』が、1940年の日独伊三国同盟調印により第二次世界大戦=太平洋戦争(大東亜戦争)開戦に至り、約5年後の戦艦大和撃沈によって、その終焉を迎えるに至るまでの軌跡を描く『連合艦隊』。戦艦大和は、史上最大にして唯一46センチ砲を搭載した超弩級戦艦である。

重い内容が続いたのでここで一息。『パイレーツ・オブ・カリビアン』のブラックパール号も海を制覇した船だということを忘れてはならない。この船の最大の特徴はカリブ海で一番といわれる高速で、インターセプター号にも軽く追いつく。

想像すればわかるように、船旅前の心境は皆、冒険者である。船が沈没したり飛行機が墜落する可能性はゼロではないし、旅先で何が起こるか分からない。この映画は『アバター』が登場するまで圧倒的世界一位の売り上げを誇った。

アメリカ沿岸警備隊の話で、過去に問題を抱えるベテランと、能力のある新米の、才能同士の衝突が見られる。二人はある共通点を持っていて、信念の高さゆえに目線が一致し、衝突していても、心では意気投合する。彼らが真剣だったのは、命がかかっているから。そして過去があるから。我々は最後、ケビンコスナー演じるこの男の行動に、魂を揺り動かされる。

1945年頃。戦争終結の極秘任務を命じられたアメリカ海軍の巡洋艦インディアナポリスとその艦長チャールズ・B・マクベイ3世という人物が遂行する『極秘ミッション』。

1968年にヨットでの単独無寄港世界一周レースに参加した実在のビジネスマンであるドナルド・クローハーストの自伝映画である。彼のそのレース参戦は、一世一代のギャンブルでもあった。家庭があり、優しい夫かつ父であった彼は、なぜそんな冒険をしてしまったのか。

『10日間で男を上手にフル方法』の主演コンビが贈るアドベンチャー・コメディ映画。

この場合、温暖化の進行により北極・南極の氷が溶けて海面が上昇した結果、海だけが広がる海洋惑星となったという状況が存在している。大自然の大きな流れによる氷河期や温暖化は止められないが、人為的な問題なら人間の責任だ。少しでもそういう意識を強化したい。

2001年に起きたテチャン号事件を戯曲化したものを、映画監督のポン・ジュノのプロデュースにより映画化。衝撃的な死に方をする人々が描かれる。

13歳のときに鮫に襲われて片腕を失いながらも、サーファーを目指したベサニー・ハミルトンの実話を描いている。やはりそれがゆえに自然の怖さを痛感するが、彼女はそれでもサーフィンをやめなかった。

聴覚障害のある青年が、ゴミ回収の仕事をしているが、ある日その中から使えそうなサーフボードを見つけ、サーフィンを始める物語。最初は馬鹿にされるが、元々根気強い性格で、徐々に周囲の目も変わってくる。お笑い芸人、ビートたけしの映画とは思えないような、繊細で温かい、哀愁ある物語である。

B急にも見える映画だが、なぜか夏に流しておきたいいい雰囲気がある映画である。

アメリカのサーファーであるジェイ・モリアリティを描いた伝記映画。詳しく書けないが、ラストシーンの俯瞰視点でのカラフルな海に注目したい。

1991年秋の大嵐で行方不明になったアンドレア・ゲイル号を巡る人々を描く。乗っていた20歳代から30歳代の漁師らがどのように育って漁師となりどのように生活を行ってきたかが描かれ、航海の背景、大嵐、アメリカ・カナダの沿岸警備隊による捜索活動が描かれる。

1819年頃。アメリカの作家メルヴィルが世界の十大小説の一つ『白鯨』を生み出した時のエピソード。

目を覆いたくなるような地獄の蟹工船内部から物語が始まる。当時の蟹工船はある種の無法地帯であり、貧困層から募集した出稼ぎ労働者に対する資本側の非人道的酷使がまかり通っていた。『おい、金稼ぐんだろ?だったらこの条件でやれよ』ということだ。だが、彼らは立ち上がることを決意するのだ。

