儒教の始祖 孔子(画像)
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内省
酒が好きだった孔子は2メートル近い大男だったというから、飲む量も半端ではなかっただろう。そんな飲み会やコミュニケーションの場で、孔子が気にしていたのは、老人を敬うことだった。酒は飲むが、決して酒に呑まれることはなかった孔子は、自分の年齢や立場を考えた立居振舞を、しっかりと果たす人間だった。人間の歴史は、人間から受け継がれる。その”人間”とは、自分たちよりも早くに生まれ、この世を生きた人たちだ。
確かに、ジェネレーションギャップはある。だがそれは当たり前だ。表層的なジェネレーションギャップこそは、人間の進化の象徴だ。刀を持ち歩くことが当たり前の時代のサムライが、現代にタイムスリップしてきたら、すぐさま逮捕されるだろう。だが、老人、先人を敬うということはそうではなく、真似をするということではなくて、 ”学ぶ”ということなのだ。
彼らがその時代にどういう生き方を強いられ、どういう理念のもと人生を生き、その結果、どういう良いことと悪いことが起きたのか。それをよく聞いて、まるで不純物をろ過するフィルターのように我々現代人の確かな見識でふるいにかけ、現代に生かし、同じように次の世代へと受け継がせる。これこそは、人類の良き発展への貢献なのだ。
そういう大義ある貢献のやる意義とは、やってみればわかるだろう。子供、後輩、部下、生徒、必ず指導、教育に直面するときがくる。そして幾多の試練を乗り越え、彼らが成長したのを目の当たりにしたとき、思い知るはずだ。まるで、『人生の目的を果たした』。そういう気持ちで、心が満たされることを感じるはずである。それは人間の、いや、生命の宿命を果たした瞬間なのである。
参照文献
郷党第十-十
郷人の飲酒には、杖者出ずれば、ここに出ず。関連する『黄金律』
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