古代ギリシャ哲学者 ソクラテス(画像)
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内省
実践と経験をしなければ美徳は習得できない。本を読むだけでも、机の前に座ってあれこれ考えているだけでもダメだ。ましてや、それすらもやっていない者など、論外である。生涯、徳など身につかないだろう。もっとも、そんな人間はほとんどいないのだが。
『知行合一』という言葉がある。たとえ知識があっても、たとえ知っていても、行動できなければ、行動が伴わなければ、それは『知識がある』ことにはならない。『知っている』ことにはならないのである。
ここに2人の部下がいたとする。上司である自分が、2人を含めた部下を集めて、集会を開き、助言、説教をする。

身の回りの整理整頓が、理路整然とした人生の生き様に繋がっている。自分たちの人生を刹那的ではなく、建設的に考え、立派な人間になれ。
1人目の男は、目が合うたびによくうなづいて見せ、メモを取るような仕草を見せる。2人目の男は、目が合ってもそういう行動はとらない。ただじっとこちらを見ているだけである。
さて、それから数日後、部下の様子を見に現場にやってきた。1人目の男のデスクは、なんと以前と同じく散乱していた。今日もその調子のよさで、女子社員と話を弾ませている。2人目の男のデスクは、以前とは違って整頓されていた。彼も当然男だが、仕事と遊びのメリハリをつけられるようになったように見受けられる。さて、この2人の男、『話を聞いていた』のはどちらだろうか。
一見すると、話を聞いていたように見えるのは、明らかに前者。だが、実際に話を理解し、真剣に受け止め、実践したのは後者だった。『知行合一』の意味も、ソクラテスの言葉(弁明)もそれと同じだ。人間の美徳は、すべてその実践と経験によっておのずと増え、強まるのである。『百聞は一見にしかず』そして、『百見は一行(行動)にしかず』である。
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