キューバ・ミサイル危機中に現実に起こった、ソ連潜水艦副長ヴァシリー・アルヒーポフのエピソードをモチーフとしている。ヴァシーリイ・アルヒーポフは、ソ連海軍の軍人。キューバ危機の際、アメリカ海軍への核魚雷の発射を防いだ。当時、核魚雷の発射には乗艦する三人の士官の承認が必要だったが、小艦隊司令および副艦長であったアルヒーポフだけがその承認を拒否した。この事実は、2002年に初めて公になった。

1984年11月、冷戦時代のソ連。ソ連の『レッドオクトーバー』とアメリカの『ダラス』の間で、激しい頭脳戦が繰り広げられる。

黒海に沈んだUボートに積まれた金塊を手に入れるべく潜水艦で旅立った男たちのスリリングな冒険を描く。『Uボート』というのはドイツ海軍の保有する潜水艦の総称で、一般的には特に第一次世界大戦から第二次世界大戦の時期のものをいう。

第二次世界大戦中、暗号解読機(エニグマ)を奪取するためにドイツ海軍のUボートへ潜入した米海軍兵たちの敵地脱出作戦を描いている、

ロシア領バレンツ海にて、アメリカ合衆国海軍潜水艦USSタンパベイが何者かに撃沈され、消息を絶つ。軍上層部は詳細を調べるためにジョー・グラス艦長の指揮する潜水艦USSアーカンソーの派遣を決定する。

海の映画は探せばもっとたくさんありますよね。『ジョーズ』などもそうですし、そうした巨大ザメや津波的なもの、海難系のものを探せばたくさんあります。また、『ワイスピ』なども『夏と海』という印象がある人がいるかもしれません。海が映る映画というのはそれだけで絵になるからなのか、案外B級的なものも多い印象です。しかし、やはり本当にそれだけで絵になるので、私などはそういう映画を夏に大きなテレビで流しておきたいという感覚になったりします。ですから、youtubeの海辺の映像などをひたすら10時間とか、それくらい流したりしますからね。
8.『橋』
橋を舞台にした映画がある。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『誰が為に鐘は鳴る』
- 『続・夕陽のガンマン』
- 『戦場にかける橋』
- 『遠すぎた橋』
- 『カジュアリティーズ』
- 『アンナと王様』
- 『マディソン郡の橋』
- 『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』
- 『ブリッジ・オブ・スパイ』

1936~1939年にあったスペイン内戦を描く。この映画で『橋』が一つの鍵となる。

この映画は『荒野の用心棒』(1964年)と『夕陽のガンマン』(1965年)から続く「ドル箱三部作」の第3作目。物語は、南軍の金貨を求めて南北戦争のアメリカを冒険する3人のガンマンを中心に展開する。この映画でも『橋』が一つの鍵となる。

第二次世界大戦に日本軍の捕虜となったイギリス軍兵士らが描かれる。日本軍は彼らを強制的に泰緬鉄道建設に動員しようとするが、そのミッションに重要な要素となる『とある橋』を爆破しようと、反乱を画策する。

第二次世界大戦後期に行われた連合軍の空挺作戦であるマーケット・ガーデン作戦を題材にしている。いくつかの橋を占領することで戦況を優位にしようとするが、徐々にその作戦の無謀さが露呈し始める。

ベトナム戦争中、1966年の「兵士による少女強姦」という実際に起きた事件(192高地虐殺事件)を、戦場に於ける犯罪を告発した退役兵士の回想として描いた作品で、カジュアリティーズとは死傷者を意味する。この映画でも『とある橋』が一つの見どころとなる。またクライマックスの戦闘シーンは『戦場にかける橋』で有名なクウェー川鉄橋で撮影された。

