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寺山修司『なみだは人間の作るいちばん小さな海です。』

偉人たちの言葉に潜む『黄金律』を見抜け

[say name=”偉人” img=”https://a-inquiry.com/health/wp-content/uploads/2019/03/人物アイコン.png”]日本劇作家 寺山修司[/say]

[say name=”運営者” img=”https://a-inquiry.com/health/wp-content/uploads/2019/03/シャーロックホームズアイコン1.png” from=”right”]ふむ…。[/say]
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目次

考察

『海』とは、古くから『生命の源』であるとされてきた。実は海ではなく、最初は水たまりの様な『淡水』だったという最新情報もあるが、それは今はあまり関係ない話だ。 とにかく水から生まれたのだ。生命にとって水とは、切っても切れない永遠のパートナーである。

 

そこから、生まれた。そこから、命が生まれた。そこから、物語が生まれた。物語の起因だ。それが、『母なる海の水』である。

 

涙という小さな海の水も同じだ。

 

海の水

 

それは、高潔な一つのドラマがそこに在った証拠だ。この、虚無たる宇宙の片隅にある一つの惑星の中で、確かに生まれた、崇高な物語。それは、奇跡だ。闇夜に注ぐ、一片の光だ。

 

私は決して泣かない。かつて泣き虫だった幼少期の頃に、両親から揶揄にも似た形でそれについて厳しく言われたことが原因で、神に(自分の人生から涙を消し去ってくれ)と懇願したほどだ。

 

クリスチャンであることを強要され、それを心底嫌がった私が、神にそう祈った。それは、並々ならない思いがそこにあった証拠である。

 

クリスチャン

 

それから数年が経った。私は血も涙もない非常な人間になった。両親に迷惑がかかっても『復讐が成功した』としか思わない、鬼の心を持つような人間になった。しかし、私は少しやりすぎた。度が過ぎた反抗によって、事態は類稀なものになった。

 

その後、父が肝臓がんで死んだ。余命3か月と聞いたときは、実は(勝った!)と思った自分がいた。相手も精神的にこちらを揺さぶり続けていた。いやだいやだとあれほどまでに言ったのに、何度も何度もクリスチャンであることを強要する親。

 

そんな『精神的虐待』にも似た負荷を負わされ続けた私は、その仕返しとして、同じだけの精神的負荷を負わせることは、子供ながらに導き出した、当然の結論だったのだ。だから、父親がストレスで肝臓がんになったことを知った時、私はそう思った。戦いに勝ったのは私だと。本当にそう考えたものだった。それだけ私は、追い込まれていたのだ。

 

しかし、いざ自分の親が死ぬと聞いたとき、(勝った!)と思って喜んで、涙一つ流さない自分に違和感を覚えた。

 

(本当にこれでいいのだろうか)

 

そういう思いが頭をよぎった。そして、自分が反抗してきた理由を思い出した。私は、自分らしく、人間らしく生きていきたいと思ってやってきた。それを両親が踏みにじり、まるで操り人形のように私の意思を無視し、ないがしろにしてきたことが悲しくて、ただひたすらに自分の意志を主張するようになったわけだ。

 

(自分の人生は自分で決める。俺は操り人形じゃないんだ。俺は人間なんだ。)

 

そういう強い気持ちが、常に私を衝き動かしていたのだ。

 

だが、その『人間』が実の親が死ぬと聞いたとき、涙一つ流さずに喜んでいる。それが本当に『人間』なのかどうか俯瞰的に見たとき、私は自分の無力さを思い知ったのだ。気づけば私の目には、封印していたはずの涙が一つ、こぼれていた。その涙で堰を切ったかのように、私は今まで封印していた両親への愛を思い出すことになった。

 

封印

 

憎い部分もある。許せない部分もある。だが、『赦す』べきだ。私は彼らに愛情をもって育てられた。その形がどんなものであれ、幼少期に楽しく遊んだあの思い出は、決して忘れることはできない。

 

『なみだは人間の作るいちばん小さな海です。』

 

それは、高潔な一つのドラマがそこに在った証拠だ。この、虚無たる宇宙の片隅にある一つの惑星の中で、確かに生まれた、崇高な物語。それは、奇跡だ。闇夜に注ぐ、一片の光だ。

 

一片

 

 

 

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