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マイケル・サンデル『あなたは路面電車の運転士で、時速60マイル(約96キロ)で疾走している。前方を見ると、5人の作業員が工具を手に路線上に立っている。電車を止めようとするのだが、できない。ブレーキがきかないのだ。』

偉人たちの言葉に潜む『黄金律』を見抜け

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ふむ…。

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目次

考察

マイケル・サンデルの著書、『これからの「正義」の話をしよう』にはこうある。

『暴走する路面電車』

『これからの「正義」の話をしよう(P32)』

 

あなたは路面電車の運転士で、時速60マイル(約96キロ)で疾走している。前方を見ると、5人の作業員が工具を手に路線上に立っている。電車を止めようとするのだが、できない。ブレーキがきかないのだ。顔が真っ白になる。5人の作業員をはねれば、全員が死ぬとわかっているからだ。(はっきりそうわかっているものとする。)

 

ふと、右側へとそれる待避線が目に入る。そこにも作業員がいる。だが、1人だけだ。路面電車を待避線に向ければ、一人の作業員は死ぬが、5人は助けられることに気づく。どうすべきだろうか。ほとんどの人はこう言うだろう。

 

『待避線に入れ!何の罪もない1人の人を殺すのは悲劇だが、5人を殺すよりはましだ』

 

5人の命を救う為に1人を犠牲にするのは、正しい行為の様に思える

 

さて、もう一つ別の物語を考えてみよう。今度は、あなたは運転手ではなく傍観者で、線路を見下ろす橋の上に立っている(今回は待避線はない。)線路上を路面電車が走ってくる。前方には作業員が五人いる。ここでも、ブレーキはきかない。路面電車はまさに五人をはねる寸前だ。大参事を防ぐ手立ては見つからない。

 

ーその時、隣にとても太った男がいるのに気が付く。あなたはその男を端から突き落とし、疾走してくる路面電車の良く手を阻むことが出来る。その男は死ぬだろう。だが、五人の作業員は助かる(あなたは自分で飛び降りることも考えるが、小柄過ぎて電車を止められないことが分かっている。)

 

その太った男を線路上に突き落とすのは正しい行為だろうか?ほとんどの人はこう言うだろう。

 

『もちろん正しくない。その男を突き落すのは完全な間違いだ。』

 

誰かを橋から突き落として確実な死に至らしめるのは、五人の命を救う為であっても、実に恐ろしい行為のように思える。しかし、だとすればある道徳的な難題が持ち上がることになる。最初の事例では正しいと思えた原理(五人を救うために一人を犠牲にする)が二つ目の事例では間違っているように見えるのはなぜだろうか?

 

イギリスの作家、ウィリアム・ヘイズリットはこう言い、

 

スターリンは言った。

 

ここにあるのは『ある種の麻痺』である。

 

 

 

 

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