1860年頃。『アンナとシャム王』の元になったアナ・リオノウンズの手記『英国婦人家庭教師とシャム宮廷』を原作に映画化された作品。この映画でも『橋』が一つの鍵となる。

1989年の冬、母の葬儀のために集まった長男と妹が、彼女の遺書とノートを読み始める場面からストーリーがはじまる。「火葬にしてローズマン・ブリッジから灰を撒いてほしい」というもので、平凡だと思われていた母親の秘められた恋を知ることになる。この映画でも『橋』が一つの鍵となる。

タイトル通り、レインボーブリッジを閉鎖して犯人を追い詰めるシーンがある。

U-2撃墜事件でソ連の捕虜となったフランシス・ゲイリー・パワーズの解放のために動く弁護士のジェームズ・ドノヴァンを中心に描かれる。題名の『ブリッジ・オブ・スパイ』とはスパイ交換が行われたグリーニッケ橋を指す。

橋というのは意味深でもあり、世界遺産に登録されているようなものもあります。神のいる場所にかかる道とか、そういう意味があったりして、神聖な感じがあるんですね。面白いことに今ではまったくそういう考え方はありません。昔のそういう文化を尊んで思いをはせるということはあっても、今、『神がいる場所に橋をかけるんだ』とかそういうことを言ったり、『あの人は偉大だから簡単に近づいてはいけない』とか、格差を感じることを言ったら時代錯誤として批判されることになります。
今はむしろ、LGBT問題ですら再考しなければならないとされていて、より多様性と平等性を主張しなければならない時代です。ただ、それによって確かに生きるのが楽になる人はいても、『楽』と『楽しい』は違うという事実が存在することも、同時に理解しなければなりません。例えば、皆が生きるのが楽になり、楽をすることがメインになると『自分かつ人間本位』になります。するとその歪が他の部分に生じてしまい、そこから亀裂が入ってこの世界が崩落するということもありえます。
『「一体どれだけ努力すればよいか」という人があるが、「君は一体人生を何だと思うか」と反問したい。努力して、創造していく間こそ、人生なのである。』
私の好きな言葉です。その選択を取った延長線上に世界の崩落があるなら、その選択肢は間違っていたということになります。戦争や帝国主義などがそうですね。神様問題もそうでしょう。今は『過去のもの』ですから。人間は大きなエネルギーのうねりに逆らえませんから『流行』に支配されます。しかし、この世界を支配しているのはその流行も含めた『真理』。未来永劫、たった一つそれだけが、この世界に断固として存在し続けるのです。
9.『許されざる場所』
この場所があってはいけない。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『コロニア』
- 『ヴィレッジ』
- 『ザ・ビーチ』
- 『パーフェクト・ルーム』
- 『ルーム』
- 『アイランド』

チリ・クーデターの際の実話を基にした作品で、ピノチェト軍事独裁政権下でナチスの残党パウル・シェーファーと結びついた拷問施設「コロニア・ディグニダ」(尊厳のコロニー、後のビジャ・バビエラ)の実態を描いた。

詳細は書けないが、この場所の在り方については極めて熟考の対象にふさわしい。だが、ほとんどの人がこの映画のテーマを理解しておらず、低評価をつけている。

何かを探し求めてタイに一人旅にやってきた青年。だがそれでも、自分自身が変わらないことから何も日常に変化は起きない。そんな時、『ある孤島』の話を聞きつける。そこに行けば何かが変わると信じて青年は島に辿り着く。だが、そこにいたのは謎の集団だった。
パーフェクト・ルーム
不倫相手との密会場所に使うため、新築マンションのロフトを共同購入した5人の妻帯者の男たち。そのロフトで手錠をかけられた女性の刺殺体が見つかったことから、5人は互いに疑心暗鬼になりながら犯人捜しを始める。

日本「オーストリアの実娘監禁事件」また「恐怖の家事件」等として報じられたリッツル事件を基に書かれたエマ・ドナヒューの小説『部屋』を原作としている。24年間の時間を奪われ、理不尽な目に遭っていた女性の人生とは。

2019年。地球の大気は汚染され、生き残った人々は、徹底管理のゆき届いたハイテクなコロニーで暮らしていた。ここに暮らす全ての住人の夢は、唯一汚染を免れた自然豊かな美しい島「アイランド」に移住すること。しかし、どうもこのアイランドに違和感を覚える人が現れる。

それで言うと、『サウルの息子』という映画も該当するかもしれません。ナチスがユダヤ人に対して行ったホロコーストの最も劣悪な舞台である、アウシュビッツ強制収容所の様子。これを描いた映画は一つもありません。『シンドラーのリスト』やナチス系の映画ではそれに等しい恐ろしい描写が出てくる映画はたくさんありません。街中に人を並べて、急に頭を発砲したり、死体を山積みにしたり。まるで、人間を害虫か何かと同じように淡々と撃っていく様子は、異常な光景です。
しかし、そのアウシュビッツ強制収容所を筆頭としたユダヤ人が収容された施設では、更に劣悪な環境がありました。ですから、それを細かく描写できないのです。あまりにも恐ろしすぎて、映画として成立しない。恐らく映倫(日本国内で上映する場合は映倫の審査が必要であり、映画にも映倫マークが表示される)の許可も下りないのではないでしょうか。
ですから、この『サウルの息子』という映画では、第二次世界大戦中のアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所を舞台に、彼がその中で息子を探しているというシナリオで、施設をうろうろとうろつく様子が描かれます。そうなれば、『背景』にそういう光景が映りこんでしまうのは『自然』ですからね。明らかに様子がおかしい異常な光景が次々と背景で流れているのに、淡々と息子を探します。ここまでくれば、本当にこの映画で見せたいのはサウルのそれではなく、『背景で行われていることなのだ』ということが伝わってきます。
しかしその場合も、薄いモザイクのようなぼかしが入っていて、完全には見えないようになっています。これが限界なのでしょう。こういう場所は、もう二度とあてはならない。その意味で、この映画もここに該当するかもしれません。
10.『トレーラー』
トレーラーが出てくる映画がある。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『ギルバート・グレイプ』
- 『スナッチ』
- 『ティン・カップ』
- 『ジオストーム』
- 『ブラッド・ファーザー』
- 『8mile』
- 『カリフォルニア』
- 『ブルーに生まれついて』

ジュリエット・ルイス演じるベッキーがトレーラーでやってきて、グレイプ一家と知り合う展開がある。

ブラピ演じる天才的なボクシングの腕を持つミッキーが、トレーラーハウスに住んでいる。

「ティン・カップ」という愛称を持つ、プロゴルファーのロイ。彼はゴルフの素晴らしい才能を持っていたが、大胆な賭けを望むその性格が災いして、現在は地位も財産も失い、トレーラーで落ちぶれた生活を送っていた。
ジオストーム
システムの総責任者であるジェイク・ローソンは、緊急時に上司の承認なしに異常気象を防いだためにアメリカ合衆国上院の査問会に呼び出され、査問会の議長を務めバージニア州知事を罵倒してしまう。職を失ったジェイクは妻と離婚し、フロリダ州でトレーラー暮らしの怠惰な日々を送っており、訪ねてきた弟の誘いを一度は断るが、ICSSに戻ることを決める。

元犯罪者のジョン・リンクは血生臭い世界から足を洗い、現在はトレーラーハウスでアルコール中毒のリハビリをしながら暮らしていた。

デトロイトを舞台にした、「史上最も売れたアーティスト」の1人であり、史上最も売れた男性ラッパーであるエミネムの半自伝的な作品で、彼の初劇場主演作である。彼もトレーラー暮らしをしていた。

殺人鬼の心理に興味を抱くルポルタージュ作家の男が、恋人の写真家と共に連続殺人犯の犯行現場を取材しながら憧れの地カリフォルニア州まで旅する計画を思いつく。経済的な事情で『相乗り』のアイディアで割り勘として旅をしようとするが、この乗せた男が普通ではなかった。その男はトレーラーである事件を起こした。

若き日のマイルス・デイヴィスを自分のバンドに起用したこともある伝説のジャズサックス奏者チャーリー・パーカーの音楽と生涯を描いた伝記作品である。ここでもトレーラーで暮らすシーンがある。

日本ではほとんどない光景ですから、トレーラー暮らしは逆に憧れますね。しかしそれはないものねだりで、実際にここで生活することは苦痛なのでしょう。それは、多くの映画を観てきて『トレーラー暮らしさ』というセリフがあるシーンは、ほとんどすべて自虐的です。キャンピングカーとも似ていますが、ちょっと違う印象ですね。キャンピングカーなら『ロングロングバケーション』や、高倉健の遺作となった『あなたへ』などもここに挙げられます。
11.『占領地』
占領地に関連する映画をピックアップ。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『セデック・バレ 第一部 太陽旗、第二部 虹の橋』
- 『KANO 1931海の向こうの甲子園』
- 『インドへの道』
- 『ユダヤ人を救った動物園 〜アントニーナが愛した命〜』
- 『太陽の帝国』
- 『ヒトラーへの285枚の葉書』
- 『ヒトラーを欺いた黄色い星』
- 『コレリ大尉のマンドリン』
- 『フランス組曲』

1930年頃。『霧社事件』二部形式で、計4時間半の大作。1930年、日本統治時代の台湾で起こった先住民セデック族による抗日蜂起事件である霧社事件を描く。台湾の映画で、外国が描く日本人ということで貴重な作品である。

1931年頃。台湾は、1895年(明治28年) – 1945年(昭和20年)のおよそ50年ほど日本の統治下にあった。『大日本帝国』である。その時間は歴史にしてほんのわずかだが、しかし確かに存在した。そして、こういうドラマがあった。これは本当の話である。

第一次大戦後の英国の植民地インドのチャンドラボアへ、英国娘が婚約者で治安判事の男を訪ねて来訪する。だが、まず植民地というだけで両者の関係は良好とはいえない。そしてその時期はちょうど、インドが独立する機運が高まってきていた時期だった。第一次世界大戦が終わった直後、イギリスがインド支配に躍起になっていたのは、イギリス自体もその体制を維持するために追い詰められていたからだった。

第二次世界大戦中、当時ヨーロッパ最大のワルシャワ動物園の園長であるジャビンスキ夫妻が、ゲットーにあるユダヤ人強制居住区域に閉じ込められたユダヤ人を動物用の檻や自宅の地下に匿って次々と救出した。ドイツ兵に見つかると自分達の命が危ない状況ながら、怯まずに困難に立ち向かった夫婦の姿を描く。

1937年頃。イギリスの小説家J・G・バラードの体験をつづった半自伝的な長編小説を映画化。大日本帝国時代に捕虜にされたイギリス人の映画はいくつもあるが、クリスチャンベールの子供時代が見られるだけで貴重。更に、物語自体もスピルバーグが監督をしていることもあってクオリティが高い。

ペンと葉書を武器にナチス政権に抵抗した夫婦の実話を基に、ドイツ人作家ハンス・ファラダがゲシュタポの文書記録から終戦直後に書き上げた遺作の小説『ベルリンに一人死す』の映画化。ナチス政権下のドイツ・ベルリンという混沌のど真ん中において、命懸けでヒトラーに対抗する男たちがいた。

ナチス・ドイツ時代、ベルリンでホロコーストを免れて身分を隠しながら生活し、秘密警察ゲシュタポの捜査や監視の目をすり抜けて終戦まで生き延びた約1500人のユダヤ人の実話を本人のインタビュー映像を交えて映画化した作品である。

第二次世界大戦下のギリシャ・ケファロニア島はイタリア軍とドイツ軍によって占領されていた。イタリア軍占領部隊の指揮官・コレリ大尉は、マンドリンを背負った大らかで屈託のない人物だった。だが、その惨劇は起きた。これは、とある凄惨な実話を基にした物語である。

1940年、ドイツ占領下にあるフランスの田舎町にナチス・ドイツがやってきた。戦争中は民家に敵でも味方でも、プライベートにずかずかと軍人が土足で入り込んでくる風潮がある。その女性はもちろん煙たい顔で、ナチスの軍人を嫌った。だが、彼らにはとある共通点があった。それは、ピアノだった。

占領地ということで言うと、現在の日本はどうでしょうか。いつもそういう話がテーマになりますね。米軍基地の問題がたまにニュースになります。それは『抑止力』だという話もあります。しかし、『占領だ』という話もあります。第二次世界大戦で日本が暴走し、それを止める為に連合軍と戦争になり、核爆弾が落とされたことは事実です。GHQによって天皇に関する考え方を矯正されたのも事実です。よって、日本は米軍によって『監視』されていると考えてもおかしくありません。
米軍基地があることは、そこまで不自由な思いはありません。ただ、沖縄を筆頭とした実際に基地があるエリアに住む人々からしたら、不自由でしかありません。どちらにせよ言えるのは、ロシアがウクライナ侵攻したとき、ウクライナ人に対してやったことは未来永劫許されることではないということ。この世界のすべての占領地で同じことがあったとしたら、同じことが言えるということです。
12.『ピザ屋』
ピザ屋を舞台にした映画がある。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『ミスティック・ピザ』
- 『ドゥ・ザ・ライト・シング』
- 『殺したいほどアイ・ラブ・ユー』

コネチカットの田舎町にあるピザハウス「ミスティック・ピザ」で働く3人の若い女性の一夏の恋模様を描いている。

主人公の黒人ムーキーはイタリア系アメリカ人サルの経営するピザ屋で働いていた。しかしある日ちょっとしたことからムーキーの周辺でトラブルが起き、それが人種間の衝突といえる暴動に発展してしまう。1999年、アメリカ国立フィルム保存委員会に「文化的・歴史的・芸術的にきわめて高い価値を持つ」ことが認められ、アメリカ国立フィルム登録簿に永久登録される実力を持っている。

1984年にペンシルベニア州アレンタウンで実際に起こった、浮気性の夫を殺そうとした妻の殺人未遂事件を基にしたコメディ。ワシントン州タコマでピザ屋を営むジョーイが主人公。

ピザ屋というのもかなりニッチな話ですよね。日本からすると特にそうなります。ただ、日本にとって寿司やてんぷらが当たり前のようにあるように、海外ではピザが当たり前のようにあります。我々はピザを宅配で食べることが王道ですが、彼らにとってはそれだけじゃなく、ピザ屋で外食として食べるということも当然ということなんですね。そういう文化があるのなら、そういう場所が舞台になる映画もあっておかしくありません。
13.『様々な精神病棟』
精神病棟を舞台にした映画がある。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『12モンキーズ』
- 『レナードの朝』
- 『シャッターアイランド』
- 『17歳のカルテ』
- 『カッコーの巣の上で』
- 『ローズの秘密の頁』
- 『パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー』
- 『アサイラム 監禁病棟と顔のない患者たち』
- 『ニーゼと光のアトリエ』

2035年。全人類の99パーセントが未知のウイルスによって死滅し、生き残った人類は地下に住むことを余儀なくされた。そこで、タイムマシンで感染症蔓延の端緒だった1996年に向かい、感染初期のウイルス原株を回収してワクチンを作ろうとするが、その時代の人が話を信じるわけがなく精神病院へ。ブラッドピットの怪演が光る名作である。

精神病院とは少しニュアンスが違うが、医師・オリバー・サックス著作の医療ノンフィクション。マウント・カーメル病院に入院していた嗜眠性脳炎の20名に、1960年代に開発されたパーキンソン病向けの新薬L-ドーパを投与した結果が描かれる。

連邦保安官の二人の男が、孤島(シャッターアイランド)にあるアッシュクリフ精神病院を訪れる。この島でレイチェル・ソランドという女性が、「4の法則。67番目は誰?」(The law of 4. Who is 67?)という謎のメッセージを残して行方不明となった。強制収容されている精神異常犯罪者たちの取り調べを進める中、その病院で行われていたマインドコントロールの事実が明らかとなる。

原作は1994年に出版されたスザンナ・ケイセンによる自伝。「カッコーの巣の上で」と比較される事が多いが、本作は原作がノンフィクションである点が異なっている。精神病院にいる様々な女性たちと親交を深めながら、人生を模索していく。

精神異常を装って刑務所での強制労働を逃れた男が、患者の人間性までを統制しようとする病院から自由を勝ちとろうと試みる物語である。世界中に根強いファンがいる名作。

精神病院に40年以上入院していたローズは赤ん坊を殺した容疑で告発されたが、彼女はそれをずっと否定し続けていた。精神病院が取り壊されることになったため、ローズの再鑑定を依頼されたグリーン医師は彼女を転院させるべきか否か決断できないでいた。

実在の医師パッチ・アダムスの自伝映画。彼は後に『真の医者』にふさわしい人間に育っていくが、最初まず彼は、精神病院に入院しているところから始まる。

エドガー・アラン・ポーが1845年に発表した短編小説「タール博士とフェザー教授の療法」を原作としている。世界初の推理小説作家である稀代の作家が作り上げたミステリーを思う存分楽しみたい。

精神病院が患者を人間扱いしていなかった時代に活躍した女性精神科医ニーゼの苦闘を描いたブラジル映画。

精神病院は怖いイメージがありますが、それはやはりパニックになって叫んだり暴れたりして、社会不適合である行動を取る人がいるからです。社会において、そのような人がいると町の秩序が乱れますからね。事実、あまりにも逸脱した人はその思想の延長線上で奇行に走ることがありますからね。人が死んでしまうことも多々あります。
14.『霧』
場所ではないが、霧に関する映画をピックアップ。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『ミスト』
- 『レッドクリフ』
- 『海にかかる霧』
- 『砂と霧の家』
- 『ドリームキャッチャー』

平凡な一日になるはずだった。だが、急に謎の濃霧が街を襲った。霧が濃くてよく先が見えない。もちろん最初はそれを強行突破して家に戻ろうとする人が現れる。だが、『それ』は現れた。

西暦208年、曹操率いる20~80万の魏軍に対抗するため、劉備の『蜀(しょく)』、孫権の『呉(ご)』が手を組むことになる。だが、それでも劉備・孫権の連合軍はわずかに5万という劣勢であった。この中で諸葛亮孔明が『草船借箭の計(そうせんしゃくせんのけい)』と言われる計略を見せるシーンがある。それは、濃霧を操り、敵に自軍が巨大であるように見せる戦略的行動だった。

2001年に起きたテチャン号事件を戯曲化したものを、映画監督のポン・ジュノのプロデュースにより映画化。衝撃的な死に方をする人々が描かれる。

アメリカ人とイラン人が、一つの家をめぐって問題を起こす。これは中々深い話で、『チェンジングレーン』という映画と併せて観ることで、この映画の奥深さをより思い知ることができる。

スティーヴン・キングの『IT イット』『スタンド・バイ・ミー』『トミーノッカーズ』といった作品群をごちゃ混ぜにし、軍内部の対立も描いたバディ・SFホラーアクション。

また、『夜と霧』というホロコーストで悲惨な体験をした人の本には、ナチスの強制収容所の想像を絶する経験について書かれています。ある夜、霧にまみれてその者たちはやってきて、彼らを連れ去ったのです。関連映画は『シンドラーのリスト』や『サウルの息子』等となるでしょう。しかし、その実態を正確に描写する映像作品はありません。サウルの息子のように、『背景で何かが行われている』という描写をするのが限界なのです。
15.『川』
川に関連する映画をピックアップ。
今回配合するレシピはこちらです!
- 『彷徨える河』
- 『アギーレ/神の怒り』
- 『アフリカの女王』
- 『リバーランズ・スルー・イット』
- 『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』
- 『ハドソン川の奇跡』
- 『チェイシング 追跡』
- 『マイ・フレンド・フォーエバー』
- 『借りぐらしのアリエッティ』
- 『素晴らしき哉、人生!』
- 『アインシュタイン:天才脳の行方と秘密』

実在の学者リチャード・エヴァンズ・シュルテスとテオドール・コッホ=グリュンベルグの手記を基にしたドラマ映画で、20世紀初頭のアマゾンを訪れた学者と原住民の奇妙なロードトリップを描く。彼が途中で遭遇したのは、『衝撃的』な文化を持つ集団だった。

1560年、キトからアンデスの山に向かっていたスペインの探検隊はゴンサロ・ピサロによる指揮のもと、伝説の都市エル・ドラドを発見しようとしていた。エンタメ性は全くない地味なアマゾンの川下りがメインとなるが、なぜか哀愁ある奥行きを見せてくれる作品である。

1914年。イギリス人のオールドミスである女性が宣教師の兄とともに、ドイツ領東アフリカの奥地で布教活動をしているところから始まり、アフリカの女王号というおんぼろ小型貨物蒸気船で川下りをする展開がある。
リバーランズ・スルー・イット
1910-1920年代のアメリカのとある家族がメインとなるのだが、舞台となったモンタナ州の雄大な自然(特に川)とフライ・フィッシングの美しい描写で、第65回アカデミー賞では撮影賞を受賞。自然を感じる映画である。

日本が舞台となったアメリカの3Dストップモーション・アニメーションを用いたファンタジー・アクション冒険映画。この映画でルーニー・マーラが声優を務めるヴィランが現れるシーンの前に、川に灯籠を流すようなシーンがある。

2009年に起こり、奇跡的な生還劇として知られるUSエアウェイズ1549便不時着水事故、通称“ハドソン川の奇跡”と、その後の知られざる真実を映画化。だが彼の行動について首をかしげる専門家らがいた。

この映画はかなり難解な映画で、子供向けではない。最後に、川に死体を流す青年の姿が映る。別のレシピで本格的にまとめている。

エイズをテーマにした子供たちの友情を描く。この映画のラストの哀愁は、忘れられない。全体を通して、『川』が一つの鍵となる。

儚い恋に、切ない別れ。アリエッティは最後どういう思いで、あの川を渡ったのだろうか。

この映画である男が保険金を得ることを考えて川に向かうという、重要なシーンがある。

これはアインシュタインのドキュメンタリー映画だが、この映画では描かれないが、彼の最期は『川』だった。アインシュタインはユダヤ人『ではなかった』から、葬式では踊りも歌もなく、牧師もおらず、人数もわずか12人だった。そして遺灰は近くのデラウェア川に流した。

川も海も、そこまで違いはありません。近くにあるかどうかということがポイントでしょう。アインシュタインの家の側にはデラウェア川があり、『マイフレンドフォーエバー』の彼らの近くにも川があった。しかし、『あなたへ』の高倉健の妻の実家には漁港、つまり海があった。石原裕次郎や、石原慎太郎も海が好きだった。だから散骨は海で行った。ただそれだけのことです。
しかし、川を見ていると何とも言えない感覚に包まれますね。ですから、そこに自分の骨を流したくなる気持ちはよくわかります。そこに流せば、『世界』に流れていくような気がするんです。そして、自分はその『世界』で生まれた。そして最期はそこに還っていくという、そういう神妙な気持ちになるのかもしれません。
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